「紫外線対策をしっかりしたい」「日焼け止めの選び方が知りたい」「紫外線対策はいつからしたら良いの?」など、紫外線に当たるのは良くないと分かっていても、正しい対策方法が分からない方は多いのではないでしょうか。
肌の若々しさを保つためには紫外線対策は欠かせません。
しかしせっかく日焼け止めを塗っても正しく使えていないと、効果を十分に発揮しない可能性があります。また、夏の暑い時期以外も紫外線は常に降り注いでいるので、1年を通して対策は必要です。
このコラムでは、紫外線の特徴や、基本となる4つの対策方法をご紹介します。おすすめグッズや紫外線に当たってしまった後の対処法もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
紫外線の基礎知識
紫外線には「UVA」「UVB」「UVC」の3つの種類があります。UVCは大気層で吸収され地表には到達しません。私たちの身体に有害な影響をもたらしているのは主にUVAとUVBです。UVA・UVBの特徴を説明します。
UVA(A波)
UVAの波長は315〜400nmで物質を透過しやすく、そのまま地表へ到達します。肌の奥底の真皮まで届き、緩やかに蓄積され、肌にダメージを与えることが特徴です。
コラーゲンやエラスチンが破壊されることで肌の弾力が失われ、シワやたるみを引き起こす原因となります。UVBと比べると急激な作用はありませんが、長時間当たると健康への影響も懸念されるので、UVAも軽視できません。
UVB(B波)
UVBはほぼ大気層で吸収され地表へ到達するのは一部のみです。波長は280〜315nmと少なく、真皮層までは届きませんが、短時間で皮膚に炎症を起こしたり、皮膚の細胞のDNAを傷つけたりします。
日焼けやシミなどの皮膚ダメージに加え、眼に対しても有害です。また、身体に元々備わっている皮膚の修復機能が追いつかないと、DNAが突然変異し皮膚がんの原因となることがあります。地表に届くUVBは増加傾向にあるので、特に注意が必要です。
基本の紫外線対策4選
紫外線対策として日焼け止めの使用が主流です。正しい使い方や「SPF」「PA」の意味を理解せず、なんとなく使用している方もいるのではないでしょうか。日焼け止めの他にも、UVグッズや食事からも紫外線対策ができます。ぜひ取り入れてみてください。
紫外線の強い時間の外出を避ける
紫外線の量を時刻別にみると、正午前後にピークを迎えます。太陽が最も高くなるタイミングと同様です。
そのため、正午前後は外出を控えることをおすすめします。外出している際は、正午に合わせて、屋内でランチをするのも良いでしょう。
紫外線に当たる前提で対策を考えがちですが、身体への影響を受けないために外出を控えることは大いに有効です。
日焼け止めを塗る
日焼け止めの種類は、クリームやスプレーなどさまざまあります。用途やご自身が好む塗り心地に合った製品を選び、正しく使用することで紫外線を防ぎましょう。
数値の読み方
日焼け止めの効果表示は「PA」と「SPA」の2種類です。
表示 | 最大値 | 効果 | |
PA (Protection grade of UVA) | + | ++++ | UVAを防ぐ |
SPA (Sun Protection Factor) | 数字 | 50+ | UVBを防ぐ |
PAは4段階の+の数で表示され、SPAは1〜50+の数字で表されます。いずれも数が多い方が紫外線の防御効果が高いです。
PA値、SPA値の高いものを塗っておけば安心というわけではなく、使用する目的に合わせた使い分けをおすすめします。
選び方
日焼け止めは、使用する用途やシーンに合わせて効果の強さを選びます。以下を目安にしてみてください。
用途・シーン | SPF | PA |
日常生活、短時間の散歩や買い物 | SPF10〜20 | PA+〜++ |
屋外での軽い運動、レジャー | SPF20〜30 | PA++〜+++ |
日差しの強い中でのレジャー、マリンスポーツ | SPF40〜50+ | PA+++〜++++ |
少しの外出であれば、それほど高い効果の製品でなくても十分といえます。一方で汗をかいたり、水に入ったりする場合は、耐水性の高い製品がおすすめです。
また、紫外線防止剤の種類から、ご自身に合った製品を判断できます。紫外線防止剤は「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」の2種類です。
吸収剤は、皮膚に塗ってのばすと白くなり見えにくいですが、肌の弱い方だとアレルギー反応を起こすことがあります。もう片方の散乱剤は多少白くなるものの、肌への負担はわずかです。「子ども用」や「紫外線吸収剤フリー」などの記載がある製品は、散乱剤のみ使用されています。
使用目的やご自身の肌質に合った製品を正しく選びましょう。
塗り方
日焼け止めは、ムラなく均一に塗ることがポイントです。せっかく塗った日焼け止めもムラや塗り忘れにより、気づかぬうちに紫外線を受けて効果を発揮できないことがあります。身体の各部位に対し、ていねいに塗っていきましょう。
製品に表示されている適量を使用するのが基本です。顔は指の腹で優しく、身体は直接肌へ液を線状に乗せ、手の平で塗り広げます。塗り忘れが多い部分は以下の箇所です。
- 耳
- 目元
- 鼻
- 髪の生えぎわ
- 鼻の脇
- フェイスライン
- 首の後ろ
- 手足の甲
- 膝裏
服装によって、背中やデコルテも忘れずに塗りましょう。重ね塗りや、2〜3時間ごとの塗り直しも効果的です。また、日焼け止めは肌に馴染むまで時間がかかるので、外出の20〜30分前に塗るように心がけましょう。
紫外線対策グッズを使用する
日焼け止めを塗るだけでは心配な時や、目や髪への紫外線を防ぐためにも、UV対策グッズを取り入れてみてください。おすすめ商品と併せて紹介します。
髪用のUVスプレー
紫外線対策として忘れがちなのが、髪の毛の日焼けです。
紫外線に当たると、髪の主成分であるタンパク質が酸化して色素が分解され、赤茶色に変色します。また、髪の毛のキューティクルを保つのに必要な「MEA(18-メチルエイコサン酸)」や「セラミド」が減少し、パサつきを感じることがあります。
髪に使用できる、スプレータイプの日焼け止めで対策しましょう。
ドクターシーラボ UVプロテクトスプレー100
日傘
日傘は紫外線対策できることに加え、直射日光を避けて体感温度を下げることができます。
macocca 晴雨兼用 ジャンプ傘 makez. マケズ 60cm
こちらの商品は、紫外線の遮蔽率が100%と「一般財団法人日本繊維製品品質技術センター」「一般財団法人カケンテストセンター」の品質調査で実証済みです。雨傘としても使え、カラー展開も17色と豊富です。
安心できる効果がある好みのデザインの日傘で、紫外線対策ができます。
サングラス
サングラスは、目から入る紫外線をカットし、白内障や紫外線角膜炎などの眼病を防ぐために重要なアイテムです。サングラスを選ぶ基準として「 紫外線カット率」や「紫外線透過率」をチェックしましょう。
パーセント以外にも「UV400」のような表示もあり、ブロックできる紫外線の波長量を示しています。UVA波が315~400nm、UVB波が280~315nmなので「UV400」は100%に近い数値で紫外線をカットできます。「UV400」でおすすめのサングラスはこちらです。
スタイリッシュなデザインで、かけるだけで若々しい印象が叶います。紫外線対策では、肌だけではなく、目への影響も考慮しましょう。
手袋
夏場は、紫外線が心配だからといって長袖を着ていると、暑くなってしまいます。そんなときは着脱できるアームカバーがおすすめです。
こちらの商品の特徴は以下の3つです。
- UVカット率:ブラック99%、グレー95%
- 接触冷感マイナス5℃
- 抜群の通気性
長袖の服を着るよりも、冷感機能によって涼しく感じられます。手の甲まで隠れるので直接紫外線を肌に当てず、こうした手袋の使用は効果的です。
カーテン
室内にいても、紫外線対策は必要です。外で紫外線を浴びる量の80%が室内に入ってくるといわれています。室内で常に日焼け止めを塗っている状態は難しいので、UVカット効果のあるカーテンで紫外線を遮断しましょう。
アイリスプラザ レースカーテン UVカット プライバシーカット
こちらのカーテンのUVカット率は85%です。肌だけでなく、家具の日焼けも防げます。プライバシーカットの機能もあるので、外からの視線も気になりません。室内でも油断せず、UVカーテンを導入して紫外線対策を行いましょう。
食事に抗酸化物質を取り入れる
食事から紫外線対策をするなら「抗酸化物質」を取り入れましょう。紫外線を浴びた際に体内で発生するのが「活性酸素」です。活性酸素は、肌のハリや弾力に必要なコラーゲンにダメージを与え、シミやたるみの原因となります。
活性酸素の除去や予防が期待できるのが抗酸化物質です。積極的に取り入れることで、美肌にもつながります。抗酸化成分を多く含む食べ物を紹介します。
ビタミンA | レバー、バター、うなぎ、卵黄、にんじん、ほうれん草、鶏肉など |
ビタミンC | ピーマン、ブロッコリー、いちご、キウイ、グレープフルーツなど |
ビタミンE | ナッツ類、カボチャ、アボカド、抹茶など |
カロテノイド | トマト、スイカ、甲殻類(えび、かになど)、鮭など |
ポリフェノール | ブルーベリー、大豆、紅茶、しょうがなど |
特に紫外線を浴びる前の朝食に取り入れると、酸化予防になりおすすめです。
酸化について、詳しくは「老化や病は活性酸素が原因?酸化の対処法を紹介」をご覧ください。
紫外線に当たってしまったあとの対処法
紫外線に当たり皮膚が赤くなっている場合は、冷やして炎症を抑えます。保冷剤で冷やす時は、肌への刺激を減らすためタオルなどに包んで使用しましょう。
肌が落ち着いたら、化粧水をたっぷりと馴染ませ保湿をします。肌に触れる際、こすったり叩いたりしないように注意が必要です。また、化粧水の使用量が少ないと、十分に浸透しないため、適量を守って優しくパッティングするように意識しましょう。美白アイテムで、紫外線のダメージをシミに変えないケアもおすすめです。
痛みが強く、皮むけや水ぶくれなど症状がひどい時は、皮膚科を受診しましょう。
紫外線対策は1年中行いましょう
紫外線が強くなるのは4〜9月です。1年間で照射される紫外線の70〜80%が春から初秋の頃のものです。しかし、冬でも紫外線が0になるわけではありません。
波長別に冬の紫外線の量を見ると、UVBはピーク時の20%ほどまで弱まるのに対し、UVAは50%程度残ることが分かります。冬場でも、夏のほぼ半分の量の紫外線が降り注いでいるのです。
季節にかかわらず、1年を通して紫外線対策は大切です。
おわりに
紫外線により長い時間をかけて肌にダメージが蓄積され、シミやたるみなどを引き起こします。夏の暑い季節だけではなく、1年を通して対策することが大切です。
美肌をキープするためにも、紫外線の知識や対策を正しく理解し、今すぐ実践しましょう。