お風呂掃除で悩みがちなのが、カビ取りです。お風呂にカビが発生すると、気分が滅入ってしまう方もいるでしょう。とはいえ、通常の掃除ではなかなかカビは落ちません。
今回は、お風呂のカビ取り方法をご紹介します。有効なカビ取り剤の種類や場所別の掃除方法などをまとめました。「お風呂の頑固なカビを一掃したい!」という方は、ご紹介する方法を試してみてください。カビを除去して、きれいなお風呂で癒しの時間を満喫しましょう。
この記事を読んでわかること
- お風呂のカビを除去するには塩素系のカビ取り剤がおすすめ
- カビのある部分をしっかり乾かし、薬液を密着させて根まで成分を浸透させるのがポイント
- お風呂の材質によっては、塩素系カビ取り剤が使えないので注意が必要
- 塩素系カビ取り剤を取り扱う際は、目・口・皮膚などに薬液が付着しないよう装備を整える
- お風呂のカビ取り後は、定期的に熱湯をかけたり防カビ剤を活用したりして発生を予防する
お風呂にカビが発生する原因
お風呂はカビが発生しやすいエリアです。その理由は、カビの発生に好都合な条件がそろっているため。カビが繁殖しやすい条件を確認してみましょう。
【カビが好む環境】
湿度 | 60%以上 |
温度 | 20℃前後 |
栄養源 | 水、垢、石けんカス、汚れ など |
風通し・日当たり | 悪いところ |
お風呂は図らずも高温多湿になるうえに、エサとなる垢や石けんカスなどが飛び散ります。したがって、家の中でも特に浴室はカビがよく発生してしまうのです。
お風呂に発生するカビの種類
浴室に発生するカビには「黒カビ」および「ピンクヌメリ(赤カビ)」の2種類があります。それぞれの特徴をチェックしておきましょう。
人体に影響を及ぼす可能性のある黒カビ
黒カビとは「クラドスポリウム」という菌です。黒カビは、発生してから時間が経過すると落とそうとしても一筋縄ではいきません。根本から取り除くには、専用のカビ取り剤や消毒剤が必要です。
「なかなか落とせないから」と黒カビを放置するのはおすすめできません。黒カビはアレルギー症状を引き起こす胞子を空気中に放出します。
さらには「マイコトキシン」という発がん性毒素や肝臓毒素なども生産するのです。そのままにしておくと人体に影響が及ぶリスクがあるため、注意しましょう。
繁殖能力の高いピンクヌメリ
ピンクヌメリは「赤カビ」と称されていますが、実際はカビではなく「ロドトルラ」や「メチロバクテリウム」という菌です。ピンクヌメリは繁殖力が高く、皮脂汚れや水分を餌にしてどんどん増えていきます。
ピンクヌメリは黒カビより簡単に落とせる一方、2~3日放置しただけで広範囲に広がる特性があります。繰り返しピンクヌメリが繁殖する場合は、アルコールや重曹を用いた掃除が必要です。
お風呂の中でカビが発生しやすい場所
浴室内でカビが発生しやすいのは、以下の場所です。
- 天井
- 窓周辺
- 浴槽のふた
- 床と壁の間(シリコーン部分)
- ドアのパッキン
- 床の隅
- バスチェア など
これらの場所は、水や皮脂、石けんカスなどが溜まりやすいため、カビが繁殖しやすいでしょう。
参照元:板橋区公式ホームページ|室内の空気環境 カビが好む環境
お風呂のカビ取りには塩素系のカビ取り剤がおすすめ!
お風呂のカビ掃除には、塩素系のカビ取り剤がおすすめです。塩素系カビ取り剤は強力なため、奥深くまで根が張ったカビにも効果的にアプローチできます。酸素系のカビ取り剤もありますが、塩素系よりも効果が劣るため頑固なカビの除去には向いていません。
では、塩素系カビ取り剤を使った掃除手順をチェックしていきましょう。
お風呂のカビ取りの手順
お風呂のカビ取りに必要な道具と手順をご紹介します。
【準備するもの】
- 塩素系カビ取り剤
- キッチンペーパー
- ラップ
- ブラシ・スポンジ
【服装・装備】
- ゴム手袋
- マスク
- ゴーグル
- 長袖・長ズボン
【カビ取り手順】
- カビが生えている場所を充分に乾かす
- 塩素系カビ取り剤をカビに吹きかける
- カビ取り剤を吹きかけた部分にキッチンペーパーをかぶせる
- キッチンペーパーの上からカビ取り剤をさらに吹きかける
- キッチンペーパーの上にラップを貼りつける
- 15~30分放置する
- シャワーで洗い流す
- カビが残っていたらブラシやスポンジでこすり落とす
塩素系カビ取り剤を使用する際に注意したいのが、目や口、皮膚への付着です。そのため、ゴム手袋などでガードを万全にしてから掃除を始めてください。カビ取り剤を吹きかけたら、ラップで密着させて根まで薬液を浸透させるのがポイントです。
頑固なお風呂のカビ取りにはペースト状のものが有効
なかなか取れない頑固なお風呂のカビには、塩素系カビ取り剤をペースト状にしてから使用するのがおすすめです。
【準備するもの】
- 塩素系カビ取り剤
- 片栗粉
- ボウル・洗面器
- 古い歯ブラシ・割り箸など
【カビ取り剤ペーストの作り方】
- 同量の塩素系カビ取り剤と片栗粉をボウルなどに入れる
- ペースト状になるまで古い歯ブラシなどで混ぜ合わせる
- カビが発生している部分にペーストを塗り込む
- 5~10分放置する
- シャワーで流す
塩素系カビ取り剤をペースト状にすることで、液だれを防げます。密着性も高まり、頑固なカビの除去も叶うでしょう。なお、服装や装備も整えてからカビ取りを行ってください。
【場所別】お風呂のカビ取り方法
続いて、場所別のカビ取り方法をご紹介します。基本的なカビ取り方法は、お伝えしたとおりです。ただ、お風呂ではさまざまな場所にカビが発生します。そのため、掃除方法を場所ごとに変えてみましょう。
天井に発生したカビ
天井のカビ取りは、次の手順で行います。
【準備するもの】
- 塩素系カビ取り剤
- フロアワイパー
- キッチンペーパー
【カビ取り手順】
- キッチンペーパーをフロアワイパーに装着する
- キッチンペーパーに塩素系カビ取り剤を吹きかける
- フロアワイパーを天井まで伸ばして薬液を塗布する
- 15~30分放置する
- シャワーで流す
- 新しいキッチンペーパーをフロアワイパーに取りつけ、天井の水滴を拭く
天井のカビ取りで注意したいのが、液だれです。直接天井にスプレーすると危険なため、キッチンペーパーに染み込ませてから塗布するようにしましょう。上記の方法で行う場合でも、ゴーグル・マスクなどでしっかりガードしてください。
ゴムパッキンに発生したカビ
ゴムパッキンのカビ取りは、基本的な手順と同じです。ただ、ゴムパッキンに発生したカビはしつこいため、いかにカビ取り剤を浸透させるかが重要になります。しっかり密着するよう、塩素系カビ取り剤をペースト状にして使ったり、ジェル状になっているアイテムで掃除したりと工夫してみましょう。
ゴムパッキンのカビ取りをする際、ドアやサッシの金属部分に薬液がかからないようご注意ください。というのも、金属にカビ取り剤がつくとサビや変色の原因になりかねないため。ゴムパッキンに狙いを定め、はみ出さないようにカビ取り剤を塗布しましょう。
浴槽エプロンに発生したカビ
浴槽エプロンとは、バスタブの側面を覆っているパネルです。
浴槽エプロンを外して内部まで掃除する機会は少ないかもしれません。しかし、浴槽エプロン内は湿気がこもりやすいので「気づいたらカビが広がっていた」ということも。そのため、定期的に浴槽エプロンを外してカビを除去しましょう。
【準備するもの】
- 塩素系カビ取り剤
- キッチンペーパー
- 雑巾
- ブラシ
【カビ取り手順】
- 浴槽エプロンを外す
- 大きなゴミがあったらキッチンペーパーで取り除く
- 熱いお湯(50~60℃)で汚れを流す
- 塩素系カビ取り剤を吹きかける
- 30~60分放置する
- ブラシでカビや汚れをこすり落とす
- 熱いお湯で流す
- 浴槽エプロンの水滴を雑巾で拭いて乾燥させる
- 浴槽エプロンを取りつける
カビ取り剤を吹きかける前に、熱いお湯で汚れを流します。排水口の詰まりが心配な場合は、専用のゴミキャッチャーをつけると安心です。服装や装備もしっかり整えてから掃除にとりかかりましょう。なお、浴槽エプロンのつけ外し方法は、取扱説明書でご確認ください。
お風呂のカビ取りをする時のポイント!
お風呂のカビ取りをする際は、次の4つのポイントに注意しましょう。
- 有害なガスの発生には注意する
- お風呂場に使用されている材質に注意する
- 水分のある状態で作業しないように注意する
- 強くこすらないように注意する
有害なガスの発生には注意する
塩素系と酸素系のカビ取り剤はくれぐれも混ぜないようご注意ください。塩素系と酸素系が混ざると、人体に有害な「塩素ガス」が発生します。塩素ガスを誤って吸い込むと目や喉が痛くなるだけでなく、最悪の場合、死亡事故になりかねません。
掃除の際には、塩素系と酸素系のカビ取り剤の同時使用は控えましょう。また、窓や扉を開けてしっかり換気し、ガス対策に努めるのも大切です。
お風呂場に使用されている材質に注意する
お風呂場の材質によっては、塩素系カビ取り剤が使用できません。例を見てみましょう。
【塩素系カビ取り剤が使用できない材質・パーツ】
- 木製品
- 金属製品(真鍮・アルミニウム・ホーロー など)
- 黒いゴム栓
- 獣毛のブラシ など
これらの材質がお風呂場にある場合、塩素系カビ取り剤がかからないよう掃除前にガードしておいてください。
水分のある状態で作業しないように注意する
カビ取りは乾いた状態で行うのがベストです。濡れているとカビ取り剤の成分が薄くなってしまい、思ったような効果が得られません。そのため、カビを取り除くパワーが最大限発揮できるよう、水分を拭き取ってしっかり乾燥させてから、作業を始めましょう。
強くこすらないように注意する
カビを取ろうとブラシで強くこするのは、逆効果です。というのも、こすることでカビ取り剤が飛び散ってしまい、成分が充分に浸透しないためです。
こすらずに放置してカビの根まで成分が届くよう、しっかり時間をおきましょう。放置してもきれいにならない場合は、時間を空けてから再度カビ取り剤を塗布してみてください。
お風呂のカビを予防する方法
せっかくお風呂のカビを取り除いても、何も対策をしないとまたすぐに発生しかねません。お風呂をきれいな状態でキープするには、カビの発生予防に努めるのが大切です。具体的な予防策をご紹介します。
入浴後に冷水をかける
入浴後、浴室全体に冷水をかけるとカビ予防につながります。さきほど、カビは20℃前後の環境で繁殖しやすいとお伝えしました。冷水をかけて浴室の温度を下げることで、カビの抑制が見込めるでしょう。同時に、カビのエサになる皮脂や石けんカスも流れていきます。
浴槽のフタは閉めておく
浴槽にお湯をためておく場合、フタは閉めましょう。フタを開けておくと浴室全体に湯気が広がり、カビの繁殖に好都合な温度・湿度になってしまいます。入浴後は浴槽のフタを閉めるか、すぐにお湯を流して高温多湿な環境にならないよう留意してください。
換気をしっかり行う
カビの発生を防ぐには、換気が欠かせません。換気が充分でないと浴室に湿気が留まり、カビの繁殖が促されてしまいます。お風呂の換気扇はできるだけ24時間稼働させておきましょう。換気扇を止める場合は、窓を少し開けて空気が通るようにしておきます。
定期的に熱湯をかける
週に1回を目安に浴室全体に熱湯をかけると、カビの発生を予防できます。その理由は、50℃以上の熱によってカビの菌糸が死滅するためです。シャワーの温度を50~60℃に設定し、1ヵ所5秒間を目安に熱湯をかけましょう。
防カビ剤を活用する
防カビ剤を活用するのもおすすめです。防カビ効果のあるスプレーやくん煙剤を使用することで、カビの原因菌の撃退が見込めます。ピンポイントで気になる部分には防カビスプレーを。手の届きにくい天井や換気扇内までカバーしたい場合には、防カビくん煙剤を活用しましょう。
なお、防カビ剤の使用頻度は、2ヵ月に1回程度です。詳しくは、製品のパッケージでご確認ください。
参照元:文部科学省|カビ対策マニュアル 基礎編、カジタク(イオングループ)|カビ退治に熱湯は使える? 何度でカビは死ぬ?
お風呂のカビ取りをプロに任せてきれいをキープしよう!
簡単に落とせる程度のカビであれば、ご自身での対処で問題ありません。しかし、奥深くまで根づいてしまったカビを取るのは、とても大変です。そこで、一度お風呂のカビ取りをプロに任せてみてはいかがでしょう。
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おわりに
お風呂に発生した頑固なカビには、塩素系カビ取り剤が有効です。カビ取り剤をしっかり密着させるとカビの根まで成分が浸透し、きれいに取り除けるでしょう。ただし、塩素系カビ取り剤の使用には危険が伴うため、手袋やマスクで身を守る装備を整えてから扱ってください。カビが簡単に落ちない場合は、プロにクリーニングしてもらうのがおすすめです。
今回ご紹介したカビ取り手順やポイントを参考にカビを撃退して、清潔なお風呂でのリラックスタイムを満喫しましょう。