子どもの教育費や老後の生活費などのためにお金を貯めたい……そう思っていても、身についた生活習慣を改めるのは容易ではありません。実際に貯金の目標を立てても、計画どおりにいかずにお悩みの方も多いでしょう。
実は、がんばって節約をしなくても、日々の生活を少し見直すだけで、無理なくお金を貯めることは可能です。
本記事では、将来に向けて着実に資金を増やしたい方に向けて、以下の内容を紹介します。
- 貯金が続かない方に共通する特徴
- 家計を計画的に管理するコツ
- 支出を減らし、収入を増やす方法
- 税金対策と資産運用方法
お金に余裕が生まれれば将来への不安が減り、より充実した日々を過ごせるようになります。ぜひ最後までご覧ください。
お金を貯められない方に共通する特徴とは
お金を貯めようと思っても、なかなか上手くいかない方には共通の特徴があります。まずはその共通点を理解し、お金が貯まらない原因を明確にしましょう。
貯金が苦手な方に見られる主な特徴は、次の5つです。
- 貯金の目的や目標金額が明確でない
- 衝動買いや無駄遣いが多い
- 家計の収支を把握していない
- 余ったお金を貯めればいいと考えている
- 先の見通しを立てられない
当てはまる項目がないか、チェックしてみてください。
貯金の目的や目標金額が明確でない
貯金の「目的」や「目標金額」が曖昧だと、お金を貯める習慣は身につきにくいでしょう。具体的な目標がないと「いつか貯めよう」と思うだけで、なかなか行動に移せないものです。
例えば「3年後に車を買うために100万円貯める」と決めれば、毎月いくら貯めるべきかが明確になります。
目的と金額を具体的に設定することで、モチベーションを維持しやすくなり、計画的にお金を貯められるようになるでしょう。
対照的に、以下に該当するような方はお金を貯めるのは難しいかもしれません。。
- 「貯金の目的は?」と聞かれてすぐに答えられない
- 貯金の目標額や期限を具体的に決めていない
- 何となく貯めているが、使う予定が決まっていない
まずは、貯金する目的を考えるところから始めてみましょう。
衝動買いや無駄遣いが多い
計画性なくお金を使っていると、貯金する余裕がなくなります。特に、セールやポイント還元キャンペーンなどに影響され、つい不要なものを買ってしまう方は少なくありません。
お得に思えても、本当に必要なものでなければ結果的に無駄遣いになってしまいます。こうした浪費を防ぐには、購入前に「本当に必要?」と自問する習慣をつけることが大切です。
これまでの買い物で本当に必要な物だけを購入してきたか振り返ってみましょう。
- 「セールだからお得!」と買い物することが多い
- 買っても使わないままになっている物がある
- 予算を決めず欲しいものを購入している
家計の収支を把握していない
毎月の収入と支出のバランスを把握していないと、どこでお金を使いすぎているのか判断できません。例えば、給料日前になるとお金が足りなくなることが頻繁にある場合は、支出の管理がうまくできていない可能性があります。
家計の収支を把握できていない方の特徴は、以下のとおりです。
- 給料日前になるとお金が足りなくなることが多い
- 1ヵ月にいくら使ったかわからない
- 家計簿をつけたことがない、または続かない
お金を貯めるためには、まず家計の流れを可視化することから始めましょう。家計簿アプリやノートを活用し、固定費と変動費を整理すれば、節約すべき部分が明確になります。
余ったお金を貯めればいいと考えている
「給料の残りを貯金しよう」と考えていると、結局すべて使い切ってしまい、なかなか貯金ができません。
給料の残りを貯金しようと考えている方の特徴は、以下のとおりです。
- 貯金は「余ったお金で」と考えている
- 毎月の貯金額が一定ではなく、気分次第で決めている
- お金に余裕があると、つい贅沢してしまう
給料日には「今月は50,000円余るはず」と思っていても、急な出費や飲み会などでお金を使ってしまうと、気が付いたら貯金がゼロということもあるでしょう。
貯金を確実にするには、給料が入ったらすぐに一定額を貯金する仕組み作りから始めましょう。
先の見通しを立てられない
お金を貯められない方の多くは、将来の出費を具体的に想定できていません。そのため、いざ大きな支払いが発生したときに資金が足りず、慌てることになります。
先の見通しを立てられないと、以下のようなケースに見舞われます。
- 突然の出費(車検、税金、医療費)に慌てることが多い
- ボーナスや臨時収入があると、計画なしに使ってしまう
- 想定外の出費があると、貯金を崩して対応することが多い
例えば「車検や税金の支払いがあるにもかかわらず、事前に必要なお金を確保していない」というケースです。
こうした事態を防ぐには、年間で発生する大きな支出をあらかじめリストアップし、計画的に準備することが重要です。また、入院や手術などの万が一のための支出にも備えることが必要です。そうすることで、急な出費にも落ち着いて対応できるでしょう。
お金を貯めるコツ4選【計画的に管理する】
効率よく貯金するには「お金が貯まりやすい仕組み作り」が欠かせません。ここでは、4つの方法を紹介します。
- 目標を設定する
- 家計簿アプリを活用し収支を把握する
- 先取り貯蓄を取り入れる
- 目的別に口座を設ける
それぞれの方法を詳しく見ていきましょう。
目標を設定する
計画的にお金を貯めるには「いつまでに」「いくら貯めるのか」という明確な目標の設定が重要です。
例えば、5年後に住宅を購入するための頭金として500万円が必要なら、1年で100万円を貯めなくてはなりません。そこから逆算していけば、1ヵ月に約84,000円を貯める必要があることがわかり、具体的な貯金計画が立てやすくなります。
また、目標達成に向けて定期的に進捗を確認することも欠かせません。計画どおりに貯まっているかをチェックし、必要に応じて貯金額や支出を見直しましょう。
家計簿アプリを活用し収支を把握する
お金を貯める目標を決めたら、次に家計の収支を把握します。収入と支出が明確でないと、どれだけ貯金に回せるのか判断できず、無駄な出費にも気づきにくいからです。
まず、収入(給料など)と固定費(家賃、光熱費、通信費など)、さらに変動費(食費、娯楽費、交際費など)を整理します。そのうえで「どの支出を削減できるか」「どれくらい貯金に回せるか」を考えてみましょう。
支出の詳細を可視化すると、必要な支出と不要な支出が明確になります。特に変動費を見直すと、気づかないうちに増えている支出が見つかることもあります。
収支の把握には、家計簿アプリを使うとお金の流れを簡単に可視化できます。収入と支出が自動で分類され、どの項目に無駄遣いが多いのか一目でわかります。
家計簿アプリの多くは、銀行口座やクレジットカードと連携すると、自動で支出を記録してくれます。手入力の手間が省けるため、家計簿の記帳を継続しやすいです。
また、支出のグラフ化機能を活用すれば、特定の月に出費が増えた理由を分析でき、翌月以降の支出計画を立てるのに役立ちます。
家計の状況をしっかり把握できれば、無理なく継続してお金を貯めることができるでしょう。
先取り貯蓄を取り入れる
収入から支出を引いて余ったお金を貯蓄する方法では、毎月の貯蓄が安定しません。そこで有効なのが「先取り貯蓄」です。
先取り貯蓄とは、給与が振り込まれた時点で、あらかじめ決めた金額を貯蓄用の口座に移す方法です。余ったお金を貯めるのではなく、先に貯めることで確実に貯蓄を増やせます。
例えば、銀行の「定額自動振替サービス」や「積み立て定期預金」などを活用すれば、あらかじめ指定した金額を自動で貯蓄口座に移せるため、手間をかけずに貯蓄できます。
また、NISAやiDeCoなどの自動積立型の投資も、先取り貯蓄と考え方は同じです。これらを活用すれば、無理なくお金を貯めながら将来に向けた資産づくりも可能になります。
先取り貯蓄は、一度設定しておけば自動的に貯まっていくので、ぜひ活用してみてください。
目的別に口座を設ける
お金を効率よく管理するには、目的別に口座を分けるのもひとつの方法です。ひとつの口座にすべての貯金をまとめておくと、何のための資金なのかが曖昧になり、つい使ってしまうことが多いからです。
例えば、以下のように口座を分けると管理しやすくなります。
- 生活費用口座:毎月の支出に使うお金を入れる
- 緊急用口座:病気や急な出費に備えて一定額を確保しておく
- 旅行・趣味用口座:楽しみのための資金を積み立てる
- 資産形成口座:将来のための貯蓄や投資資金を貯める
銀行によっては、目的別のサブ口座を作成できるサービスもあります。
このように、口座を目的別に分けることでお金の使い道が明確になり、計画的に貯蓄できるようになるでしょう。
お金を貯めるコツ6選【支出を減らす】
お金を貯めるために特に即効性が高い施策は支出を減らすことです。とはいえ、支出の見直しをどこから取り組めばよいのか、わからない方も多いでしょう。
具体的には、以下の6つの方法によって支出を減らせます。
- 外食を控える
- 予算を決めて衝動買いをしない
- 固定費を見直す
- 保険やローンの見直しをする
- ポイントやクーポンを活用する
- ふるさと納税を活用する
ぜひ参考にしてみてください。
外食を控える
外食は好きなものを簡単に食べられますが、頻繁に外食すると家計の負担も大きくなります。食費を効果的に節約するためには、自炊がおすすめです。
例えば、平日のランチを外食から自分で作った弁当に切り替えるだけでも、節約の効果が期待できます。
1ヵ月あたりの金額 | 内訳 | |
---|---|---|
外食 | 16,000円 | 1食あたり約800円 × 20日 |
弁当 | 6,000円 | 1食あたり約300円 × 20日 |
節約額 | 10,000円 | 16,000円-6,000円 |
また、飲み会も回数が多くなれば大きな出費になります。居酒屋での飲み会と、自宅でお酒やつまみを用意した場合のコストを比較してみましょう。
1ヵ月あたりの金額 | 内訳 | |
---|---|---|
居酒屋 | 20,000円 | 1回あたり約5,000円 × 月4回 |
自宅飲み | 8,000円 | 1回あたり約2,000円 × 月4回 |
節約額 | 12,000円 | 20,000円-8,000円 |
このように、ランチや飲み会を見直すだけで節約効果が期待できます。
自炊には食材費や光熱費がかかるものの、計画的に食材を購入し、作り置きを活用すれば無駄を減らせます。
外食の頻度を調整し、自炊を増やすことで、効率的にお金を貯めていきましょう。
予算を決めて衝動買いをしない
衝動買いは、計画性のない支出の代表例です。無計画に買い物をすると、本来必要のないものまで手を伸ばしてしまいがち。そうならないためにも、月ごとの予算を決め、その範囲内でやりくりする習慣をつけましょう。
例えば、日用品や衣類はセールやまとめ買いを活用すれば、コストを抑えつつ必要なものを確保できます。ただし「安いから」とむやみに買ってしまうと、かえって無駄遣いにつながりかねません。本当に必要かどうか、一度立ち止まって考える習慣を身につけてください。
また、スマホ決済やクレジットカードは便利な反面、つい使いすぎてしまうリスクもあります。現金で支払えば手元のお金が減る実感が湧くため、自然と節約の意識が高まるでしょう。
固定費を見直す
固定費は毎月発生する支出のため、見直すことで大きな節約効果が期待できます。具体的には、以下のような費用の削減が有効です。
- 通信費
⇒ 格安SIMに乗り換える、不要なオプションを解約する - 電気・ガス
⇒ 他の会社を探す、より安いプランに変更する - サブスクリプションサービス
⇒ 使っていないサービスは解約する
例えば、スマートフォンのキャリアを大手から格安SIMに変更するだけで、月5,000円以上の節約ができるケースもあります。
固定費は一度見直せば継続的に効果が得られるため、積極的に取り組みましょう。
保険やローンの見直しをする
保険やローンは、一度契約するとそのままになりがちですが、定期的に見直すと大きな節約につながります。特に、以下のポイントを確認してみましょう。
- 生命保険・医療保険
⇒ 保障内容が過剰でないか、必要のない特約がついていないか - 住宅ローン・カーローン
⇒ 金利の見直しや借り換えで負担を減らせるか - 自動車保険
⇒ 使用状況に適したプランになっているか
例えば、生命保険を見直して月3,000円節約できれば、年間で36,000円の支出を削減できます。また、ローンの金利が契約時よりも下がっている場合は、借り換えによって総返済額を数十万円単位で抑えられる可能性があります。
契約内容を定期的にチェックし、必要に応じて見直しましょう。
ポイントやクーポンを活用する
買い物時にポイントやクーポンを活用して、家計の足しにしましょう。具体的な方法を、以下にピックアップしました。
- クレジットカードのポイント還元を利用する
- キャッシュレス決済のキャンペーンを活用する
- スーパーや飲食店のクーポンを積極的に使う
- ポイントサイトを経由してネットショッピングをする
例えば、ポイント還元率1.0%のクレジットカードを使えば、毎月10,000円の支払いで100円分のポイントが貯まります。年間では1,200円相当になり、ちょっとしたお小遣いになります。
また、飲食店やスーパーのクーポンを使えばお得に買い物ができ、出費を抑えられます。ただし、ポイントやクーポンに惹かれて不要なものまで買ってしまうと、かえって無駄遣いになりかねません。
ポイントやクーポンで安く買えるときこそ「本当に必要な物かどうか」を判断する癖を付けましょう。
ふるさと納税を活用する
ふるさと納税は、実質2,000円の自己負担で魅力的な返礼品がもらえるお得な制度です。上手に活用すれば、家計の負担を抑えながら生活を豊かにできます。
効率よく節約するために、以下のポイントを意識しましょう。
- 日常的に使う食品や日用品を選ぶ
- お米や野菜は定期便を活用する
- 寄付可能額を低めに見積もる
例えば、年間50,000円の寄付をすれば48,000円分の税金が控除されるうえに、豪華な返礼品を受け取れます。返礼品の負担が実質2,000円と考えると、メリットの多い制度といえるでしょう。
ただし、寄付可能額は年収や家族構成などによって異なります。ネットのシミュレーションではやや高めに計算されることがあるため、上限を超えないよう注意してください。超過した分は自己負担になるため、慎重に判断しましょう。
ふるさと納税は通販感覚で楽しめることも魅力のひとつです。まだ試したことがない方は、この機会にぜひ挑戦してみてください。
なお、ふるさと納税については以下の記事にて詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
お金を貯めるコツ3選【収入を増やす】
収入を増やすと、お金を貯めるスピードは格段に上がります。ここでは、手軽に始められる3つの方法を紹介します。
- 副業を始める
- フリマアプリで不用品を売る
- 自己投資して自身の価値を上げる
自分に合ったやり方を見つけて、効率よく収入を増やしていきましょう。
副業を始める
近年、パソコンやスマートフォンがあればできる副業が増えており、会社員や主婦の方でもスキマ時間を使って副収入を得られるようになりました。
代表的な副業には、次のようなものがあります。
- ライティングや動画編集
⇒ クラウドソーシングサイトを活用して、記事作成や動画編集などの仕事を請け負う。最初は低報酬だが、実績を積んでスキルが上がれば報酬アップが可能 - データ入力やアンケートモニター
⇒ クラウドソーシングサイトを活用する。報酬は低めだが、簡単な作業でスキマ時間を活かせるのが魅力 - ハンドメイド販売
⇒自分で作ったアクセサリーや雑貨をネットショップで販売する方法。SNSで作品の魅力を発信すると効果的
副業を始めるときは、本業に影響が出ないようにあらかじめ時間配分を考えておくと安心です。また、勤務先の就業規則で副業が認められているかも、事前に確認しておきましょう。
フリマアプリで不用品を売る
不要なものをフリマアプリで出品すれば、手軽に収入を得られます。初めての副業としてもハードルが低く、気軽に始められる点が魅力です。
フリマアプリで需要がある物品の例は、以下のとおりです。
- ブランド品や未使用の衣類
- 本やゲーム、DVDなどのメディア類
- 使わなくなった家電やガジェット
売れやすくするコツは商品の状態を詳しく説明し、写真をきれいに撮ることです。また、季節に合ったものを出品すると、より早く売れる可能性が高まります。売上を貯金に回せば、無理なく資産を増やせるでしょう。
自己投資をして自身の価値を上げる
安定した収入を長期的に増やしていくには、自分自身に投資することも欠かせません。スキルや資格を身につけることで、転職や昇進、副業の選択肢が広がります。
自己投資の具体例は、以下のとおりです。
- スキルアップ講座を受講する
⇒ プログラミングや語学、マーケティングなどを学ぶと仕事の幅が広がる - 資格を取得する
⇒ 簿記やTOEIC、専門分野の資格などは、キャリアアップや転職時に役立つ - 健康管理を積極的に行う
⇒ 体調を崩さずに働き続けるためには、運動や食事に投資するのも長期的に有効
自己投資する際のポイントは「実際に活かせるかどうか」です。自分にとって本当に必要なスキルや知識を身につけることで、結果的に収入の増加や生活の安定につながります。
また、健康管理に気をつければ長く働き続けられて医療費も抑えられるため、長期的に見て大きなメリットになります。
お金を貯めるコツ3選【資産運用で増やす】
資産運用をすれば、コツコツ貯めたお金を効率よく増やせる可能性があります。ここでは、以下3つの運用方法を解説します。
- ポイント投資
- 投資信託
- 株式投資
元本保証のない金融商品で運用する場合は、元本割れのリスクがあるため、仕組みを十分に理解したうえで始めましょう。
ポイント投資を始める
資産運用に興味はあるけれど「元手が少ない」または「リスクが怖い」という方におすすめなのがポイント投資です。ポイント投資とは、クレジットカードやキャッシュレス決済などで貯めたポイントを使って、金融商品を購入できる仕組みです。
現金を使わずに投資を体験できるため、初心者でも気軽に始められます。少額から始めて投資の仕組みを学びながら、将来的に本格的な資産運用へとステップアップしていきましょう。
投資信託で運用する
投資信託は多くの投資家から集めたお金を、運用のプロが株式や債券などに分散して投資する仕組みです。個人では難しい投資先の選定や管理を、専門家が代わりに行ってくれます。
投資信託の特徴は、以下のとおりです。
- 少ない金額から始められる
- プロが運用するため、専門知識がなくても始めやすい
- 複数の銘柄に「分散投資」できる
- 定期的に積み立てれば、買うタイミングも分散できる
「分散投資」とは、お金をひとつの投資先に集中させず、いくつかに分けて投資することです。例えば、1社の株に全額を投資してしまうと、その会社の業績が悪化したときに大きな損失を被る可能性が高くなります。
しかし、複数の企業や資産に分けて投資していれば一部の価値が下がっても、全体への影響は比較的小さく抑えられます。
また、後述する「NISA」や「iDeCo」といった非課税制度を活用すれば、税金の負担を抑えながら効率よく資産形成が可能となるでしょう。
リスクを抑えるには、値動きに一喜一憂せず、長く積み立てていく姿勢が大切です。
株式投資に挑戦する
「貯金だけでは物足りない」「もう少し資産を増やしたい」と感じている方には、株式投資がおすすめです。企業の成長に伴って株価が上がれば、その分の利益が期待できます。さらに、銘柄によっては配当金や株主優待がもらえることもあり、長く保有する楽しみもあります。
株式は通常100株単位で売買しますが、最近では1株から買い付けできる「単元未満株」を扱う証券会社も増えてきました。価格の安い銘柄なら数千円から始められるので、初心者の方でも気軽にチャレンジできます。
ただし、株価は日々変動するものです。最初から大きな金額を投じるのはリスクが高いため、まずは少額からスタートし、慣れてきたら少しずつ投資額を増やしていくと安心です。
お金を貯めるコツ3選【税金を減らす】

お金を貯めるには、税金の仕組みを正しく理解して、減らす工夫をすることも大切です。ここでは、以下3つの方法を見ていきましょう。
- NISA制度を活用する
- iDeCoを活用する
- 各種控除を活用する
それぞれの仕組みを理解して、賢く取り入れてください。
NISA制度を活用する
NISA(少額投資非課税制度)は、投資の利益に対する税金をゼロにできる制度です。通常、株式や投資信託の運用益には約20%の税金がかかるのに対し、NISA口座を利用すると非課税になります。2024年からは制度がリニューアルされ、これまで以上に利用しやすくなっています。
NISA制度の主な特徴は、以下のとおりです。
- 年間投資上限額:つみたて投資枠120万円、成長投資枠は240万円 合計360万円
- 生涯投資枠:総額1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)
- 投資対象:つみたて投資枠は一定の投資信託、成長投資枠は国内外の株式や投資信託
- 投資枠は売却後に翌年以降、再利用が可能
- 口座を開設できるのは18歳以上、ひとり1口座
NISAを活用すれば、節税しながら効率よく資産を増やせる可能性が高まります。まずは少額から始めて、将来の資産形成に役立てましょう。
参考元:金融庁「NISAを利用する皆さまへ」
なお、NISAについては以下の記事にて詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
iDeCoを活用する
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、自分で積み立てて運用する年金制度です。老後資金を準備しながら、大きな節税効果を得られます。
iDeCoの主なメリットは、以下のとおりです。
- 掛金が全額所得控除の対象になる
⇒ 年末調整や確定申告で所得税・住民税が軽くなる - 運用益は非課税で再投資される
⇒ 通常なら約20%の税金がかかるところ、非課税でそのまま再投資されるので効率よくお金を増やせる - 受け取り時にも税制面で優遇がある
⇒ 一時金や年金として受け取る際、一定の控除が受けられるため手元に残る金額が多くなる
2022年の制度改正により、加入できる年齢が原則65歳未満となり、より多くの方が利用できるようになりました。
ただし、iDeCoは原則として60歳になるまで引き出せない点には注意が必要です。そのため、数年以内に使いたいお金には向きません。老後資金の準備として安定した資産形成を目指すなら、ぜひ活用を検討してみましょう。
参考元:厚生労働省「iDeCo」「iDeCoの加入者、加入ご検討中の皆さまへ」
なお、iDeCoについては以下の記事にて詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
各種控除を活用する
所得控除をうまく活用すれば、支払う税金を減らして手取りを増やすことが可能です。
代表的な控除として、以下の4つが挙げられます。
- 医療費控除
⇒ 年間100,000円以上の医療費を支払った場合、一部が税金の還付対象になる(※セルフメディケーション税制を利用する方法もあり) - 生命保険料控除
⇒ 支払った保険料の一部が所得控除の対象になる。一般の生命保険、介護医療保険、個人年金保険の3種類について、それぞれ最大40,000円まで控除対象 - 地震保険料控除
⇒ 支払った保険料の一部が所得控除の対象になる(最大50,000円) - 住宅ローン控除
⇒ 住宅を購入した際、最大13年間、年末のローン残高の0.7%分が控除される
これらの控除を上手に活用すれば、支払う税金を減らせるため、浮いたお金を貯蓄に回せます。
参考元:国土交通省「住宅ローン減税」、国税庁「医療費を支払ったとき(医療費控除)」
なお、住宅ローン控除については以下の記事にて詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
おわりに
お金を貯めるためには、以下3つの視点が必要です。
- 計画的に管理する
- 無駄な支出を減らす
- 賢く増やす
まずは毎月の収支を把握し、無理のない貯蓄目標を設定しましょう。次に、固定費の見直しや無駄な出費の削減を意識することで、貯金に回せるお金を確保します。そして、NISAやiDeCoなどの制度を活用し、お金を効率よく増やす工夫を取り入れましょう。
大切なのは、無理なく続けられる方法を選び、貯金を習慣化してしまうことです。例えば、家計簿アプリで日々の支出を記録したり、給料日直後に一定額を自動で貯金に回す「先取り貯蓄」をしたりすることが挙げられます。
お金が貯まる喜びを実感しながら、将来への安心と充実した生活を手に入れましょう。
※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。