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【医師監修】冷え性になる5つの原因とは?足が冷えたときのおすすめのアイテムや隠れた病気についても解説

【医師監修】冷え性になる5つの原因とは?足が冷えたときのおすすめのアイテムや隠れた病気についても解説
村上 友太 医師・医学博士

監修者

医師・医学博士

村上 友太

福島県立医科大学医学部卒業。初期臨床研修修了後、福島県立医科大学脳神経外科学講座に入局。2019年同講座助教。2022年3月より、東京・新橋にある東京予防クリニックの院長として、一般内科疾患や脳神経疾患、予防医療を中心に診療している。脳神経外科専門医、脳卒中専門医、神経内視鏡技術認定医、抗加齢医学専門医。認知症学会会員、内科学会会員。医師の副業プラットフォーム「頼めるドクター」を主宰

「冷え性になる原因が知りたい」「足がキンキンに冷えて寝付けない」「足先が冷えるのは何かの病気なのか」と悩んでいる方がいるのではないでしょうか。洋服を着込んだり、靴下を履いたりしているのに、冷えたままだと不安になります。何か病気が隠れているかもしれないと心配になる方もいるでしょう。冷え性の原因が分かれば、どう対処すれば良いのかわかってきます。

このコラムでは、冷え性になる原因と冷え性が改善しない場合に考えられる病気などを解説します。冷え性の原因が分からなくて困っている方や、何かの病気になっているのか不安な方は、ぜひ最後までお読みください。

【足がキンキンに冷えるのはなぜ?】冷え性になる5つの原因

1.【足がキンキンに冷えるのはなぜ?】冷え性になる5つの原因

「足がキンキンに冷えて眠れない」「足がキンキンに冷える原因は何だろう」と悩んでいる方が多いのではないでしょうか。冷え性になるのは、日々の生活習慣が原因であることが多いです。これから紹介する冷え性になる5つの原因を参考にして、改善してみましょう。冷え性を改善する方法については、「【医師監修】冷え性を改善する方法7選!おすすめの飲み物レシピも3つ紹介」で解説しています。ぜひ、参考にしてみてください。

自律神経が乱れている

自律神経が乱れると、体温調節機能がうまく働きません。身体の体温をコントロールしているのは、自律神経です。自律神経は、内臓や血管などの働きを一定に保って、バランスを整える働きがあります。暑くなると血管を拡張させて熱を逃し、寒くなると血管を収縮させて熱を閉じこめるのです。

緊張状態が続くと必要以上に毛細血管を収縮させ、熱を閉じこめようとして手足が冷たくなります。不規則な生活をしていたり、ストレスをためていたりすると自律神経系が乱れてしまうので、注意が必要です。

血液循環が悪い

貧血や低血圧の方は、血液が滞りやすくなります。貧血を防ぐには、鉄分の摂取が不可欠です。貧血は、赤血球が不足して起こります。赤血球は全身に酸素を運ぶ働きがあり、不足すると全身に酸素が運ばれません。血液の循環が悪くなると、手足が冷えて疲れやすくなります。

特に女性は男性より貧血になりやすいため、注意しましょう。貧血にならないよう、鉄分の多い食べ物を積極的に摂ることが大切です。

筋肉量が少ない

筋肉量が少ないと基礎代謝が下がり、身体が冷えやすくなります。身体に必要なエネルギーを生産できなくなり、全身にうまく行き渡らないためです。脂肪は、一度冷えると温まりにくくなります。筋肉量が少なく脂肪が多い女性は、男性より冷えやすい体質です。

男性でも、加齢によって筋肉量の低下し、臓器機能が衰えてくると冷えを感じます。

食生活が乱れている

無理なダイエットなどによる食事の偏りできちんと栄養が摂れていないと、体内に栄養が取り込まれず冷えやすくなります。胃腸の調子が悪く食欲不振の場合も、冷えやすいです。以下4つの栄養素を積極的に摂るようにしましょう。

  • たんぱく質
  • ビタミンB群
  • ビタミンE群
  • 鉄分

たんぱく質とビタミンB群を摂ることで、筋肉を作りエネルギーを生産します。たんぱく質は筋肉を作り、ビタミンB群はたんぱく質や糖質などの代謝に必要です。ビタミンE群は、血行を良くする役割があります。貧血にならないために、鉄分を摂ることも意識しましょう。

ホルモンバランスが乱れている

ストレスをため過ぎていたり更年期になったりすると、ホルモンバランスが乱れて自律神経が乱れやすくなります。手足の冷えや血行が悪くなることがあるので注意しましょう。更年期を迎える女性に多いです。

【症状別】4つの冷え性パターンを紹介

2.【症状別】4つの冷え性パターンを紹介

冷え性のパターンは、症状別に分けると4種類あります。ここでは、症状別に冷え性のパターンを4つ紹介します。自分自身がどのタイプに当てはまるのかを、チェックしてみてください。冷え性の改善策が見つかるでしょう。

末端型の冷え性

末端型の冷え性は、身体の熱量が不足している方に多くみられます。手のひらや足の裏は、身体の余分な熱を外に逃がす機能があります。寒い環境では、体温を下げないように身体の熱を外に逃がさないようにしなければなりません。交感神経を働かせて末梢の血管を収縮させると、手足が冷えて身体の熱が外に逃げなくなります。交感神経が過剰に働くと、必要以上に手足が冷たくなるのです。

手足が冷たいからといって、温めるだけでは改善されません。身体の中の熱量を増やし、体温を上げて末梢の血管を拡張させれば、冷え性は改善されます。しっかり栄養を摂って適度な運動をすることが大切です。

下半身型の冷え性

下半身型の冷え性は骨盤の歪みが原因であることが多く、腰や臀部の筋肉が凝り固まっていると下半身の血行が悪化してしまい、冷え性になりやすいです。骨盤の歪みは以下のことが原因で起こります。

  • 姿勢が悪い
  • 同じ方向を向いて就寝
  • 同じ方に足を組むことが多い

姿勢を正すことを心掛け、腰や臀部の筋肉の凝りを解消し、下半身の血行を良くするようにしましょう。適度な運動や入浴も効果的です。

全身型の冷え性

全身型の冷え性の方は、身体の表面も中の体温も下がります。脳が設定する体温の基準温度が下がる状態が続いてしまい、低体温になるのが原因です。平熱が下がってしまうので、冷え性の自覚がない方もいるでしょう。全身型の冷え性は体質の場合もありますが、自律神経の乱れで起こることもあります。体温が低下すると免疫機能が低下するため、風邪などの感染症にかかりやすくなるので注意が必要です。

甲状腺機能低下症の方も、体温が低下し全身が冷えます。甲状腺機能低下症の場合は、冷え方対策だけでなく、病気の治療が必要です。

冷え性が改善されない場合に考えられる病気については、後で詳しく解説します。

内臓型の冷え性

内臓型の冷え性は、手足などは温かいのに、身体の中が冷える状態です。腸管の機能が低下して内臓が冷え、腹痛や下痢などを起こしやすくなります。交感神経の働きが弱い方や、お腹に手術歴のある方に多い冷え性です。交感神経の働きが弱いと末梢の血管が収縮せず、手足などから熱が必要以上に逃げてしまいます。身体の内部の体温が下がり、手足が温かい状態になるのです。

肥満傾向の方や、アレルギー体質の方が比較的多いです。お腹の手術が度重なり癒着が起こると、腹腔内の血流が悪くなり内臓型の冷え性になることがあります。

【睡眠の質が下がる?】足が冷たくても寝るときに靴下を履かない方が良い3つの理由

3.【睡眠の質が下がる?】足が冷たくても寝るときに靴下を履かない方が良い3つの理由

足がキンキンに冷えるからといって寝るときに靴下を履いてしまうと、余計に身体が冷えてしまったり、睡眠の質が下がってしまったりします。人間の体温調節は、手足から熱を放出したり閉じこめたりする仕組みになっています。できるだけ靴下を履かないようにすると良いでしょう。

ここでは、寝るときに靴下を履かない方が良い理由を解説します。寝るときに靴下を履いている方は、参考にしてみてください。

足先に熱がこもる

靴下を履いて寝ると足先に熱がこもり、睡眠の質を下げてしまいます。人間は、深部体温を下げることで眠くなる仕組みになっています。ノンレム睡眠(深い眠り)は深部体温が低下し、睡眠の前半に多く現れます。寝る直前に深部体温を下げることで、質の良い睡眠が得られるでしょう。

しかし、靴下を履いていると足先に熱がこもり、うまく身体の熱を外に逃がせません。体温が下がりづらくなるので、睡眠の質が下がります。

身体が冷える

長時間靴下を履いて寝ると、身体が冷えてしまう恐れがあります。靴下は肌に密着しているので、温かい環境で長時間履いていると、足の裏に汗をかきます。汗をかくのは、身体の体温を下げようとする働きです。汗をかくことでどんどん熱を放出して、身体が冷えてしまいます。体温が下がり過ぎると、交感神経が刺激されて目が覚めてしまうので、睡眠の質が下がってしまうでしょう。

血行が悪くなる

長時間靴下を履いたままだと、足が圧迫されて血行が悪くなります。靴下はゴムがしっかりしていて、肌に密着するようにできています。うまく体温調節ができなくなり、冷えにつながるのです。どうしても靴下を履きたい場合は、あまり締め付けられないものにするか足先が出ているものにすると良いでしょう。

冷え性が改善されない場合に考えられる病気3選

4.冷え性が改善されない場合に考えられる病気3選

「冷え性の対策をしているのになかなか良くならない」「足の冷えだけでなく痛みやむくみがある」など、冷え性の対策をしているのになかなか改善されない場合は、病気が隠れていることがあります。その場合は、隠れた病気の治療が必要です。

ここでは、症状に冷えが出現する病気を紹介します。むくみやしびれ、痛みなどを伴っている方はチェックしてみてください。心配な場合は、かかりつけ医に相談してみると良いでしょう。

甲状腺機能低下症

甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンが必要以上に少ない状態で、最も多いのが橋本病(慢性甲状腺炎)です。橋本病は自己免疫疾患のひとつで、はっきりとした原因は不明です。橋本病を持っている方が、強いストレスや妊娠・出産などがきっかけで甲状腺機能低下症を発症して、橋本病が見つかると考えられています。

<症状>

  • 汗をかかない
  • 疲労感
  • 倦怠感
  • 寒気
  • 食欲低下
  • 無気力
  • 眠気
  • 記憶力の低下
  • 抑うつ

参照元:Doctors File「甲状腺機能低下症

     

甲状腺ホルモンが不足して代謝が落ちるため、全身の機能が低下します。他にも、乾燥したり髪の毛が抜けたりすることがあります。顔や全身がむくみやすくなるのも症状のひとつです。

バージャー病

バージャー病は、手足の動脈の壁に炎症が生じて血管が細くなったり、血栓が血管に詰まったりする病気です。根本的な原因は不明ですが、患者のほとんどが喫煙者であることから、タバコが重要な危険因子とされています。バージャー病は、30~40代の男性に多い病気です。

<症状>

  • 冷え
  • しびれ
  • 痛み
  • 皮膚の蒼白化

参照元:Doctors File「バージャー病(閉塞性血栓血管炎)

症状は手や足先から感じはじめ、症状が進むと間欠性跛行が現れます。間欠性跛行とは、長時間歩くと足が痛くなり、休むとその痛みが収まる症状が繰り返される状態です。バージャー病は、重症化すると足に潰瘍ができたり壊死したりして、切断せざるを得ないこともあります。  

末梢動脈疾患(PAD)

末梢動脈疾患(PAD)は足の血管に動脈硬化が起こって、血管が細くなったり血栓が詰まったりする病気です。以前は、下肢閉塞性動脈硬化症(ASO)と呼ばれていたものです。

<症状>

足に充分な血液が流れなくなるので、歩行時に以下のような症状が現れます。

  • 足のしびれ
  • 痛み
  • 冷え

進行すると間欠性跛行が現れ、足に潰瘍ができたり壊死したりして、切断を余儀なくされることもあります。

<原因>

  • 糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病
  • 肥満
  • 喫煙
  • ストレス

などが挙げられます。食事に偏りがある方はバランスの良い栄養を摂ることを心掛け、喫煙している方は禁煙するようにしましょう。

おわりに

冷え性の原因は、生活習慣の乱れやストレスによるものが多いです。生活習慣を見直して、極力ストレスを抱えないように気を付けましょう。ご自身がどの冷え性パターンに該当するのか確認すると、改善策が分かってきます。改善方法は「【医師監修】冷え性を改善する方法7選!おすすめの飲み物レシピも3つ紹介」の記事で解説していますので、参考にしてみてください。

冷え性がなかなか改善されない場合は、隠れた病気がある可能性があります。自分自身の症状をしっかりチェックして、むくみや痛みをが伴う場合は医療機関に相談してみましょう。

ここからは編集部のおすすめです♪

【編集部おすすめ】足がキンキンに冷えて眠れないときのアイテム2選

【編集部おすすめ】足がキンキンに冷えて眠れないときのアイテム2選

靴下を履いて寝ると、睡眠の質が下がってしまったり、汗をかいて体温が下がってしまったりするのでおすすめできません。しかし、「どうしても足が冷えてしまって眠れない」「足が冷たいので寒くて寝付けない」こともあると思います。眠れないときは、足先が出るタイプの靴下やレッグウォーマーがおすすめです。寝るときに履く編集部おすすめの靴下を3つ紹介します。ぜひチェックしてみてください。

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