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売掛債権のメリット・デメリットは?未回収を防ぐために行いたい対策について

売掛債権のメリット・デメリットは?未回収を防ぐために行いたい対策について
セゾンのくらし大研究 編集部

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企業間取引では、一定期間の取引についてまとめて後で清算する売掛債権を利用することが多いでしょう。取引の都度で清算するよりも業務の効率化が図れることから、企業間では特に導入しているところが多いです。このコラムでは売掛債権の概要やメリット・デメリットについて解説しています。また、売掛債権の未回収を防ぐための方法についてもご紹介しましょう。

この記事を読んでわかること
  • 売掛債権とは、企業間の営業取引において後払いで清算する権利のことで、取引の都度で清算する手間が省け、業務の効率化が図れるメリットがある。
  • 売掛債権の未回収を防ぐためには、取引先の経営状態を確認しておくことや、人的ミスを防ぐために売掛債権に関する情報を一人ではなく複数名で共有することが必要。
  • ABLや売掛保証サービス、ファクタリングなどの導入も検討しながら安全に取引を進めていくと良い。
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売掛債権にまつわる基本情報

売掛債権にまつわる基本情報

売掛債権に関する基本情報について解説します。

  • そもそも売掛債権とは
  • 売掛債権の種類
  • 未収金とは何が違う?
  • 知っておきたい指標

そもそも売掛債権とは

売掛債権とは、商品やサービスを提供する取引に対してあとから金銭を請求できる権利のこと。売上債権とも呼ばれ、いわゆる「後払い」のイメージです。

一般的な企業間取引では、前払いまたは現金での取引は行わず、信用取引(掛取引)として後払いで清算することがほとんど。商品の引き渡しやサービスの提供を先に行い、そのあと1~2ヵ月後に

代金が支払われますが、この取引で生じた債権を売掛債権といいます。

売掛債権の種類

売掛債権の種類は次のとおりです。

  • 売掛金
  • 受取手形
  • 電子記録債権

売掛金

商品の販売やサービスの提供など売上の対価としてあとから金銭を受け取る権利のことを売掛金といいます。反対に、支払う義務のことは買掛金です。

受取手形

受取手形は、売掛金と類似した権利のこと。受取手形とは、約束手形の支払いによって商品やサービスの代金を受け取る権利のことをいいます。対する売掛金とは、手形取引ではない支払い方法による、商品やサービスの提供での代金受け取り債券のことです。

電子記録債権

電子記録債権とは、近年新たに始まった金銭債権のこと。電子債権記録期間の記録簿への電子記録をその発生・譲渡等の要件とする仕組みで、これまでの債権や手形取引とは違う金銭債権です。

手形取引と同様安全確保措置も講じられているため、事業者は企業間取引などで発生した債権の支払いの際にパソコンやFAXなど電子記録をしておくことで、安全かつ簡易、迅速に電子記録債権の発生・譲渡を行えます。

電子債権の特徴は、自動的に現金化してくれるため直接金融機関に出向く必要がないという点です。なお従来の受取手形では、金融機関で現金化する必要があります。

未収金とは何が違う?

未収金も、特定の債務者に対して債権を有していることには変わりありません。

売掛金は企業間の営業取引によって発生した債権であるのに対し、未収金は営業取引以外によって発生した回収できていない金銭のことである点が大きく異なります。

知っておきたい指標

売掛金について、知っておきたい指標をご紹介しましょう。

  • 売上債権回転率
  • 売上債権回転期間

売上債権回転率

売上債権回転率とは、売上高と売上債権の比率のこと。つまり、売上債権回転率とは、売上債権を回収する速さを表す指標です。計算式として【売上債権回転率=売上高÷売上債権】によって求められます。売上債権回転率が高いほど、売上債権が効率的に回収される状態ということです。

売上債権回転期間

売上債権回転期間とは、売上を回収するまでの期間を示したもの。

計算式は日数の場合で【(売掛金+受取手形)÷(売上高 ÷ 365日)】、月数の場合では【(売掛金+受取手形)÷(売上高 ÷ 12ヵ月)】です。

いずれの場合も、期間が短いほど売掛債権を早く現金化できるということになります。結果的に資金繰りがスムーズに行えるということです。

売掛債権を利用するメリット

売掛債権を利用するメリット

売掛債権を利用するメリットについて解説します。

  • まとめて請求できる
  • 取引先が増える
  • 現金がなくても取引できる

まとめて請求できる

売掛債権を利用することで、一定期間の間の請求をまとめて一括でできる点がメリットです。取引の都度、バラバラと精算することにより時間や労力の削減につながります。場合によっては、銀行振込手数料の節約にもつながるでしょう。

取引先が増える

売掛債権を利用することで、取引先が増える可能性があります。企業間において、スムーズな取引を希望している企業が多いため、現金取引ではなく売掛債権を利用していることで取引先が増えるチャンスにつながるでしょう。

現金がなくても取引できる

売掛債権を利用することで、急いで仕入れをしたい場合に現金を用意できない場合などでも取引できます。売掛債権は、一定期間ごとにまとめて後払いする仕組みです。そのため、今すぐ資金がなくても仕入れができることになります。

売掛債権を利用するデメリット

売掛債権を利用するデメリット

売掛債権のデメリットは、次のとおりです。

  • 債権回収にリスクがある
  • 時効がある

債権回収にリスクがある

売掛債権を利用した取引では、取引先との信頼関係が担保になっているだけの状態のため、期日に支払いが行われない場合や支払いが遅れた場合は、自社のキャッシュフローに影響を与えかねません。最悪の場合には、貸倒リスクもあるということを考えておくと良いでしょう。

時効がある

売掛金の支払い期限から起算して5年で時効になり、債権は消滅します。ただし、2020年3月以前の場合は2年で時効成立です。

時効が成立すると、債権の回収は原則としてできなくなります。

売掛金の未回収を防ぐための対策

売掛金の未回収を防ぐための対策

売掛金の未回収を防ぐための対策として、次の6つについて詳しくご紹介しましょう。

  • 売掛債権の管理
  • 取引先に応じて限度額を設ける
  • 請求書の送付や連絡
  • 売掛保証サービスを利用する
  • ABLを利用する
  • ファクタリングを利用する

売掛債権の管理

請求漏れや入金処理の遅延などのミスから未回収が発生することが多いため、売掛債権を一覧で確認できるようにデータ管理しておくことをおすすめします。

例えば、社内で売掛債権の管理をする際は、一人だけで行うのではなく複数で共有するなどし、人的な確認モレによって損害が発生しないように工夫しましょう。

取引先に応じて限度額を設ける

売掛債権を利用している取引先の経営状況をこまめにチェックし、取引先に応じた売掛金限度額を設けることで未回収リスクを低減できます。例えば、従業員の離職率の高い取引先や支払期日の変更を頻繁に相談してくるなど、これまでの取引状況と違うことがあれば限度額の見直しを検討しましょう。

請求書の送付や連絡

定期的に請求書を送るなどで、入金確認の徹底など日ごろから未収にならないように対策をすることが大切です。また、不安のある取引先へは直接連絡をとって請求するなどの対策をするとなお良いでしょう。

売掛保証サービスを利用する

売掛保証サービスとは、取引先の倒産や入金の滞りなどで売掛金が回収できなくなることに備えた保証です。保証会社と企業が契約し、手数料(保証料)を支払うことで取引先からの未回収を保証してくれます。

この売掛保証サービスを使っているかどうかは、相手方(取引先)へ知られることはありません。そのため、信用取引に不安のある取引先との売掛債権に対して、売掛保証サービスを活用することも未回収リスクを避ける方法です。

ABLを利用する

ABLを利用する

ABLとは、企業の事業価値を構成する在庫(原材料や商品)や機械設備、売掛金などの資産を担保とする融資のこと。

ABLは、企業と貸し手の間の緊密なコミュニケーションと協力関係で行われる融資であるため、経営管理の効率化、在庫管理のコスト低下などが特徴です。また、貸し手に対して担保にした在庫や売掛金等の増減を定期的に報告する義務もあります。

ファクタリングを利用する 

債権を買い取ってもらうサービスがファクタリングです。毎月の請求データを送るだけで、売掛金見合いのまとまった金額を速やかに調達できます。企業にとって資金調達の迅速化につながるうえ、請求業務の効率化をはかることができるでしょう。

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おわりに 

売掛債権とは、一定期間の企業間取引をまとめて後払いで清算する権利のことです。取引の都度清算する必要がないため、業務効率化につながります。ほとんどの企業では売掛債権を伴う信用取引を希望するため、活用することで取引先が増えるなどのメリットもあるでしょう。ただし、相手方企業の経営状態などによる貸し倒れリスクには注意が必要です。売掛保証サービスやファクタリングなども利用しながら未回収を防ぐ方法も実践していくと良いでしょう。

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