睡眠は健康維持に欠かせない重要なものです。毎日しっかり眠って身体を休めているのに、日中も眠くて仕事に集中できなかったり、怠さが取れなくて趣味を楽しめなくなってしまったりと普段の生活に影響がでてしまうことがあります。
その原因は、適切な眠りがとれておらず、脳や体が充分に休息を取れていないからかもしれません。睡眠は、時間さえ確保すれば良いのではなく、「質」も必要不可欠な要素です。
そこで、毎日の寝ている状態を記録し、睡眠改善を手助けする睡眠アプリがあります。
睡眠アプリにはさまざまな悩みに応じた機能やメリットがあるので、詳しく解説していきます。睡眠の悩みを解決できる睡眠アプリ探しにお役立てください。
睡眠アプリとは
睡眠アプリとは毎日の眠っている状態を記録できるアプリです。寝ている間の寝返りの有無やいびきなどを記録し、グラフや値で表示してくれます。睡眠アプリは次の2種類です。
- スマートフォンで操作、記録するタイプ。
- ヘッドバンドやスマートウォッチなど、ウェアラブル端末を身に付け、操作を行い、スマホアプリで記録結果を確認するタイプ。
また、アプリごとに機能・目的があり、その機能・目的は主に次の4種類があります。
- 心地良い起床を促す起床用
- 音楽や音で入眠を促す入眠用
- 眠っている状態を把握
- 眠っている間の録音、録画
自分の睡眠の悩みに合わせて、どのタイプのアプリを利用するか判断しましょう。
睡眠アプリを使用すると、自宅で簡単に自分の眠っている状態がわかります。誰でも気軽に試すことができ、難しい操作も必要ないので負担感がなく、長期間にわたって継続しやすいため、おすすめです。
スマホアプリとウェアラブル連携アプリの違い
スマホアプリとウェアラブル連携アプリの違いは測定値の正確さです。
スマホアプリの場合、枕元などにスマホを置いて一晩中データを記録します。寝相によってスマホの位置がずれてしまうなどして、記録できないこともあります。
しかし、スマートウォッチなどと連携しているウェアラブル連携アプリなら、寝相が悪い方でも身に付けていられます。したがって、測定値の精密度が高いというメリットがあります。
どちらを選ぶかはどの程度の正確さを求めるかで決めましょう。
睡眠アプリでわかること
睡眠アプリを使うと、眠っている状態について詳しく分かるため、改善ポイントを見つけられます。睡眠アプリで分かる内容は次の4点です。
寝ている時間
スマホの加速度センサーによる寝返りの有無、スマートウォッチによる心拍数から、おおよその睡眠時間がわかります。基本的に人間は寝ている間は寝返り以外の体動はなく、心拍数も安定しているからです。
目覚ましや電話などで起きると、寝返り以外の体動があり、心拍数も上がります。これらの測定値から睡眠アプリはおおよその寝ている時間を判定できるのです。
起床、就床時間
アプリでは、眠りの浅い・深いは寝返りの有無、心拍数、いびきの有無で起床した時間と就床した時間を判断します。ただし、睡眠アプリによってどの測定値を用いるかは異なります。
睡眠の効率(レム・ノンレム睡眠)
睡眠アプリでは、睡眠効率(レム・ノンレム睡眠)もわかります。
レム睡眠は身体は休んでいるけれど、脳波が活動している状態で、ノンレム睡眠は身体も脳も休んでいる状態です。より質の高い睡眠を得るためにはノンレム睡眠の時間をしっかり確保する必要があります。
いびき
寝ている間の音を検出し、いびきを録音できるアプリもあります。
いびき以外にも歯ぎしり、寝言などの録音すると、睡眠時間や眠りの深さが分かります。また、いびきの録音をすると、眠っている間に突然呼吸が止まってしまう「睡眠時無呼吸症候群」の有無についてもわかるようです。
睡眠アプリの仕組みとは
睡眠アプリは身体の動きや心拍数などから眠りの深さや持続時間を測定します。どのような周期で浅い眠りと深い眠りを繰り返しているのかわかるのです。どのように、体の動きや心拍数などを計測しているのでしょうか。
睡眠アプリで値を記録する際に調べる項目とその計測の仕組みについて詳しく説明します。
体の動き
スマホの加速度センサーは人間の寝返りを感知できます。人間は眠りが浅いと自然と寝返りを打つので、身体の動きで眠りの浅い・深いがわかります。
心拍数
スマートウォッチなどのウェアラブル端末では心拍数を感知できます。
心拍数を計測できるウェアラブル端末は、手首に接する部分が緑色に光ります。その緑色の光を手首の血管に照射することで、血中のヘモグロビンの反射する光の色の変化から、心拍数を測定しているそうです。
眠りが浅いと夢を見たり、寝返りを打ったりして心拍数が増えます。その心拍数の増減によって、寝ている状態がわかるのです。
脳波
スマートフォンアプリやスマートウォッチだけでは、脳波の測定はできません。
脳波を測るには、脳波センサーが搭載されたヘアバンドやヘッドギアが必要となります。睡眠アプリを連動させることで脳波を計測することが可能です。
ヘアバンドやヘッドギアを着用する手間はありますが、脳波を元にした正確な睡眠中の覚醒を計測できます。
呼吸やいびきの音
スマホの睡眠アプリやスマートウォッチを用いて、呼吸やいびきの音を録音できます。そのデータを元に、肥満体型の男性に多い睡眠時無呼吸症候群の簡易診断にも使えます。
睡眠時無呼吸症候群は、寝ている間に突然呼吸が止まり、短ければ数秒ですが、長いと数分に及ぶこともある病気です。さまざまな合併症を引き起こすことも多く、早めの治療が必要といわれています。
もちろん、専門機関での正確な値ではないので精密さには欠けますが、おおよその状態を確認できるため、睡眠改善のきっかけになります。
睡眠アプリを使うメリット
睡眠アプリを使うメリットは、自分の寝ている状態を簡単に調べ、より質の高い眠りが得られる点です。
自分なりに対処しているつもりでも効果が得られないことは多いですが、睡眠アプリを用いれば自分の眠りの問題点を客観的に把握し、正しく対処できます。
具体的に、どのようなメリットがあるのか説明します。
睡眠の質を見直すきっかけになる
睡眠アプリを使うことによって、客観的な数値として睡眠時間や深さを見ることができます。そのため、睡眠習慣を把握し、見直すきっかけになります。
改善ポイントを見つけ、改善することで、睡眠の質向上に繋がり、疲労回復や集中力の向上など恩恵を受けられます。
朝の目覚めがよくなる
睡眠アプリでは眠りの深さも測定できるため、眠りの浅い時間帯に起こしてくれる機能を使用することで、スムーズに目覚められます。
目覚めが悪いと感じていた理由は、本来しかるべき起床の時間に起きれていなかったからかもしれません。
深い眠りで突然起こされると不快感が残り、すっきり眠れた感覚が失われてしまいます。そのため、睡眠アプリを使用し目覚めを良くすることで、日中も快適に過ごせるでしょう。
いびきや歯ぎしりなどを把握できる
寝ている間のいびきや歯ぎしりの程度や有無は自分で確かめられません。
しかし、睡眠アプリを使用すると夜間のいびきや歯ぎしりの状態がわかります。
いびきや歯ぎしりは眠りの質を下げるだけでなく、睡眠時無呼吸症候群や喉の違和感や痛みを引き起こします。アプリの情報をもとに、マウスピースの使用や病院での受診などの対策を練りましょう。
睡眠アプリの結果を気にしすぎない!
使用する端末によっても精度は異なりますが、睡眠アプリの測定値は、正確な数値は測れません。そのため、結果を気にし過ぎず、気楽に日常生活に取り入れるのが良いでしょう。
枕元に置いておくだけのスマートフォンよりは、一晩中、身に付けているスマートウォッチなどのウェアラブル端末を使用した方がより精度は上がります。脳波測定可能で高価なヘアバンド・ヘッドギアだとかなり精密です。
しかし、専門機関で医療機器を用いて記録しているわけではありません。あくまで自宅で簡易的に記録できる、参考程度の測定値だということは覚えておきましょう。
アプリの値が気になって眠れなくなったり、不安感が強まってしまったりしては本末転倒です。睡眠アプリの利点は手軽さと利便性といえます。睡眠改善のきっかけを割り切って、気楽に使うのがおすすめです。
睡眠アプリの選び方
自分に合った睡眠アプリを選ぶには、いくつかの押さえておくべきポイントがあります。
そこで選び方について詳しく解説していきます。
悩みにあった機能があるか
睡眠アプリの機能は、悩みに合わせて選ぶと良いでしょう。よくある悩みとオススメの機能は次のとおりです。
睡眠の質を改善したい
質を改善したい場合は、寝ている時間、眠りの深さ、起床時間が記録できると良いでしょう。また、1週間や1ヵ月など、測定値を自動で記録してくれるものなら、振り返って確認できるため、改善に役立ちます。
いびきや無呼吸が気になる
いびきの回数、無呼吸の有無が記録できるアプリを選びましょう。
また、睡眠時無呼吸症候群の疑いで病院受診を検討する際、測定値を持参できると良いです。医師にこれまでの寝ている状態を説明でき、スムーズに診療が進みます。なかには測定値をPDF化できるものもあるため、検討してみましょう。
関連記事:知っていますか?睡眠時無呼吸症候群!早期治療で健康長寿
目覚めが悪い
睡眠データの測定と目覚まし機能付きがオススメです。
睡眠データを記録し、眠りの浅い時間帯に目覚ましを鳴らして起こしてくれるものが良いでしょう。
二度寝してしまう方の場合、目覚まし停止アクション設定可能なアプリもあります。設定すると、目覚ましを止める際、計算問題の入力などを求められ、簡単に二度寝はできません。
寝つきが悪い
寝つきが悪いと感じている方には、入眠サポート機能のついているアプリがオススメです。自然を連想させる癒やしの音楽を流してくれるアプリもあり、リラックスした状態で眠れます。
ただ、就寝中も音楽が鳴り続けていると、眠りが浅い時間帯に起きてしまうことがあります。しかし、入眠後に音楽が自動停止するアプリを選べば、眠りの妨げになりません。
ウェアラブル端末と連携できるか
より正確な測定値を知るには、スマートウォッチなどのウェアラブル端末と連携可能なアプリがおすすめです。
アプリによっては、スマートウォッチを装着していると自動で寝ている状態を記録してくれるものがあります。そのため、アプリを起動し忘れて寝てしまうミスを防げます。
無料か有料か
基本的に無料で使えるものが多く、ただし、機能に制限がついているアプリもあります。
そのため、継続的に測定値を保存し、まとまった期間の測定値が欲しい場合、有料のアプリを検討しましょう。使いたい睡眠アプリの機能や測定値だけでなく、オプションとして無料・有料の範囲もあらかじめ確認しアプリを選びましょう。
データが見やすいか
広告がしつこく表示されたり、表やグラフが見にくかったりするアプリはストレスが溜まります。使いにくいアプリは途中で使うのをやめてしまうこともあります。
しかし、データが見やすく、自分の好みに合った使いやすいアプリなら継続して使えます。気に入るものが見つかるまで、いろいろなアプリを試してみるのも良いでしょう。
睡眠アプリを活用して睡眠改善のきっかけに!
眠りに関する悩みを抱えている方は少なくありません。しかし、眠りに関する改善点は、自分では気づきにくいものです。また、知らない間に健康を害している可能性も考えられます。
睡眠アプリを使用すれば、寝ている状態を知り、問題点の改善に繋げられます。快適な眠りのためにも、日頃から自分の寝ている状態に関心を寄せておくのがおすすめです。眠りに関する悩みがあるときは、睡眠アプリの活用を検討してみましょう。
睡眠アプリにはそれぞれ異なった機能がついているので、眠りのパターンに最適なアプリが見つけましょう。ご自身の悩みや好みに合った睡眠アプリを生活に取り入れ、眠りの質を改善し心身ともに健康な生活を目指しましょう。