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「親の介護でイライラの限界!」ストレス・負担を軽減する方法を解説

「親の介護でイライラの限界!」ストレス・負担を軽減する方法を解説
セゾンのくらし大研究 編集部

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親の介護に関わる中で「もう限界」と感じるほどのイライラやストレスを抱えている方は少なくありません。24時間365日の介護による疲労の蓄積や、仕事との両立の難しさ、経済的な負担など、さまざまな要因が重なって精神的な負担となっているのです。この記事では、介護によるストレスが引き起こす問題や、その原因を解説するとともに、介護保険サービスや介護保険外サービスを活用した具体的な負担軽減の方法をご紹介します。

この記事を読んでわかること
  • 親の介護でのイライラは放置すると介護うつや高齢者虐待などの深刻な問題につながる可能性がある
  • 介護の負担は体力面、精神面、経済面の3つの側面があり、それぞれが相互に影響し合っている
  • 介護保険サービスには、自宅での介護支援から施設利用まで、状況に応じてさまざまな選択肢がある
”選べる親御さまサポートサービス”「親サポセレクト」
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親の介護で限界を迎えると?イライラの放置で起きる問題

親の介護で限界を迎えると?イライラの放置で起きる問題

親の介護を行う中で「もう限界」と感じるほどのイライラやストレスを抱えている方は少なくありません。こうした状態を放置すると、介護者自身の心身の健康を損なうだけでなく、要介護者との関係性も悪化し、深刻な問題に発展する可能性があります。

介護の負担による影響と、起こりうる問題について見ていきましょう。

介護うつなど心身の異常

高齢の方が高齢の親を介護する「老老介護」の場合、さらに深刻な問題が生じやすくなります。厚生労働省の調査によると、65歳以上の要介護者がいる世帯の63.5%で、主たる介護者も65歳以上という実態があります。

【老老介護の特徴的な問題点】

  • 介護者自身の体力的な限界
  • 持病の悪化リスク
  • 社会的な孤立
  • 共倒れの危険性

高齢の介護者は自身の健康管理も必要であり、より大きな負担とストレスを抱えることになります。

要介護者への虐待

イライラやストレスが限界を超えると、最悪の場合、要介護者への虐待につながる可能性があります。厚生労働省の調査によると、2021年度の養護者による高齢者虐待の相談・通報件数は36,378件にのぼっています。

虐待は以下のような形で表れることがあります。

  • 身体的虐待
  • 心理的虐待
  • ネグレクト(介護の放棄)
  • 経済的虐待

これらの問題は、介護の負担や精神的ストレスが重なることで、誰にでも起こりうる可能性があります。虐待を防ぐためには、介護者自身のケアと適切なサポート体制の構築が重要です。

親の介護でイライラする原因は?負担が大きくなる例

親の介護でイライラする原因は?負担が大きくなる例

親の介護をしていると、「こんなはずじゃなかった」「自分ばかりが大変な思いをして…」と感じることも多いのではないでしょうか。介護による負担は、体力面、精神面、経済面など、さまざまな側面で積み重なっていきます。

一つひとつは小さな負担でも、それらが重なり合うことでイライラが限界に達してしまうことがあります。どのような状況で負担が大きくなるのか、具体的に見ていきましょう。

体力面|日々の疲れが蓄積

毎日の介護は想像以上に体力を使います。特に排せつや入浴の介助、移動の手伝いなど、身体的な負担の大きい作業が日に何度も必要になります。

とりわけ気をつけたいのが、介護する側も高齢者である老老介護のケースです。自身の体力低下や持病がある中での介護は、腰痛などの身体的な不調を引き起こしやすくなります。また、認知症の親の介護では、昼夜問わない見守りが必要となり、徘徊への対応による睡眠不足や予測できない行動への対応による疲労が重なります。

このような状況が続くと、休息が十分に取れず、疲労が慢性化してしまいます。その結果、些細なことでイライラが募り、心身ともに疲れ切ってしまうことも少なくありません。

精神面|自分の時間が取れないストレス

「24時間365日、気が抜けない」という言葉をよく耳にします。介護は休日もなく、自分の時間を持つことが難しい状況が続きます。

兄弟姉妹間での負担の偏りも大きな問題です。「私ばかりが…」という不公平感や、遠方の兄弟に理解されない辛さを抱えている方も多いでしょう。さらに、要介護者との関係性の変化も精神的な負担となります。

特に認知症による性格の変化は、長年親しんできた親との関係性を一変させ、戸惑いや悲しみを感じることも。また、外出や趣味の時間が取れないことで、社会との接点が減り、孤立感を深めてしまうこともあります。

経済面|介護離職による収入減少

介護には予想以上にお金がかかります。介護保険サービスの自己負担分に加え、おむつ代や食費など、日常的な出費も増えていきます。

仕事との両立が難しく、時短勤務や離職を選択せざるを得ないケースも少なくありません。収入の減少や喪失は、現在の生活を圧迫するだけでなく、将来受け取る年金額にも影響を及ぼします。

経済的な理由で介護サービスの利用を控えめにすると、さらなる問題を引き起こします。必要なサービスを制限することで、かえって体力的・精神的負担が増加し、介護時間の増加による更なるストレスを生むという悪循環に陥りやすくなるのです。

このように、経済的な問題は単なる金銭面の課題だけでなく、心身の負担をさらに増幅させる要因にもなりかねません。

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イライラの対処法|行政サービスを利用する

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介護の負担を軽減するには、介護保険サービスの利用が効果的です。サービスを利用するには、まず市区町村で要介護・要支援認定を受ける必要があります。

認定は介護の必要度に応じて7段階に分かれており、それぞれの状態に合わせて必要なサービスを利用することができます。

要介護度認定の目安
要支援1日常生活に支援が必要だが、一部支援が必要 介護予防により改善が見込める状態
要支援2要支援1より日常生活の支援が必要だが、介護予防により改善が見込める状態
要介護1立ち上がりや歩行が不安定で、一部介助が必要 認知症による見守りが必要な場合もある
要介護2一部の動作に介助が必要 認知症による日常生活の支障が見られる場合もある
要介護3食事や排せつなど、1日の大半で日常動作に介助が必要
要介護4ほぼ全面的な介助が必要 認知症による問題行動や理解の低下が見られる場合もある
要介護5日常生活全般で全面的な介助が必要 寝たきりや重度の認知症状態

自宅で受けられる介護サービス

在宅での介護負担を軽減するため、さまざまな訪問サービスが用意されています。訪問介護では、ホームヘルパーが自宅を訪問し、食事、入浴、排せつなどの身体介護や、掃除、洗濯、買い物などの生活援助を行います。

医療的なケアが必要な場合は、訪問看護を利用できます。看護師が定期的に自宅を訪問し、健康チェックや医療処置を行います。また、リハビリが必要な場合は、理学療法士などが自宅を訪問する訪問リハビリテーションも利用可能です。

施設などで受けられるサービス

日中の介護負担を軽減するため、デイサービスやデイケアを利用する方法があります。デイサービスでは、食事、入浴の介助に加え、レクリエーションなどの活動も提供されます。デイケアは、より医療的な要素が強く、専門的なリハビリテーションを受けることができます。

また、介護者の休養のために、短期間施設に滞在できるショートステイも用意されています。冠婚葬祭や旅行など、一時的に介護が難しい場合にも利用できます。

介護環境を整えるサービス

自宅での介護をより安全で効率的に行うため、福祉用具のレンタルや購入に関するサービスがあります。車いす、特殊寝台(介護ベッド)、歩行器などの福祉用具は、要介護度に応じてレンタルすることができます。

また、手すりの設置や段差の解消など、住宅改修費用の支給も受けられます。事前に担当のケアマネジャーに相談し、必要な改修内容を検討することで、より安全な介護環境を整えることができます。

イライラの対処法|介護保険外のサービスも活用しよう

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介護の負担を軽減するには、介護保険サービスに加えて「介護保険外サービス」の活用も検討してみましょう。介護保険外サービスとは、介護保険制度の枠外で提供される支援サービスのことです。草むしりや大掃除、趣味のための外出介助など、介護保険では対応できないサービスを利用できるのが特徴です。

また、介護認定の有無に関わらず利用できるため、要介護者だけでなく、比較的元気な高齢者の生活支援にも活用できます。サービスの提供者は、自治体が運営する公的なものから民間企業まで多岐にわたります。以下、それぞれの特徴とサービス内容を見ていきましょう。

市町村独自のサービス

各市区町村では、地域の実情に応じた独自の高齢者支援サービスを実施しています。例えば、おむつの現物支給や購入費の助成、訪問理美容サービス、寝具の丸洗い・乾燥・消毒サービスなどがあります。また、日常的に食事の準備が難しい方への配食サービスや、ひとり暮らしの高齢者向けの緊急通報システムの設置なども行っています。

これらのサービスは、要介護者や一人暮らしの高齢者、高齢者のみの世帯が対象となることが多く、費用も自治体から補助があるため比較的安価に利用できます。利用を検討する場合は、お住まいの市区町村の窓口や地域包括支援センターに相談してみましょう。

シルバー人材センターによる有償ボランティア

地域の高齢者による支え合いの仕組みとして、シルバー人材センターのサービスを活用する方法があります。家事支援や福祉支援サービスを中心に、介護保険では対応できない幅広いサービスを提供しています。

具体的なサポート内容には、窓ガラス拭きや食事の支度、洗濯・布団干し、買い物の代行などの家事支援から、通院の付き添いや見守り、話し相手まで含まれます。料金は地域によって異なりますが、1時間あたり1,000円程度からと、比較的手頃な価格設定となっています。

また、社会福祉協議会でも同様の支援サービスを実施しています。家事援助サービスでは調理や洗濯、掃除といった日常的な家事から、大掃除や草むしり、趣味活動のお手伝いまでサポート。介護援助サービスとしては、外出の付き添いや通院介助、車いすの介助なども行っています。

これらのサービスは、地域の元気な高齢者が支援の担い手となることで、支援を受ける側も気兼ねなく依頼できるという特徴があります。また、定期的に同じ方が訪問してくれるため、信頼関係も築きやすく、安心して任せられる関係を作ることができます。

民間企業の支援サービス

民間企業による介護保険外サービスは、柔軟な対応と多彩なメニューが特徴です。特に遠距離介護で悩む方向けに、見守りから緊急時対応まで、総合的なサポートを提供するサービスも登場しています。

例えば、24時間365日の見守り・駆けつけサービスでは、体の不調を感知して緊急通報システムと警備会社による駆けつけを組み合わせることで、遠方に住む家族に代わって緊急時の対応を行います。また、日常的な健康相談にも対応できる電話健康相談サービスもあり、看護師等の資格を持つスタッフが健康上の不安や悩みの相談に応じてくれます。

日常生活のサポートとしては、以下のようなサービスを必要に応じて利用できます。

  • 通院や買い物の付き添い
  • 掃除・洗濯・食事作りなどの家事代行
  • 介護タクシーによる通院や外出支援

さらに、将来に備えたサービスとして、入院時の身元保証や施設入所時のサポート、認知症対策や相続手続きのサポートまで、幅広い支援メニューを用意している企業もあります。料金は行政サービスと比べると割高になりますが、急な依頼にも対応できる柔軟性があり、介護者の負担軽減に効果的です。

利用を検討する際は、サービス提供地域や料金体系、スタッフの研修体制なども確認しましょう。地域包括支援センターでも、地域で利用できる民間サービスの情報を提供していることがあります。

親の介護でイライラしてしまう方へくらしのセゾンの選べる親御さまサポートサービス「親サポセレクト」がおすすめな3つの理由

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セゾンカードでおなじみのクレディセゾンのグループ会社「くらしのセゾン」が提供する「親サポセレクト」は、民間の介護支援サービス(介護保険外サービス)のひとつです。親のライフステージに合わせて必要なサービスを柔軟に選択できる会員制のプランで、介護の負担に悩む方々を支援します。

離れて暮らす親を見守りでサポート

親と同居していない場合、毎日元気に過ごしているか心配になることも多いでしょう。そんな時は、安心の見守りシステムが、離れてクラス親の日常生活をしっかりとケアします。専用の機器を自宅に設置することで、離れていても親を見守ることができます。また、熱中症対策として音声による注意喚起も行います。緊急時には専門スタッフが迅速に現場へ駆けつけるため、離れて暮らす家族の不安を大きく軽減できます。

毎日の生活をサポート

高齢になるにつれて増えていく日常生活の負担を、きめ細かなサービスでカバーします。通院や買い物などの外出時の付き添いから、掃除、洗濯、食事の準備といった家事全般まで、幅広いサポートを提供しています。庭木の手入れや家財の整理なども対応可能で、親の自立した生活を総合的に支援してくれます。

「もしも」のサポート

突然の入院や施設入居の際も、専門スタッフが親身になってサポートします。入院セットの準備から入退院時の付き添い、手続きのサポートまで、緊急時のご家族をサポートします。

また、介護施設の見学付き添いや、施設入居時の引っ越しのお手伝いなど、新しい環境での生活のスタートもしっかりとバックアップします。さらに、将来に備えた終活相談や相続対策まで、専門家による包括的なアドバイスを提供しています。

介護の不安を解消し、親子それぞれの充実した生活を実現するための第一歩として、ぜひ「親サポセレクト」を活用してみてはいかがでしょうか。

「親サポセレクト」の詳細はこちら

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おわりに

介護によるイライラや負担は、放置することで介護うつや虐待のリスクを高めかねない深刻な問題です。体力面、精神面、経済面それぞれの負担を理解し、早めに対策を講じることが重要です。介護保険サービスや介護保険外サービスを適切に組み合わせることで、介護者の負担を軽減し、要介護者との良好な関係を保つことができます。特に遠距離介護の場合は、見守りサービスや緊急時対応など、状況に応じた支援を活用することで、より安心な介護生活を実現することができるでしょう。

※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。

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