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国からもらえるお金を知ろう!損をしないために把握しておきたい手当金・給付金15選

国からもらえるお金を知ろう!損をしないために把握しておきたい手当金・給付金15選
セゾンのくらし大研究 編集部

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豊かなくらしに必要な「お金」「健康」「家族」に関する困りごとや悩みごとを解決するために役立つ情報を、編集部メンバーが選りすぐってお届けします。

給与明細を見ると、支給額に対して、社会保険料や税金など差し引かれる金額の多さに愕然とすることはありませんか。将来の年金や公共インフラの充実のためには仕方ないと思いがちですが、実は、公的医療制度や住宅関連で要件を満たせば、もらえるお金は意外と多くあるのです。

このコラムでは代表的な手当金や給付金について紹介します。

この記事を読んでわかること
  • 国や自治体では、さまざまな手当金や給付金、助成金が用意されているものの、これらの多くは、申請をしないともらえません。
  • 住宅関連・医療介護関連・生活サポート関連・事業関連・子育て関連で受け取ることのできるお金について、代表的なものをご紹介します。
  • 紹介しきれない施策も多くありますので、アンテナを張り、ぜひ制度を活用してください。
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国からもらえるお金の種類

国からもらえるお金の種類

国や自治体が管理する公共施設や公園、道路、そして、私たちの生活を守る公共サービスは、私たちが働いて得た収入のなかから負担する税金で賄われています。

こうした公共インフラや社会保障制度は、負担するだけではなく、必要であれば利用することができます。ただ、利用可能な制度があるにもかかわらず、こうした制度は、本人が申請しなければならず、制度があることを知らないという場合が多いようです。

国や自治体からもらえる(払い戻される)お金には、生活の補助や失業中のサポート、住宅関連、子育てなどさまざまな種類があります。ほんの一部ですが、代表的なものについて紹介しましょう。

補助金・助成金・給付金の違い

国や自治体では、さまざまな事業を行っており、それぞれの目的や目標に応じて、支援やサポートを行っています。経済的支援には、個人向け、法人向けなど多岐にわたるものです。そもそも、よく聞く「補助金」「助成金」「給付金」には違いがあるのでしょうか。特徴を表にまとめてみました。

補助金・国の政策目標を実現するために、事業を行う事業主に交付するお金
・予算や件数が予め決まっているため、公募・審査により採択
・事業者による事業完了後に一部が支給される
助成金・事業者を支援するために交付するお金
・要件を満たせば支給される
・後払いで、一部が支給される
給付金・個人や事業者を対象とするお金
・要件を満たせばもらえる

「補助金」は、「IT導入補助金」「ものづくり補助金」など事業者向けが多いかもしれません。「助成金」のうち「雇用調整助成金」は、コロナ禍において、企業も従業員も雇用を守ることができ、効果を発揮した支援のひとつです。

「給付金」については、一律給付の「特別定額給付金」や事業者向けの「持続化給付金」により助けられた家計や事業主も多かったのではないでしょうか。

国からもらえる主なお金【一覧】

ここでは、代表的な制度を一覧で紹介し、詳細については、それぞれの章で解説します。

なお、以下の情報は、2023年5月時点のものです。

種類対象者金額
住宅関連でもらえるお金
ZEH支援事業ZEH、ZEH+住宅を新築・購入する個人及び販売者となる法人ZEH:550,000円
ZEH+:1,000,000円
介護保険における住宅改修要支援・要介護認定者最大20万円のうち負担割合により7割~9割支給(償還)
住宅ローン減税住宅ローンを利用して住宅を購入した方支払った所得税のうち年末の借入残高に対して0.7%が税額控除
※住宅性能により限度額が異なる
医療・介護関連でもらえるお金
高額療養費制度公的医療保険制度(健康保険組合・協会けんぽ・後期高齢者医療保険・共済組合など)の被保険者及びその被扶養者窓口で支払った医療費の自己負担限度額の超過分払い戻し(年齢・所得による)
傷病手当金健康保険に加入する会社員等標準月額を平均した額÷30日×2/3×日数
介護休業給付雇用保険に加入する会社員等休業開始時賃金日額×支給日数(最大93日)×67%
生活サポート関連でもらえるお金
住居確保給付金離職・廃業から2年以内または休業等により収入が減少し、住居を失うおそれが生じている方家賃相当額
生活保護制度働くことが難しいなど生活困窮により支援を必要とする方最低生活保障費(年齢や世帯人数等ふまえ審査により決定)
年金生活者支援給付金住民税非課税の年金生活者基準額 月額5,140円
事業・雇用関連でもらえるお金
小規模事業者持続化補助金(一般型)小規模事業者補助率2/3補助額は50~200万円適格請求書発行事業者に転換する場合は50万円上乗せ(最大250万円)
事業再構築補助金新分野への挑戦など思い切った挑戦をしようとする事業主【成長枠】【グリーン成長枠】【物価高騰対策・回復再生応援枠】など枠ごとに異なる
ものづくり補助金生産性向上にむけたサービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善に取り組む事業主【通常枠】【デジタル枠】【グリーン枠】など枠ごとに異なる
子育て関連でもらえるお金
児童手当制度中学校卒業までの児童を養育している方(所得制限あり)3歳未満:1万5,000円
3歳以上小学校修了前:1万円(第3子以降1万5,000円)
中学生:1万円
高等学校等就学支援金制度高校等に在学する方(保護者の所得要件あり)公立高校の場合年額11万8,800円私立高校の場合は、所得に応じて加算
出産育児一時金健康保険や国民健康保険の被保険者等50万円

住宅関連でもらえるお金

住宅関連でもらえるお金

住まいにかかるお金は、高額となりがちなため躊躇しがちです。そうしたなかで、国として、ローンを組み、購入や改修する方への税負担軽減は「経済の活性化」、また環境にやさしい家づくりの普及は「持続可能な社会の実現」にむけて効果が期待できます。

ここでは、「ZEH支援事業」「介護保険による住宅改修」「住宅ローン控除」を紹介しましょう。

ZEH支援事業

環境省では、経済産業省・国土交通省と連携して、断熱性能と省エネ性能を高める「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の普及を目指し、取り組んでいます。住宅の新築や改修時に、こうした取り組みを行う個人や事業者に対する支援として、ZEH支援事業という補助金制度があります。

ZEH(断熱性能に優れた住宅)、ZEH+(より高性能なZEH)の戸建て住宅を新築・購入する個人もしくは販売する事業者が申請可能です。

ZEH:55万円/戸+加算あり、ZEH+:100万円/戸+加算あり(令和5年度予算 6,550百万円)

このほか、ZEH性能区分に応じた関連支援制度があります。

3省連携の取り組み

介護保険における住宅改修

居宅介護住宅改修費(介護予防住宅改修費)は、要介護者(要支援者含む)が自宅で安心・安全に暮らせるよう改修するための介護保険サービスです。要支援、要介護ともに、在宅サービスの支給限度額とは別枠で利用できます。

サービスの利用は、ケアマネジャーに相談のうえ、ケアマネジャーが改修を妥当と判断した場合に、必要書類とともに「事前に」申請可能です。工事完了後、領収書の提出により、介護保険で適用される改修費の上限20万円のうち7割から9割(負担割合による)が支給されます。

対象となる改修工事は、手すりの取付け・段差の解消・滑り防止や移動の円滑化のための床等の材料変更・引き戸への扉の取替え・洋式便器化などに限定されるため、確認が必要です。

住宅ローン減税

住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)は、住宅ローンを利用して住宅の新築・取得又は増改築等をした場合、年末の借入残高の0.7%を所得税(所得税から控除しきれない場合は翌年の住民税)の税額から最大13年間控除する制度です。

新築・買取再販住宅の環境性能等借入限度額控除期間既存住宅の環境性能等借入限度額控除期間
2022-2023年入居2024-2025年入居2022-2025年入居
長期優良住宅・低酸素住宅5,000万円4,500万円13年間長期優良住宅・低酸素住宅ZEH水準省エネ住宅省エネ基準適合住宅3,000万円10年間
ZEH水準省エネ住宅4,500万円3,500万円
省エネ基準適合住宅4,000万円3,000万円
その他の住宅3,000万円0円その他の住宅2,000万円
控除率全期間 一律0.7%
所得要件合計所得金額 2,000万円以下(特例居住用家屋・特例認定住宅等 1,000万円)
床面積要件50平米以上(特例居住用家屋・特例認定住宅等 40平米以上50平米未満)

住宅の性能により控除できる金額が異なり、また性能を証明する書類の添付が必要となるため、施工会社もしくは不動産販売会社へご確認ください。

住宅ローン控除の適用を受けるためには、入居した翌年に確定申告を行う必要があります。給与所得者の場合は、2年目以降は年末調整で控除を受けることが可能です。

医療・介護関連でもらえるお金

医療・介護関連でもらえるお金

病気やケガによる医療費等の支出負担、また長期間働けない状況での収入減少は、生活に影響を与えることにもなるでしょう。

また、ご自身だけではなく家族の介護のために休業することも考えられます。そういった場合には、医療費用の負担軽減(公的医療制度)や給与に代わる給付(雇用保険制度)を受けることが可能です。

代表的な「もらえる」制度として、高額医療費制度、傷病手当金、介護休業給付を紹介します。

高額医療費制度

「高額療養費制度」は、その月の医療費が高額になった場合、自己負担額として支払った医療費が限度額を超えた分について、払い戻される制度です。自己負担限度額は年齢および所得状況等により異なります。

世帯内での合算ができるので、健康保険の被保険者だけでなく、扶養されている家族(親族)も含めることが可能です。また、1年間で高額療養費として払い戻しを受けた月が3ヵ月以上あった場合には、「多数該当高額療養費」として、自己負担額がさらに引き下げられます。

傷病手当金

「傷病手当金」は、健康保険の被保険者が病気やケガのために会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に、被保険者とその家族の生活を保障するための制度です。

病気やケガの療養のため仕事を休んだ日から連続して3日間(待期)の後、4日目以降の仕事に就けなかった日に対して通算1年6ヵ月まで支給されます。支給される傷病手当金の額は、支給開始日以前の継続した12ヵ月間の各月標準月額を平均した額÷30日×2/3×日数で計算。

ただし、業務上・通勤災害によるもの(労災保険の対象)や病気とみなされない美容整形などは対象外です。

介護休業給付

配偶者や父母、子等の対象家族を介護するため休業した雇用保険の被保険者が、介護休業期間中の報酬が休業開始時の報酬と比べて80%未満に低下等、一定の要件を満たした場合に、ハローワークへの支給申請により、支給される制度です。

介護休業は、同じ家族について93日を限度に3回までに限り取得でき、介護休業給付の申請手続きは、原則として事業主を経由して行う必要があります。支給される介護休業給付額は以下の計算です。

休業開始時賃金日額×支給日数(最大93日)×67%

生活サポート関連でもらえるお金

生活サポート関連でもらえるお金

さまざまな事情により 生活に困っている場合には、国(または自治体)として、支援する制度があります。

経済的支援としての給付とともに、低金利での貸付けや、収入が安定するよう自立に向けた相談やアドバイスなど人的支援も行っています。代表的な「住居確保給付金」「生活保護制度」「年金生活者支援給付金」について紹介します。

住居確保給付金

「住居確保給付金」は、生活困窮者自立支援制度の事業のうち、離職・廃業から2年以内または休業等により収入が減少し、住居を失うおそれが生じている方を対象に、原則3ヵ月(最長9ヵ月)を家賃相当額を自治体から支給される給付金です。給付金は自治体から直接家主に支給されます。

生活保護制度

働くことが難しいなど、収入が国の定めた基準額(最低生活費)を下回る場合、困窮の程度に応じて、生活に必要な費用を支援する制度です。

保護の申請を行った場合には、自治体(社会福祉協議会など)が訪問調査、資産調査を行い、年齢や世帯の人数等をふまえ、保護を受けられるかどうか、支給する保護費の決定を行います。

年金生活者支援給付金

「年金生活者支援給付金」は、消費税率引き上げ分を活用し、公的年金等の収入金額やその他の所得が一定基準額以下の方に、生活支援を目的として、年金に上乗せして支給される給付金です。

公的年金には、老齢年金・遺族年金・障害年金があり、それぞれの受給状況により受給要件、受給額は異なります。たとえば、65歳以上の老齢基礎年金の受給者の場合、ほかに「同一世帯の全員が市町村民税非課税」「前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額が881,200円以下」というすべての要件をみたせば、年金生活者支援給付金の支給が可能です。

受給額は月額5,140円を基準に保険料納付済期間に応じて算出されます。

事業関連でもらえるお金

事業関連でもらえるお金

給付金や補助金には、個人を対象としたものだけでなく、個人事業主や法人を対象としたものも多く存在します。資金を受け取ることで、設備投資や新しい事業へのチャレンジが可能となり、今まで以上に事業を発展させることも可能となるでしょう。

ここでは、個人事業主を対象とした「もらえる」お金について、「小規模事業者持続化補助金(一般型)」「事業再構築補助金」「ものづくり補助金」を紹介します。

小規模事業者持続化補助金(一般型)

「小規模事業者(常時使用する従業員が「商業・サービス業」5人以下、「それ以外の業種」20人以下)」等が、経営計画を自ら策定し、商工会や商工会議所の支援を受けながら取り組む販路開拓を支援する補助金です。

具体的には、店舗改装費用、広告掲載費用、展示会出展費用などに充てる資金として300万円を見込んだ場合、申請書、経営計画書および補助事業計画書等の必要書類とともに申請し、採択されれば、支払った300万円のうち3分の2にあたる200万円(最大)が補助されます。

補助金の対象となる経費の発注・契約・支出は「補助金交付決定通知書」を受け取った後に行なわなければなりません。

事業再構築補助金

物価高騰など当面の需要や売上げが期待しづらい状況のなかで、新しい分野への挑戦、事業転換、業種転換、業態転換、事業再編など思い切った事業の再構築への挑戦を支援する補助金です。

たとえば、オフィス向けの弁当販売を行っていた飲食事業主が、あらたに高齢者向け食事宅配事業を始めるにあたっての導入費や広告宣伝費等の費用を補助金で活用する計画などがあげられます。

成長枠やサプライチェーン強靭化枠など、申請枠により補助額および補助率は異なります。また、旅費や光熱費のほか、パソコンなど汎用品の購入費、フランチャイズの加盟料などは対象外ですので注意が必要です。

ものづくり補助金

正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」と言い、生産性向上にむけたサービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資を支援する補助金です。

通常枠のほか、DXに資するデジタル枠、温室効果ガスの排出削減に資するグリーン枠など申請枠により、補助額および補助率は異なります。また補助事業終了後に従業員の大幅な賃上げに取り組む事業者に対しては、100万円から1,000万円補助上限が上乗せされます。

子育て関連でもらえるお金

子育て関連でもらえるお金

出産費用や教育費など子育てには何かとお金がかかるものですが、国としても、「異次元の少子化対策」を掲げ、社会全体で子育てを応援する仕組みづくりに取り組んでいます。対象となる要件や所得制限など今後改正される可能性も大いにありますが、現時点(2023年5月時点)での「児童手当制度」「高等学校等就学支援金制度」「出産育児一時金」について紹介しましょう。

児童手当制度

児童手当については、今後変更になる可能性も大いにありますが、2023年5月時点、中学校卒業(15歳の誕生日後の最初の3月31日)までの児童を養育している方がもらえるお金です。

  • 3歳未満:一律1万5,000円
  • 3歳以上小学校修了前:1万円(第3子以降は1万5,000円)
  • 中学生:一律1万円

ただし、児童を養育している方の所得が、所得制限限度額以上、所得上限限度額未満の場合には、特例給付として月額一律5,000円となり、所得上限限度額に達すると支給はされません。

高等学校等就学支援金制度

家庭の教育費負担軽減を図るための国による授業料支援です。受給資格は、高校等(高専、高等専修学校等を含む)に在学する日本国内に住所を有する方ですが、保護者等の所得に制限があります。

以下の算定式により計算した額が、30万4,200円以上(年収目安910万円以上)の場合は対象外です。

算定式… (市町村民税の)課税標準額×6%-(市町村民税の)調整控除の額

支給額は、公立高校に通う生徒は年額11万8,800円(月額9,900円)、私立高校に通う生徒は所得に応じて加算されます。制度利用のためには、入学時など学校からの案内にしたがって申請し、都道府県による審査後に結果が通知されます。

就学支援金は、学校設置者(都道府県や学校法人等)が生徒本人に代わって受け取って授業料に充てるもので、生徒や保護者が直接受け取るものではありません。

出産育児一時金

健康保険や国民健康保険の被保険者等が出産したときは、出産育児一時金50万円が支給されます。

2023年4月より、42万円から引き上げられました。

「出産育児一時金等受取代理制度を導入している医療機関であれば、事前の申請により、出産時に医療機関窓口で支払う経済的負担を軽減することができます。

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おわりに

国や自治体では、さまざまな手当金や給付金、助成金が用意されており、住宅・医療介護・生活サポート・事業・子育て関連で受け取ることのできるお金があります。しかし、これらの多くは、こちらから申請をしないともらうことができません。制度には期限や予算もあり、要件を満たす必要はありますが、こういった制度が存在することはぜひ知っておいてください。

今回は代表的なものをご紹介しましたが、まだ紹介しきれない施策も多くありますので、ご自身でも日ごろからアンテナを張って、こういった制度を活用していきましょう。

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