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おなかを凹ませ、残念な自分から卒業するために

おなかを凹ませ、残念な自分から卒業するために
セゾンのくらし大研究 編集部

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セゾンのくらし大研究 編集部

豊かなくらしに必要な「お金」「健康」「家族」に関する困りごとや悩みごとを解決するために役立つ情報を、編集部メンバーが選りすぐってお届けします。

平成18年に厚生労働省が発表した、日本初のメタボリック・シンドロームに関する調査結果によると、40~74歳の男性では2人に1人、女性では5人に1人が、メタボリック・シンドロームが強く疑われる者か予備軍であると報告されています。そこで今回は、おなかを凹ませる、食事、生活、道具について紹介します。 

おなかを凹ませる食事 

メタボリック・シンドロームは、放っておくと心筋梗塞や脳卒中の危険度が高まりますが、長年の生活習慣が原因となって起こるので、その原因を改めていけば代謝障害の怖い連鎖から抜け出せます。いちばんのポイントは、代謝障害のベースとなる内臓脂肪を減らし、適正な腹囲と体重に戻し、適正な体重を保つことです。おなかを凹ませるためには、食事の見直しが不可欠です。 

運動だけで内臓脂肪をとるのは難しく、また無理をともなうため、食生活の改善と適度な運動を一緒に進めていくことが重要です。肥満の方は、「おなかがいっぱいになるまで食べないと満足できない」という習慣を持つ場合が多く、これが肥満の最大原因になっています。まずは、腹八分目以下の量に慣れることから始めましょう。最初は、もの足りない感じもしますが、慣れるにつれて、身体が楽になり、脂肪も落ちてきます。また、ストレスを過食で解消することもできるだけなくしましょう。 

健康的に痩せ、体型を維持するためには、栄養バランスが取れた食事を続けることが大切です。具体的には、5大栄養素 (炭水化物・たんぱく質・ミネラル・ビタミン・脂質)をバランス良く摂取することが理想的です。そこで実践したいのが、1回の食事で主食 (ご飯、パン、めん)、主菜 (肉、魚、卵、大豆料理)、副菜 (野菜、きのこ、海藻料理)を一緒にとることです。 

加えて、同じ食材を重ねない、同じ調理法・料理ジャンルを続けないことに気を付けると、自然に栄養バランスが取れてきます。肥満の方は、丼ものや麺類などの単品材料を好む方が多く、また週に何度も同じ料理を繰り返して食べる傾向があります。こういう食事は、栄養が炭水化物と脂質に偏りやすく、肥満がさらに進み、メタボリック・シンドロームのリスクが高まります。好物に偏らず、好奇心を持ってさまざまな食品を試すことが、栄養バランスを取るコツです。食事量を減らすことで生じる、もの足りなさも緩和され、食の新たな楽しみも発見できるでしょう。 

食べ方のコツとしては、当たり前のことですがよく噛んで食べることです。咀嚼回数が多いと満腹中枢が適切に刺激され、腹八分目程で満腹感を感じられます。また、食事時間が短い 「早食い」は過食につながりやすいので注意が必要です。 

1日3食を規則的に食べることも大切です。食事の間隔が空き過ぎると、身体が飢餓状態と勘違いし、摂取エネルギーを脂肪として貯めこもうとします。1日3食を同じ時間帯にとるのが、代謝アップのコツです。特に朝の食事は、健康を保つ基本です。市販の野菜ジュースや小さめのパンなど簡単なものでも構いませんので、必ずとるようにしましょう。夜10時以降の食事は控えるのも効果があります。夜遅くの食事は、その後のエネルギー消費が少ないので、脂肪として蓄積しやすくなります。深夜の食事はできるだけ控えましょう。 

また、外食、間食はできるだけ減らしましょう。外食は、高エネルギー・高脂肪メニューが多いので、1日1回以下に留めたいものです。甘い物やスナック菓子などの間食は、1食分に相当するエネルギーになりがちなため、回数・量とも少なめにすることを心掛けましょう。 

おなかを凹ませる生活 

おなかを凹ませる生活

ぽっこりお腹のおもな原因は、過食と運動不足ですが、自律神経の乱れも深く関係しています。自律神経には、交感神経と副交感神経があり、バランスを取り合って身体の動きを調整しています。朝から夕方は、身体を活動モードにする交感神経が優位に立ち、代謝を活発化させます。一方、夜から朝は、身体を休息モードにする副交感神経が優位に立ち、この間は代謝が低調につながります。交感神経と副交感神経のバランスが取れていると、日中の活動的な状態で代謝がスムーズに進み、太りにくい身体を作ることができます。逆にバランスが乱れると、朝になっても交感神経が優位に立たず、日中の代謝が悪くなり、肥満になりやすい身体を作ってしまいます。 

代謝の良い身体を作るためには、この交感神経を優位に立たせることがカギとなります。朝、交感神経をスムーズに立ち上げるコツとして、朝起きたら窓を開け太陽の光を浴びる、ゆっくりと腹式呼吸を行う、布団の上でストレッチを行う、やや熱めのシャワーをさっと浴びる、アロマセラピーで、交感神経を刺激する香りをかぐ、などが挙げられます。 

また、自律神経のバランスを乱れさせないためには、夜更かしをせず同じ時間帯に眠り、起きる習慣をつけることが大切です。睡眠不足にも気をつけ、1日7~8時間の睡眠を心掛けましょう。 

内臓脂肪型肥満の方には、慢性的なストレスを抱えているケースが多く見受けられます。ストレス解消のために、食べ過ぎや多量の飲酒に走り、その結果、内臓脂肪を蓄積してしまうパターンです。また、ストレスによって自律神経のバランスが乱れると、適切な時間帯に交感神経のスイッチが入らず、代謝の滞りから太りやすい身体になってしまいます。さらに、ストレスは交感神経を過度な状態に高めやすく、自律神経のバランスを壊し、心拍数の上昇、血管の収縮、血糖値の上昇などを招いて、内臓脂肪型肥満とともに、高血圧や糖尿病などの生活習慣病の一原因となります。 

ストレスを緩和するためには、無理をせず休むのが一番なのですが、休む時間がとれない方も多いと思います。そこで、あまり時間を必要としないストレス解消法を紹介します。強いストレスを感じたとき、気分転換をするのが効果的です。強いストレスがかかると、そのことだけを考え、マイナス思考に陥りがちです。気分転換の時間を多く持つことは、ストレス解消のかなめです。1日に数回、気分転換の機会を持ちましょう。散歩、ストレッチ、ウォーキングなどは、消費エネルギーも増えるので、肥満改善に一石二鳥です。 

また、感情を必要以上に抑えないことも大切です。喜怒哀楽の感情を抑制し過ぎると、ストレス状態に陥ります。喜怒哀楽の感情のなかでも楽しく笑うことは、ストレス解消に効果があり、健康にさまざまなプラス効果を生みます。笑うこと自体にダイエット効果もあり、これもまた肥満改善に一石二鳥です。おなかの底から笑う機会を持ち、おなかを凹ませましょう。 

おなかを凹ませる道具 

体重測定

内臓脂肪をとり、その後のリバウンドを防ぐためには、自身の身体の状態を知り、きちんと記録することが大事です。特に、体重測定は毎日行い、腹囲も3~5日に一度くらいの割合でチェックしましょう。食事量のコントロールや運動の習慣化によって、身体が引き締まっていくのを数値としても把握することは、減量を続ける大きな励みになります。また、体重を記録することは、生涯にわたる健康管理のベースとしても重要となります。 

日々の体重や体脂肪などを測って記録をとると、がんばった成果が確認でき、モチベーションもアップします。 

そこで、「測る」健康管理アイテムを紹介します。 

メジャー 

メジャーは、腹囲を測定するための必需品です。内臓脂肪の正しい測り方は、背すじを伸ばして立ち、メジャーで、おへその高さの腹囲を測ります。胴の細い部分ではないので注意しましょう。メジャーは水平になるよう胴に巻きつけます。たるんだり、曲がったりしないように注意しましょう。

体重体組成計 

一般的に体重計と呼ばれている測定器の中で、体重に加えて体脂肪率や内臓脂肪レベルなどの項目を測れるものが体組成計と呼ばれています。体組成計の「体組成」とは、筋肉や脂肪、骨、水分など、身体を構成する組成分のことです。体組成計での測定は、体脂肪などの量を、実際に測っているわけではありません。身体に微弱な電流を流すことで得られる電気抵抗と、体重、身長、年齢、性別といった情報を組み合わせ、身体の状態を推定し、体脂肪率や内臓脂肪レベルといった、各種数値を算出しています。

おわりに 

おなかが凹まない要因は、運動不足、朝食抜きなどの不規則な食生活、脂肪や炭水化物のとり過ぎによる栄養バランスの乱れ、過度なストレスによる自律神経の乱れなど、こういった生活の積み重ねが余分な内臓脂肪を増やし、さまざまな生活習慣病につながっていきます。しかし、それは逆にいえば、良くない生活習慣を改めると、肥満やメタボリック・シンドロームを予防・改善できるということです。肥満を改善し、生活習慣病の怖い連鎖を防ぐカギは、毎日の生活のなかで行うセルフケアです。長年の生活習慣を一度に変えるのは難しいですが、小さな改善を積み重ね、継続していけば、肥満改善と健康維持に必ず良い成果が出るでしょう。引き締まった身体を取り戻し、健康で楽しい毎日を過ごしましょう。 

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