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離れて暮らす親にできることは?遠距離介護のポイントや対策をご紹介

離れて暮らす親のために子どもができる対策
セゾンのくらし大研究 編集部

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親が遠方で一人暮らしをしている場合、子どもとしてはさまざまな不安や心配を抱えるものです。健康面の急変や認知症の発症、日常生活の詳細が見えないもどかしさなど、離れて暮らす親への介護には多くの困難が伴います。しかし、工夫次第で遠距離介護の課題を乗り越え、安心して親を支えることは可能です。

本記事では、遠距離介護のポイントや対策、サービス活用法などを詳しく解説します。離れて暮らす親の介護に悩む方は、ぜひ参考にしてください。

この記事を読んでわかること
  • 離れて暮らす親への介護に関する子どもの心配事として、健康面の不調や日常生活の不安、認知症の症状などがある。
  • 離れて暮らす親の老後サポートには、親を近くに呼び寄せる方法と遠距離介護の選択肢がある。
  • 遠距離介護にはメリットとデメリットがあり、適切な対策を講じることが重要。

離れて暮らす親に対して子どもが抱える心配事とは?

離れて暮らす親に対して子どもが抱える心配事とは?

子どもが親と離れて暮らしている場合、親の日常生活の様子が十分に見えないため、さまざまな心配事を抱えがちです。親の健康状態や生活習慣、認知症の有無、将来的な介護の問題など、不安に感じる点は尽きません。

ここでは、離れて暮らす親に対する子どもの主な心配事について見ていきましょう。

病気やケガといった健康面の不調

遠方に住む親の体調を常に把握することは難しいため、病気やケガなど健康面の急変は大きな心配事のひとつです。特に、一人暮らしの高齢者は症状が重篤化しやすく、発見が遅れるリスクも高まります。

急な体調不良やケガの際に適切なサポートができるよう、日頃から親とのコミュニケーションを欠かさず、異変に気づきやすい環境を整えることが大切です。

毎日の生活における不安

親の自立した生活が送れているのか、食事や服薬は問題なくできているのかなど、毎日の生活習慣に対する不安も尽きません。

一人暮らしの高齢者は、食事の偏りから低栄養になったり、飲み忘れから服薬が乱れたりしやすいのです。さらに、戸締まりの確認や火の不始末など、細かな生活面の不安も気がかりです。親の生活リズムを把握し、必要に応じて見守りや声かけを行うことで、安心につなげましょう。

認知症による症状

認知症は身近な問題となっており、親が認知症を発症していないかという不安も大きいでしょう。認知症の症状には記憶障害だけでなく、徘徊などの行動障害や妄想などの精神症状もあります。

認知症の有無を早期に発見し、適切な対応を行うことが重要です。親の様子に変化がないか注意深く観察し、少しでも認知症が疑われる場合は早めに専門医に相談するようにしましょう。

老後の見守り・介護

親の老後の生活を支える見守りや介護についても、子どもにとって大きな関心事です。要介護状態になった場合、誰がどのように介護するのか、介護サービスをどう活用するのかなど、さまざまな課題が浮上します。

親の希望を尊重しつつ、家族で話し合いながら老後の生活設計を練っておくことが肝要です。遠距離介護の場合は、地域の介護サービスを上手に活用し、親子双方の負担を軽減することを意識しましょう。

離れて暮らす親の老後サポートはどうする?

離れて暮らす親の老後サポートはどうする?

親が高齢になってくると、日常生活や健康面のサポートが必要になることも少なくありません。しかし、子どもが離れた場所に暮らしている場合、すぐに駆けつけることは難しいのが現状です。

そこで、親の老後をどのようにサポートしていくか、事前に検討しておきましょう。ここでは、親を近くに呼び寄せる方法や、遠距離介護のポイントについて解説します。

親を近くに呼び寄せる

親の老後を支えるために、親を子どもの住む地域に呼び寄せることを検討してみましょう。同居や近居など、親と子どもがより近い距離で暮らすことで、日常的なサポートがしやすくなります。

ただし、親の意向を十分に確認し、無理強いにならないよう配慮することが大切です。親の生活環境が大きく変わることで、ストレスを感じる可能性もあるため、親子でよく話し合いながら進めていきましょう。

遠距離介護

親の住み慣れた地域で暮らし続けることを望む場合は、遠距離介護を検討しましょう。子どもは仕事や家庭の事情で簡単に親元に戻ることはできませんが、定期的に帰省して親の様子を確認したり、介護サービスを活用したりすることで、遠距離からでもサポートは可能です。

地域包括支援センターやケアマネジャーに相談し、親の状況に合わせた介護サービスを利用しましょう。また、ICT機器を活用した見守りサービスなども検討すると良いでしょう。

遠距離介護を行う際は、親とのコミュニケーションを密にとり、日頃から健康状態や生活状況を把握することが重要です。加えて、近所の知人や民生委員など、親の周囲にいる人々との関係づくりも大切です。何かあった時に協力を得られるよう、普段からつながりを持っておくことをおすすめします。

親の老後をサポートするために、家族で話し合い、親の意向を尊重しながら、できる範囲で最善の方法を選択していきましょう。

遠距離介護のメリット・デメリットは?

遠距離介護のメリット・デメリットは?

親が高齢になり、介護が必要な状況になっても、子どもが仕事や家庭の事情で親元に戻ることが難しいケースは少なくありません。そのような場合、遠距離介護という選択肢が浮上します。

では、遠距離介護にはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。ここでは、その両面について考えてみましょう。

メリット

遠距離介護の大きなメリットは、親子ともに慣れ親しんだ環境で生活を続けられることです。親にとっては、長年住み慣れた地域で人間関係を維持しながら暮らせるというのは大きな利点。子どもにとっても、仕事や子育てなど、これまでの生活を大きく変えずに済むというメリットがあります。

また、遠距離介護では、ある程度の距離を保ちながら介護に臨めるという点も魅力のひとつです。近距離で介護をする場合と比べ、介護者の精神的・肉体的な負担が軽減される傾向にあります。介護のために仕事を辞める「介護離職」のリスクを避けられるのも、遠距離介護ならではのメリットと言えるでしょう。

デメリット

一方で、遠距離介護には克服すべき課題もあります。最大のデメリットは、親に何かあった時に、すぐに駆けつけられないことです。急な体調不良やケガなど、緊急時の対応に不安を感じる子どもは多いでしょう。日頃から、親の近くに住む知人や地域の支援者との連携を密にし、いざという時に協力が得られる体制を整えておくことが肝要です。

また、遠距離介護では、親元に通うための交通費がかさむという経済的な負担も無視できません。介護サービスの利用料なども含め、介護にまつわる出費は小さくありません。介護保険の利用はもちろん、各種助成制度などを活用しながら、可能な範囲で費用を抑えていく工夫が求められます。

遠距離介護は、親子双方にとって完璧な解決策とは言えませんが、工夫次第で充実した介護生活を送ることができます。親の意向を尊重しつつ、利用できる社会資源を積極的に活用していきましょう。

離れて暮らす親の介護で気をつけたい4つのポイント

離れて暮らす親の介護で気をつけたい4つのポイント

遠距離介護では、親の日常生活の様子が見えにくいため、さまざまな工夫が求められます。親の状況を把握し、適切なサポートを行うために、いくつかの重要なポイントがあります。ここでは、離れて暮らす親の介護で特に気をつけたい4つのポイントを解説します。

親と積極的にコミュニケーションをとる

遠距離介護で最も大切なのは、親との積極的なコミュニケーションです。電話やビデオ通話などを活用し、定期的に親の様子を確認しましょう。

会話の中で、健康状態や生活状況の変化を敏感に察知できるよう心がけることが重要です。普段から頻繁に連絡を取り合うことで、親も安心感を得られるでしょう。

親の周囲にいる方たちと連絡をとり様子をうかがう

親の近くに住む知人や民生委員、ケアマネジャーなど、親の周囲にいる方々との連携も欠かせません。これらの方々から、日頃の親の様子について情報を得ることができます。困りごとがあれば、一緒に解決策を考えてもらうこともできるでしょう。

いざという時に協力を仰げるよう、普段から積極的に連絡を取り、良好な関係を築いておくことが大切です。

自分の生活や仕事と介護のバランス

遠距離介護では、親のもとに頻繁に通うことが難しいため、介護と自分の生活や仕事とのバランスを保つことが重要です。無理のない範囲で親を支援し、自分自身の健康も維持できるよう心がけましょう。介護サービスを上手に活用したり、兄弟姉妹で役割分担したりするなど、工夫次第で負担を軽減することができます。

介護費用を把握しておく

遠距離介護では、親の医療費だけでなく、介護サービスの利用料など、さまざまな出費が発生します。これらの費用を事前に把握し、計画的に準備しておくと良いでしょう。介護保険の利用方法や、各種助成制度についても理解を深めておきましょう。また、兄弟姉妹間で費用負担について話し合い、方針を決めておくことも大切です。

遠距離介護は、工夫と協力があれば、充実した介護生活を実現することができます。親の意向を尊重しながら、できる範囲で最善のサポートを心がけましょう。

離れて暮らす親のために子どもができる対策

離れて暮らす親のために子どもができる対策

親が遠方で一人暮らしをしている場合、子どもとしてはさまざまな不安を抱えるものです。しかし、工夫次第で、離れていても親を支援することは可能です。ここでは、遠距離介護を行う上で、子どもができる具体的な対策について解説します。

頻繁に連絡をとるようにする

遠距離介護で最も大切なのは、親とのコミュニケーションを密に取ることです。電話の回数を増やしたり、ビデオ通話を活用したりして、親の様子を定期的に確認しましょう。

顔を見ながら会話をすることで、親の表情から健康状態の変化などを察知しやすくなります。また、頻繁に連絡を取ることで、親も安心感を得られるでしょう。

近隣の方にあらかじめ相談しておく

いざという時に頼れる近所の方がいると、遠距離介護の大きな助けになります。日頃から親の近くに住む方々と良好な関係を築き、連絡先を把握しておくことが重要です。親の健康状態や生活状況について相談し、急な連絡が必要になった際に協力を仰げるよう、事前に了解を得ておくと安心です。

安否確認など見守りサービスを活用する

自治体や民間企業が提供している見守りサービスを活用するのも効果的です。安否確認の電話や訪問、配食サービスなど、さまざまな種類のサービスがあります。親の状況に合わせて適切なサービスを選択し、日常的な見守りを委ねることで、子どもの負担を軽減できます。サービスの利用に際しては、親の意向を尊重し、プライバシーにも配慮することが大切です。

遠距離介護は、親子双方にとって決して容易なことではありませんが、適切な対策を講じることで、充実した介護生活を送ることができます。親の意向を汲み取りながら、利用できる社会資源を積極的に活用していきましょう。

おわりに

離れて暮らす親の介護は、子どもにとって大きな不安や心配事です。しかし、遠距離介護のメリットを活かし、適切な対策を講じることで、充実した介護生活を実現することができます。

積極的なコミュニケーションや周囲の協力、介護サービスの活用など、できる範囲で最善のサポートを心がけましょう。遠距離介護は決して容易ではありませんが、親の意向を尊重しながら、支援サービスを上手に活用することで、離れていても安心して親を支えることができるでしょう。

※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。

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