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FXの危険性とは?基本の仕組みから気軽にできる投資サービスまで詳しくお届け

FXの危険性とは?基本の仕組みから気軽にできる投資サービスまで詳しくお届け
セゾンのくらし大研究 編集部

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セゾンのくらし大研究 編集部

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資産運用を開始しようと検討している方の中には、FXに興味を抱いている方も多いと思います。FXは人気の資産運用の1つですが、仕組みがよく分かっていない状況で投資を開始すると、大きく資産を減らす恐れがあるので注意が必要です。

この記事では、FXの概要、魅力、リスク、向いている方・向いていない方などについて解説します。FXに興味を抱いていて、始めてみたいと考えている方は是非参考にしてください。

この記事でわかること

FXは、平日および祝日(元日除く)であればほぼ24時間取引できます。そのため、日中忙しいサラリーマンや子育てに忙しい主婦も空き時間に気軽に取引できるので人気の資産運用のひとつです。為替差益を狙うだけでなく、スワップポイントという通貨間の金利差を受け取ることもできるため、まとまった利益、安定した利益のどちらも狙うことができます。しかし、FXは元本が保証された資産運用ではありません。最悪の場合は資産を大きく減らす恐れもあるため、リスクもしっかり理解してから投資を始めましょう。

1.FXとは?まずは概要をチェック

資産を増やすために、株式投資や不動産投資といった資産運用をおこなっている方も多くいます。FXも資産運用の1つで、FX取引をしている方も多いため、どのような投資方法なのかを詳しく知りたい方も多いと思います。

FXの概要やルール、利益が得られる仕組みなどを詳しく見ていきましょう。

1-1.FXの概要

FXとは、「Foreign Exchange」の略称で、日本語では「外国為替証拠金取引」と訳されます。外貨を売り買いして、売値と買値の差益を得ることを目的とした取引です。

2つの通貨を交換する取引を行うことで差益を得るというのがFXの基本的なルールです。売買を頻繁に繰り返すのではなく、長期間保有することで通貨間の金利差を得るという方法もあります。

1-2.FXで利益が得られる仕組み

FXで利益を得る方法は大きく以下の2つに分かれます。

  • 為替差益
  • スワップポイント

 ・為替差益

為替差益とは、為替レートの変動を利用して得られる利益です。例えば、1米ドルが100円のときに、100万円分の日本円で米ドルを買ったとします。このトレードでは、トレーダーは1万米ドルを取得します。仮に1米ドルが120円になったときに、先ほどの1万米ドルを売って、日本円に交換すると120万円になるため、20万円の利益を得るという仕組みです。

上記のように買ったものを売るという取引の流れを想像する方が多いと思います。しかし、FXでは、売ったものを買い戻すという取引の流れで差益を得ることも可能です。

 ・スワップポイント

スワップポイントとは、2つの通貨の金利差によって得られる利益です。例えば、米ドルは金利が高く設定されている一方、日本円は金利が低く設定されています。日本円を売って米ドルを買った場合、ポジション(通貨を保有している状態)を持っている間は2つの通貨の金利差を受け取れます。

株式投資の配当金も、スワップポイントと同様、株式を保有しているだけで受け取ることが可能です。しかし、株式投資の配当金は、あらかじめ決められている権利が確定する日まで対象資産を保有していないと受け取ることができません。

一方、スワップポイントは通貨を保有している間は基本的に毎日受け取ることができます。保有している通貨量に応じて資産が増えていきます。

2.FXの魅力とは

資産運用には、株式投資やFX、投資信託などのようにさまざまな運用方法があります。自分に合った運用方法を選択するためにも、FXにどのような魅力があるのか把握しておくことも重要です。

FXの魅力として、以下の3つが挙げられます。

  • 少額で始めることが可能
  • ほとんど1日中取引可能(平日・祝日※元日除く)
  • 下降局面・上昇局面のどちらでも利益が見込める

2-1.少額で始めることが可能

FXは少額でも始めることができるため、初心者でも始めやすくおすすめです。株式投資は単元という取引の最小単位が決まっており、1単元は原則100株に設定されています。最低でも100株は購入する必要があり、10万円以下で購入できる銘柄は多くありません。

しかし、FXにはレバレッジという仕組みが採用されており、少ない資金で取引することが可能です。日本の取引所では、レバレッジ25倍の規制が設けられていますが、最大レバレッジで取引した場合、必要な資金の25分の1で取引できます。

取引に100万円必要なケースでも、レバレッジ25倍であれば25分の1の4万円で取引を始められます。そのため、資金が少ない方でも投資を始められるでしょう。

2-2.ほとんど1日中取引可能

FXは平日・祝日(元日除く)だとほぼ1日中取引できます。株式投資は証券取引所の営業時間内しか取引できないため、平日の9時~15時(途中に休場時間あり)までと時間が限られます。そのため、日中働いている方はリアルタイムでの取引が難しいです。

平日はほぼ1日中取引できるFXであれば、出社中や退社中、休憩時間、帰宅後などに時間を気にせず取引できます。

2-3.下降局面・上昇局面のどちらでも利益が見込める

FXは証拠金の範囲内で取引するという仕組みなので、買いと売りの両方で取引することが可能です。株式投資は実際に株式を購入して売却するという仕組みなので、買いからしか取引できません。

買いからしか取引できない株式投資の場合には株価が上昇する上昇局面でしか利益を出せませんが、両方で取引できるFXの場合には下降局面・上昇局面のどちらでも利益を出せるのです。

また、下降局面や上昇局面でも一方向にずっと価格変動が生じるわけではありません。価格の上下を繰り返しながら下降または上昇するため、細かく取引を繰り返せば利益を積み重ねることができるでしょう。

3.FXのリスクとは

FXは元本が保証されている資産運用の手段ではありません。運用に失敗すると、資産を大きく減らす可能性があるので注意してください。FXの失敗を防ぎながら資産運用を成功へと導くためには、FXのリスクを事前に把握した上で投資を開始することが大切です。

FXの主なリスクは以下の6つです。

  • 為替変動によるリスク
  • 金利変動によるリスク
  • レバレッジによるリスク
  • スリッページが発生するリスク
  • 強制ロスカットのリスク
  • 精神的な負担になるリスク

3-1.為替変動によるリスク

為替変動によるリスクとは、米ドルと日本円といった通貨ペアの価格変動が予想とは反対に変動して為替差損が生じるリスクです。

例えば、1米ドルが100円のときに1米ドルが120円になることを想定して1万ドルの買いポジションを取得したとします。しかし、予想とは反対の為替変動により1米ドルが90円になった場合、100万円が90万円に減ってしまいます。

利益を得られることが保証されておらず、予想を誤ると元本割れの危険性があるということを十分に理解しておきましょう。

3-2.金利変動によるリスク

金利変動によるリスクとは、取引対象通貨ペアの金利差が小さくなった場合に、スワップポイントの低下や相場の下落につながるリスクです。

例えば、日本円から米ドルの買いポジションを持っていてスワップポイントが得られているとします。アメリカが金利を下げて日本が金利を上げた場合、スワップポイントが減少するだけでなく、反対にスワップポイントを支払わなくてはならない可能性があります。

また、金利が変動してポジションの条件が悪くなった場合は、ポジションの清算によって為替変動のリスクがあるので注意が必要です。

3-3.レバレッジによるリスク

レバレッジによるリスクとは、高レバレッジで取引した場合に為替変動のリスクの影響が大きくなるリスクです。

例えば、1米ドル100円のときにレバレッジ25倍で100万円の買いポジションを持ったとします。通常取引に必要な資金は100万円ですが、レバレッジ25倍なので25分の1の4万円で取引できます。

しかし、レバレッジ25倍を選ぶということは資金に対して期待できる利益が25倍になる一方、損失も25倍になるということを忘れてはなりません。レバレッジを高く設定するほど、為替変動のリスクが大きくなるということを理解した上で設定しましょう。

3-4.スリッページが発生するリスク

スリッページが発生するリスクとは、注文レートと約定レートとの間に乖離が発生するリスクです。例えば、画面上で1米ドル100.00円のときに買い注文を出したのに、約定レートが100.10円だったとします。

約定レートが注文レートより安ければ、予定より安くポジションを持てたことになるので得ですが、上記のように高ければ損です。

スリッページが発生するのは、注文から約定までのタイムラグが原因です。為替変動の大きいときにトレードをしたり、システムがあまり強くないFX会社を利用したりするとスリッページが生じやすくなるので注意しましょう。

3-5.強制ロスカットのリスク

強制ロスカットのリスクとは、証拠金維持率が一定水準を割り込んだ場合に、強制的にポジションが決済されるリスクです。

FXは証拠金取引という仕組みを採用しています。証拠金の範囲内で自由にトレードできる仕組みで、レバレッジをうまく利用することによって、少ない資産を効率良く増やすことが可能です。しかし、高レバレッジのトレードでは、急な為替変動で証拠金以上の損失が発生する可能性があります。

そこで、損失の拡大を防ぐために、ポジションを強制的に決済するロスカットが採用されています。損失拡大を防げる反面、相場の反転を待たずに強制決済されてしまう点に注意が必要です。

3-6.精神的な負担になるリスク

精神的な負担になるリスクとは、為替変動が気になることで精神的な負担が大きくなるリスクです。FXは基本的に平日であれば24時間取引できます。

そのため、1度トレードを始めてしまうと、どのような為替変動が生じているか気になって精神的な負担を感じるという方も少なくありません。

就寝中も為替が変動しているため、ポジションを持ち越している方の中には、為替変動が気になって眠れないといったように、日常生活に支障が生じる方もいるので注意が必要です。

4.FXに向いている方・向いていない方

FXは日中働いている方でもトレードしやすく、少ない資金でも取引できるため、取り組んでいる方も多くいます。しかし、全ての方におすすめする資産運用の手段ではありません。

大負けによって損切りして、やめておけばよかったという事態を回避するためにも、どのような方に向いているのか、向いていないのかを把握した上で始めることが大切です。

4-1.FX取引に向いている方

FX取引に向いているのは以下のような方です。

  • 資金に余裕がある
  • 損失が出たとしてもトータルでプラスになれば良いと考えている
  • コツコツお金を増やしたい
  • ご自身の取引スタイルの確立ができ、そのスタイルを守れる
  • FXに関する勉強が苦ではない

FX取引はレバレッジを利用することで少額からでも取引できます。しかし、高レバレッジであるほど為替変動リスクが高くなるため、低レバレッジでも取引できる資金に余裕がある方に向いています。

また、資産運用はコツコツ時間をかけて最終目標に向けて資産を増やしていくものです。そのため、損失が出ても最終的にプラスになればいい、コツコツお金を増やしたいと考えている方に向いているでしょう。

また、安定してトレードの勝率を高めるためにも、自身の取引スタイルを確立でき、そのスタイルを守れる、FXに関する勉強が苦ではない方にもおすすめです。

4-2.FX取引に向いていない方

FX取引に向いていないのは以下のような方です。

  • 借金で得たお金や生活費でFXを始めようとしている
  • 短期で利益を狙っている
  • 一度に大きく儲けようとしている
  • 失敗することなく利益を得たいと考えている

感情的になりやすく、冷静な判断ができない状況では、FXで大きな損失を抱えるリスクが高いです。そのため、借金や生活費でFXを始めようとしている方や短期間で利益を狙っている方、一度に大きく儲けようとしている方には向いていません。

また、資産運用はトータルで資産が増えていれば成功です。つまり、失敗と成功を繰り返しながらも最終的に資産が増えていれば問題ありません。しかし、失敗せずに利益を得たいと考えている方は、損切りできず損失を拡大させる可能性が高いため、FXに向いていないでしょう。

5.FX以外のおすすめ投資方法は?

資産運用の手段はFXだけではありません。FXのリスクが不安、FXに向いていないと感じた方は、他の運用方法を選択することをおすすめします。

FX以外の運用方法として、以下の3つが挙げられます。

  • NISAを活用する
  • iDeCoを活用する
  • 投資信託を積み立てる

5-1.NISAを活用する

NISAとは、少額投資非課税制度のことで、毎年一定金額の範囲内で購入した金融商品から得た利益が非課税となる制度です。

令和5年度の税制改正大綱に、2024年以降のNISA制度の抜本的拡充・恒久化の方針が示されました。そのため、税負担を抑えながら資産を増やしたい方におすすめです。

NISA制度の改定については以下の記事がおすすめです。

5-2.iDeCoを活用する

iDeCo(個人型確定拠出年金)とは、私的年金制度の1つです。掛金や運用益、給付を受ける際などに税制上の優遇措置を受けられます。

税制上の優遇を受けながら老後生活を送るための資産形成に興味があるという方に向いています。

5-3.投資信託を積み立てる

積立投資信託とは、毎月決められた一定の金額だけ投資信託を購入し、積み立てることです。少額で始められ、購入価格を分散することで価格変動のリスクを抑えられます。

また、投資信託は運用の専門家のファンドマネージャーが運用するため、投資に関する知識や経験が少ない方でも始めやすいでしょう。

おわりに 

FXは、平日だと24時間取引でき、レバレッジを利用することで資産が少額でも投資を始めることが可能です。そのため、資産運用の手段としてFXを選ぶ方も多いですが、必ずしもFXが向いているとは限りません。

別の資産運用の手段を選択したほうが良いケースもあるため、FXのメリット・デメリット、リスク、向いている方や向いていない方などを十分に理解してから投資を始めましょう。

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