不動産投資に興味がある方は多いと思います。巷には不動産に関するさまざまな情報が飛び交っていますが、実際に始めるにあたって何から準備したら良いのか分からず動けなくなってしまう方も多いのではないでしょうか。このコラムでは不動産投資の始め方についてご紹介します。
そもそも不動産投資とは?
不動産投資とは一般的にいうと、不動産を購入しそれを他人に貸し出すことで継続的に家賃収入を得ることをイメージする方が多いと思います。もちろんそれもありますが、転売時の売却益を得ることを目的に不動産投資を選ぶ方もいます。簡単な例で数年後に近くにリニアモーターカーの発着駅ができることが決まったというような場合に、将来的な土地価格の高騰を見込んで周辺の土地を購入するというのも、不動産投資の方法の1つです。一般的に賃貸収入を得る方法をインカムゲイン、転売時の売却益を得る方法をキャピタルゲインといいます。
不動産投資の対象とはどんなものがあるのか
不動産投資の投資対象としては大きく分けると、マンション(単身者向け、DINKS向け、ファミリー向け)、戸建て、アパート、駐車場、ビルなどが挙げられます。その他にも細かく分けるといろいろな種類の不動産が投資対象となります。
不動産投資は何から始めるべき?
書店で不動産投資関連の書籍を探してみるとたくさんあり、さまざまな方法論が書かれた本が目に飛び込んできます。特によく見かける書籍のなかには、不動産投資は誰でも手軽に取り組めて、しかも簡単に稼ぐことができる手段のように表現しているものも目立ちますが、どのような投資にもいえることですが、収益が上げられる場合も、逆にマイナスになってしまう場合もケースバイケースです。投資判断は慎重に判断し積み重ねていく必要があるでしょう。
不動産投資は、他の投資などとは違い、安く買って高く売ることがすべてではありません。保有期間中の管理ノウハウが収益に大きく影響する投資でもあると覚えておきましょう。不動産は個別性があるため、株式投資などに比べ流動性が低い(簡単に売買が成立するものではない)投資であると考えておいたほうが良いでしょう。
一方、的確な物件購入と管理運営が実現できれば、ある程度の利益予測が立てやすくリターンを生みやすい側面も持ち合わせているといえるでしょう。
まずは書店で何冊か読み、ひと通りの知識をつける必要があります。知識がない状態で不動産会社の営業担当者と話をしても、相手がいっていることが解できず、話が進んでしまい、ご自身の認識と不動産会社の認識が一致しないまま、どこかで問題が起きてしまうかもしれません。トラブルを未然に防ぐためにも、知識は必要でしょう。
不動産投資に必要な知識とは?
前述のとおり不動産投資をするためには事前に関連知識を勉強することが必要となりますが、まず最初に押さえて置くべきポイントは下記のとおりです。
- 実務面:価格判断、収益、売買契約や賃貸借契約、サブリース、管理委託に関する知識など
- 法律面:民法、借地借家法、宅地建物取引業法、建築基準法、商法など
- 税務面:所得税法、法人税法など
上記から多くの知識、法律が関わってくることがお分かりになるでしょう。必要なことは事実ですが、百聞は一見にしかずの精神でまずは、ひと通り学んでみることから始めてみましょう。
不動産取引の流れを掴む
それでは具体的に不動産投資を進めるうえでの流れや手順を大まかに見ていきましょう。
①物件情報を探す
まずは、希望条件に合った物件があるかWEBサイトを利用して物件情報を見ていきましょう。エリア、最寄り駅、築年数、部屋の大きさ、利回り等で詳細を絞り込みながら、お目当ての物件を見つけてみましょう。気になる物件があれば、不動産会社に連絡とってその物件が購入できるか確認してみましょう。
②内覧を行う
現況を確認するために物件の内覧を行います。物件が入居中であれば、基本的に室内を見ることはできないので、外観のみの確認となります。
③購入申し込みを行う
検討した結果、物件を購入する意志が固まった場合は、書面で購入申し込みを行います。価格や物件の引き渡し時期などの交渉は、原則このタイミングで行うことになります。
④事前審査を受ける
金融機関からの融資を利用して不動産を購入する場合は、契約締結前に融資の可否について事前審査を受けます。なるべくその後の手続きがムダにならないようにするためです。
⑤重要事項説明を受ける
購入しようとしている物件についての重要事項説明を受けます。本当に購入して問題のない物件なのか確認が必要です。
⑥不動産売買契約を締結する
重要事項説明を受けたうえで、購入する意思が変わらなければ売買契約を締結します。「契約において手付金を交付すること」と記載されている場合には、このタイミングで買主から売主に手付金が交付されることになりますのでよく契約内容を確認して進めましょう。
⑦不動産投資ローンの審査を受ける
ここからは自己資金での不動産購入ではなく、不動産投資ローンを利用する場合、不動産売買契約を締結したら金融機関の融資審査を受けます。ここでポイントは、不動産売買契約に住宅ローン特約を盛り込んでおくことです。特約として「買主は、融資の全部または一部が否認されたときには本契約を解除することができる」と不動産売買契約の解除条件を予め明記し契約しておくことで手付金を放棄することなく、不動産売買契約を解除することが可能です。
⑧金銭消費貸借契約を締結する
本審査を通過したら、金融機関との間で金銭消費貸借契約を締結します。金銭消費貸借契約とは不動産投資ローンの借り入れに関する契約のことです。なお購入する不動産に抵当権の設定が必要になります。
⑨決済および引渡し
売買残代金を支払う(決済)とともに売主から不動産および所有権移転登記に必要な書類の引渡しを受け、不動産売買取引は完了します。
どうやって物件情報を集めたら良いのか?
物件情報の集め方は、インターネットを使ってご自身で探す方法と不動産会社に依頼して探してもらう方法の2種類があります。それぞれの方法について見ていきます。
①インターネットを使って探す方法
収益物件がたくさん掲載されている、いわゆる「物件情報サイト」を利用して、希望条件に合った物件情報をご自身で探していく方法です。インターネット検索で「不動産投資 物件」などと検索してみると、大手の物件情報サイトが出てきますので、情報量の大きなWEBサイトから調べてみると良いでしょう。各社で掲載基準が異なるため、あるWEBサイトでは掲載があるが、もう一方のWEBサイトには掲載されていない場合もありますので、数社のWEBサイトを確認してみるのと良いでしょう。
②不動産会社に依頼して探してもらう方法
不動産会社に依頼して希望条件に合った物件情報を探してもらう方法です。不動産会社は、「レインズ」を利用して、売りに出ている物件のなかから希望に合った物件を探してくれます。
ちなみにレインズとは、不動産流通ネットワークシステムのことで「Real Estate Information Network System(不動産流通標準情報システム)」の頭文字をとってレインズ(REINS)といわれています。
レインズとは、不動産取引の適正化と円滑化を目的として、国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営しています。このレインズは、不動産流通機構を構成する各不動産会社が閲覧可能で、登録されている不動産売り出し案件を検索することができます。
不動産を売却する際、不動産仲介会社と媒介契約を結びます。不動産媒介契約には「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」「一般媒介契約」という3つの媒介契約があります。その中で、レインズに登録義務がある物件は「専任媒介契約」と「専属専任媒介契約」です。「一般媒介契約」に関しては「任意」となっています。
一般媒介契約の物件などの情報は、各不動産会社が個別に持っている物件情報になりますので、それらも含めて物件を探すと選択肢が広がるでしょう。
不動産投資は物件選びがカギ
不動産投資の最大のポイントはどの物件を選ぶかです。どんなに勉強して知識をつけても、物件を選ぶ物差しの尺度がずれていたりして、良い物件と出会うことができなと、結局、入居者の募集に苦労したり、修繕がかさんだりと手間が発生してしまいます。
また、空室や滞納などのリスクも不動産投資につきものです。不動産投資を行う物件選定時に、ファミリータイプではなく、ワンルームタイプであまり個別性が弱い物件を選択したり、首都圏などの人口が多いエリアで駅が近いなどの利便性が良い物件を選択するなど、なるべく需要が見込める物件を選ぶのが良いでしょう。滞納リスクには、自然人の連帯保証ではなく、家賃保証会社の利用を条件に貸し出すなど、リスクを極力抑制する方法もあります。
また、不動産は、「管理を買え」というように、購入した以降の管理いかんによって不動産の価値は大きく変わってくるといわれています。ですので、不動産管理に精通しており業歴も長く信頼できるところに任せるのが良いでしょう。
なお、不動産売買から不動産管理まで一貫してグループ企業内で運営している企業の方が、建設・販売から管理まで一貫した体制で行っているため、オーナーとして、情報提供が不足していたとしても、不動産会社内で情報共有もされやすいでしょう。
不動産投資にご興味ある方・詳しいお話を伺いたい方は、こちら。
(リンク先は、株式会社FJネクストが運営しています。)
不動産小口化商品からまずは始める
また、ご自身で物件を選択する自身がない、購入後の管理の手間などもかけたくないという方や、不動産投資に慣れたいという方には、不動産小口化商品という選択肢もあるでしょう。
不動産小口化商品とは、特定の不動産を、小口に分けて、一口単位から購入しやすくした商品です。購入した口数に応じて、不動産の賃料収入や売却益を出資した方に分配する仕組みです。
不動産小口化商品は、現物不動産とは異なり、自身の資産に合わせて小口化された持分を購入できる点がメリットであり、少額から始めることができます。また、投資する不動産についても、募集中の案件のなかから、投資する案件・物件を自由に選択することができます。なお、任意組合方式の不動産小口化商品の場合、J-REITの市場で売買される証券を買うこととは異なり、あくまで現物不動産の持分割合に通じての出資となり、不動産オーナーとして運用に参画できます。
投資した以降、管理の手間もかかりません。任意組合が責任もって出資した方に代わり管理・運営を行いますので、手間がかからないのも、現物不動産の投資とは異なる利点です。
また、任意組合出資の方式で運営されている商品は、購入した割合に応じて不動産を持分所有することになります。この場合、税務上、現物不動産への投資と同様の扱いとなることから、相続税評価額についても現物不動産の持分所有と同じ方法で算出します。
不動産の相続税評価額は、土地は路線価方式(または倍率方式)、建物は固定資産税評価額に基づき現物不動産と同様に算出します。現金で資産を保有しているよりも不動産小口化商品を購入し不動産持分として資産を保有しておくことで相続税の圧縮が期待できます。
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おわりに
いかがでしたでしょうか。投資にはリスクがつきものです。もちろん、不動産投資にもリスクは存在します。不動産投資で成功するためには事前にしっかりと勉強することが必要となり、様々なリスクの存在を認識しておくことが非常に重要となります。リスクが分かれば対処法も検討可能です。まずはご自身に合った投資手法なのか検討してみてから始めることをおすすめします。