愛するペットと「一緒のお墓に入りたい」なら何を準備すべき?

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愛するペットと「一緒のお墓に入りたい」なら何を準備すべき?

昨今では家族のようになっているペットですが、もしペットが亡くなった場合、同じお墓に一緒に入りたいと思う方もいるのではないでしょうか。しかし、一体どのような手続きを踏んで、ペットと一緒にお墓に入ることができるのか、分からない方もいるでしょう。

このコラムでは、まずはペットに対する仏教の解釈を見ていき、ペットと一緒にお墓に入れる方法を探っていくことにしましょう。

1.ペットと人間が一緒にお墓に入ることへの宗教的解釈

日常生活では意識することが少ないかもしれませんが、日本人は仏教的な教えに影響を受けていることが多いでしょう。お盆の時期に、お墓に行ってご先祖を供養したり、年末年始に初詣などに行ったすることもあるでしょう。しかし、普段の生活のなかでは、あまり意識することはないかもしれません。

しかしながら、家族や親族が亡くなったりすると、お葬式やお墓にまつわる価値観とかかわることになります。では、ペットに対する仏教的な解釈はどうなっているのでしょうか。ペットと一緒にお墓に入るために、知っておくべきことだといえるでしょう。

1-1.仏教的には人間とペットが一緒にお墓に入るのはタブー

ストレートにいうと、仏教の教義的には、犬や猫といった動物と人間の共葬は認められていません。それは仏教の六道という考え方によって明白です。六道とは、生き物が負っている業によって、輪廻転生する6つの世界を指します。

六道には、天道、人間道、修羅道、畜生道、餓鬼道、地獄道の6つの世界があり、犬や猫といった動物は畜生道に分類されており、人間とはカテゴリーが異なります。

それゆえに人間と動物は仏教において、別の扱いを受けるという考えです。国内で最も信者数が多い浄土真宗を例に出すと、「南無阿弥陀仏」と唱えることで、浄土に行ける、つまり成仏できるということになります。しかし、動物は「南無阿弥陀仏」と唱えることはできませんので、成仏ができないということになります。

このような考えから、成仏できる人間と成仏できない動物を一緒に供養するべきではないとしているお寺では、ペットと一緒にお墓に入ることを許さないということになります。

1-2.宗派によっては一緒にお墓に入っても大丈夫と解釈

仏教の宗派や宗旨が違えば、ペットである動物と人間との関係性の解釈も変わります。つまり、完全にペットと一緒にお墓に入ることができないというわけではありません。先述した浄土真宗にしても、動物に対する独自の解釈があります。

具体的な例を提示しておきましょう。ペットを失った飼い主が浄土真宗の信者であり、その方がペットの代わりに「南無阿弥陀仏」と唱えるとします。つまり、ペットの代わりに飼い主が、ペットが極楽に行けるようにお願いするという形を取るわけです。そうすることで、ペットも成仏できるということになります。

仏教の解釈は流派によって微妙に異なっているため、全ての寺院がペットと人間が一緒にお墓に入ることに否定的ではないということです。

2.ペットと人間が一緒のお墓に入れる理由

宗教上、ペットとお墓に入ることが可能な解釈があるのはわかりました。ですが、他にも考えなければならないことがあります。そもそも人間とペットが一緒のお墓に入ることは合法なのでしょうか。

宗教的には問題とされなくても、法律的に問題であれば違反となってしまうリスクがあります。そこで、ペットの法律上の扱いや、ペットに対する世間の変化について見ていくことにしましょう。

2-1.法律上ペットは物として扱われる

現在の日本の法律上は、ペットが人間と一緒のお墓に入ることは全く問題ありません。というのも、ペットなどの動物の遺体は、法律上はモノとして扱われるからです。ペットを家族同様に愛している方にとっては、ペットがモノとは何事だ!と思う方もいつでしょう。

しかし、法律上はモノとして扱われるからこそ人間と一緒のお墓にペットを入れることができることも事実です。法律上は、亡くなった方の写真や遺品、好きな物などと同様のモノだと扱われるからです。お墓の中にモノを入れてはいけないという法律はないため、ペットをお墓に入れるときに許可も必要ないと考えられます。

2-2.社会的にペットも家族という認識が広まった

現在ペットを飼う方の90%が、室内飼いをしているという調査があります。ひと昔前の日本では、犬を飼う場合は、庭などで家の外で飼うケースが多かったでしょう。

しかし、現在では外で飼っている犬を見かけることは少ないのではないでしょうか。

また、ペットへの需要が高まるにつれて、ペット可の集合住宅も増えています。特に都心部では小型の犬や猫を室内で飼うというライフスタイルがぴったりだということもあるでしょう。このようにペット可のマンションなどが増えている傾向は、ペットに対する価値観の変化と連動しているといえるでしょう。

今やペットは家族といえるような存在として扱われることが多く、ペットが癒しや生きがいとなっている人もいます。そのような社会的な価値観の変化が、ペットと一緒にお墓に入りたいという希望者が増えてきている大きな要因と考えられます。

3.全ての霊園でペットと一緒にお墓に入れるのか

法律上はペットと一緒のお墓に入るのは可能ですが、宗教上の解釈の違いによって、ペットとの共葬が可能な場所と不可能な場所があります。つまり、霊園を運営する経営主体の宗教上の解釈によって、ペットと一緒のお墓に入れるかどうかの扱いが異なるということです。

そこで、それぞれの霊園や墓地にとって、どのような違いがあるのか見ていくことにしましょう。

3-1.霊園と墓地の管理規定によって異なる

最終的にペットと一緒にお墓に入れるかどうかは、霊園それぞれの管理規定によって異なります。法律上、ペットと一緒にお墓に入るのは問題ないのですから、結局は霊園を運営している寺院の考え方次第だといえるでしょう。

しかしながら、法律上は許されているのに、宗教上の理由によって人間とペットの共葬を拒否することは違法ではないのか?と思うかもしれません。現行の墓地や埋葬に関する法律では、国民の宗教的な感情に沿って運用すべきだとされています。

現状、日本では人間とペットの共葬に対して、まだ否定的な意見が多数派です。そのため、ある霊園において、ペットと人間を一緒のお墓に入れることが利用者の宗教的感情にそぐわないと考えたならば、管理者はペットと人間の共葬を拒否できるわけです。ですから、墓地管理者の許可は必須ということになります。

3-2.今ある墓地にペットと一緒に入れるかどうか

現在、手元にあるペットの遺骨を、今ある墓地の中に一緒に入れたいと思っている方もいるかもしれません。その場合、墓地管理者にペットの埋葬が可能かどうか、必ず事前に許可を貰う必要があります。

もし、墓地管理者に許可を得ずに、勝手にペットの遺骨をお墓に入れた場合、適法な墓管理に背くことになってしまいます。その場合、永代使用権が取り消されるなどのペナルティがある可能性があるため、注意しておいた方が良いでしょう。

4.新たにペット対応のお墓を探す場合

現在所有している墓地の管理者に、ペットと一緒にお墓に入ることを拒否された時は、どうすれば良いのでしょうか。そうなった場合、ペット対応が可能な所を探すしかありません。では、どのように探せばいいのか見ていくことにしましょう。

4-1.近場の民営霊園を探す

ペットと一緒に入れるお墓を探すなら、まずは近隣の民営霊園をあたってみると良いでしょう。なぜなら、民営霊園は特定の宗教色を押し出さない所が多く、お寺が管理している一般的な霊園よりも宗教的な制約が緩い傾向があるからです。ペットと一緒にお墓に入りたいという願いが叶いやすいでしょう。

4-2.樹木葬を検討する

樹木葬とは、墓石ではなくて、樹木を墓標とするお墓のことを指します。樹木葬のいい点は宗教不問とされている所が多いことです。つまり、人間とペットの共葬が許されるということです。さらに墓石代がかからないため、費用が安いということもメリットです。

樹木葬の埋葬方法には、「個別型」と「合祀型」があります。前者は、個別にスペースを設けて、プレートの側に納骨されます。「合祀型」は、一本の大樹をシンボルとし、個別スペースは設けません。シンボルの大樹の周りに遺骨が複数納骨される形となります。

名前は埋葬者一覧の大きなプレートに刻まれることになります。「個別型」も「合祀型」も、ペットと一緒に眠ることが可能な所もあるので、比較検討すると良いでしょう。その際、費用が「個別型」と「合祀型」で多少異なります。その点は個人で確認し、予算と相談しながら決めると良いでしょう。

おわりに

ペットが亡くなった後の宗教的解釈や法律上の扱い、霊園の管理規定、新たにペット対応の墓を探す方法について、ご紹介しました。今やペットは家族であり、親密で非常に大切な存在です。今はまだペット不可の霊園が多いようですが、これから先もペットとの共葬が可能な所も徐々に増えてくることでしょう。ご参考になれば幸いです。