エアコンを使うときに併用することが多いサーキュレーターですが、正しい使い方をご存知でしょうか?サーキュレーターを正しく使えば、冷暖房を効率良く活用することができ、電気代を節約できるかもしれません。今回は、目的別にサーキュレーターの使い方を紹介し、電気代についても解説します。サーキュレーターの購入を検討している方や、サーキュレーター使用時の電気代を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
この記事を読んでわかること
サーキュレーターとは、部屋の空気を循環させるための家電です。気流を作るために強い風が直線的に出るのが特徴で、エアコンと併用すると、室内の温度差をなくし電気代の節約や換気にも役立ちます。
冷房時には冷たい空気が下に溜まりやすくなるので、下から上に吹き上げて空気を循環させるのが効果的です。暖房時には、暖まった空気が上に溜まりやすいので、天井に向けて風を送り空気を循環させます。また、サーキュレーターは、冷暖房以外に換気や除湿にも活用が可能です。
エアコンとサーキュレーターを効率良く併用すれば、エアコンの電気代を10%程度削減することもできます。DCモーター式であれば、消費電力を抑えられ使用時も静かです。
サーキュレーターとは?扇風機とは違う?
サーキュレーターとは、部屋の空気を循環させるための家電です。プロペラを回転させて風を起こす構造のため「扇風機と同じでは?」と考える方もいるでしょう。しかし、扇風機は人が涼しさを感じるためのものなので、サーキュレーターとは違います。
また、サーキュレーターは気流を作るための強い風が直線的に出ますが、扇風機は広範囲に優しく風を送るように設計されています。そのため、室内の空気を循環させたいときは、扇風機ではなくサーキュレーターが適しているのです。
サーキュレーターを使うメリット・デメリット
サーキュレーターを使うとどのようなメリットがあるのでしょうか?メリットと一緒にデメリットも把握しておきましょう。
メリット
サーキュレーターを使うと次のようなメリットがあります。
- 室内の温度差がなくなる
- 電気代を節約できる
- 換気にも役立つ
サーキュレーターを使うと、室内の温度のムラをなくすことができます。空気を循環させることで部屋の中で温度差がなくなり、快適な室温を保てるのです。また、室内の温度差がなくなればエアコンの効率をあげられるため、電気代の節約につながります。
さらに、サーキュレーターは持ち運びができるものも多く、用途に合わせ使い分けが可能です。冷暖房だけではなく換気にも使用できます。
デメリット
サーキュレーターのデメリットとしては、次のことが考えられます。
- 使い方次第で電気代が高くなる
- 音が気になる場合がある
サーキュレーターは、正しく使わなければ効果を発揮できません。部屋の温度差がなくならないと、エアコンの効率もあげられないため、結果的に電気代が高くなってしまうでしょう。
また、サーキュレーターは強い風を発生させるため、音が気になるかもしれません。そのような場合は、家電量販店で試しに運転音を聞いてみたり、静音機能がついている製品を選んだりすると良いでしょう。
どこに置く?サーキュレーターの正しい使い方とは?
サーキュレーターを正しく使うことにより、室内の温度差がなくなり電気代の節約につながります。サーキュレーターの効果を発揮させるには、置き場所や位置、向きが重要です。ここで、正しい置き方や使い方を確認しましょう。
冷房時の使い方
冷房をつけたとき、冷たい空気は下に溜まる性質があるため、床の方は涼しく天井付近は暖かい状態になります。冷房の効率をあげるためには、床の方に溜まった冷たい空気を循環させることが必要です。
まず、エアコンの風向きを水平にします。エアコンの向きを水平にすることで、冷たい風がゆっくりと降りてきます。そして、サーキュレーターを部屋の中心付近の床に置き、上向きにします。また、エアコンの風を下に向けている場合は、エアコンを背にサーキュレーターを置き、壁に向ける方法も効果的です。2部屋を同時に冷やす場合にも、同様の方法で行うと良いでしょう。
暖房時の使い方
暖かい空気は上に溜まる性質があるため、エアコンの風は下向きにし、サーキュレーターを部屋の中心付近に置いて上向きにします。天井に向けることで、上に溜まった暖かい空気を循環させることができるのです。
また、2部屋を同時に暖める場合は、エアコンがある部屋の中心付近にサーキュレーターを置き、上向きにします。暖かい空気が循環し隣の部屋にも行き渡るので、効率良く2部屋を暖めることができます。
洗濯物を干すときの使い方
洗濯物を室内で乾かしたいときにも、サーキュレーターは便利です。洗濯物には、直接風が当たるようにすると効率良く乾かせます。首振り機能がついた製品であれば、衣類にまんべんなく風が当たるので室内干しでも早く乾かすことができるでしょう。
除湿したいときの使い方
サーキュレーターは除湿をしたいときにもおすすめです。湿気がこもりやすいクローゼットや靴箱などは、サーキュレーターで直接風を送りましょう。首振り機能で全体に風が行き渡るようにすると除湿効果がアップします。カビが生えやすい浴室や、結露が起きやすい窓などにも直接送風するとカビ・結露の対策ができます。
換気をするときの使い方
部屋の換気をするときは窓を開け、サーキュレーターで外に向かって風を送ります。このとき、首振り機能を使わずに直線的に風を送ると、より効果的に換気ができます。暑い日は部屋の中に熱気がこもりやすいため、換気をしてからエアコンをつけると室温がさがりやすくなるでしょう。
ロフトがある場合の使い方
ロフトがある部屋でサーキュレーターを使用する場合、冷房時と暖房時では置き方が変わります。
【冷房時】
ロフトの場合は、サーキュレーターをエアコンの下とロフトの上に1台ずつ置きエアコンの下からロフトに向けて風を送り、ロフトの上では天井に向けて風を送るようにします。ロフト部分では暖かい空気が溜まりやすく冷たい空気が届きにくくなっているため、下に溜まった冷たい空気を上に送り込むことで部屋全体を快適な室温にすることができるのです。
【暖房時】
暖房時は、暖かい空気が上に溜まりやすいため、ロフトの上に置いたサーキュレーターで下に向かって風を送りましょう。さらに、もう1台のサーキュレーターをエアコンの下に置き、天井に向かって暖かい空気を吹き上げます。そうすることで空気の対流を作ることができるので、室内の温度のムラがなくなります。
サーキュレーターを使ったときの電気代は?
サーキュレーターの具体的な使い方はわかりましたが、電気代が気になる方も多いことでしょう。ここからは、サーキュレーターを使ったときの電気代について解説します。
製品に搭載されているモーターによって電気代が変わる
実は、サーキュレーターは搭載されているモーターによって電気代が変わるのです。サーキュレーターには、DCモーター式とACモーター式があります。
DCモーター
DCモーターのサーキュレーターは消費電力が少なく静音性が高いといわれています。一方で、ACモーターに比べると、本体価格は高い傾向です。
ACモーター
ACモーターのサーキュレーターは、DCモーターと比べると音は大きく消費電力も多くなります。その一方、本体価格が比較的安いのが特徴です。
サーキュレーターを使ったときの電気代
サーキュレーターを使ったときの電気代は、電気料金単価と消費電力をかけ合わせれば算出できます。全国家庭電気製品公正取引協議会によると、電気代の目安単価は1kWh当たり31円です。
例えば、消費電力40WのACモーター式サーキュレーターの場合、1時間の電気代は「0.040kWh×31円=1.24円」です。仮に1日8時間、1ヵ月使ったとすると約297円になります。
また、消費電力18WのDCモーター式サーキュレーターでは、1時間使ったときの電気代は「0.018kWh×31円=0.558円」になります。仮に1日8時間使ったとして、1ヵ月にかかる電気代は約133円であることが分かります。
エアコンとサーキュレーターを併用したときの電気代
エアコンとサーキュレーターを併用した場合、電気代にどう影響するのでしょうか?例えば、冷房でエアコンを使う場合、サーキュレーターを併用し効率良く部屋を涼しくすることで、エアコンの設定温度をあげることができます。
設定温度が1度変わると、電気代が10%程度変わるといわれているため、サーキュレーターの併用によって電気代の節約が可能です。同じように、冬も暖房の設定温度をさげることができれば、電気代の節約ができます。
仮にエアコンの消費電力が800Wとすると、1時間使ったときの電気代は「0.8kWh×31円=24.8円」、1日8時間使うと約198円になります。冷房時に設定温度を1度上げると、1日8時間の使用時間で約20円の節約になり、1ヵ月では電気代が約600円も変わることになります。
サーキュレーターの電気代を節約するには?
サーキュレーターの電気代を節約するためには、次のことをポイントにすると良いでしょう。
- DCモーターのサーキュレーターを選ぶ
- エアコンとうまく併用する
- タイマー機能を活用する
電気代節約のためには、DCモーター式のサーキュレーターを選び、エアコンと上手に併用することが大切です。また、サーキュレーターを使ってある程度空気が循環したら、スイッチを切るようにします。サーキュレーターにはタイマー機能がついているものも多いので、うまく活用しましょう。
サーキュレーターを選ぶときのポイント
サーキュレーターには、モーターの種類以外にもいろいろな機能の違いがあります。そのため、選ぶときのポイントを押さえておくと良いでしょう。
風の強さ
サーキュレーターは扇風機とは違い比較的強い風が出ますが、サーキュレーターの風量は「弱・中・強」と表示されていても製品によって風の強さが違います。そのため、気になる方は購入前に家電量販店などで実際の風の強さを確認しておくと安心です。
静音性
サーキュレーターの使用音が気になる方は、静音性もポイントにしましょう。ACモーターのサーキュレーターよりも、DCモーターの製品に音が静かな製品が多くあります。
また、サーキュレーターには音の大きさが「db(デシベル)」で表記されています。30dbは非常に小さいささやき声のレベル、40dbは図書館レベル、50dbは換気扇レベルといわれているので、チェックしてみてください。
手入れのしやすさ
サーキュレーターはホコリがつきやすいので、手入れがしやすいものが便利です。定期的に掃除をすることを考えると、カバーが外せるものをおすすめします。中にはカバーの取り外しが面倒なものもあるので、カバーのつけ外しが簡単にできるかどうか確認してみましょう。
対応畳数
サーキュレーターを置きたい部屋の広さを考慮し、対応畳数を目安にするのもサーキュレーター選びのポイントです。「10畳用」など、広い部屋に合った製品の方が風量は大きく、空気を循環させる力が大きいといえます。
ジャストサイズよりも少し大きめの畳数のものを選ぶと「風量がもの足りない」ということが防げるでしょう。
形状・大きさ
サーキュレーターは、製品によって形状や大きさもさまざまです。コンパクトサイズのものや、持ち運びがしやすいものは、リビングだけでなく脱衣所やキッチンにも移動しやすく便利です。冷暖房時のエアコンとの併用以外に、除湿や換気をしたい方は、持ち運びやすさもポイントにして選ぶと良いでしょう。
冷暖房の効率化にはエアコン掃除も肝心!
サーキュレーターを使えば、効率良くエアコンの冷暖房を使うことができるとお伝えしました。ただし、そもそもエアコンの内部に汚れが溜まっていると、冷暖房の効率が悪くなり、電気代もかさんでしまうので注意が必要です。また、エアコン掃除をしていないと、カビの発生や故障の原因にもなります。
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おわりに
正しくサーキュレーターを使えば、エアコンの冷房や暖房を効率良く使うことができ、電気代の節約も可能です。今まで扇風機を使って空気を循環させていた方は、サーキュレーターの購入を検討してみてはいかがでしょうか?サーキュレーターは、目的によって位置や風向きを変えることを念頭に入れ、上手に活用していきましょう。