少額短期保険とは、一般的な生命保険よりも保険料が割安で保険期間が短いため、必要に応じてリスクに備えることができる保険です。ほとんどの場合掛け捨てですが、その分一時的なリスクに安価で備えることができ効率的です。一方、保険会社が破綻した場合の補償がないなどデメリットもあります。
このコラムでは、少額短期保険を活用するために、知っておきたい基礎知識からメリット・デメリットまでわかりやすく解説。すでに保険に加入している方で一時的に保障を強化したい場合や、新たに少額短期保険を活用してみたい方はぜひお読みください。
少額短期保険とはどういう保険?
少額短期保険とは、保険料が割安で保険期間の短い保険のことです。具体的にどのような特徴があるのかについて、以下3つの内容を紹介します。
- 少額短期保険の基本概要
- 少額短期保険の特徴について
- 少額短期保険と保険・共済の違い
少額短期保険の基本概要
少額短期保険とは、一定の事業規模の範囲で保険金額や保険期間が限定されている保険です。ミニ保険と呼ばれることも。従来の生命保険や損害保険ではカバーできなかった細かいニーズに応える保障内容の商品もあります。
具体的には、少額短期保険の保険金額は、疾病による死亡または重度障害で300万円、損害保険で1,000万円までが上限となります。なお保険期間はおおむね1~2年程度とされています。
少額短期保険の特徴について
少額短期保険の特徴について、以下3点を紹介します。
- 種類が豊富
- 必要なときだけ加入もOK
- 扱えない分野がある
種類が豊富
少額短期保険は、保険料は少額でも種類が豊富でユニークな保険が多くあるのが特徴です。通常の生命保険でも取り扱っている死亡保険や医療保険の他に、ペット保険や葬儀保険、賃貸物件の火災保険などもあります。
必要なときだけ加入もOK
少額短期保険は、保険期間の上限が2年程度までしかなく、一般的な保険よりも保険期間が短いのが特徴です。そのため、短期間だけ利用したい方に向いています。また、保障(補償)内容について毎年こまめに見直したい方にもおすすめです。
扱えない分野がある
少額短期保険では、積極的にお金を増やしながら万が一に備えるような保険は取り扱えない決まりになっています。具体的には、貯蓄性の高い個人年金保険や学資保険、養老保険などです。
また、保障と運用の機能を持った変額保険も少額短期保険では取り扱いできません。外貨建て保険も取り扱えないため、注意しましょう。
少額短期保険と保険・共済の違い
少額短期保険は営利事業として運営されているのに対し、共済保険は非営利事業です。そのため、共済では毎年の決算で余剰金が出た場合、割戻金が発生し加入者ごとに還付されます。
少額短期保険では還付金はなく、誰でも加入できるのに対し、共済は組合員など特定の方しか加入できません。
少額短期保険に加入するメリット
少額短期保険のメリットについて、以下の4点を紹介します。
- 保険料がお手頃
- 加入している保険で不足している部分を補てんできる
- 必要なときだけ加入できる
- 一般的な保険に加入できない方が加入できるケースも
保険料がお手頃
少額短期保険の保険料は、他の保険に比べて割安です。単発で必要な期間だけ加入できるため、保険料の無駄が発生しないのも嬉しいポイントです。
加入している保険で不足している部分を補てんできる
保険料が安いことから、加入している保険の保障内容を充実させるために、または不足している部分を補てんするために利用することが可能です。
例えば、すでに加入している生命保険で死亡保障のある方で、葬儀費用として別に備えておきたい場合には、少額短期保険の葬儀保険で上乗せすることができます。
必要なときだけ加入できる
少額短期保険は短期間の加入ができるため、必要なときだけ利用が可能です。例えば人間よりは寿命の短いペットのためのペット保険や、旅行に行く期間だけの備えとして旅行保険があります。長期的な保障はいらないという場合に、少額短期保険は使いやすい商品です。
一般的な保険に加入できない方が加入できるケースも
一般的な保険に加入できない障害を持った方や高齢者、持病を持っている方などが加入できる保険があるのも、少額短期保険のメリットです。
一般の生命保険に加入できない方向けの保険は、大手の保険会社では市場規模が小さいなどの理由で販売されていません。しかし、少額短期保険であれば、通常販売されにくい内容の保険でも、少額かつ短期の保障として提供していることがあります。
少額短期保険に加入するデメリット
少額短期保険のデメリットについて、次の5点を解説します。
- 定期的な更新が必要
- 生命保険料控除は使えない
- 保険会社が破綻した場合の補償がない
- 保険金額に上限がある
- 貯蓄タイプの保険がない
定期的な更新が必要
少額短期保険は、通常1~2年を保険期間とした短期の保険のため、定期的な更新が必要です。
ただし、もともと別の保障を持っている方が、短期間のみの保障の上乗せを目的として加入していた場合は更新の必要はありません。
生命保険料控除は使えない
少額短期保険は、保険の種類のひとつではありますが生命保険料控除の対象になりません。生命保険料控除の対象となるのは、生命保険会社が取り扱う保険のみであり、少額短期保険や共済は対象外です。
保険会社が破綻した場合の補償がない
少額短期保険は財務局による登録制であり、要件を満たす必要があるので、どの保険会社でも始められるわけではありません。
また、契約者保護機構制度が存在しないため、保険会社に万が一のことがあっても補償されない点はデメリットです。なお、生命保険は金融庁が管轄省庁であり、万が一保険会社が破綻した場合は生命保険契約者保護機構により、破綻時の責任準備金の90%が保護されます。
保険金額に上限がある
少額短期保険全体のルールとして、保険金額の上限が保障(補償)内容によって決められています。例えば少額短期保険の生命保険では死亡保険金額が300万円まで、損害保険では上限1,000万円までです。そのため、手厚い補償が欲しい場合には不向きでしょう。
貯蓄タイプの保険がない
少額短期保険全体のルールとして、掛け捨て型の保険しか取り扱いができません。養老保険や年金保険など、将来に向けて貯めていく保険は少額短期保険の対象外です。
少額短期保険の加入が有効な具体的なシチュエーション
少額短期保険は、生命保険会社や損害保険会社で取り扱いのない細かなニーズに沿った保険商品が魅力です。少額短期保険会社によって商品ラインナップはさまざまですが、次のようなニーズに沿うことができます。
- ペットの医療費に備えたい
- 旅行キャンセルの補てんをしたい
- 日常的なトラブルで弁護士に依頼したい
- 確実に葬儀費用を残したい
ペットの医療費や旅行のキャンセルに備える保険は、一生涯続くわけではないため保険期間が短い少額短期保険の活用がおすすめです。
また、暮らしのトラブルに直面した時に弁護士へ相談・依頼できる保障があると安心ですが、そもそもトラブルがあるかどうかもわからないため、割安で加入できる少額短期保険は合理的です。
また、近年注目されているのが葬儀保険です。自身に万が一のことがあった時に、確実に葬儀費用に充当できるように備えておく少額短期保険で、保険料数百円から加入できるのも安心、年金が主な収入である高齢世帯でも加入できる保険です。
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おわりに
少額短期保険は、保険期間が1~2年で保険金額の上限も低いですが、その分保険料が割安で必要なときだけ加入できるメリットがあります。
ペット保険や葬儀保険、弁護士保険など細かなニーズにも対応する商品ラインナップが特徴で、保障(補償)や保険料に無駄がなく安心して加入できるでしょう。
また、すでに加入している生命保険や損害保険にはない保障の一時的な上乗せとしても活用できます。本コラムを参考に保険全体の見直しを行い、無駄がないか再確認してみましょう。