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墓石の黒ずみの落とし方とは?お墓掃除の基本をチェック

墓石の黒ずみの落とし方とは?お墓掃除の基本をチェック
セゾンのくらし大研究 編集部

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豊かなくらしに必要な「お金」「健康」「家族」に関する困りごとや悩みごとを解決するために役立つ情報を、編集部メンバーが選りすぐってお届けします。

風雨にさらされ続ける「墓石」は、経年劣化を避けられません。また、黒ずみが生じたり、水垢が生じたりすることもあります。このような黒ずみや汚れは、お墓を汚し、お墓の外観を損ねるものです。

ここではこの「墓石の汚れ」を取り上げて、その原因や落とし方、日々のお手入れの方法や、お墓を掃除する際の注意事項について解説していきます。

この記事を読んでわかること

この記事を読むことで、墓石の汚れの原因(黒ずみや水垢、カビやコケ、シミ、経年劣化)の原因がわかります。また、黒ずみを「比較的柔らかいもの」と「かたいもの」に分けてその落とし方を解説していったり、お墓の掃除の方法を紹介していったりするため、お墓をきれいに保つための方法がわかります。なおこの際に必要となる道具についても解説していきます。加えて最後に、「お墓掃除における注意事項」を紹介することで、「きれいにしようとしたのに、逆にお墓が傷ついた」という状況にならないようにします。

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墓石の汚れの原因とは?

墓石の汚れの原因とは?

墓石は外にあるため、常に風雨や日光の影響を受けます。墓石は長年にわたって複数の世代で使い続けていけるような頑丈なものではありますが、これらの影響は墓石を徐々にむしばんでいきます。その結果として、墓石にはさまざまな汚れが生じます。

黒ずみや水垢

墓石には、花を生けるための花立てなどがあり、また、線香を置くためのくぼみも存在します。これらに溜まった水が水垢になってしまうことがよくあるだけでなく、掃除しにくい部分にほこりや花粉が溜まり、黒ずみを生じさせることもよくあります。

カビやコケ

意外に思われるかもしれませんが、石もカビやコケに侵食されることがあります。特に、風通しが悪くて日当たりの悪い墓所にあるお墓の場合は、このカビやコケの影響を受けやすいです。

カビやコケは、早い段階で除去すればきれいに落としきることができますが、これらが発生した後にしばらく放置していると、非常に落としにくくなります。

シミ

現在は「食べ物をお供えした場合は、帰るときに持って帰ってください」としている墓地が多いため、「食べ物が腐り、それが墓石を侵食したために生じるシミ」はできにくい環境にあります。

しかしお墓に積もった枯れ葉がお墓の上でそのまま腐り、シミを生じさせることもあります。

シミがやっかいな理由として、「シミごとに対応方法が異なるにもかかわらず、どのような原因でできたシミかが断言しにくい」ということが挙げられます。

経年劣化

墓石は非常に長い期間もつものですが、それでも、経年劣化は避けられません。雨水や風、雪によるダメージは避けきれませんし、排気ガスなどによる影響を避けることもできません。

これらの要素により、墓石は徐々にその艶を失っていきます。また、サビなどが生じるケースもあります。

こまめに手入れをすることで、この経年劣化の影響を最小限に抑えることはできますが、経年劣化自体を止めることはできないわけです。

もっとも、「年月が引き起こす変化である」と捉えれば、経年劣化は必ずしも「いけないもの」とまではいえません。経年劣化そのものを避けることはできませんが、シミや水垢が生じることを食い止めつつ、その変化を楽しんでいこうと意識を変えることもひとつの選択肢です。

墓石の黒ずみの落とし方

墓石の黒ずみの落とし方

「墓石に生じる黒ずみ」には、かたいものとやわらかいものの2通りがあります。同じ「黒ずみ」であっても、対応策は黒ずみのしつこさによって大きく異なります。

かたい黒ずみ

墓石にしみついたかたい黒ずみは、酸化物や塩化物などです。しかし強い酸性の洗剤を使って掃除しようとすると、墓石が傷ついてしまいます。

なぜなら、墓石にもっとも多く使われている御影石(花崗岩)もまた、酸化物だからです。

そのため、弱酸性の性質を持つクエン酸の洗剤などで対応すると良いでしょう。どうしても取れない場合は、スクレーパーなどを利用して、黒ずみをこそげ落とすようにします。

やわらかい黒ずみ

対して、やわらかい黒ずみは、主にカビや油脂が原因となって生じるものです。これらはアルカリ性の性質を持つ洗剤で落とすことができます。

ただ、アルカリ性の洗剤を使う場合は、安全性を鑑みて、強アルカリ性の洗剤ではなく、弱アルカリ性のものを使用することをおすすめします

いずれの場合であっても、墓石を購入した石材店にお手入れの方法を聞くのがもっともおすすめです。それが難しい場合は、「墓石用の洗剤」とされているものを使うと良いでしょう。

墓石掃除の基本の流れ

墓石掃除の基本の流れ

ここからは、墓石掃除の基本の流れを紹介していきます。

墓石まわりの掃除

「墓石の掃除」といっても、墓石だけを掃除して終わりとするわけにはいきません。まずは墓石周りの掃除をしましょう。

草むしりを行い、敷地内をチリトリとホウキで掃き清めます。また、時間的な余裕があれば、定期的に玉砂利を洗うと墓所が美しくなります。

必要に応じて植栽の手入れもしましょう。特に「隣の墓地に植物が張り出している」という場合は、早急な手入れが必要です。

付属品の掃除

次に、墓石周りの付属品を洗い上げます。花立などは取り外しができるようになっていますので、きちんと取り外して洗います。細長いものを洗えるブラシがあると便利です。

また、洗い上げた付属品の拭き上げもしっかり行いましょう。自然に乾くのを待っていると、残った水分が水垢の原因になるからです。

墓石の掃き掃除

ここまで終わったら、墓石の掃除に取りかかります。

墓石には意外なほどに多くの砂汚れなどがついているものです。まずはこれをはたきなどを使って落としていきましょう。掃除の基本である「上から下へ」の手順を守って、掃き清めていきます。

墓石を洗う

掃き掃除が終わったら、墓石を洗います。頻繁に墓石のお手入れに通っているのならば、水で洗うだけで充分にきれいになります。ただ、水垢などが気になるのであれば、必要に応じて洗剤やブラシ、スポンジなどを利用すると良いでしょう。

なお、洗剤を使う場合は、必ず目立たないところに試してみてから使用します。洗剤のなかには、墓石を傷めるものもあるからです。また、洗剤を使った場合は、特にしっかりと洗い流しましょう。

墓石の黒ずみを落とす

上で述べたやり方で、墓石の黒ずみを落としておきます。

墓石を拭く

上記でも軽く触れましたが、すべての掃除が終わったら、墓石をきれいに拭き上げます。乾いた布でしっかり水分を取り除きましょう。

洗剤や水分が残っていた場合、これが新たなシミなどを呼び込むことがあるからです。またこのときに、ほかに汚れが残っていないかもチェックします。

むしった後の草や、使った手桶などは霊園の規則に従って適切に処分します。また、掃除が終わった後には、お花などを供えると良いでしょう。

お墓掃除に必要なもの

お墓掃除に必要なもの

ここからは、お墓掃除に必要なものを紹介していきます。

なお、霊園の中には、これらの掃除用具を一部、共用道具として貸し出しているところもあります。手桶や柄杓などはほぼ全ての霊園に備え付けられていますし、ホウキやチリトリを貸し出してくれる霊園もあります。

ただ、「あるかどうかわからない」ということならば、自宅から持って行った方が安心です。

墓石周りの掃除道具

墓石周り(墓所)を掃除するための道具をまずは紹介します。

・軍手……草むしりをするときに、手を傷めないために使用します。また、汚れても構わない長袖も一緒に備えておくとより安心です。

・ゴミ袋……むしったあとの草や、切り落とした枝を入れるためのものです。草や枝は意外とかさばるので、多めに用意しておくと安心です。

・鎌とスコップ……草むしりをするときに使用します。墓所が広く、手分けして行う必要がある場合は2本以上そろえておくと効率が良いのですが、基本的には1本で問題ありません。スコップは根っこの生えた草を抜き取るときに有用であるほか、玉砂利を洗うときにも使えます。

・ホウキとチリトリ……枯れ葉などをまとめるときに使います。熊手型になっているものもありますが、一般的な広さの墓所ならば、一般的な形のホウキで充分でしょう。

・ザル……玉砂利を効率良く洗うために使います。水切れが良く、石同士をこすり合わせて汚れを落とせるので、効率良く掃除をしたい場合は用意しておくと良いでしょう。

墓石の掃除道具

ここからは、墓石を洗うための掃除道具を取り上げます。

・スポンジとタワシ……墓石を洗うために使用するものです。かたいものは墓石を傷つけるおそれがあるため、使用しません。現在は墓石掃除用のスポンジやタワシが売られているので、これを使用するとより良いでしょう。花立を掃除するために、細長いブラシも持っておくと便利です。

・墓石用の洗剤……墓石の汚れがひどいときに使います。なお、「どのような種類の洗剤を使えばいいか」は墓石の種類や汚れの種類によって異なります。もっとも良いのは、墓石を購入した石材店に問い合わせ、洗剤のメーカーや種類を聞くことです。それが難しい場合は、墓石専用の洗剤を使います。

・へらなど……竹べらやスクレーパーは、こびりついた汚れをこそげ落とすときに役立ちます。ただこれらは墓石を傷つける恐れがあるので、扱いは慎重に行わなければなりません。

・拭き上げ用の布……墓石を洗い終わった後に、これを拭き上げるために使います。乾いたものでしっかり拭き上げる必要があるため、複数枚持っておくようにします。

墓石掃除の注意点

墓石掃除の注意点

上記では「墓石掃除の流れ」「墓石掃除を行うときに使うもの」について解説してきました。ここからは、墓石掃除を行うときの注意点について解説します。

墓石は水洗いが基本

上でも軽く触れましたが、墓石は水洗いが基本です。特に、定期的に掃除に行っている場合は、水洗いで充分に対応できます。

なお水洗いをする場合に必要となる手桶や柄杓は、霊園内に備え付けられています。

家庭用の洗剤は変色の原因になることも

家庭用の洗剤は、墓石の変色を招きます。そのため、これは使わないようにします。使用する洗剤は、原則として墓石用の洗剤のみとし(※石材店に別途指定された場合を除く)、これも使い過ぎないように注意します。

金属製のタワシは墓石を傷つける

「汚れがひどいから、効率良くこれを落としたい」と考えても、金属製のタワシを使うのは厳禁です。金属製のタワシはたしかに優れた洗浄力を発揮しますが、墓石の表面を傷つけてしまいます。墓石の表面が傷つくと、墓石の外観が損なわれるだけでなく、そこに新しい汚れが付着しやすくなります。

どうしても汚れを取りたいと考えるのであれば、ナイロン製のブラシを利用しましょう。それでも難しい場合は、専門家に依頼することをおすすめします。

頑固な黒ずみはプロに任せるのもアリ

頑固な黒ずみはプロに任せるのもアリ

自分たちでお手入れをしていても、どうしても墓石の黒ずみがとれない……ということであれば、汚れの落とし方を熟知している専門事業者に依頼するのがおすすめです。

石材店

「黒ずみの落とし方がわからない」などのお墓に関する困り事が生じた場合は、石材店に相談することをおすすめします。

石材店は墓石のことを熟知していて、汚れの落とし方も当然把握しています。また、墓石の欠けや割れ、字の彫り直しなどにも対応できます。

お墓掃除代行サービス

「しばらくお墓に行けていないけれど、お墓が荒れていないだろうか?」「掃除もしてほしいけれど、お参りもしてほしい」という場合は、くらしのセゾンの「お墓参り・お墓掃除代行サービス」の利用がおすすめです。

これは、お墓周りの掃除はもちろん、お花を供えたり、手を合わせたり……といった、「お参り」の代行も依頼できるサービスです(くらしのセゾンでは、終了後にはお墓の写真を撮り、メールなどで共有するようにしています)。

「自分たちの手では落とせない汚れをきれいにしたい」「ご先祖様のためにお参りもお願いしたい」という場合は、くらしのセゾンのサービスをご利用ください。

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おわりに 

ご先祖様にとって終の住処となる「お墓」は、非常に重要な場所です。そのため、常にきれいにしておく必要があります。

ただ、遠方に住んでいる場合はお手入れが難しいものですし、お墓は経年劣化もしていくものです。「掃除に行くのが難しい」「こまめに手入れをしていたが、お盆(お彼岸)があるので、その前により丁寧な掃除をしてほしい」「自分たちでは手に余る汚れがある」という場合は、専門会社に対応を依頼してください。

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