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【医師監修】オーラルケアとは?重要性やグッズごとの選び方・使い方について紹介!

【医師監修】オーラルケアとは?重要性やグッズごとの選び方・使い方について紹介!
大西 正嗣 歯科医師

監修者
大西 正嗣 歯科医師

医療法人正翔会 理事長。東海地区で4店舗展開(岡崎エルエル歯科・矯正歯科、葵デンタルデザインオフィス、名古屋みなみ歯科・矯正歯科、加納歯科医院)。一般歯科、小児歯科、歯科口腔外科、矯正歯科などの全ての分野での治療に対応。

医療や介護の現場でも聞かれることのある「オーラルケア」ですが、デンタルケアとの違いについて疑問に思う方もいるのではないでしょうか。また、オーラルケアを行うことで、どんな効果が得られるのか、逆にケアしなかった場合のリスクについて不安に思われる方もいるかもしれません。

このコラムでは、オーラルケアとデンタルケアの違いやその効果、さらにはオーラルケアに必要なグッズ選びなどについて詳しく解説します。オーラルケアの目的や、オーラルケアを行う際のポイントを知りたい方は参考にしてみてください。

オーラルケアとは

オーラルケアとは

オーラルケアは、口腔衛生や口腔清掃に加え、口腔機能の改善を図ることも目的とされています。口腔内の清潔が保たれ、口腔機能が正常に働いているということは、自身の口で食事を取れるということです。食事を自身の口で取れなくなると、健康の維持が難しくなり、さらには生きる気力さえも失われていくことも考えられます。

そういった、QOLの向上や充実した毎日を送るためのサポートとして、オーラルケアの必要性が注目されています。健康のための虫歯治療や歯周病治療がオーラルケアとして認識されていますが、広い意味では誤嚥や嚥下機能の低下を防ぐことも、オーラルケアの目的として捉えられているのです。そのため、入院中の患者さんや介護が必要な方にとっては、オーラルケアはとても重要なケアのひとつといえるでしょう。

デンタルケアとの違い

歯や歯茎のケアを行うデンタルケアに対して、身体全体の健康のために口腔内のケアを行うことを「オーラルケア」と呼びます。口の中の細菌は、全身疾患に影響を及ぼすとされており、口腔内の衛生状態にも注意が必要だと言われています。とくに、心疾患や糖尿病を治療中の方は、口腔内の細菌が疾患そのものに影響することもあるため、歯科的治療を受ける際も注意が必要です。

オーラルケアは、虫歯を治療する・歯をきれいにすることが目的となるデンタルケアとは異なり、身体の健康維持のために口腔内全体を清潔に保ち、口腔機能を維持することが目的です。そのため、介護や医療の現場でもオーラルケアの重要性が注目されています。

オーラルケアを怠るとどうなる?

オーラルケアを怠るとどうなる?

オーラルケアが充分でない場合のリスクについて紹介していきます。虫歯や歯周病が進むこと、口臭が酷くなることなどは誰でも想像がつくでしょう。問題は、全身に悪影響を及ぼす可能性があるということです。以下の項で詳しく解説するので、ぜひ覚えておきましょう。

虫歯・歯周病のリスクが上がる

食後の歯磨きを怠ると、口腔内は酸性の状態が続くため虫歯リスクは高くなります。また、歯垢が溜まり、さらにその歯垢が石灰化し歯石に変わります。歯周病の原因の多くは、溜まった歯垢や歯石です。これらが歯茎付近に溜まった状態が続くことで、歯肉炎や歯周病を起こし、歯を支えている土台を弱くしていきます。食後の歯磨き、特に夜寝る前の歯磨きを怠ると、虫歯や歯周病のリスクは高くなるといわれています

口臭が起こりやすくなる

口臭の原因には、内臓系の疾患からくるものや歯磨きを怠ったことで起こるものがあります。歯磨きを怠ると虫歯や歯周病になるリスクが高いと書きましたが、これらも口臭の原因です。虫歯が進んで歯の神経まで及ぶと、神経が腐敗しそのにおいが口臭となって現れます。また、歯周病が進行して歯周病菌が活発に動き出すと、メチルメルカプタンと呼ばれるガスが発生します。このガスが嫌な口臭となります。

歯が黄ばむ・黒ずむ

歯の黄ばみや黒ずみの原因には、加齢や嗜好品・薬の影響などがあるといわれています。歯の色は表面に付着したステインや、歯の内部構造である象牙質の色が大きく影響します。コーヒーやカレーなど、色の濃い食べ物や飲み物を摂取することで歯の表面にステインが付着するのが黄ばんで見える原因です。また、加齢によって象牙質の黄色みが強くなったり、子どもの頃にテトラサイクリンの抗生物質を飲んでいたりした場合、歯が黒ずむ副作用が見られます。

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全身に悪影響を及ぼす

歯を失ったり、口腔機能が低下したりすると、食事をご自身の口から取れなくなり、栄養も偏りがちになってしまいます。それによって、活動量の低下・免疫力の低下も起こるでしょう。活動量が低下すると、筋肉量や筋力が衰え社会に出る機会が減ってしまう可能性があります。また、歯を失うということは、人とのコミュニケーションにも影響を及ぼします。オーラルケアを怠ることは、単に見た目の問題だけでなく、食べる・話すといった日常生活でも支障をきたすことになるでしょう。

オーラルケアの重要性・効果

オーラルケアの重要性・効果

オーラルケアを行うことは、口の健康だけでなく心身の健康につながるといえるでしょう。歯や口腔機能を健康的な状態で維持することで、いつまでも自身の口から栄養を摂り続けることが可能です。それによって、充分な栄養補給とともに、生きる意欲を高められるでしょう。また、口は栄養を摂ることだけでなく、他者とのコミュニケーションをとる際に重要な役割を果たします。

美味しく食事を取る、家族や友人と楽しく話をする、これらは当たり前のことと思われがちですが、歯を失い口腔機能が衰えると、それさえも難しくなってしまうでしょう。さらには、口腔内の細菌が全身疾患に悪影響を及ぼす可能性も高くなります。

オーラルケアには、そのようなリスクを軽減させ、充実した毎日を健康的に送り、心身ともに健やかに保ってくれる効果が期待できると考えられています。何かしらの病気を治療中の方はもちろんのこと、健康上に問題を抱えていない方も、健康を維持するために重要なケアといえるでしょう。

正しいオーラルケアのポイント

正しいオーラルケアのポイント

オーラルケアを行う際のポイントと、使用する道具について紹介します。それぞれの道具の選び方や使い方を見ていきましょう。

歯ブラシ

歯ブラシを選ぶ際は、年齢や口腔内の状態に合ったものを選びましょう。硬すぎると歯茎を痛める原因にもなるため、ふつう・やわらかめがおすすめです。また、ヘッド部分は大きいものより小さめの方が奥までしっかり届いて磨きやすいでしょう。磨くときは、ブラシをしっかり歯面もしくは歯と歯茎の境目にあて、毛先が広がらない程度の軽い力で小刻みに動かします。

おすすめの歯ブラシはジーシー GC ルシェロ P-20 ピセラ 歯ブラシです。

細部や奥までしっかり磨けます。

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電動歯ブラシ

効率良く歯磨きを済ませたい方は、電動歯ブラシを使用するのもおすすめです。回転式や音波式・超音波式など、振動の種類を選べます。回転式は磨く力が強く、1本ずつしっかり磨きたい方にぴったりです。音波式はブラシが行き届きにくいところも磨けるため、歯列矯正をしている方に良いでしょう。超音波式は優しい振動が特徴で、歯石が付着するのを防いでくれます。歯磨き粉は少しずつつけ、数秒間ブラシをあてて1本ずつ丁寧に磨いていきましょう。

歯科専門家と共同で開発された「フィリップス ソニッケアー 電動歯ブラシ エキスパートクリーン」は、音波振動で効率よく歯垢をかき出してくれるおすすめのアイテムです。正にこれおすすめです。

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歯磨き粉

歯磨き粉には、フッ素配合や歯周病予防、知覚過敏を軽減させるものなど、さまざまな成分が配合されたものがあります。悩みに合った成分が配合された歯磨き粉を選びましょう。歯磨き粉をつけ過ぎると、泡立ちが磨いた気にさせ、磨き残しの原因になるので注意しましょう。また、電動歯ブラシ利用者や歯周病で歯茎が弱っている方は、研磨剤不使用のタイプがおすすめです。

フッ素高濃度配合の「ライオン クリニカアドバンテージハミガキ シトラスミント」は、虫歯予防にぴったりの歯磨き粉です。

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■ConCooL ウエルテック コンクール 『ジェルコート

ムシ歯の発生および進行・歯周炎(歯槽膿漏)・歯肉炎の予防、口臭の防止におすすめの歯磨き粉です。フッ素が配合されているので、歯周病菌に対する高い殺菌力だけでなく予防も実現ができます。

デンタルフロス

歯と歯の狭い隙間のケアには、デンタルフロスを利用しましょう。持ち手付きのタイプと指に巻き付けて使うタイプがあります。フロスに慣れていない方は、持ち手付きタイプが使いやすいでしょう。歯と歯の隙間が狭い方や矯正装置をつけている方は、指巻きタイプがおすすめです。鏡を見ながら歯と歯の隙間にフロスを入れ、歯面をこすりながら汚れを落とします。外すとき無理に抜こうとすると、詰め物がとれてしまう可能性もあるので気をつけましょう。

「GC ルシェロフロス」は、水分を含むと膨らむのが特徴で、効率よく歯垢を落としてくれるデンタルフロスです。GCルシェロ フロス ミントワックスもおすすめです

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歯間ブラシ

歯と歯の間の、歯茎付近の隙間ケアは歯間ブラシを使用します。前歯は持ち手からブラシ部分までが一直線になったI字型が使いやすいでしょう。奥歯はヘッドが曲がったL型がおすすめです。軸が金属のブラシとゴム製のブラシがあり、出血や歯茎の腫れがある方は、歯茎を傷めにくいゴム製が良いでしょう。ブラシの太さは隙間の広さに合わせて選びます。鏡を見ながらブラシ部分を隙間に入れて、色んな方向から磨いていくことで、歯ブラシだけでは落とせなかった汚れもしっかり落とせるでしょう。

「小林製薬 マイクロ歯間ブラシI字型」は、今まで入らなかった隙間にも入る極細ブラシで、歯と歯の隙間が狭い方にも使いやすい歯間ブラシです。また、ワイヤー式が使いやすいという方はライオンDENTEX歯間ブラシもおすすめです

「小林製薬 マイクロ歯間ブラシI字型」はこちら

マウスウォッシュ

歯磨き粉と同様、口臭予防や虫歯予防など、求める効果に合った成分が配合されたものを選びましょう。歯磨きにプラスして使用したり、歯磨きが充分にできないときなどに利用したりすると効果的です。あまり使いすぎると、口の中の常在菌まで洗い流してしまうため注意しましょう。使い方は、口に含んで20〜30秒ほどゆすぐだけと非常に簡単です。

高い殺菌力が特徴の「第一三共ヘルスケア ブレスラボ マウスウォッシュ シトラスミント」は、歯肉炎や口臭予防におすすめです。

「第一三共ヘルスケア ブレスラボ マウスウォッシュ シトラスミント」はこちら

多少の刺激が大丈夫な方でしたらリステリンシリーズおすすめです。

おわりに

虫歯予防や歯周病予防など、口の中の健康を維持するためには「オーラルケア」が重要です。また、このオーラルケアは単に口の中の衛生状態を健康に保つためだけにとどまらず、口腔機能の低下を防ぐことも目的です。オーラルケアを怠ると、虫歯や歯周病が進行するだけでなく、口臭や全身の健康にも影響するといわれています。

さらに、口腔機能が低下することで、食べる・話すなどの日常生活にも影響を及ぼします。美味しいものを食べる、楽しくおしゃべりをすることは、口の健康があってこそできることです。いつまでも健康的な生活を送れるよう、まずはオーラルケアを見直してみませんか。毎日の正しい歯磨き習慣が健康を守ってくれるでしょう。

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