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自分の存在を肯定する生き方をしよう

斉藤 恵一 セルフマネジメントプロデューサー

執筆者
斉藤 恵一 セルフマネジメントプロデューサー

大学時代に歌舞伎町のホストの世界に飛び込むも半年間売り上げゼロ。そこから心理学を学びセルフブランディングに取り組み、約6年間売上げNO.1となる。現在は企業向けのコンサルティングやメンタリング、人材育成に取り組む一方、「ナカイの窓」や「ダウンタウンDX」等テレビ出演及び書籍やコラムの執筆等で活動中。

幸せな人生を生きていく上で鍵を握るのは何だと思いますか?必要な要素はたくさん頭に浮かぶと思うのですが、その中でも一番重要なもの、それは「自己受容」です。 

今回はこの「自己受容」をテーマにお伝えしてきたいと思います。まず「自己受容」とは、文字通り「自分を受け入れること」です。もう少し詳しく説明すると、自分をあるがままに受け入れること、これが「自己受容」になります。 

色々な本を読むとこのような言葉はよく出てくるでしょうし、「自分をあるがままに受け入れましょう」という言葉もよく耳にされると思います。実際にそういう言葉に触れて、「よし、自分も自分を受け入れよう」と「自己受容」に取り組まれたことのある方も多いのではないでしょうか。 

ですが、どうもこれがなかなか上手くいかないという方が非常に多いです。そもそも自分を受容しようと考え、取り組んでいるということは、今現在の自分に対する評価が低いという証拠であり、そういう方こそ、なかなか上手くいかないことはむしろ当たり前です。この言葉を聞いても「よし、自分を受け入れよう」と思わない方もいらっしゃると思いますが、こういう方はすでに自分を受容できているため、その言葉にも反応しないわけです。 

では具体的に「自己受容」を進めていくためには、どういうふうにやっていけば良いのか?このコラムでは抑えるべきポイントをお伝えしたいと思います。 

自尊心を高めるための「自己受容」について 

まずお伝えしたいことは、「自己受容」と「他者受容」は正比例するということです。私たちは「自己受容」ができるようになればなるほど「他者受容」もできるようになります。自分のことを受け入れることができるようになればなるほど、他の方のことも受け入れることができるようになるので、結果的に他の方とも良い関係を作っていけるようになるのです。 

一方、こんな自分ではダメだ このままの自分じゃダメだと自分を受け入れられない方は他者のことも受け入れられない、他者のことも心で裁いてしまいがちです。 

ということは、あらゆる人間関係の中で最も根本的な人間関係は何かというと、それは「自分との関係」だということになります。

全ての人間関係の最も根本となる基本的な関係が自分自身との関係 

この自分との関係において「自己受容」ということができるようになると他者との関係作りというのも非常に良いものになっていきます。 

一度、こんなふうに想像してみてください。自分の中に「見つめる自分」と「見つめられる自分」がいます。「見つめられる自分」とは、日々色々なことを感じている自分のことです。例えば色々な出来事に出会って落ち込んだり、悲しんだり、あるいは喜んだり、色々なことを感じている自分。これを「見つめられる自分」といいます。 

一方、色々なことを感じている自分を見て、それに対して評価をしたり、駄目出しをしたり、あるいは受け入れたりする「見つめる自分」もいます。理想的なのは、この「見つめる自分」が「見つめられる自分」に対して自分を受容できることなのですが、実際は、この「見つめる自分」が結構手厳しいというケースが多いです。 

どういうことかというと、例えば、自分が何かの出来事でとても落ち込んでいるとします。この「落ち込んでいる自分」が「見つめられる自分」です。それに対して「見つめる自分」が手厳しい目で、「こんなことで落ち込む自分は駄目だ」という見方で見てしまう。そうすると、この「見つめられる自分」は傷ついてしまい、自尊心や自信を失ってしまいます。「見つめる自分」が「見つめられる自分」に対して自分を受容できていません。多くの方が、このように自分を許容できていない状況かもしれません。 

「自己受容」というのは、自分のことをあるがままに受け入れることですから、この「見つめる自分」が受容的に、あるがままにこの「見つめられる自分」が感じていることを受け入れることができるようになると、「自己受容」ができるようになるのです。 

「自己受容」は自己肯定ではない 

よく混同されがちなのですが、「自己受容」というのは、「自己肯定」とは違います。例えば人の目を気にするタイプの方がいるとします。その方は今日まで「人の目を気にしてしまう自分は駄目だな」と自己否定をしてきたとします。 

この方が今日から急に自己肯定をしようとしたら、これなかなか難しいと思いますよね?自己肯定というのは、自分を積極的に肯定することですから、人の目を気にする性格に対して、「人の目を気にする性格は良い性格で、素晴らしいこと」→「人の目を気にすることにはこんなメリットがある」→「だからこの性格は素晴らしいのだ」というようにポジティブに考えようとすることです。 

ですから今日まで自己否定して生きてきた方が、急に今日から自己肯定しようとすることは大変難しいことです。 

一方、「自己受容」というのは自己肯定とは違って、自分に対して否定するでもなく、肯定するでもなく、ありのままの自分を良いも悪いもなくそっくり受け入れることです。先ほどの例に当てはめると「自分は人の目を気にするんだよな」→「それが自分だよな」というふうに、そのような自分を良いも悪いもなく、そっくりそのまま抱きしめるかのように受け入れるというイメージです。 

自分を肯定する必要はなく、そのままの自分をそっくり受け入れるということになります。このようにすれば、今日まで自己否定して生きてきた方でも挑戦できるのではないでしょうか。 

「自己受容」は「自分が好き」とも違う 

また「自己受容」は「自分が好き」という状態とも違います。例えば、なかなか自分のことを好きになれない方がいるとします。そのような方が今日から急に自分のことを好きになろうとしたら、これもやはり難しいですよね。 

ですから、自分のことを好きになれないときは、「自分はなかなか自分のことが好きになれないんだな」→「これが自分だな」というふうに受け入れれば良いでしょう。こんなふうにして「自己受容」を積み重ねていきますと、結果的に自分のことを好きになっていきます。 

自分のことを好きになれない状態でも、「自己受容」は始められるということなのです。「自己受容」は自己肯定とも違うし、自分のことが好きな状態とも違って、自分がどんな状態であれ、今のそのままの自分をしっかりと見つめて、それをそのまま受け入れていくことなのですから。 

Being Doing Having 

「自己受容」というのは自分の存在そのものを受け入れることを指すわけですが、自分の存在そのもののこと「Being」というふうにいいます。それに対して、自分の行為や自分の行為に関するもののことを総称して「Doing」といいます。自分の行為や自分の行為に関するものとは、例えば自分の業績や、成績などのことです。 

さらに「Having」という単語があります。いくら稼いでいるか、いくら財産を持っているか、そういうものが自分の「Having」です。「持ち物」「所有」「具体的に何を得たいか」「何を手に入れたいか」などのことです。

多くの方は人生の大半の時間をHavingやDoingに費やし、HavingやDoingを追い求める人生を送ります。本来、重要視しなければいけないBeingを軽視する人生です。そしてHavingやDoingを得ることで「自信」が得られると勘違いをしています。 

不思議なことに、豊かになるようなHavingやDoingを手に入れても、何か虚しく、ピースが埋まる感覚を持てません。それは、Beingの大切さがわかっていないからです。自分がどうありたいか、何を大事にして生きたいか(Being)そのために何をするか(Doing)そのために何が必要か(Having)を考えているでしょうか? 

「自己受容」というのは、自分の存在そのものを、Beingを受け入れるということです。自分が良い仕事をしたから、その自分を肯定したり、逆に自分は仕事で大失敗したから、そんな自分を否定したり、そういったDoingレベルで自分を肯定したり否定したりするのではなく、良い仕事をしたときも、仕事で失敗をしたときも、自分は自分で変わりないわけですから、その自分の存在をそのまま受け入れていくことが「自己受容」なのです。自分が感じていることを受け入れるということですね。自分が落ち込んでいるときには「ガッカリしているよね、そりぁガッカリするよね」というふうに、その自分が感じていることをありのまま受け入れることが大切です。 

このように自分が今感じていることをそのまま受け入れるということが、イコール自分の存在を受け入れる、つまりbeingを受け入れるということです。人は今の自分の感情や自分が感じていることを受け入れてもらえると、自分という存在を大切にしてもらえた、自分という存在を受け入れてもらえたというふうに感じます。そして、それを自分の中で実行することが「自己受容」ということ。自分が今感じていること、自分の今の感情をそのまま受け入れてあげる。これが自分の存在を受け入れるということでもあり、「自己受容」の本質なのです。 これからの人生は自分の存在を肯定する生き方をしていきませんか?これまで充分に頑張ってきた、そんな自分を労って、「何ができる」や「何を持っている」などでの評価ではなく、「Being」から考える人生にシフトしていきましょう。 

Beingがわかると、何をするか(Doing)、そのために何が必要か(Having)、本当に大切なことが自然とわかってきます。ぜひ、あるがままの自分を受け入れるという努力をしてみてください。きっと心が軽やかになっていきますよ。

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