東京都には各区が公式で紹介しているお散歩コースやウォーキングコースがありますが、中でも清々しい気持ちにさせてくれるのが川沿い・海沿いのコース。暑さが続く日々に、夕涼みがてら歩くのもオツなもの。そこで、季節ごとに街並みや自然に季節を感じられて運動にもなるコースを3つピックアップ。
1.散歩の前に。準備と注意点
夏の散歩は水分補給とタオル、帽子が必須。その他、『中央区ウォーキングマップ』の「ウォーキングをはじめる前に」を参考に、筆者が実際に歩いて感じた、基本的な準備と注意点を紹介します。
- 足への負担を少なくするため、軽くて通気性が良く、靴底のクッション性が高いシューズ・スニーカーを選ぶ。
- 飲み物はウエストポーチやリュックに入れたり、首から下げられると、両手が空いて歩きやすい。
- 飲み物は水、麦茶が望ましい。利尿作用のあるカフェインを含むコーヒーや紅茶は水分補給に不向き。
- ウォーキングの前後を含め、喉の渇きを感じる前(15〜20分おき)に水分をとる。
- 歩く前のウォームアップ。手首・足首・肩を回したり体の動きをスムーズにさせておくことで、柔軟性が高まり、ケガの予防につながる。運動開始による心臓や肺への負担も軽減。
- 歩いた後のクールダウン。肩伸ばし、大腿部伸ばし、上体反らしで血液の循環を促すことで、疲労回復につながる。急激な運動停止による心臓への負担も軽減。
準備が整ったら、散歩スタートです!
2.【散歩コース①】レインボーブリッジを渡ってお台場へ
(Google Map)こちらをご覧ください。
参考:港区・芝浦港南地区のまち歩きマップより「「コースD:歩いて・渡って・深呼吸コース」
意外と知られていないかもしれませんが、レインボーブリッジは徒歩で渡れます。しかも、通行無料。港区のマップでは、9月のお月見の時期、月を見ながら渡るのもおすすめということで、これからの季節にもピッタリです。
<コース>
田町駅から徒歩10分でスタート地点「芝浦公園」へ。
スタート:芝浦公園→①リバーサイドトリオ→②ジュリアナ東京跡地(地図ではJuliana’s Tokyo)→③御衣黄桜→④船路橋→⑤芝浦南ふ頭公園→⑥レインボーブリッジ→⑦お台場海浜公園
<筆者の散歩時のデータ>
約5km/2時間(16:40-18:40)※撮影や休憩時間込み/約8,400歩
6月中旬曇り/スタート時25℃
①リバーサイドトリオ
芝浦公園から新芝運河遊歩道へ進むと現れる、黒川晃彦作の銅像「リバーサイドトリオ」。レトロで異国の雰囲気が漂っています。夕暮れからはガス灯もライトアップされるそうで、ムードも高まりそう。実際にベンチに座って休憩したり、記念撮影もできます。
②ジュリアナ東京跡地
遊歩道を外れ、昭和のバブル期を代表するディスコ「ジュリアナ東京」の跡地へ。建物はそのまま。三角の屋根の場所が入り口だったそう。あのバブリーな光景を一度は生で見てみたかった……。
③御衣黄桜(ぎょいこうざくら)
竹芝橋を渡った場所にある、希少な緑色の八重桜。4月中旬〜下旬が見頃。
④船路橋(ふなじばし)
竹芝橋から真っ直ぐ、船路橋へ。平成19年に開通。元々は路面電車の車輌工場への入出庫に使う橋だったそうで、廃止された都電のレールの痕跡も残っています。橋を渡った先は、四方を運河に囲まれた芝浦アイランド地区。
船路橋から芝浦アイランド地区のテラスを通り、汐彩橋を渡ると、この辺りから潮の香りがしてきます。直進すると、ゆりかもめと一般道、レインボーブリッジを結ぶ巨大ループが見えてきます。
下から見ると圧巻。この巨大ループも見どころです。
道が2本に分かれているので「芝浦南ふ頭公園」を目指して右へ。ちなみに、左に進むと、そのままレインボーブリッジの入り口に到着します。
どどんと、レインボーブリッジがお目見え。このレインボーブリッジを後で歩くと思うと、期待が高まります。さらに奥へ進みます。
レインボーブリッジの真下。フェンスがあるのでこの入り口から中へ入って行くと、芝浦南ふ頭公園に到着します。
⑤芝浦南ふ頭公園
東京都の海上公園。レインボーブリッジと海の向こう側のお台場の景色が両方見られるという絶好のロケーション。デートの穴場としてもおすすめです。
⑥レインボーブリッジ散歩道
芝浦南ふ頭公園から芝浦アンカレイジ(吊り橋のメインケーブルを固定させるための巨大なコンクリートブロック)へ向かい、いよいよレインボーブリッジを渡ります。
レインボーブリッジは一般公募で決まった通称で、正式名称は「東京港連絡橋」。1993年8月26日開通ということで今年で開通30周年。橋長は798m、主塔の高さは海面から126m。
遊歩道は約1.7kmで通行無料。レインボーブリッジから散歩をスタートしたい場合は、芝浦ふ頭駅(ゆりかもめ)から徒歩5分で芝浦アンカレイジに到着します。
開場・通行可能日時は、4月1日〜10月31日は午前9時〜午後9時(最終入場は閉館30分前)、11月1日〜3月31日は午前10時〜午後6時(最終入場は閉館30分前)。休館日は毎月第3月曜(祝日に当たる場合はその翌日)とのこと(※メンテナンスや天候上の都合で入場お断りの場合もあり)。芝浦側出入口から台場側出入口までは約1.7km(徒歩20〜30分程度)です。
アンカレイジ入口。中に入るとエントランス、トイレ、自販機があります。また、レインボーブリッジ散歩道には、ノースルートとサウスルートがあり、今回はお台場方面の景色が見られるサウスルートへ。天気が良ければ富士山も見られるそうです。ノースルートからは、芝浦・日の出・竹芝・晴海ふ頭の高層ビル群や東京タワー、スカイツリーなどの景色が見られます。
エレベーターで7階に上がり、プロムナード(遊歩道)に到着。ついに、レインボーブリッジを歩きます。ちなみに、ランナーも多いです。
ゴーゴーと強い風が吹き、振動もあり、立ち止まると若干の怖さも……。ちょっとしたアトラクション感覚です。レインボーブリッジは二層構造になっていて、このプロムナードがある下層部は、中央部にゆりかもめ、左右に一般道が通っていて、上層部は首都高速が通っています。
各所に展望スペースがあり、休憩できたり写真も撮れます。
景色を楽しみながらずんずん進んでお台場側のアンカレイジに到着。
台場アンカレイジを抜けてしばらく歩くと、お台場海浜公園へつながる出口が見えてきます。風も穏やかで気持ち良い。
ついに上陸。ここを出て右に進めば「お台場海浜公園」です。
⑦お台場海浜公園
遊歩道に腰を下ろし、のんびり過ごす人たち。
砂浜から見るレインボーブリッジ。先ほど渡ってきただけに感慨深い。ライトアップは日没約30分後〜24時(※ケーブルイルミネーションは、イベントや曜日・時間により異なる)。その時間に合わせてレインボーブリッジを渡って、ライトアップを楽しむのも良さそうです。
おわりに
昭和レトロ感のある新芝運河遊歩道、平成バブルのジュリアナ東京跡地、再開発地区の芝浦アイランド、レインボーブリッジから見渡す近代的な風景。時代と街の移り変わり、懐かしさも新しさも体感できるのがこのコースの良いところ。後編では、隅田川沿いにある浅草と、月島・佃の下町情緒のあるコースをそれぞれ紹介します。