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【医師監修】内臓脂肪レベルとは?皮下脂肪との違いや数値が上がる原因、減らす方法を紹介!

【医師監修】内臓脂肪レベルとは?皮下脂肪との違いや数値が上がる原因、減らす方法を紹介!
村上 友太 医師・医学博士

監修者
村上 友太 医師・医学博士

福島県立医科大学医学部卒業。初期臨床研修修了後、福島県立医科大学脳神経外科学講座に入局。2019年同講座助教。2022年3月より、東京・新橋にある東京予防クリニックの院長として、一般内科疾患や脳神経疾患、予防医療を中心に診療している。脳神経外科専門医、脳卒中専門医、神経内視鏡技術認定医、抗加齢医学専門医。認知症学会会員、内科学会会員。医師の副業プラットフォーム「頼めるドクター」を主宰

内臓脂肪とは、胃や腸などの内臓についた脂肪のことです。内臓脂肪が溜まると、高血圧症や糖尿病などの生活習慣病になりやすいとされています。内臓に溜まった脂肪は、身体に悪影響を及ぼすだけでなく、体型が崩れるなど見た目にも影響します。

身体に溜まった脂肪は皮下脂肪と内臓脂肪に分けられます。その中でも内臓脂肪は病気になるリスクの高い脂肪です。この内臓脂肪の面積を計算して出された数値を「内臓脂肪レベル」といいます。

ただし内臓脂肪レベルの平均値は年齢や性別によって異なります。まずは、自身の内臓脂肪レベルを調べてみましょう。数値が高いようであれば、食生活や運動などで生活習慣を改善していかなければなりません。

このコラムでは、内臓脂肪の定義や内臓脂肪レベルの平均値、増える原因、減らす方法について解説しますので、ぜひ参考にしてください。

内臓脂肪とは?

内臓脂肪とは、お腹の臓器周りについた脂肪のことです。食事から摂取したエネルギーが余った場合、エネルギーは一時的に体内に蓄えられ内臓脂肪になります。内臓脂肪は消費されずにどんどん溜まってしまうと、見た目だけでなく生活習慣病などの合併症を引き起こすといわれているため、予防と改善が必要です。

内臓脂肪が溜まるのは、摂取したエネルギーの方が消費するエネルギーより多いことが原因です。さらに、内臓脂肪を一度蓄えるとなかなか減らすことが難しいという特徴があります。まず、食習慣やライフスタイルを見直して摂取エネルギーが多い場合は改善しましょう。また、内臓脂肪を減らすためには消費エネルギーも重要です。消費エネルギーには基礎代謝量が関係しています。

基礎代謝量とは、生きていくために必要な最低限のエネルギーのことであり、呼吸や心臓の動きなどでエネルギーは消費されます。この基礎代謝量は年齢とともに低下していきます。生活の中で運動をする習慣がない方は内臓脂肪がつきやすくなるため、運動で筋肉を増やし基礎代謝量を高めていきましょう。

また、肥満の判定には、体重と身長で計算するBMI(体格指数: Body mass index)という数値が使われています。

BMIの計算方法

BMI=体重【kg】÷(身長【m】×身長【m】)

(例)身長160cmで体重60kgの場合だと、60÷(1.6×1.6)=23.437となります。

このBMIの数値が25を超えると肥満とされています。まず自身のBMIを計算して確認してみましょう。

また、BMIで計算した肥満には2つのタイプがあり、脂肪がどこについているかで分けられます。1つ目は内臓に脂肪がつき、お腹周りが目立つりんご型タイプです。2つ目は皮下脂肪が多く、下半身に脂肪がつきやすい洋なし型タイプです。りんご型は比較的男性に多く、洋なし型は女性に多く見られます。さらにりんご型には特徴があり、内臓脂肪の蓄積が多く脂肪がつきやすいです。

【年齢・男女別】BMIから見る肥満者の割合

厚生労働省の調査によると、男性は40歳をすぎると、BMIが25を超える肥満の割合が高くなっています。

また、女性も年齢を重ねるごとに、少しずつ増えていることがわかります。年齢を追うごとに、基礎代謝量の低下や運動不足が多くなることも要因のひとつです。

【年齢・男女別】BMIから見る肥満者の割合

参照元:令和元年国民健康 栄養調査報告」厚生労働省

内臓脂肪と皮下脂肪の違いは?

内臓脂肪と皮下脂肪の違いは?

同じ脂肪でも、内臓脂肪と皮下脂肪はそれぞれ違った特徴があります。

「内臓脂肪」とは胃や腸などの臓器の周りに蓄積される脂肪なので、お腹周りを中心に多く蓄積されてしまいます。特徴としては、外見からは分かりづらいことです。痩せ型の方でも意外と内臓には脂肪が多くついているということもあります。このような隠れ肥満症の方もいるので、注意が必要です。

そして「皮下脂肪」は、直接触っても分かるように皮膚の下につく脂肪です。お腹につきやすい内臓脂肪と違い、特に太ももやおしりなどに蓄積してしまいます。皮下脂肪は特に女性に多い傾向にあります。長い時間をかけて少しずつ増えていき、内臓脂肪に比べると減らすのが難しいことが特徴です。

内臓脂肪と皮下脂肪は、それぞれ脂肪のつき方が異なるため、ご自身はどちらのタイプなのか知っておくことも、余分な脂肪を溜めにくくなることにつながるでしょう。

【男女別】内臓脂肪の適正値

内臓を見る機会がない限り、内臓脂肪を見ることはないでしょう。正確に測定するには、CT画像などで検査する必要があります。しかし、簡単な方法で適正な値なのかを調べることもできます。

まず、ウエスト周りのサイズを測ります。このサイズによって適正値かを判断でき、内臓に脂肪が付いているかどうかが分かります。男性なら85cm、女性なら90cmを超えると内臓脂肪がついているとされています。

内臓脂肪は、溜まっていくと色々なホルモンが分泌されます。このホルモンが分泌されることにより、高血圧や糖尿病などを引き起こしてしまいます。さらにそこから動脈硬化を進行させてしまうので、心筋梗塞といった重大な病気になる可能性が高まるでしょう。

内臓脂肪を溜めたままにせず、食事や運動でしっかりと消費することがとても重要です。

内臓脂肪レベルとは?

4.内臓脂肪レベルとは?

内臓脂肪レベルとは、内臓脂肪がどのくらい蓄積されている状態かを表す指標です。これは、内臓脂肪と皮下脂肪の両方を合わせて計算されています。

生活習慣病になるリスクが高いとされている内臓脂肪が、どれくらいあるのかは体脂肪率でははっきりと分かりません。内臓脂肪の数値を知るために確認しておきたいのが「内臓脂肪レベル」です。ウエスト周囲径よりももっと正確に、リスクが高いのか低いのかを確認することができます。

判定基準

内臓脂肪レベルの判定基準は、以下のとおりです。

  • 9.5以下:標準
    リスクは低いです。今後も食事や運動に気を付けて健康を維持していきましょう。

  • 10.0~14.5:やや過剰
    少し高い傾向にあります。適正体重を目指すべきです。食事や運動を一度見直しましょう。

  • 15.0以上:過剰
    リスクが高い数値です。積極的に食事や運動をして減量することが必要です。また、医学的な診断は医師に確認するようにしてください。

例えば、内臓脂肪レベルが10であった場合、内臓脂肪の面積は100平方センチメートルに値します。内臓脂肪レベルを知っておくことは、生活習慣病のリスクを下げるだけでなく、体型が崩れる原因を抑えることができます。

内臓脂肪レベルは、腹部CT検査から算出される正確な内臓脂肪測定と異なりあくまで参考値ではありますが、見た目では判断できない内臓脂肪がどれだけあるのか知ることができます。ぜひ体脂肪計で確認してみましょう。数値が高い場合は理想的な数値になることを目指して、生活習慣を見直すことが重要です。

参照元:タニタ

内臓脂肪が増える原因

内臓脂肪が増える原因

内臓脂肪が増える原因は大きく分けて2つあります。1つ目は「食生活」です。高カロリーな食事を食べることが多かったり、毎日のようにお酒を飲んでいたりすると乱れた食生活になります。このような食生活が続くと大変危険です。

そして2つ目は「運動不足」です。毎日の生活の中で脂肪を消費できるくらい身体を動かしているでしょうか。定期的な運動をしてないだけでなく、年齢が経つにつれて日常における活動量も減ってきてしまいます。適度に身体を動かすようにして、運動習慣を作っておきましょう。

高カロリーな食事

カロリーが高い食事は、脂肪がつきやすく栄養面でも偏りが出てしまいます。好きなものばかり食べてしまったり、外食やファストフードばかり食べてしまったりするのはやめましょう。炭水化物の過剰摂取もカロリーオーバになりがちですので、ご飯や麺、パンなどを食べ過ぎないように意識しましょう。

高カロリーなので食べ過ぎてしまうと、消費できなかった分は内臓脂肪として蓄えられてしまいます。毎回の食事は栄養のバランスを考えて食べましょう。

甘いものをよく食べている

適度な糖分の摂取は必要ですが、摂り過ぎてしまうと消費されずにそのまま身体へ蓄えられてしまいます。余分に摂取することのないよう、ケーキやアイスなど甘いものの食べ過ぎには充分に気をつけましょう。

睡眠不足

食事や運動以外にも内臓脂肪が増えてしまう原因に睡眠不足が挙げられます。睡眠が足りなくなると、脳が満腹時に出す信号を抑えてしまいます。また、逆に食欲をアップさせるホルモンも分泌してしまいます。

そのため、お腹がいっぱいになった感覚が鈍くなり、食べ続けてしまいます。消費カロリー以上に食べ過ぎると、摂取したカロリーを消費することができないため脂肪が蓄積されます。

睡眠不足は内臓脂肪を増やすだけでなく、ストレスも蓄積します。心身ともに影響が大きい睡眠不足は早めに改善するようにしましょう。

自律神経の乱れ

自律神経が乱れると、身体が太りやすくなってしまいます。なぜなら、自律神経は内臓機能や代謝機能、血流などをコントロールしているからです。

自律神経がうまくコントロールできないと、身体の脂肪燃焼と大事な蓄えとのバランスが崩れてしまいます。そして、身体に脂肪がつきやすくなってしまいます。太らない身体を作るためには自律神経も整えるようにしましょう。

アルコールの摂取し過ぎ

お酒にはたくさんの種類があり、中にはビールやカクテルなどたくさんの糖質を含んだものもあります。また、アルコールはほとんど栄養がなく、カロリーが高いだけのものも存在しています。

お酒は、きちんとしたエネルギーとなって消費されずに脂肪となるものが多いです。また、アルコールは食欲も増進させてしまうので、さらに内臓脂肪を蓄積する原因になってしまいます。飲酒は適度にするよう心がけ、おつまみの食べ過ぎにも注意しましょう。

加齢による基礎代謝低下

年齢が高くなると、自然に基礎代謝量は落ちていきます。基礎代謝量は、成長期には必要となるため10代をピークにその後は徐々に低下します。

年齢とともに蓄えられた脂肪は、なかなか燃焼されにくいです。基礎代謝量が低下することによって、若いときは比較的早く痩せることができても、徐々に痩せにくい身体になっていきます。

食事の量は変わってないのに、昔より太った気がするのは基礎代謝量が低下したことが要因です。若いときも大事ですが年齢が高くなると、さらに食事や運動のバランスが重要になっていきます。

内臓脂肪を減らす方法

内臓脂肪を減らす方法

内臓脂肪を減らす方法で効果的なのは、運動と食事に気をつけることです。ご自身の生活習慣を見直して改善していきましょう。

よく噛んでゆっくり食べる

食べ物をよく噛み、ゆっくりと食べることで、満腹感が脳に伝わり食べ過ぎを抑えられます。脳に満腹感が伝わるまでには少し時間がかかってしまいます。そのため、早食いしてしまうと満腹感を感じるまでに、たくさん食べてしまいます。

さらに早食いは、血糖値を上げたり脂肪を溜めてしまう要因のひとつです。食事の際は、食べ方にも気をつけていきましょう。よく噛み時間をかけてゆっくり食べるようにすると、たくさん食べなくても満腹感を感じられやすいです。

お酒を控える

アルコールをたくさん摂取してしまうと、内臓脂肪を溜め込む原因になります。また、お酒の中にはカロリーが高い種類もあります。お酒が進むと食欲が増しおつまみを食べ過ぎてしまうことにもつながるので、アルコールの摂取は控えめにしましょう。

タンパク質を摂取する

タンパク質は筋肉を作ります。溜まった脂肪を燃焼してくれるのは筋肉です。そのため、タンパク質は積極的に摂取していきましょう。

特におすすめなのが豆腐です。豆腐には植物性の良質なタンパク質が多く含まれており、筋トレなどの運動の効果を高めてくれます。

有酸素運動で脂肪を落とす

有酸素運動には、ランニングやウォーキング、水泳などがあります。ランニングは無理して早く走らなくても良いので、ゆっくり30分ほど行うと良いでしょう。

ランニングが苦手な方は、歩くことを習慣にしてみましょう。ウォーキングでも充分に内臓脂肪を燃やすことができます。1日45分~1時間くらいを目安に、生活の中で意識的に歩くようにしてみましょう。

また水泳も、腰や膝に負担がかかりにくいため運動をしやすいです。泳ぐのはもちろんのこと、水圧に逆らってゆっくり歩くことでも運動効果が期待できます。

無酸素運動で基礎代謝を上げる

無酸素運動は、短時間に強度の高い動きをする運動のことです。有酸素運動のようにある程度の時間、継続して負荷をかける運動ではありません。無酸素運動には、スクワットやクランチなどがあります。

無酸素運動は、有酸素運動とは違って短時間で済むことや、仕事や家事の合間に手軽にできることがメリットです。無酸素運動を行って筋肉をつけると基礎代謝量も上がります。基礎代謝量が上がると、脂肪燃焼効果が高まります。

おわりに

内臓脂肪は、溜まり過ぎてしまうと病気のリスクを高めます。高カロリーなものを食べ続けたり、お酒を飲み過ぎてしまったり、生活習慣が乱れていると内臓脂肪は溜まっていく一方です。乱れた生活を続けていると不健康なまま過ごすことになり、病気になるリスクを高めてしまいます。

そこで知っておきたいのが内臓脂肪レベルです。内臓脂肪レベルの平均値は、年齢や性別で異なります。自身の内臓脂肪レベルを確認してみましょう。見た目ではわからない内臓脂肪レベルを知ることにより、病気になるリスクも知ることができます。平均値より高い場合には、ご自身に合った改善方法を試してみましょう。生活習慣を改め、しっかりと脂肪を燃焼し、健康的な身体を作っていくことが大切です。

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