人間ドックを受けることで、病気の早期発見や予防につながります。とはいえ、どのクリニックで受ければ良いのか、たくさんある検査からどの検査項目を選べば良いのか分からない方が多いのではないでしょうか。また、健康保険の適用外のため、費用を抑えたいと考える方も少なくありません。
このコラムでは、人間ドックと健康診断の違い、おすすめのクリニック、年代別のおすすめの検査項目についてご紹介します。ぜひ人間ドックを受ける前に、参考にしてクリニックを選んでみてください。
- 人間ドックとは任意の健康診断
- 人間ドックは20代や30代から受診して病気の早期発見や予防につなげる
- 年代や性別にとっておすすめの検査項目は変わ
- 国民健康保険や補助制度の利用で費用を抑えられる
人間ドックとは
人間ドックとは、自覚症状のない病気や体の異常を早期に発見して、治療および予防を行うための検査のことです。
とはいえ、健康診断との違いやどのような治療を受けられるのか分からない方も多いでしょう。そこで、まずは以下の流れで人間ドックについてご紹介します。
- 健康診断と何が違う?
- 人間ドックは何歳から受ける?
- 検査内容や発見できる病気について
それぞれの内容について順番に見ていきましょう。
健康診断と何が違う?
健康診断とは、健康状態を診断して病気の兆候を調べる検査のことです。企業で働いている方は、法律により年に一度は定期健康診断を受診する必要があります。検査項目は10〜15項目程度です。
一方、人間ドックには、法的な義務はないため、個人の意思で受診します。
検査項目が50〜100項目に及ぶため、健康診断では分からない病気の発見ができるだけでなく、医師との面談で検査結果をもとに説明を受ける時間も用意されていることが多いです。
そのため、健康診断だけではなく人間ドックも受診することをおすすめします。
参照元:ミッドタウンクリニック名駅|意外と知らない!?「健康診断」と「人間ドック」の違い|「人間ドック」は検査項目が多く、病気の早期発見が目的
人間ドックは何歳から受ける?
人間ドックは何歳から受ければ良いのか疑問を持っている方も多いでしょう。20歳以上であれば誰でも受けることができる検査です。20代から健康への意識を持っている方は多くないですが、病気の早期発見につながるだけでなく、注意すべき病気を知っておくことで生活習慣の改善につなげられるでしょう。
とはいえ、たくさんの検査を受ければ良いわけではありません。病気の発生や進行の原因となる危険因子は年齢によって異なるため、自分に適した検査項目を選びましょう。また、男性か女性かでも受けたい検査項目が変わります。
例えば、30代男性であれば、消化器疾患と生活習慣病に備えられるプランがおすすめです。女性の場合は、女性特有の疾患である子宮頸がんや乳がんの検査を受けましょう。
さらに、40代や50代になるにつれてがんや糖尿病といった生活習慣病や心臓病、脳血管疾患の検査ができるプランも徐々に取り入れることをおすすめします。
参照元:マーソ|人間ドック・健診Q&A
検査内容や発見できる病気について
人間ドックでは行う検査によって見つかる病気が異なるため、表にまとめました。
検査項目 | 見つかる病気 |
X線 | 肺がん肺炎 |
超音波検査 | 肝臓がん腎臓がん胆石 |
PET | 複数の臓器のがん |
MRI・CT | 複数の臓器のがん腫瘍脳梗塞 |
胃内視鏡検査 | 食道、胃、十二指腸の腫瘍およびがん |
便潜血検査 | 消化器のがん、腫瘍、ポリープ |
心電図検査 | 不整脈狭心症心臓弁膜症 |
眼底検査 | 白内障緑内障高血圧動脈硬化糖尿病性網膜症 |
血液検査 | 動脈硬化生活習慣病 |
血圧検査 | 脳血管疾患心疾患 |
ご自身の年齢に適した検査が受けられるプランを選びましょう。
東京・大阪でおすすめの人間ドック
人間ドックを選ぶ基準は、有名な病院、費用、検査時間、口コミ、検査項目の多さ、ペア割引がある、などがあり、どの点を重視するかでおすすめのプランが異なります。
東京と大阪でおすすめの人間ドックは以下の5つです。
- 東京人間ドッククリニック
- PL東京健康管理センター
- 内幸町診療所
- 玉城クリニック
- たわ内科・内視鏡クリニック
それぞれのクリニックの特徴や検査項目について詳しくご紹介します。
東京人間ドッククリニック
東京人間ドッククリニックは、待ち時間の少なさと基本検査の充実度が評判の人間ドックです。最短50分で検査が終了する速さで平均滞在時間は1時間半のため、忙しい方でも安心して来院できるでしょう。胸部CT、内臓脂肪CT、血管年齢測定も基本検査に含まれている充実ぶりです。
【主な特徴】
・検査項目が豊富で、少人数・個別形式で検査を行っているため検査時間が比較的短い
・経鼻内視鏡を導入しているので痛みを伴わず内視鏡検査が受けられる
住所 | 東京都荒川区東尾久1-30-8 |
料金目安 | 9,900〜225,500円 |
土日 | 対応可 |
検査項目 | 問診、身体測定、血圧、血液検査、尿検査、心電図、眼検査、腫瘍マーカー、検便、胸部レントゲン、胃カメラ、胃カメラ(経鼻)、胃カメラ(経口)、バリウム、胸部CT、乳がん検診、腹部エコー、内臓脂肪CT、血管年齢、肺機能、CO濃度、頭部MRI、禁煙指導、ダイエット指導 |
参照元:東京人間ドッククリニック│人間ドックを東京でお探しなら東京人間ドッククリニック|
PL東京健康管理センター
PL東京健康管理センターは、フォローアップ体制が充実しており、評判の良い人間ドックです。5回以上受診した場合は一人ひとりに合わせたプロファイルを作成してもらえるので、生活習慣の改善を進めて病気の予防や発症を遅らせることができるでしょう。
【主な特徴】
・診察と結果説明の2度医師に相談でき、その日に結果を通知してもらえる
・精密検査や治療および入院が必要な場合に専門医を紹介してもらえる
住所 | 東京都渋谷区神山町17-8 |
料金目安 | 64,900円 |
土日 | 対応可 |
検査項目 | 問診、身体計測、血圧、尿検査、血液検査、肝機能検査、リウマチ因子、C反応性蛋白、血液算定、消化管(大腸)検査、視力検査、眼圧検査、眼底検査、聴力検査、心電図検査、肺機能検査、医師診察、胸部X線検査、上部消化管X線、超音波検査、総合判定(当日)、栄養・食事指導 |
内幸町診療所
内幸町診療所は、帝国ホテル東京に宿泊して人間ドックを受けられる1泊2日の人間ドックを実施しています。食事をホテルで食べられる、高級ホテルでリラックスできるといった他のクリニックにはないメリットがあることから、夫婦での受診もおすすめです。
【主な特徴】
- ホテルで人間ドックを受けられる他、ホテル内のレストランの軽食券がつく
- オプションで女性専用オプション検査(乳がん検診、子宮がん検診、エコー)をつけられる
住所 | 東京都千代田区内幸町1-1-1 帝国ホテルタワー7 F |
料金目安 | 55,000〜88,000円 |
土日 | 対応不可 |
検査項目 | 眼底撮影、採血、眼圧測定、身体計測・視力検査、胸部X線検査、腹部超音波検査、肺機能検査、安静時心電図、問診、診察、血圧測定、直腸診、聴力検査、負荷心電図、糖負荷検査、喀痰採取、血圧測定、胃部X線検査 |
参照元:ITクリニック
玉城クリニック
玉城クリニックは、大阪の梅田駅から電車で6分のアクセスにあるクリニックです。内視鏡専門医と糖尿病専門医が在籍しているので、糖尿病・高血圧といった生活習慣病やがんの早期発見ができるだけでなく、異常が見つかった場合もそのまま専門的な治療を受けられます。
【主な特徴】
- 内視鏡と糖尿病の専門医が在籍
- 胃カメラと大腸カメラを同日に受けられるので忙しい方も安心
住所 | 大阪府大阪市都島区都島本通1丁目21-22 内視鏡糖尿病メディカルセンター |
料金目安 | 26,000〜48,000円 |
土日 | 対応可(土曜日の15時まで) |
検査項目 | 診察、問診、身体検査、血液検査、尿検査、血圧、視力、聴力、圧計測、胸部X線、心電図検査、便潜血検査、胃カメラ検査、大腸カメラ |
参照元:玉城クリニック|人間ドック
たわ内科・内視鏡クリニック
たわ内科・内視鏡クリニックは、人間ドックで内視鏡専門医による内視鏡検査を受けられるクリニックです。さらに、要望に応じて麻酔を使用するので、苦痛を大幅に軽減できます。検査の準備ができる専用ブースも備わっているので、リラックスした環境で大腸カメラ検査を受けられるでしょう。
【主な特徴】
- 内視鏡専門医が在籍
- 痛みを軽減した内視鏡検査により初めての方でも安心
住所 | 大阪府豊中市上野西三丁目14番18号 GAビル1階 |
料金目安 | 18,000〜57,000円 |
土日 | 対応可(土曜日のみ) |
検査項目 | 胃カメラ検査、胸X線検査、心電図検査、血液検査、尿検査、身体測定、大腸カメラ検査、腹部超音波検査、胃カメラ検査、腹部超音波検査 |
年代別おすすめの人間ドック
人間ドックで受診したい検査項目は年齢によって異なります。
- 30代におすすめの検査項目
- 40代におすすめの検査項目
- 50代におすすめの検査項目
- 60代におすすめの検査項目
各年代別におすすめの検査項目についてご紹介しましょう。
30代におすすめの検査項目
30代におすすめの検査項目は以下のとおりです。
検査項目 | 発見可能な病気 |
便潜血検査大腸内視鏡検査 | 大腸がん |
胃レントゲン検査胃部内視鏡検査胃がんリスク検査 | 胃がん |
血液検査 | 動脈硬化 |
子宮頸部細胞診 | 子宮頸がん |
乳腺エコー検査 | 乳がん |
30代は仕事や子育てなどのストレスが原因で体調を崩しやすい年代です。
男性は、肥満や高血圧症候群、糖尿病、胃がん、大腸がんといった病気に注意する必要があります。女性は、女性特有の疾患である子宮頸がんや乳がんの発症リスクが高くなるため注意が必要です。
参照元:人間ドックのミカタ| 30代の発症リスクと人間ドック【男女別】
40代におすすめの検査項目
40代の方は人間ドックで以下の項目を検査しましょう。
検査項目 | 発見可能な病気 |
胸部X線検査 | 肺がん |
腫瘍マーカーPSA検査 | 前立腺がん |
マンモグラフィ検査 | 乳がん |
子宮体部細胞診 | 子宮体がん |
胃レントゲン検査胃部内視鏡検査胃がんリスク検査 | 胃がん |
便潜血検査大腸内視鏡検査 | 大腸がん |
40代の男性は、生活習慣病や糖尿病などの基礎疾患、胃がんや大腸がん、前立腺がんにかかる方の割合が多くなります。
女性は、子宮体がんと乳がんに注意しましょう。また、女性も胃がん、大腸がん、肺がんが増えてくる時期です。複数の臓器をスクリーニングして、早期に異常を発見しましょう。
参照元:ラジオロジークリニック扇町│人間ドックは何才から受けるもの?
50代におすすめの検査項目
50代におすすめの検査項目は以下のとおりです。
検査項目 | 発見可能な病気 |
心臓MRI検査心エコー検査 | 心臓病 |
頭部MRI検査頭部MRA検査 | 脳卒中 |
頚動脈エコー検査 | 動脈硬化 |
腹部超音波検査造影CT検査 | 膵臓がん |
50代の男性はがん、心疾患(心臓病など)、脳血管疾患、動脈硬化になる方が増えます。CT検査などの精密検査が必要なため、心臓MRI検査や頭部MRI 検査がおすすめです。
女性は乳がんや大腸がん、子宮頸がんに加えて膵臓がんも注意しましょう。
60代におすすめの検査項目
60代におすすめの検査項目は以下のとおりです。
検査項目 | 発見可能な病気 |
PET検査 | 全身のがん |
大腸がんドック | 大腸がん |
頭部MRI検査 | 認知症 |
頭部MCI検査 | 認知症 |
血液検査 | 動脈硬化 |
60代は男性・女性ともにがんの発生率が大幅に増加するため、大腸がんや胃がん・乳がんなど各種がんの検査をおすすめします。
また、早期認知症予防をするために軽度認知障害検査も行いましょう。
人間ドックにかかる費用
人間ドックにかかる費用はがいくらなのか気になっている方も多いでしょう。
そこで、人間ドックの費用相場や費用負担を抑えるための補助制度についてご紹介します。
人間ドックは保険適用外!
人間ドックは法的に受診しなければならない検査ではないため、健康保険の適用から外れます。したがって、受診費用は全額負担しなければなりません。
人間ドックの費用相場は、日帰りコースで30,000〜70,000円。1泊2日コースで40,000〜100,000円です。加えて脳ドックを受けたりオプションをつけたりすると、さらに多くの費用がかかります。
地域や医療機関によっても価格差が発生するため、受診前に料金と検査項目を確認しておきましょう。
参照元:太陽生命│人間ドックの費用相場は?受けられる補助や保険は何がある?│
人間ドックで受けられる補助制度
人間ドックでは1回で数万円以上の費用がかかります。しかし、補助制度を使うことで費用負担を抑えることが可能です。
- 国民健康保険
- 勤め先で加入している健康保険
- 医療保険や生命保険など
それぞれの補助制度について詳しくご紹介します。
国民健康保険
国民健康保険に加入していて保険料の滞納がない方向けに、人間ドックの受診の補助金および助成制度を用意している自治体があるため確認しましょう。
例えば、東京都では荒川区、大田区、青梅市など多くの自治体が助成金を提供しています。助成額は概ね8,000〜20,000円で、対象年齢を30歳以上か40歳以上としている自治体が大半です。
自分の住んでいる地域が助成金を用意しているのか、対象になるのか確認しておきましょう。
参照元:人間ドック|国⺠健康保険加⼊者 ⼈間ドック助成のある⾃治体
勤め先で加入している健康保険
勤め先で社会保険に加入している方は、人間ドックに関する補助制度を受けられる可能性があります。
例えば、協会けんぽ(全国健康保険協会)に加入している場合、差額人間ドックを受けることが可能です。
三井記念病院で1日ドックの基本コース(バリウム)を受診する費用は60,500円ですが、補助が適用されると費用負担は46,917円(35歳〜74歳かつ本人の場合)になります。
補助制度を使えるかどうかクリニックに確認しておきましょう。
医療保険や生命保険など
人間ドックの割引サービスを提供している民間の医療保険や生命保険もあります。
例えば、東京海上日動あんしん生命では、人間ドック、脳ドック、がんPET検診の優待サービスを提供しており、通常料金よりも約5〜20%ほど割り引いた料金で人間ドックが受診可能です。
加入している医療保険や生命保険に人間ドックの割引サービスがあるか確認してみましょう。
参照元:太陽生命│人間ドックの費用相場は?受けられる補助や保険は何がある?
人間ドックの支払いはかんたん安心ローンがおすすめ
人間ドック1回の受診で数万〜10万円前後の費用がかかります。健康が大事だと分かっていても生活が苦しいと受診を躊躇する方も多いでしょう。
そのような方には、セゾンのかんたん安心ローンがおすすめです。セゾンのかんたん安心ローンであれば80歳までの急な出費に備えることができます。
さらに、返済方法も1回払い、リボ払いから選択可能です。加えて、フリーローンの場合は、60歳以上の方限定で2ヵ月に1回の返済もできます。医療費だけでなく生活費やお祝い事の資金などさまざまな用途に使えるため、もしものときに備えての申込みもおすすめです。
おわりに
検査項目が多い人間ドックであれば、病気の早期発見や予防が期待できるでしょう。ただし、どの検査項目を受けるべきかは年代や性別によって変わるため、その時々で検討する必要があります。クリニックは費用だけでなく口コミや受診可能な検査項目を基準にして選びましょう。
割引や補助制度を活用すると、費用を抑えて人間ドックを受診できます。