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【医師監修】シミやそばかすができる9つの原因!どうしても消えないときの2つの対処法を紹介

【医師監修】シミやそばかすができる9つの原因!どうしても消えないときの2つの対処法を紹介
小渕 英里 富士見スキンクリニック飯田橋 院長

監修者
小渕 英里 富士見スキンクリニック飯田橋 院長

日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医。東京女子医科大学卒、同大学病院東医療センター、都内クリニック勤務を経て、2021年9月に飯田橋駅西口すぐに「富士見スキンクリニック飯田橋」を開院。 皮膚科専門医として患者さまの悩みやご希望をお伺いし、保険診療/美容自費治療の両面から最適な治療方法をご提案しています。

「最近シミが増えてきて悩んでいる」「シミやそばかすができる原因は?」などのお悩みや疑問をお持ちではないでしょうか。シミやそばかすを改善するには、原因を知った上で対処するのが重要です。

このコラムでは、シミやそばかすができる原因について解説します。また、シミの予防法や消す方法もご紹介するので、ぜひ最後までお読みください。

シミ・そばかすとは?特徴を解説

1.シミ・そばかすとは?特徴を解説

シミやそばかすとは、顔や身体にできる茶色や黒い色の斑点のことです。髪の毛や瞳などの色の元になる「メラニン」という色素が特定の部位に沈着することで、シミができます。シミは代表的なものが4種類あり、それぞれ以下の表のとおり特徴があります。

シミの種類特徴
そばかす茶色く細かい斑点状のシミ遺伝の影響が大きい肌が白い方にできやすい目の下や鼻に頻発する
老人性色素斑境界線がはっきりしている他のシミよりも発生しやすい加齢とともに増える紫外線を浴びると濃くなる
炎症後色素沈着炎症が発生した部分にメラニンが沈着してできる炎症部分を掻くと発生しやすくなる自然消滅することが多い慢性的に擦れると治りにくい
肝斑薄茶色で輪郭がはっきりしていない女性ホルモンバランスの乱れが原因30代後半〜50歳の女性にできやすい左右の頬骨付近にできやすい

表からわかるように、そばかすはシミの一種です。シミの種類によって異なる特徴を理解した上で、適切に対処することが重要です。

シミやそばかすができる9つの原因

2.シミやそばかすができる9つの原因

シミやそばかすは、何が原因で発生してしまうのでしょうか?ここでは、シミやそばかすができる原因を紹介します。

遺伝

遺伝が原因で、シミができることがあります。特に、そばかすは遺伝的要因が大きいといわれていて、肌の色が白い方にできやすいのが特徴です。そのためそばかすは、できるのを未然に防ぐことは困難でしょう。

ただし、紫外線対策を行えば、そばかすが濃くなるのを防げます。日焼け止めを塗ったり、UVカットできる服を着たりするなど対策してみましょう。特に春〜夏は紫外線が強いので、そばかすが濃くなりやすいといわれています。そのため、紫外線が強い時は日焼け止めを数時間おきに塗り直すなどして、念入りに対策しましょう。

紫外線

あらゆるシミの原因になるのが、紫外線です。特に老人性色素斑は、長年紫外線を浴び続けたダメージが肌に蓄積することで発生します。紫外線を浴びて肌がダメージを負うと、シミの元になるメラニンができます。しかし、紫外線を浴びてメラニンができても、すぐにシミができるわけではありません。通常はターンオーバーする過程でメラニンが排出されるため、シミにはならないのです。

ただし、歳を重ねて肌の機能が低下すると、メラニンを排出しきれずに溜まっていきます。その結果、メラニンがシミとして肌の表面に現れてしまいます。そのため、メラニンを増やさないように、日頃からの紫外線対策が重要です。以下のように、さまざまな紫外線対策グッズがあるので取り入れてみましょう。

  • 日傘
  • 帽子
  • 日焼け止めクリーム
  • UVカットできる衣類

また、日陰を歩くことも紫外線対策に有効ですので意識しましょう。

ストレス

ストレスによって体内で活性酸素が発生すると、シミができやすくなります。活性酸素とは、通常よりも活性化された酸素のことで、さまざまな物質と反応しやすいのが特徴です。体内ではシミの元になるメラニンの生成を促すため、活性酸素が増加すると、シミが増えたり濃くなったりしてしまうのです。

そのため、体内の活性酸素が増えないように、ストレスを溜め込まないことが大切です。気分転換に出掛けてみたり美味しいものを食べたりと、ご自身に合った方法でストレスケアをしてみましょう。

睡眠不足

睡眠が不十分だと、シミができてしまうことがあります。なぜなら、眠っている間に分泌される「成長ホルモン」と「メラトニン」が減ってしまうからです。成長ホルモンは、肌のターンオーバーを促進する役割を持ちます。メラトニンは、成長ホルモンの分泌を促進したり、睡眠の質を高めたりする作用のあるホルモンです。

睡眠不足になると、メラトニンの減少によって成長ホルモンの分泌量が減り、肌のターンオーバーが進みにくくなります。その結果、メラニンが排出されにくくなり、シミとして肌に蓄積していってしまうのです。

シミができるのを防ぐには、充分に睡眠時間を確保するのが重要です。寝る前にスマートフォンやパソコンを使うと、覚醒してなかなか眠りにつけなくなってしまうので注意しましょう。しっかり眠りたいなら、就寝の1時間前にはスマートフォンやパソコンを使わないようにするのがおすすめです。

もし、夜になっても眠くならない場合は、毎朝同じ時間に起きるようにしましょう。人間は、朝の日の光を浴びてから16時間後に眠くなるようにできています。例えば、22時に眠りたいなら6時に起きるようにすれば、希望の時間に自然に眠くなるので、試してみてください。

誤ったスキンケア

スキンケアをするときに擦り過ぎたり叩き過ぎたりすると、シミができることがあります。特に、以下のような習慣がある方は、スキンケア方法を見直しましょう。

  • 熱いお湯で洗顔する
  • シャワーの水圧が強い
  • スクラブを擦り付ける
  • 洗顔後にタオルで肌を擦る
  • 化粧水を塗るときに肌を叩く
  • 拭き取るタイプのメイク落としを使う

洗顔をする際のお湯の温度は、32~36℃が適温です。また洗顔やクレンジングをする際は、ゴシゴシと擦らないようにすることが大切です。洗顔料をしっかり泡立てると摩擦を緩和できるので、実践してみてください。

また、スクラブを使用する場合は、肌の上で粒子を優しく転がす程度にしましょう。洗顔が終了し、化粧水などで保湿をするときは叩くのではなく、押さえるようにして肌になじませるのがポイントです。

摩擦

シミができる原因として、摩擦も考えられます。摩擦によって皮膚が刺激を受けると、シミができやすくなってしまうので要注意です。特に、皮膚が薄い目の周りが摩擦の影響を受けやすいので、洗顔や化粧をするときに擦らないようにしましょう。

また、シミは顔だけでなく体にもできます。実は、下着や衣服の擦れによって生じる黒ずみもシミの一種です。そのため、体の黒ずみが気になる方は、下着のサイズを見直したり肌触りが良い衣服を選んだりしてましょう。

栄養バランスの乱れた食生活

栄養バランスが乱れた食生活が続くと、シミができやすくなります。肌の元になる栄養素が不足することでターンオーバーが遅くなり、メラニンを排出しにくくなってしまうのです。

特にダイエットで食事制限をしている方は、栄養不足になりやすいので気をつけましょう。ダイエット中だとしても、特定の食品ばかりを食べるのではなく、栄養バランスが整った食事を心掛けてください。シミの予防や改善に有効な栄養素の多い食品を、以下の表にまとめました。

栄養素多く含まれる食品
ビタミンCレモンキウイイチゴブロッコリーピーマンほうれん草
ビタミンAにんじんほうれん草かぼちゃトマト
ビタミンEアーモンドほうれん草アボカドそば
L-システイン牛肉牛乳さけ大豆小麦粉

ビタミンAとビタミンEは油に溶ける性質があるので、オリーブオイルなどと一緒に摂取すると吸収率が高まります。どの栄養素も手に入りやすい食材に多く含まれているので、意識して摂取しましょう。

喫煙

喫煙によってメラニンの合成を抑制する働きのあるビタミンCが消費されると、シミができやすくなってしまいます。タバコを2本吸うだけで1日に必要なビタミンCが失われるといわれているので、シミを防ぎたい方は禁煙を検討してみてください。

とはいえ、タバコは依存性が強く、ご自身で禁煙するのが難しい場合もあります。そんな場合には禁煙治療を受けるのがおすすめです。禁煙治療は健康保険が適用されるので、治療費が高額になってしまうことはありません。禁煙治療に保険が使える医療機関は、以下から検索できるのでご活用ください。

参照元:禁煙治療に保険が使える医療機関

ホルモンバランスの乱れ

女性ホルモンのバランスの乱れによって、シミの一種である肝斑ができやすくなります。特に以下に当てはまる場合は、女性ホルモンのバランスが変化します。

  • 妊娠中
  • 出産後
  • ピル服用中
  • 更年期
  • ストレスが溜まっている

ホルモンバランスを整えるには、生活習慣を見直すのが効果的です。充分に睡眠を取ったり、栄養バランスの良い食事を心掛けたりしてみてください。また、ストレスが溜まっている方は、趣味などを楽しんで気分転換しましょう。

シミやそばかすを予防する方法

3.シミやそばかすを予防する方法

これまで、シミやそばかすができる原因を見てきました。その中でも、以下を心掛けることで予防できます。

  • 紫外線対策
  • 摩擦の防止
  • 適切な栄養摂取
  • 睡眠時間の確保
  • 禁煙

特に、紫外線はあらゆるシミの発生にかかわるので、しっかり対策しましょう。他にも食事や睡眠など、適切な生活習慣を身に付けることで、シミができるのを未然に防ぎやすくなります。

シミやそばかすが消えないときの対処法2選

4.シミやそばかすが消えないときの対処法2選

生活習慣を見直したにも関わらずシミやそばかすが消えないなら、別の対処法も試してみましょう。美白効果のある化粧品を使ったり、病院に相談したりすることで改善できる可能性があるので、順番に確認してみてください。

美白効果のある化粧品を使用する

シミがなかなか消えないときは、美白効果のある化粧品を使ってみましょう。厚生労働省が認めた美白有効成分とその効果を以下の表にまとめましたので、チェックしてみてください。

美白有効成分効果
アルブチン
カモミラET
トラネキサム酸
プラセンタエキス
コウジ酸
リノール酸S
マグノリグナン
メラニンの生成を抑制する
ニコチン酸アミドメラニンが肌の表面に現れるのを抑制する
ビタミンC誘導体シミを薄くする
4MSKメラニンの排出を促進する

参照元:KOSE

すでにあるシミを薄くしたいなら、ビタミンC誘導体が含まれる化粧品がおすすめです。ただし、年齢を重ねるとともにシミができやすくなるので、予防に役立つ成分も含まれる化粧品を選ぶのが良いでしょう。

病院へ相談する

病院に相談すると、肌にできたシミに合わせた治療法を紹介してくれます。

  • 内服薬
  • 外用薬
  • 光治療
  • レーザー治療

病院ではメラニンの産生を抑制したり、肌のターンオーバーを促進したりする作用のある内服薬や外用薬を自由診療で処方してもらえます。ただし、内服薬や外用薬は効果を実感するまでに時間が掛かってしまうのが難点です。

シミをできる限り早く消したいなら、レーザー治療をするのが効果的です。また、レーザーよりも緩やかな効果で、広範囲のシミを消すのに適している光治療もあるので、病院で相談してみましょう。

【医師監修】保存版!シミやそばかすを消す方法5選!発生する原因やNG習慣を紹介でも詳しく解説しています。

おわりに

シミやそばかすは、遺伝や紫外線などさまざまな原因によって生じます。遺伝の影響が大きいそばかすは、未然に防ぐことはできませんが、紫外線対策を行うことで薄くすることはできます。老人性色素斑や炎症後色素沈着といったシミは、生活習慣が原因になることが多いので、意識して改善していきましょう。

それでもシミやそばかすが増えてしまうなら、美白効果のある化粧品を使ったり病院に相談したりするのがおすすめです。シミやそばかすはさまざまな対処法があるので、手軽にできるものから取り入れてみてください。

日頃のスキンケアや生活習慣などに気を付けることが対策となり、シミの予防に繋がっています。今日からすぐ始められることから、実践してみてください。

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