機能性表示食品とは?メリット・デメリットやトクホとの違いなどをご紹介

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機能性表示食品とは?メリット・デメリットやトクホとの違いなどをご紹介

近頃スーパーなどでもよく見かけるようになった「機能性表示食品」と記載されている商品。「特定保健用食品(トクホ)」と似ているけれど、何が違うのか気になっている方も多いのではないでしょうか。このコラムでは機能性表示食品とは何か、トクホとの違いやメリット・デメリットなどを徹底的に解説します。最近身体の不調を感じている方や健康の悩みがある方は、ぜひ参考にしてみてください。

1.機能性表示食品とはどのようなもの?

機能性表示食品とはどのようなもの?

機能性表示食品とは何か、制度が誕生した経緯や表示方法をご紹介します。

1-1.機能性表示食品に関する制度について

「機能性表示食品」は保健機能食品の一種です。保健機能食品とは、身体への働きを商品に表示できる食品のことです。保健機能食品には他に「特定保健用食品(トクホ)」と「栄養機能食品」があります。

トクホは、国が食品ごとに個別に審査を行い、安全性や機能性が認められた食品です。栄養機能食品は、科学的根拠が認められた栄養成分を基準量含んでいる食品のことで、審査や届出は必要ありません。保健機能食品は当初、これら2種類の表示制度のみでした。しかし、2種類だけでは、身体に良いとされる生鮮食品やサプリメントなどは身体への効果を表記することができず、消費者が商品を選ぶ際にあいまいで分かりにくいという状況でした。

そこで、2015年に機能性表示食品制度が施行され、すべての食品において身体への効果を表記して販売することが可能になりました。こうして消費者が食品の機能や特徴を正しく認識したうえで、自身に合った商品選択ができるようになりました。

1-2.機能性表示食品とは?

身体の健康維持や増進が期待できるといった機能性の表記が可能な食品が機能性表示食品です。販売事業者の責任のもと、販売予定日の60日前までに消費者庁に届出をします。届出義務はあっても国の審査はないので、販売事業者が届出番号を受領するだけで機能性表示食品として販売することが可能です。

安全性や機能については販売事業者の責任において表示されるため、信頼性のある企業かどうかは消費者自身で見極める必要があります。機能性表示食品は科学的根拠の開示が義務づけられており、消費者庁のWEBサイトにて簡単に調べることが可能です。

また、機能性表示食品は健康な方を対象としており、病気にかかっている方、未成年者、妊産婦、授乳婦は対象外となっています。

1-3.どんな風に表示されているのか表示例を知ろう

パッケージの表面の分かりやすい場所に「機能性表示食品」と「届出番号」を表示します。この届出番号を消費者庁のWEBサイトで調べることで、食品の安全性と機能性の詳細が確認可能です。さらに「届出表示」として、販売事業者が消費者庁に届け出た機能内容を目立つ位置に表示することができます。

さらに裏面には、1日の摂取量と注意事項を記載しています。何かあった際に問い合わせができるよう、販売事業者の連絡先も表示されています。

パッケージに記載しなければならない項目とその例を一部ご紹介します。

項目表示例
機能性表示食品であること機能性表示食品
機能性の表示本品には〇〇が含まれるので、△△の機能があります。
栄養成分の量、熱量〇〇kcal、たんぱく質△△g
1日当たりの摂取目安量に対しての機能性関与成分含有量機能性関与成分〇〇 △△mg
1日当たりの摂取目安量3粒
届出番号△〇〇(△にはアルファベット、〇には数字が入ります)
販売事業者の連絡先お問い合わせ先:0120-〇〇〇-〇〇〇
摂取方法水またはぬるま湯と一緒にお召し上がりください。
摂取上の注意本品は多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進したりするものではありません。
バランスの良い食生活をすすめる文言食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。

1-4.サプリメントも含まれる?

機能性表示食品にはサプリメントも含まれます。機能性表示食品制度ができる以前は、科学的根拠があっても身体への効果を表記することができず、消費者側もサプリメントを選びにくい状況がありました。機能性表示食品制度が誕生してからは、消費者がパッケージを見ながら自身に合ったサプリメントを選ぶことが可能になりました。専門知識がなくても表示された機能を確認しながら選べるため、より気軽にサプリメントを取り入れられるようになりました。

2.機能性表示食品の表現方法について

機能性表示食品には消費者が誤解を招かないよう、表現方法にルールが定められています。

2-1.認められる表現

2014年に消費者庁が公表した「食品の新たな機能性表示制度に関する検討会報告書」において、「健康の維持・増進」に関わる表現が認められています。具体的な例を見ていきましょう。

・自身で簡単に計測できる体調の指標(体重、血圧、体脂肪率)の維持が期待できる、または改善に役立つといった表現
 例)「血圧が高めの方へ」
   「中性脂肪を低下させる」
   「身体に脂肪がつきにくい」

・身体の生理機能や組織機能の維持が期待できる、または改善に役立つといった表現
 例)「目の疲労感を緩和する」
   「糖の吸収を抑える」
   「目の健康を維持する」

・本人が身体の状態を自覚する一時的な体調の変化の改善に役立つといった表現
 例)「一時的なストレスの緩和」
   「一時的な疲労感の低減」
   「一時的な目の不快感」

2-2.認められない表現

健康増進を目的とした機能性表示食品には、医薬品と誤認するような表現は認められていません。また、「治療」「予防」「処置」といった医学的な表現も使用できない決まりです。

・疾病の予防や治療効果をイメージさせる表現や、特定の疾患のある方を対象にした表現
 例)「花粉症の方へ」
   「風邪の予防に」
   「糖尿病に効果あり」

・健康維持や増進の範囲を超えた、健康増強を主張する表現
 例)「美白効果あり」
   「肉体改造におすすめ」
   「増毛に」

3.機能性表示食品とトクホの違いとは?

機能性表示食品とトクホの違いとは?

機能性表示食品も特定保健用食品(トクホ)も、健康の維持や増進に役立つことをパッケージに記載できるという点ではあまり差がないように感じますよね。そもそもトクホとは何なのか、機能性表示食品との違いを項目ごとに比較しました。あわせて栄養機能食品との違いも見ていきましょう。

3-1.そもそもトクホとはどのようなもの?

トクホは健康維持に役立つことが科学的に立証され「おなかの調子を整える」のような表示が可能な食品です。機能性や安全性は国が個別に審査を行い、消費者庁長官が許可を出しています。トクホは機能性表示食品よりも前から保健機能食品として世に出ており、その歴史は30年以上です。

3-2.機能性表示食品とトクホの違い

機能性表示食品とトクホの違いを項目に分けて具体的にまとめました。

・表示の違い

トクホには消費者庁許可の印である、人が伸びをしているマークを表示することができます。テレビCMやスーパーの商品棚で見覚えのある方も多いでしょう。このマークがあることで、ひと目でトクホだと判断できます。

一方で機能性表示食品にはマークがなく、パッケージに「機能性表示食品」と表示するのみです。よく見てみると、普段買っていた商品が実は機能性表示食品だったということもあるかもしれません。

・審査の有無

届出をする時に、国に対する手続きが必要なことは機能性表示食品もトクホも同じです。大きな違いは審査の有無にあります。トクホに関しては安全性や効果を国が厳しい基準を設けて個別に審査し、合格した商品のみ消費者庁によって機能性表示が認められます。機能性を国が審査するトクホに対して、機能性表示食品は販売事業者の責任のもとで機能性を表示するのが特徴です。科学的根拠が記載された資料を提出し、書類に不備がなければ機能性表示食品として販売が可能になります。

・情報公開の義務の違い

トクホは一部の販売事業者によって詳しい情報が公開されている食品もありますが、基本的には情報公開の義務はありません。

一方、機能性表示食品は科学的根拠に基づいた情報の公開が必須です。販売事業者によって届け出された情報は消費者庁のWEBサイトにて公開され、さまざまな検索方法で消費者がいつでも確認することができます。機能性表示食品を見つけたら、ぜひ一度検索してみてください。

3-3.栄養機能食品との違いは?

栄養機能食品は特定の栄養素を補給することが目的の食品です。1日に必要とされる栄養成分が不足がちなときに利用すると良いでしょう。国への届出や審査は不要です。すでに科学的根拠が国に認められている栄養成分を基準値以上含んでいれば、国が定める表現方法で機能を表示することができます。

【機能表示が可能な栄養成分】
・ミネラル(亜鉛、カルシウム、カリウム、銅、鉄、マグネシウム)
・ビタミン(ビタミンB1、ビタミンC、ビタミンD、葉酸、ナイアシンなど13種類)
・脂肪酸(n-3系脂肪酸)

4.機能性表示食品のメリット

機能性表示食品のメリット

機能性表示食品のメリットとは何でしょうか。また、自身が求める働きを持つ機能性表示食品の探し方もご紹介します。

4-1.商品によってさまざまな働きがある

機能性表示食品には、身体にさまざまな働きをする食品が多数登録されています。ご自身の体調や期待する効果によって商品を選びましょう。

具体的な機能性表示食品の働きの例をご紹介します。

・脂肪の吸収を抑える
・血糖値の上昇をおだやかにする
・内臓脂肪を減らす
・目や鼻の不快感を軽減する

4-2.目的に合わせて商品を選べる

さまざまな働きがある機能性表示食品。2022年3月時点で消費者庁に登録されている件数は5,000件以上になっています。5,000件以上からご自身に合った食品を探すのは至難の業ですが、そのようなときに便利なのが、消費者庁の機能性表示食品検索ページです。

消費者庁WEBサイトの「機能性表示食品の届出情報検索」 で、さまざまな項目から絞り込むことができます。

・希望する機能性から検索する

「内臓脂肪」や「血糖値」といった、キーワードを入力することで内臓脂肪を減らす効果が期待できる食品や、血糖値を下げるサポートをする食品を探すことができます。

・食べたい食品から検索する

商品名検索欄に「ヨーグルト」や「お茶」と入力して検索すると、その食品名を含んだ機能性表示食品を探すことができます。

・届出番号から検索する

手元に機能性表示食品がある場合は、パッケージに記載されている届出番号から食品情報を検索することができます。より詳しく食品の機能やどのような根拠に基づいているのかを知りたい場合は検索ページからチェックしてみましょう。

参考:消費者庁 機能性表示食品の届出情報検索

5.機能性表示食品のデメリット

健康の維持増進を目的とした機能性表示食品の隠れたデメリットをご紹介していきます。

5-1.行政がチェックするわけではない

機能性表示食品は、トクホのように行政が機能性や安全性をチェックするわけではありません。販売事業者が提示する調査資料だけで、機能性表示食品として機能性を表記することができます。機能性表示食品を利用する際は、販売事業者が信頼できる企業かどうかを冷静に判断する必要がありそうです。

5-2.販売事業者は費用や時間がかかる

販売事業者は、機能性表示食品として商品を世に出すまでにさまざまな準備を行う必要があります。

【機能性表示食品として販売するまでのフロー】

  1. 機能性表示食品の対象食品かを判断
  2. 食品の安全性を明確にする
  3. 従業員の衛生管理体制や生産体制を整える
  4. 健康被害の発生防止と拡大防止のための体制を整える
  5. 動物や人での安全性試験の実施と機能性に関する論文提出
  6. ガイドラインに沿ってパッケージに適切な表記をする
  7. 販売開始の60日前までに消費者庁に届出をする

安全性試験の実施に長くて1年半、届出書類作成にも1ヵ月以上の時間を要するため、販売事業者は販売開始から逆算して計画的に手続きを進める必要があります。

また、安全性試験についても数百万円以上の費用がかかるため、機能性表示食品として販売するのは販売事業者にとって容易ではないことが分かります。

6.機能性表示食品を摂っていれば健康になれる?

機能性表示食品を摂っていれば健康になれる?

機能性表示食品はたくさん摂取するとより効果が期待できるというものではありません。過剰な摂取が健康被害を起こす場合もあります。もし、体調に異変を感じた場合は摂取を中止し、医師に相談しましょう。パッケージに記載されている摂取目安量を守って、日々の生活に上手に取り入れることが大切です。

6-1.バランスの取れた食生活を送ろう

身体の不調を感じたら、まずは自身の食生活を見直しましょう。主食、主菜、副菜をバランス良く摂取することが健康への第一歩です。機能性表示食品のパッケージにも「食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを」と記載されています。栄養バランスを考えて、決まった時間に食事をして、健全な食生活を心がけることが大切です。

6-2.適度な運動をしよう

運動不足が続くと、内臓脂肪が増加し、糖尿病や高血圧などの生活習慣病を引き起こしやすくなります。適度な運動は骨を丈夫にし、筋肉を強化させるうえ、肥満の予防にも効果的です。機能性表示食品のサポートを受けながら、運動で身体のコンディションを整えることが大切です。また、適度な運動はストレス緩和にも繋がるので、心の健康にも役立ちます。

6-3.適度な休息を取ろう

疲れは溜めこんでしまうと解消することが難しくなります。疲れの内容に応じて適切に対応することが大切です。例えば、睡眠をしっかり取ってその日の疲れをリセットしたり、仕事の合間にストレッチをしてこまめに緊張をほぐしたり。疲れを感じたら適度に休息を取って、心と身体の健康を保ちましょう。

おわりに

機能性表示食品制度は消費者が食品の特徴を正しく認識し、自身の判断で口にするものを取捨選択しやすくなるように作られた制度です。現在も届出数は増加しており、消費者庁の業務を圧迫するほどまでになっています。

登録数が増え、より身近になりそうな機能性表示食品。身体の不調が気になる方は、自身に合った食品を1日あたりの摂取目安量を守って日々の生活に取り入れてみても良いでしょう。

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