50代は多くの人にとって変化の多い時期。「子どもの成長」「親や実家の心配」「健康や老後への不安」など、前もって考えなくてはならないことがたくさんあります。でも、日常生活に流され、なかなかじっくり考えられない、できれば考えたくない現実。
しかし、なんとなく過ごしていると、なんとなくの後半人生を迎えることになってしまいます。気力も体力もある今こそ、まずは人生の棚卸しをして、「これからどのように過ごすか」という課題に真剣に向き合い、快適な毎日を手に入れていただきたいと思います。そのためにはまず家全体のお片付けがおすすめ。とはいえ、家全体ともなると膨大すぎて何から始めたらいいのかわからない。では、プロに依頼するとしたらどうなるの?という方のために、『美的収納』という片付け術に出会ったことで、人生をより一層輝かせた方々に登場していただきます。
今回は趣向を変えて、「美的収納・朝活」と題して朝30分のzoomでお片付けを一緒に主催している美的収納プランナーの寺本里美と対談しながら、参加されている皆さまにどのような変化があったのかを振り返りました。
1. 時間がない、苦手だからこそ、一緒にやる
湯淺―コロナ禍に美的収納で何かできないかと生まれた「朝活」も一年以上ご愛顧いただき、嬉しい限りですね。
寺本―本当にありがたいですね。「美的収納・朝活」というのは、ほぼ毎朝9:30から10:00までの間に30分間、zoom上でお片付けをしていただき、私たちがアドバイスをするという活動です。週2回、夜もやっているので、30日以上開催しているといえます。
湯淺―計算すると1ヵ月で15時間も片付けに勤しんでいるということになります。
寺本―はい。まとめて15時間も片付けたら、ヘトヘトですよね。
湯淺―30分って、意外と長いのです。
寺本―コツコツやり続けると、成果が出ます。
湯淺―ご参加の理由として、「お片付けが苦手」「腰が重い」「やってもやっても終わらない」「つい後回しにしてしまう」というお声が多くありました。それを仲間でやる、あるいは私たちプランナーが寄り添うことで、続けられる。リピーターの方も増えていますよね。
寺本―はい。仲間がいることで励みや楽しみになるようですね。
湯淺―それから気になったのが「片付け方がわからない」「片付けられない自分が情けない」と言う方が多い。「片付け方がわからない」は、当たり前のことなので、皆さん落ち込まないでくださいね。
寺本―誰もやり方を教えてもらっていないですものね。
湯淺―はい。私たちも知りませんでした!ご自身を責めないでください。
寺本―美的収納メソッドを学んでいただければ、片付けられるようになります!
2. 単なるお片付けタイムではない?
寺本―「ただ捨てる」のが苦手な方のために、時間中にメルカリの出品サポートもしています。メルカリのおかげでお片付けがサクサク進んだ例も多いですよね。
湯淺―30分という時間の中で、本を何冊出せるかを楽しんだりして。
寺本―メルカリを始めたばかりで、不用品がいきなり何万円にもなった方は、「これで朝活にずっと出られる」と喜んでいらっしゃいました。
湯淺―メンバー間で取引が成立したこともありました。出品する前に「それ私が欲しいです!」と。笑
寺本―信頼し合えるお仲間になっていらっしゃいますよね。嬉しい限りです。嬉しいといえば、最初は恥ずかしいからと、バーチャル背景でお部屋の中を見せないようにされていた方も、すぐにリアル背景にされる方がほとんどですよね。
湯淺―恥ずかしいことは何もないです!どんどん見せて、どんどん質問して!という気持ちです!
寺本―私たちもアドバイスがしやすいです。
湯淺―「朝活」は1ヵ月ごとのサブスクで、期間中は何回でも参加可能なのですが、毎日のルーティンのためにご利用されている方もいらっしゃって、なんだか家族のような気持ちになりますよね。
寺本―初めての方でも何故かすぐに馴染んでいらして。
湯淺―全員がお片付けに集中される日もあれば、どなたかの一言で座談会のようになったり。
寺本―お片付けのことよりも、お子さんやパートナーとのお悩みだったり、それぞれのお仕事の内容だったり。
湯淺―手が止まってしまうのは申し訳ないのですが、結果有意義な時間になる。
寺本―環境を整えることは、暮らし全般につながっているので、話しやすくなるのでしょうね。
湯淺―心の中のモヤモヤを吐露してくださったり、家事のアレコレについてお聞きしたり。
寺本―「洗濯問題」について皆さんで考えてみたこともありました。ある方が、何故か洗濯に時間がかかる、と呟いたことがあり、「どうしたい?」→「9時までに干し終わっていたい」→「お洗濯は何回?」→「2回」→「1回目と2回目の間にモヤモヤがありそう!→起きた時に1回目の洗濯が終わっているのはどう?」→「起きてすぐに干して、洗濯機が空になっていたら、2回目がスムーズかも?」→「よし、予約洗濯にチャレンジ!」というように。
湯淺―スポンジ問題から教育問題までお喋りしながら、片付ける。楽しいし、どんどん「好きなもの」やライフスタイルが確立されているような気がします。
3. 1ヵ月で120袋分の不用品を手放した!
湯淺―特に記憶に残るエピソードはありますか?
寺本―食器をたくさんお持ちの方が、朝活に参加することで「本当に好きなもの」だけに厳選されました。お母さまから受け継いだものもかなり手放されたことに驚きました。「今、ここで判断しなければ、いつまでも片付かない」というお気持ちだったのか、迷いはなさそうでした。
湯淺―皆さん素直に取り組まれています。夜活で「出番のないスーツを手放そうかな」とおっしゃっていた方に、「ぜひ明日の朝活に着て来てください!」と言ったら、本当にスーツで登場されて!「仕立てもいいし、やっぱり好き。でも着る機会がない」とのことだったので、「ジャケットとして普段使いにしたらどう?」とお仲間と提案したら、ファッションショーになったことがありました。
寺本―可愛らしいですね。
湯淺―しかも、翌日リアルでお会いする約束をしていたのですが、そのコーディネートでいらしたのです。迷ったら試してみる。とても大切なことですよね。
寺本―美的収納って、やはり単なるお片付けではないですね。ビデオテープが沢山出て来たけれど「中身を確認することができないので、DVDにするか悩んだ末に思い切って処分を決めていた方もいらっしゃいました。「捨てましょう」ではなくて、お客さまと問答をするのが、私たちの役割です。
湯淺―「いつも何を飲んでいますか?」との質問に「紅茶やコーヒーは飲まない」「来客はない」と答えることで、カップ&ソーサーはなくても良いのだと気づかれた方もいらっしゃいました。
寺本―ライフスタイルを振り返ることで、厳選の基準ができます。
湯淺―衝撃的な出来事といえば、過去に受けたお洋服のカラー診断が間違っていたことが判明した方が、1日でオータムカラーの服を全て手放されたことがありました。
寺本―朝活初の男性のお客さまが初回30分でゴミ袋2つ分もの不用品を出されていたのですが、拍車が掛かり、なんと1ヵ月で120袋分も手放されて驚きましたね。
湯淺―早急に片付ける理由があったようですが、それにしても頑張られましたよね。私たちはほとんど何もしていないのに、とても感謝されてしまいました。
寺本―窓拭きをする方、写真の整理をする方、シルクのお布団が出てきて喜ぶ方。ご主人が協力的になった!お子さんたちが知らないうちにお片付けしてくれていますというお声もいただいています。
皆さまから、美的収納・朝活に参加しないとできないとおっしゃっていただいています。
湯淺―自治体のゴミの捨て方を調べたり、収納用品をお伝えしたり、買取業者さんを紹介したり。サポートできることはたくさんあります。
4.朝活から進化する行動力
湯淺―皆さまとリアルにお会いする機会も増えましたよね。お仲間の木村万紀子さんをお招きして、「レシピのいらない料理術」レッスンを開催していただいたときには「やっと会えましたね」と、喜びもひとしおでしたね。みんな揃ってお料理の腕も上がりました!
寺本―プロから学ぶ「メールの整理レッスン」や、「住まいのお掃除質問会」もしましたね。
湯淺―そのような機会を今後は増やしていきたいです。それから、一周年を機に、お片付け以外にもいくつか「習慣化したいこと」にチャレンジしていただくことにしました。
寺本―ご希望の方にオリジナルのリストをお配りして、毎日○✖️をつけていただく。仲間がいるからできることってありますよね。私はやりたいことがあり過ぎて、早起きをすることにしました。
湯淺―素晴らしいですね!先ほどの「お洗濯に時間がかかる」とお悩みの方も、リストに入れたことで、朝9時までに終わらせることができるようになったそうですよ。私も床の水拭きは続けています!英語の勉強は進まないので、YouTubeを皆さんで見る時間を設けたいなと思っています。
寺本―皆さんを巻き込んで、私たちも楽しく暮らしたいですね。
湯淺―私もそう思います。これからもよろしくお願いします!
5.今回の美的収納 3つのポイント
① 「つい後回しにしてしまうこと」はプロに伴走してもらう!
② 美的収納プランナーと問答すると、家に「迷うもの」がなくなる!
③ お片付けは、暮らしのすべてをブラッシュアップさせる原動力になる!
(聞き手:美的収納プランナー 湯淺真理子)
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