更新日
公開日

雑穀米の健康効果・効能は?栄養素やダイエットへの期待などメリットを解説

c2830 (1)
村上 友太 医師・医学博士

監修者

医師・医学博士

村上 友太

福島県立医科大学医学部卒業。初期臨床研修修了後、福島県立医科大学脳神経外科学講座に入局。2019年同講座助教。2022年3月より、東京・新橋にある東京予防クリニックの院長として、一般内科疾患や脳神経疾患、予防医療を中心に診療している。脳神経外科専門医、脳卒中専門医、神経内視鏡技術認定医、抗加齢医学専門医。認知症学会会員、内科学会会員。医師の副業プラットフォーム「頼めるドクター」を主宰

「最近、食事は丼ものばかり」「野菜不足を感じる」という方は、白米に混ぜて炊くだけでいろいろな栄養素を補給できる雑穀米を試してみませんか。雑穀米は、さまざまな穀物を配合していてビタミンやミネラル、食物繊維などの栄養素が豊富なことが特徴です。腹持ちが良いため、ダイエットをしたい方の強い味方になってくれます。この記事では、雑穀米の健康効果について詳しく解説します。

この記事を読んでわかること
  • 雑穀米はさまざまな穀物を配合した食品で、一般的に白米に混ぜて炊いて食べる
  • 雑穀米には白米で補給できない栄養素も多く、ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富

腹持ちが良くダイエットや健康維持におすすめの食品

2405_STOREE_banner_900_200_pc
2405_STOREE_banner_340_180_sp

雑穀米とは

c2830 (2)

一般的に、雑穀米は白米に「雑穀」が混ざった状態の穀物を指します。一般社団法人日本雑穀協会によると、雑穀とは「主食以外に日本人が利用している穀物の総称」のことで、雑穀米には、主に次のような穀物を配合しています。

  • キビ
  • アワ
  • ヒエ
  • オオムギ
  • ハトムギ
  • キヌア
  • ゴマ
  • 黒米
  • とうもろこし
  • 押し麦

ここで挙げたのは、雑穀米に使われる一部の穀物です。この他にも多くの穀物が配合されています。配合された穀物の種類数によって「十穀米」「十六穀米」のように呼び名が変わります。スーパーマーケットの食品売り場では、白米が入っていない「雑穀」として販売されていて、白米や玄米と一緒に炊飯器に入れて炊くことが多いでしょう。

雑穀米に含まれる栄養素

c2830 (3)

雑穀米には、たんぱく質、食物繊維、カリウム、ポリフェノールなど、多様な栄養素が豊富に含まれています。特に、食物繊維は精米された白米よりも多く含まれているため、栄養バランスの向上に役立つかもしれません。健康的な食生活を心がける方には、雑穀米をおすすめします。

栄養素栄養素を含む穀物
たんぱく質キビ、アワ、ヒエ、オオムギ、ハトムギ、キヌア、ゴマ、黒米、押し麦
食物繊維オオムギ、キヌア、ゴマ、黒米、押し麦
キビ、アワ、ヒエ、キヌア、ゴマ、押し麦
マグネシウムキビ、アワ、ヒエ、キヌア、ゴマ、黒米
亜鉛キビ、アワ、ヒエ、キヌア、ゴマ
カリウムキビ、アワ、ヒエ、キヌア、ゴマ、黒米、とうもろこし、押し麦
ビタミンEアワ、キヌア、ゴマ
ビタミンB1キビ、アワ、ヒエ、オオムギ、キヌア、ゴマ、黒米、
ナイアシンキビ、アワ、オオムギ、キヌア、ゴマ、黒米、押し麦
カルシウムキヌア、ゴマ
葉酸アワ、キヌア、ゴマ、黒米、とうもろこし
パントテン酸アワ、ヒエ、黒米、
βカロテンキヌア、ゴマ、黒米、とうもろこし
ポリフェノールキビ、アワ、ヒエ、ゴマ、黒米
GABA押し麦、大麦、キヌア

雑穀の種類によって含まれる栄養素の種類や量が異なります。いろいろな雑穀が入った雑穀米を選ぶと一度に多くの栄養素を摂ることができます。

雑穀米に期待できる健康効果

c2830 (4)

さまざまな栄養素を摂れる雑穀米を食べることで、次のような健康効果が期待できます。

  • 食物繊維をたくさん摂取できるので便通が良くなる
  • 消化に時間がかかるため、食後の血糖値の上昇を抑制する
  • 健康維持をサポートする

豊富な食物繊維により便通が良くなるが豊富

雑穀米には食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維は大腸の中で便の一部となることで便がカサ増しされます。便がカサ増しされると便意が起きやすくなるため、便通が良くなるでしょう。

また、さらに、食物繊維は消化に時間がかかるため、食べた後の満足感を長持ちさせる効果もあります。

消化に時間がかかるため、食後の血糖値の上昇を抑制する

雑穀米は消化に時間がかかるため、血糖値の上昇速度を抑えることができます。

食後の血糖値上昇は、食後の眠気ややる気低下につながるため、食物繊維を意識して摂取することで対策することが大切です。

健康維持をサポートする

雑穀米は、さまざまな栄養素が豊富なため、健康維持につながり、生き生きとした生活をサポートできます。

特にビタミンB1は、体内でのエネルギー代謝に役立つことが知られており、食事から得られる炭水化物を効率よくエネルギーに変換するのを助けてくれるでしょう。

雑穀米の栄養効果を高める食べ方

c2830 (5)

いろいろな栄養素を含んだ雑穀米です。せっかくならその効果をしっかり感じたいですよね。また、雑穀米に含まれていない栄養素もしっかり摂ると、栄養バランスの良い食事ができます。

特に、善玉菌が摂れる発酵食品やビタミンCを含んだ緑黄色野菜、たんぱく質の豊富な大豆食品・肉類・魚類を組み合わせてみましょう。善玉菌はキムチやぬか漬けなどに多く含まれています。

また、ビタミンCは鉄の吸収をサポートしてくれるほか、たんぱく質は赤血球のもととなるため、日々の栄養補給には欠かせません。

ダイエット中の方にもおすすめの理由

c2830 (6)

ここまで解説したように、雑穀米は、多様な栄養素を含んでおり、健康維持に役立つ食品です。食物繊維やミネラルが豊富に含まれているため、健康的な食生活を支える一助となります。また、その栄養価の高さから、ダイエット中の方にも適しており、満足感を得ながら栄養バランスを保つことが可能です。

雑穀米の調理方法は、普段食べている白米と一緒に炊くだけです。雑穀に味はついていないため、白米と同じような形で食べることができます。入っている雑穀の種類によっては歯応えがあったりプチッとした食感があったりするので、いつもの食事がより楽しめるでしょう。食物繊維が豊富で腹持ち良く感じるため、ついつい間食してしまいがちな方にもおすすめです。

雑穀米にはたくさんの種類があります。配合されている雑穀の種類や量により摂取できる栄養素も異なります。また、食感の違いを楽しむために、別の配合を試してみるのも良いでしょう。栄養バランスを保ちながら満足感を得られる、ご自分に合ったものを見つけることも大切です。

雑穀米に関するよくある質問

c2830 (7)

最後に、雑穀米に関するよくある質問をご紹介します。疑問を解消して、雑穀米を日々の生活に取り入れてみてください。

雑穀米にダイエット効果はある?

雑穀米を食べるだけでダイエットできるというわけではありません。しかし、雑穀米には食物繊維やビタミン、ミネラルなどさまざまな栄養素が豊富に含まれています。ダイエット中に心がけたい「バランスの良い食事」が手軽に実現できる食品といえるでしょう。

ただし、雑穀米だけでは1日に必要な栄養素は十分ではありません。たんぱく質や脂質などが摂れるおかずも一緒に食べることが大切です。

雑穀米は毎日食べるべき?

雑穀米は継続して食べることをおすすめします。雑穀米に限ったことではありませんが、食事から摂る栄養素は常に消化・排泄されるため、こまめに摂り続けることが健康のために大切です。健康や美容に気をつけたい方は、バランスの良い食生活を継続する必要があります。雑穀米はそんな「日々の食生活を整えたい」という方の強い味方になるアイテムではありますが、あまり無理をすると続けられなくなります。毎日必ず食べることよりも、長い期間無理なく続けることを目指しましょう。

雑穀米にデメリットはある?

雑穀米のデメリットとして「食感が白米と異なる」「食べ過ぎるとお腹がゆるくなる」ことが挙げられます。

雑穀米はさまざまな食感の雑穀が入っています。白米から急に雑穀米に変えると、あまり美味しくないと感じる方もいるでしょう。はじめは白米に混ぜる雑穀の量を少なくしたり、雑穀の種類が少ない商品からスタートすることをおすすめします。

また、雑穀米は食物繊維が白米より多いため、食べ過ぎるとお腹がゆるくなる場合があります。栄養豊富だからといって大量に食べることはおすすめしません。今まで食べていた白米と同じくらいの量にとどめておきましょう。

雑穀米を日々の生活に取り入れてみたい方におすすめの商品はこちら

おわりに

雑穀米には、さまざまな穀物が混ざっています。そのため、白米だけでは摂れない栄養素も多く、普段からの健康維持や美容、ダイエットのサポートに食べる方も多いでしょう。食生活が偏りがちで栄養補給をしたい方は、ぜひ雑穀米を普段の食事に取り入れてみてください。白米に混ぜて炊くだけで、簡単にさまざまな栄養素を摂取できますよ。

よく読まれている記事

みんなに記事をシェアする