【柴先生監修】40代で膝が痛いときの原因とは?症状や診断・治療方法、予防策について紹介!

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【柴先生監修】40代で膝が痛いときの原因とは?症状や診断・治療方法、予防策について紹介!
柴 雅仁(しば まさひと)パーソナルトレーナー

柴 雅仁(しば まさひと)パーソナルトレーナー

1987年、愛知県生まれ、神奈川県育ち。東京・立川を拠点 に活動する治療家・パーソナルトレーナー。Twitter・Instagram・Voicy等で痛みのない動ける体を作るための方法を発信。Twitterで公開した「動きを変える10秒アクション」が話題になり、現在総フォロワー数が20万を超える。鍼灸師/JCMA認定体軸セラピスト。 主な著書『最強のストレッチ図鑑』(SBクリエイティブ) 『新しい体幹の教科書』(池田書店)など計8冊。

40代になると、膝が痛いと感じる方が増えることが多いでしょう。原因は一体何なのでしょうか。今まで気にならなかった方も、膝に痛みを感じることが多くなってくるといわれています。膝が痛む原因として最も多いものは、加齢とともに膝の軟骨がすり減ってしまうことです。その他に、生活習慣や免疫異常などが原因となることもあります。 

膝に痛みが出てくると、普段の生活でつらく感じるときが多くなります。階段での上り下り、膝を曲げてかがんだときなど、日常生活のあらゆる場面で膝に負担が掛かってしまうためです。 

まずは、病院を受診し膝の痛みの原因を探りましょう。どんな時に痛みが出るかをしっかりと伝えて診断してもらうことが大切です。 

きちんとした原因が分かれば、それぞれの治療法を試していくことで痛みの軽減につながります。また、日々の生活で膝の痛みを予防するためにできることもたくさんあるので、自身に合った方法を試してみましょう。 

1.40代で膝が痛くなってしまう原因と症状 

40代で膝が痛くなってしまう原因と症状

40代で膝が痛いと感じるようになる原因はたくさんあります。年齢を重ねるとともに痛みが出るものや、生活習慣の乱れで痛みを引き起こすものなどさまざまです。どの症状が出ていても適切な処置や治療を行うことが痛みの軽減につながります。 

1-1.変形性膝関節症 

40代になって「膝が痛い」と感じるようになってしまう原因で一番多いのが「変形性膝関節症」(へんけいせいひざかんせつしょう)です。この症状は、膝の軟骨がすり減るなど、病態が進むにつれて、関節包、骨膜、靭帯、筋肉などの周りの組織に負担が掛かった結果痛みが出ます。(関節軟骨には神経がないためこれで痛みが出るわけではありません。) 

症状の重さは初期から末期までの3段階で示され、症状が軽いうちは少し痛みを感じても休めばすぐに治ることがほとんどです。しかし、症状が重くなると曲げることが困難になり、最終的に手術をするという選択になる場合もあります。日常生活にも支障が出てきてしまうので、早めに対処することが重要です。 

なぜ変形性膝関節症になるのかは、さまざまな原因が関与しており、加齢、外傷、遺伝、肥満、姿勢、使い方の癖などの原因が関わっています。年齢を重ねるとともに慢性的に刺激が加わり、骨が変形することなどが考えられています。 

1-2.関節リウマチ 

免疫が異常を起こすことで関節が炎症を起こしてしまう病気です。また、症状が出る範囲は膝だけでなく、身体全部の関節になるので、痛みの箇所が多くとてもつらい病気だといわれています。 

初期の症状では、以下のような異変が出ます。 

  • 関節の動きが悪い 
  • 熱っぽさがある 
  • 全身にだるさを感じる 

指や足首などの小さな関節から症状が出はじめます。症状が進んでいくと、歩行が困難になり日常生活にも影響してしまいます。膝の痛みがさらにひどくなると、最終的には水が溜まって動けなくなります。 

関節リウマチは、特に女性に多いといわれる病気です。少しでも違和感があったり、指の関節が腫れたりした場合は注意した方が良いでしょう。 

1-3.半月板損傷(はんげつばんそんしょう) 

半月板損傷は、半月板が切れたり破れたりしてしまう病気です。半月板とは、膝への衝撃を吸収して膝の関節を安定させる部位のことです。とても大事な役割を持つ部位ですが、加齢とともに劣化してしまいます。 

半月板が損傷してしまうと、痛みだけでなく引っ掛かるような違和感や、水が溜まってしまうといった症状が出てきます。少しずつすり減っていくため、すぐに痛みが出るわけではなく、損傷して炎症が起きてから痛みが出はじめます。 

痛みを出さないためにも、日頃から運動をして膝まわりに筋肉をつけることを心掛けましょう。筋肉をつけると膝の安定感ができるので、損傷を少なく抑えることができます。 

1-4.痛風・偽痛風(つうふう、ぎつうふう) 

痛風とは、身体の中の尿酸が関節に溜まって結晶になってしまう病気です。足の親指などになることが多く、諸説ありますが「患部に風が当たるだけで痛い」のが由来であるといわれるほどの激痛を伴います。 

尿酸というのはプリン体が分解されることで作り出されます。プリン体はビールをはじめとしたアルコール飲料や、カロリーの高い食事に多く含まれています。痛みがあるだけでなく、心筋梗塞などの合併症も引き起こすため、恐ろしい病気です。 

偽痛風も痛風と同じく、関節に溜まり沈着して痛みが出ます。痛風は尿酸が原因で痛みを生じますが、偽痛風はピロリン酸カルシウムと呼ばれるもので痛みを感じます。痛みができる場所は、痛風が足の親指に出ることが多いのに対し、偽痛風はさまざまな関節に炎症を起こすことが多いです。 

どちらにしても、関節に気になる痛みが出はじめたら早めに病院を受診しましょう。 

1-5.ケガや障害 

運動をしている最中に怪我をして膝を痛めることもあります。膝の違和感や痛みを覚えた場合は無理に運動を続けずに、中止して様子を見るようにしましょう。 

また、患部を冷やすなどの応急処置をしっかりして、痛みが取れないようであれば病院を受診するようにしましょう。そのままにしておくと、「変形性膝関節症」(へんけいせいひざかんせつしょう)になってしまうこともあります。 

スポーツ選手や日頃から運動している方は、膝に痛みを感じたら無理をしないことが大切です。もし治療が必要になっても薬や手術を行い、リハビリを受けることで運動を再開することができます。 

2.膝が痛いときの診断方法 

膝に痛みが出て受診をしたときは、問診での症状確認や必要に応じたさまざまな検査によって診断を受けることが基本です。症状や痛みの程度によって検査の内容も異なります。画像診断だけでなく、必要があれば採血や関節内に溜まった液体などを抜いて調べることもあるでしょう。 

ここでは膝が痛いときに受ける可能性のある検査を紹介します。 

2-1.X線(レントゲン)検査 

一般的に良く聞くことのある検査で、診断を行う上でも基本的な検査です。膝に痛みを感じる場合に接骨院に行く場合もあるかもしれませんが、X線検査は整形外科などの医療機関でしか行うことができません。 

X線検査では、立っているときの膝の状態と仰向けに寝たときの膝の状態の2種類の撮影をします。立っている時の膝の状態を見ると、どれだけ負荷が掛かっているかを知ることができます。 

そして、膝関節内の隙間の狭さや骨棘(こつきょく)といわれるトゲ状の骨などを見て判断します。X線検査では、軟骨などの細かい部分までは写らないので、必要があればもっと詳しい検査を受けることになるでしょう。 

2-2.MRI検査 

MRI検査は寝た状態のまま、磁気でできたドーム型の機械に入って検査をします。X線検査などでは骨の状態しか分からず、軟骨や半月板の状態は確認ができません。痛みの状態により、膝の内部を詳しく確認したいという場合に行われる検査です。 

軟骨や半月板だけでなく、まわりの筋肉や靭帯まで見ることができるので、炎症の程度や損傷していないかどうかなどを確認することができます。 

2-3.血液検査 

採血で検査をする方法です。変形性膝関節症や関節リウマチなどとは別の病気が疑われる際に行われます。 

2-4.関節液検査 

関節内の液体を抜いて調べる検査です。膝の関節部分が腫れていたり、熱を持っている場合には細菌感染の可能性も否定できません。そのため、注射器で液体を抜いて検査して調べます。 

液体の量や色、組織や成分などを分析して診断します。血液検査と同じく、変形性膝関節症や関節リウマチなどとは別の病気が疑われる際に行われる検査です。 

3.膝痛の主な治療法 

膝痛の主な治療法

膝が痛い時の治療法はいくつかあります。ここでは特に多い「変形性膝関節症」で痛みを伴う際の治療方法をご紹介します。症状や痛みの進行度合いで治療方法が変わるので、しっかりと診察を受けることが大切です。 

3-1.手術以外の治療 

手術以外の治療法では「保存療法」と呼ばれるものがあります。さまざまな検査で進行度合いを確認しますが、まずはこの保存療法で治療を開始することが基本です。 

保存療法では、食事の栄養面や体重の減量など生活習慣で改善すべき点がないかどうか指導を受けます。そして運動や投薬、装具などの治療法と組み合わせていきます。 

・運動療法 

膝に痛みがあることでかばうように生活していると、だんだん力を入れること自体が困難になります。そのため、運動量が減って筋力が低下してしまい、さらに膝が不安定になります。 

膝の安定感がなくなってしまうと軟骨の摩擦が増えてしまい、さらに痛みが増してしまうことにつながります。このようなことから、まずは痛みがなく膝に負担をかけない運動療法を行います。太ももの前側を鍛えたり、膝のまわりの筋肉などを強くする運動です。 

  • 寝た状態で片方の膝を立てて直角以上に曲げ、もう片方の足を10㎝ほどゆっくり上げる「脚上げ体操」 
  • 椅子に腰をかけ、片足の膝裏が伸びるように上げて5秒間止める「大腿四頭筋の訓練」 

上記のように、運動の種類もたくさんあります。 

・薬による治療 

薬による治療には、以下のような手段があります。 

  • 痛み止めなどの内服薬 
  • 湿布や塗り薬などの外用薬 
  • 関節に直接打つ関節内注射 

飲み薬で主に使用されるのは、消炎鎮痛剤と呼ばれるものです。また外用薬も、消炎鎮痛剤を皮膚から吸収できる湿布や塗り薬を使用します。 

注射に関してよく使用されているのは、ヒアルロン酸を含んだものです。痛みが強い場合は強めのステロイドを使用することにより炎症を抑えます。 

3-2.手術での治療 

保存療法を行ってもなかなか効果が出ず、日常生活を送る上で支障がある場合は手術での治療を行います。手術は主に3つあります。 

・関節鏡手術 

痛みの原因が半月板の損傷や内側の膜である場合に行われる手術です。損傷のある半月板や炎症が起きている内側の膜の一部分を切除します。 

・高位脛骨骨切り術(こういけいこつほねきりじゅつ) 

膝関節を温存して、すねの一部分を切りO脚になった足を矯正する手術です。切った部分がくっつくまでに時間はかかりますが、膝を治療しなくても良いのでスポーツなどの運動をする方が選択することが多い手術です。 

・人工膝関節片側置換術(じんこうひざかんせつへんそくちかんじゅつ) 

人工膝関節片側置換術は大きく分けて2つの方法があります。 

1つは膝関節全体に、金属と軟骨の代わりとなる特殊なプラスチックを置換する方法です。もう1つは膝の内側にのみ、金属とプラスチックの置換をする方法です。 

この方法は、膝の内側だけが損傷している場合に限り適用されます。 

4.40代が膝痛を避けるために普段の生活で心掛けること 

40代で膝が痛くなる原因はさまざまありますが、多くは加齢による原因の変形性膝関節症です。変形性膝関節症の予防方法は、生活の中で取り入れやすいものがいくつかあります。 

4-1.正しい歩き方を習慣化する 

普段の生活の中で正しい歩き方を意識してみましょう。猫背になったり、膝が曲がったりしていないかどうか、注意しながら歩くことが大切です。街中のショーウィンドウのように全身が映り込む場所があれば、自身の歩き方のチェックをしてみてください。正しい歩き方をすることで、筋肉が適切に鍛えられて膝が痛くなるのを予防できます。 

4-2.太りすぎない 

体重が重くなると、膝に大きな負担がかかります。食生活に気を付けながら日常的に運動を取り入れて、太りすぎないよう注意しましょう。 

4-3.ウォーキングを行う 

ウォーキングを行うと、膝まわりに筋肉がつき膝が強くなります。ただし、痛みが強い場合は無理をしないことが重要です。歩く場所は平坦な道を選び、坂道や階段など膝の負担になりやすい場所は避けましょう。 

4-4.入浴や水泳を行う 

入浴で膝を温めることも効果的です。また温水プールで泳ぐと温まるだけでなく、筋力アップの効果も期待できます。水の中は浮力があるので、膝への負担も少ないでしょう。 

4-5.サポーターを使う 

サポーターを使うことで膝が安定します。膝が安定すると、関節を支えることにつながるので歩きやすくなるでしょう。また、膝が冷えて痛みが増してしまうのを防ぐこともできます。 

サポーターは取り入れやすいアイテムのひとつです。メーカーやサイズが豊富なので、正しく確認して購入しましょう。 

5.膝の痛みを予防する方法 

膝の痛みを予防するには、自身にあった方法を取り入れることが大切です。ここでは普段の生活の中に取り入れやすく、無理をせず膝に負担を掛けない予防法を紹介します。 

5-1.ストレッチ 

膝の痛みを予防する方法として、ストレッチは無理なく簡単に始められる方法のひとつです。ここでは、立ちながらできるストレッチを紹介します。 

・太もも裏を伸ばす(寝ながら)

太もも裏を伸ばす(寝ながら)

寝ながら簡単にできる太もも裏を伸ばすストレッチです。 

  1. 仰向けに寝て、片足の太ももの裏を両手でかかえます。 
  2. かかえた足に痛みが出ないところまで胸に引き寄せ、5秒間停止します。 
  3. この動作を反対も同様に行い、片足を5~10回ずつ繰り返します。 

寝たまま行えるので、とても取り入れやすいストレッチです。 

太もも裏を伸ばす(座ったまま)

太もも裏を伸ばす(座ったまま)

座ったまま太ももの裏側を伸ばすストレッチです。 

  1. 両足を広げて座り、片方の足を内側に曲げて、もう片方を伸ばします。 
  2. みぞおちを軽く丸めたまま行います、伸ばした方の足に身体を倒していきます。 
  3. そのまま10秒間停止します。このとき太ももの裏側が気持ち良く伸びているはずです。 
  4. 片足で5〜10回繰り返し、反対の足も同じように行います。 

テレビを見ながらでも簡単にできるので、気が付いたときにすぐにできるストレッチです。 

5-2.筋力トレーニング 

膝に痛みが出ると、動くことが億劫になり活動量が低下します。活動量が低下すると筋力が弱まってしまい、膝の痛みがさらに悪化することにつながります。無理をしない程度に筋力トレーニングも生活に取り入れていきましょう。 

・太ももの筋肉をつける 

太ももの筋肉をつけることも大切です。椅子に座ってできる簡単なトレーニングを紹介します。 

  1. 鼠径部(そけいぶ)の真ん中を触って座ります。 
  2. 片足の膝を伸ばし、つま先が天井を向くよう足首を垂直に曲げます。 
  3. 伸ばした足を床から10cmのところまでゆっくりと上げて、5~10秒停止します。 
  4. ゆっくりと下ろしてください。これを左右10回ずつ繰り返しましょう。 

・膝まわりの筋肉をつける

膝まわりの筋肉をつける

膝まわりの筋肉をつけることで安定感が増します。椅子に座ってできるトレーニングなので手軽に取り入れられるでしょう。 

  1. 鼠径部(そけいぶ)の真ん中を触って座り、こぶし2つ分くらいの幅に丸めたタオルを膝の間に挟みます。 
  2. 間に挟んだタオルを膝で潰すように内に向けて力を入れます。 
  3. その状態を保ったまま5秒間力を入れ続けてください。この動きを10回繰り返しましょう。 

5-3.ツボ押しで血流の改善 

膝が痛いときは、血流自体も悪くなっていることがあります。血液には痛みを生み出す物質を流してくれる働きがあり、血流が悪くなると膝の痛みが強くなってしまう原因になります。改善するためにツボを押して血流を良くしましょう。 

膝の痛みに効くツボとして、膝のお皿のすぐ下にある内側と外側のくぼみを押すと効果的といわれています。また、血流をよくするために、鍼(はり)やお灸、手軽なカイロなどの手段も取り入れましょう。 

5-4.体重コントロール 

体重が増えてしまうと、膝への負担もさらに大きくなってしまいます。膝に痛みがあると、動くのも億劫になり運動量が少なくなりやすいといえます。 

そのため、高カロリーな食事などに気を付け、栄養バランスの良い食事を心掛けることが大切です。また、無理をしない程度に、定期的に身体を動かすなど運動習慣を取り入れましょう。 

40代に入るころから、膝が痛いことに悩みはじめる方は多くいます。多くの痛みの原因は、年齢とともに筋肉が衰えて、姿勢が悪くなり、関節の動きが悪くなることです。 
加齢とともに軟骨がすり減ることは避けられず、自然な現象といえますが、痛みを予防することはできます。例えば太り過ぎないよう食事をコントロールしたり、筋肉をつけるために運動したりすることで、膝への負担を少なくすることが可能です。加齢とともに筋肉が衰えてしまうのは、ある程度は仕方のない部分もありますが、トレーニングやストレッチ、ウォーキングなどの運動をしていけば、日常生活に影響があるような衰えについては防ぐことができるでしょう。 
痛みがひどくなる前から、生活習慣を見直し健康的な生活を送りましょう。膝の痛みが出た場合はきちんと医師に診断してもらい、適切な治療を受けてつらい痛みが長引かないようにすることが大切です。