老後を迎える方の中には、死後事務委任契約の締結を検討している方もいるのではないでしょうか。
備えが不十分なまま亡くなると、第三者や相続人に迷惑をかける可能性があるため、生前にしっかり準備しておくことが大切です。
この記事では、死後事務委任契約とは何か、資格が必要なのか、おすすめするケース、注意点などを解説します。死後事務委任契約について詳しく知りたい方は是非参考にしてください。
(本記事は2024年3月7日時点の情報です)
- 死後事務委任契約とは、自身の死後に必要な事務手続きを委託する契約
- 死後事務委任契約の受任者は特に資格を必要としない
- 周りに頼れる人がいない、周囲に迷惑をかけたくない方などにおすすめ
- 信頼できる人物に依頼する、公正証書で契約するのが失敗しないポイント
死後事務委任契約とは?
死後事務委任契約とは、自身の死後に必要な葬儀や埋葬といった事務手続きを委託する契約です。
子や孫などがいるケースでは相続人が死後に必要な葬儀や埋葬などの事務手続きを進めてくれます。しかし、おひとりさまの場合は誰も事務手続きを行ってくれません。
死後事務委任契約を締結すれば、委任者から代理権を付与された受任者が死後における葬儀、納骨、埋葬などに関する各種手続きを代わりに行ってくれます。そのため、自身の意向を反映したい方は、死後事務委任契約を締結することをおすすめします。
おひとりさまの終活をサポートするサービスについて詳しく知りたい方は以下の記事をご参照ください。
死後事務委任契約を結ぶには資格が必要?
死後事務委任契約を締結する際、相手方(受任者)に何らかの資格が必要なのか気になっている方も多いのではないでしょうか。
しかし、死後事務委任契約の受任者には特に資格を必要としていません。そのため、特に制限なく、死後事務委任契約では以下に提示するような方を受任者として指定することが可能です。
- 相続人以外の親族
- 友人
- 内縁関係にある人
- 知人
- 事業者(行政書士、司法書士、弁護士など)
特に資格を必要としておらず、誰でも受任者に指定できますが、自身の死後に関連することなので、信頼できる相手に委託しましょう。
手続きがきちんと行われるか不安という方は、最初から行政書士や司法書士、弁護士などの専門家や専門のサービス会社に相談することをおすすめします。
死後事務委任契約を結ぶことをおすすめするケース4選
老後を迎えても、必ずしも死後事務委任契約を締結しなければいけないというわけではありません。しかし、以下の条件に該当する方は、死後事務委任契約を締結したほうが良いとされています。
- 周りに頼る人がいない場合
- 親族や子供に負担をかけたくない場合
- 事実婚などをしている場合
- 家族とは異なる考えを持っている場合
それぞれのケースについて詳しく見ていきましょう。
周りに頼れる人がいない場合
国立社会保障・人口問題研究所が公表している「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」によると、おひとりさま世帯の割合が年々増加することが予想されています。
参照:国立社会保障・人口問題研究所|日本の世帯数の将来推計(全国推計)p5
おひとりさまの場合、周りに頼れる人がいないため、万が一の事態に備えたいと思っていても誰にも相談できず、そのままなくなってしまう方も少なくありません。
葬儀や納骨、財産処分などに関して相談しないまま亡くなった場合、周囲の人や入所している施設に迷惑をかける可能性があるため、死後事務委任契約で第三者に任せておくと安心です。
親族や子供に負担をかけたくない場合
親族や子供といった相続人がいる場合でも、相続関係において迷惑をかけたくないと考えている方も少なくありません。
ダスキンヘルスレントが実施した意識調査では、97.8%もの親世代が子供の負担にはなりたくないと考えています。
参照元:ダスキンヘルスレント|ヘルスレント事業「親のいま」に関する親子2生世代の意識調査
少しでも親族や子供に負担をかけたくない方は、死後事務委任契約を生前に契約しておけば、親族や子供への負担を少しは軽減できるでしょう。
事実婚などをしている場合
死後の事務手続きについては本人と戸籍上の繋がりがある方に制限されています。そのため、本人と戸籍上の繋がりがない事実婚や内縁関係にある方がいても、死後の事務手続きはできません。
死後事務委任契約をパートナーと結んでいれば、戸籍上の繋がりがない場合でも死後の事務手続きを行えます。パートナーとそのような関係にある方は死後事務委任契約を締結すると良いでしょう。
家族とは異なる考えを持っている場合
親族や子供がいる場合でも本人の意向が必ずしも反映されるとは限りません。家族とは異なる考えを持っている場合、死後事務委任契約を締結することで自分の意向を確実に反映することが可能です。
例えば、死後は火葬となりますが、埋葬の方法は海洋散骨や樹木葬といった方法を希望する方も少なくありません。自身の希望する葬儀方法や埋葬方法を確実に反映したい方は死後事務委任契約を締結しましょう。
死後委任契約をする際の注意点
死後委任契約を締結する際は、トラブルを未然に防ぐためにも以下の2つの点に注意が必要です。
- 信頼できる人と契約を結ぶ
- 契約書を公正証書にしておく
それぞれの注意点について詳しく解説していきます。
信頼できる人と契約を結ぶ
死後委任契約を締結しても、それが確実に実行されるとは限りません。死後に必要な手続きは何かと煩雑であり、慣れていない方の場合は途中で面倒になって手続きを放置する、第三者に丸投げにする可能性があります。
信頼できる親族や友人に依頼する、あるいはそれらを業務として行っている弁護士、司法書士や行政書士といった専門家に委任すると安心です。
契約書を公正証書にしておく
死後事務委任契約には決まった形式がありません。そのため、口頭でも法律上は契約が成立します。しかし、口約束だけの場合は「言った・言わない」で、トラブルに発展する可能性があるので注意が必要です。
文書として書面に残しておけば後でトラブルに発展するリスクを軽減できます。特に公正証書という私人からの嘱託によって公務員である公証人がその権限に基づいて作成する公文書であれば、文書の成立について強力な証拠となるので安心です。
個人で受任した場合の4つの支払い解約手続き
個人で死後事務委任契約を受任した方は、以下の4つの支払い解約手続きを行う必要があります。
- 行政機関への諸手続き
- ライフラインの解約や支払い
- クレジットカードなどの解約手続き
- 保険や年金などの手続き
それぞれの支払い解約手続きを詳しく説明していきます。
行政機関への諸手続き
健康保険証や運転免許証などの資格証明書は所有者の死亡とともに効力を失います。しかし、効力を失ったからといって、そのまま放置していて良いというものではありません。
健康保険証は一定の期限内に資格喪失届(異動届)を提出しなくてはならず、運転免許証も原則返納手続きが必要です。
ライフラインの解約や支払い
電気やガス、水道といったライフライン、電話の契約などについては、本人の死亡と同時に自動的に解約されません。
解約しないと使用していない場合でも基本料金の請求が発生するため、本人が死亡した場合は早急に解約するだけでなく、支払いが未完了の場合は速やかに支払いを完了させる必要があります。
クレジットカードなどの解約手続き
サブスクなど生前にクレジットカードで月額・年額などを契約していた、または会員登録しているサイトがあったケースでは、死後に解約手続きが必要です。
クレジットカードは解約しないまま放置していた場合、紛失した場合に第三者が悪用する、年会費が発生するなどのトラブルが発生します。また、サイトが有料の場合、利用していないにもかかわらず料金が発生するため、トラブルや無駄な支出を避けるためにも、必ず解約手続きを行いましょう。
保険や年金などの手続き
保険や年金などの退会手続きも必要です。任意保険に加入している場合、本人の死亡とともに契約が終了します。保険の種類によっては保険金を受け取れる可能性があるので早めに確認しましょう。
また、年金については年金の受給停止や未支給年金の請求などの手続きが必要です。手続きは期限が決まっているため、早急に手続きを済ませましょう。
おひとりさまの日常生活から終活までサポートするおすすめのサービス
未婚、配偶者と死別したなどのように、さまざまな理由でおひとりさまのまま老後を迎えたという方も少なくありません。そのような方の中には、万が一の事態が生じたときにどうすればいいのか不安を抱えているという方も多いことでしょう。
そこでおすすめするのがセゾンカードでおなじみのクレディセゾンのグループ会社「くらしのセゾン」が提供する「ひとりのミカタ」です。「ひとりのミカタ」をおすすめする理由として、以下の3つが挙げられます。
- 終活の総合的なサポートをしてくれる
- 多彩な生活サポートサービスも提供
- 充実した無料相談サービス
それぞれのサービスを詳しく見ていきましょう。
終活の総合サポートをしてくれる
「ひとりのミカタ」は経験豊富な専門士業事務所やさまざまな専門のサービス会社と提携しています。そのため、それぞれの悩みに合った専門家やサービスを紹介できる点が魅力です。
終活に向けて一括して総合的なサポートを受けられるので、安心して毎日を過ごせるでしょう。
多彩な生活サービスも提供
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充実した無料相談サービス
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おわりに
死後事務委任契約を締結していれば、万が一の事態が生じたとしても死後に必要な手続きを第三者に代行してもらえるので安心です。
死後事務委任契約の受任者は特別な資格を必要としません。そのため、親族や友人、知り合いなどに依頼することも可能ですが、死後事務のすべてを行ってもらうのは労力や負担も大きく大変です。
しかし、信頼できる人物でなければ確実に手続きが希望通り実行されるとは限りません。自身の意向を確実に反映したい方は、経験豊富な士業事務所と提携している「ひとりのミカタ」などのサポートサービスに相談しましょう。
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