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【医師監修】女性必見!更年期障害になりやすい人の特徴とは?予防・対策まで解説

【医師監修】女性必見!更年期障害になりやすい人の特徴とは?予防・対策まで解説
鈴木 幸雄 医師・医学博士

監修者
鈴木 幸雄 医師・医学博士

産婦人科専門医・指導医、婦人科腫瘍専門医。旭川医科大学医学部卒業。横浜市立大学産婦人科学講座所属。現在、コロンビア大学産婦人科・婦人科腫瘍部門の博士研究員として研究に従事。これまで多くの子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がん患者における手術、化学療法を担当。また、公衆衛生、医療政策、医療経営などにおける知見も持つ。女性ヘルスケア専門医、細胞診専門医、腹腔鏡技術認定医でもある。

更年期は、女性の身体に大きな変化が生じる時期です。子育てや仕事、家事など日々頑張っている中、更年期障害の辛い症状に一人で悩んでいる方も少なくありません。しかし、実際に「更年期障害かも」と思っても、どうにもならないと諦めていませんか。この記事では、更年期障害について詳しく解説するとともに、原因や治療法などもご紹介します。

この記事を読んでわかること

多くの女性が、40代後半から50代前半にかけて更年期を経験するとされます。更年期の症状は軽いものから重いものまで人それぞれですが、日常生活に支障をきたすほどの症状を更年期障害といいます。更年期障害を予防するには、質の良い睡眠やバランスを考えた食事の他に、何よりもストレスを溜め込まないことが必要でしょう。
前向きに年齢を重ねていくためにもご自身の身体をよく理解し、更年期をネガティブなものにしないことが大切です。ご自身の健康や生活習慣を見直して辛い症状は我慢せず、医師などに相談しながら症状の緩和を目指しましょう。

1.更年期障害とは

更年期障害とは

更年期とは、加齢に伴い性ホルモンの分泌量が減少することによって、身体にさまざまな不調が起こる時期を指します。中でも日常生活において、支障が出るほどの症状を「更年期障害」といいます。更年期は性別問わず誰にでも訪れますが、更年期障害は症状が出る方もいれば自覚症状のないまま更年期が終わる方もいるのが特徴です。

「更年期はいつから?何歳から?」と疑問に思う方もいるでしょう。日本人女性の平均閉経年齢は約50.5歳で、更年期は一般的に閉経から前後10年の時期をいいます。また、更年期障害の明確な診断基準はなく、症状の程度も人により異なるため、自己チェック表などの活用や医師の診断のもと治療の要否を判断するのが良いでしょう。

1-1.更年期障害の症状

更年期障害で代表的なものは、のぼせやほてり、発汗といった「ホットフラッシュ」と呼ばれる症状です。運動をして身体を動かしたわけでもないのに、顔が急にカーッと熱くなったり、暑くないのに汗を大量にかいたりすることがあります。

その他にも、イライラ・憂うつ感・疲れやすい・眠れない・頭痛・肩こり・めまい・冷え・腰痛など、更年期の症状はさまざまあり数百種類にも及ぶといわれています。軽い症状も含めると約8割以上の女性が、更年期に何かしらの症状を自覚しているのが現状です。

更年期障害は、数百種類もある症状の中で心身の症状が重く、「仕事や家事ができない」「調子が悪く寝込んでしまう」「気分が落ち込んでしまう」など、生活をするうえで支障が出る状態です。

参照元:NHK

1-2.更年期障害の原因

更年期障害は、女性ホルモンのエストロゲンが急激に減少することによって起こります。エストロゲンは40代から50代にかけて低下し始め、60代からはほとんど分泌されなくなります。

エストロゲンの低下を脳が感知すると、エストロゲンを作り出している卵巣に、分泌するよう指令を出します。しかし、機能が低下している卵巣では、分泌するエストロゲンの量をうまく調節できません。このように脳からの指令と卵巣の働きとでギャップが生じると、エストロゲン分泌の「ゆらぎ」が起きてしまいます。ゆらぎが原因で、脳が混乱し自律神経が乱れるため、さまざまな更年期の症状を引き起こすのです。

1-3.更年期障害の終わりのサイン

更年期障害の終わりのサイン

エストロゲンがゆらぎながら減少していくので、更年期障害の終わりのサインはとても曖昧といえるでしょう。更年期の症状が現れてから、実感するまでの期間は人によってさまざまです。更年期障害の症状が軽い方もいれば、10年近く症状が続く方もいます。症状が治まったからといって、更年期障害の終わりのサインとは限らないため「こうなった場合は確実に更年期が終了している」と断定することはできません。

2.更年期障害になりやすいと考えられる人

エストロゲンの減少やゆらぎによって引き起こされる更年期障害は、性格や環境によっても影響されます。更年期障害になりやすいと考えられる人について紹介していきます。

2-1.真面目な性格の人

性格の面でいうと、真面目な性格の人は知らないうちにストレスを溜めやすく、更年期の症状を感じやすいといった特徴があります。友人や家族から、神経質、頑張り屋、完璧主義などの指摘をされた経験がある方は注意が必要です。また、些細なことで悩み考え込んでしまう方もストレスを抱えやすいので、症状が重くなる傾向にあります。

2-2.環境の変化があった人

環境の変化があった人

更年期を迎える時期の女性は、子育てや仕事、子どもの巣立ち、親の介護などのライフイベントが重なる年齢でもあります。環境の変化によりストレスが多くなり、更年期の症状が悪化する場合があるのです。

また、こういったストレスは女性だけでなく男性の更年期障害にも大きく関わります。男性の更年期障害は男性ホルモンが原因ですが、女性同様に強いストレスがかかることで、男性ホルモンが減り症状が重くなるケースがあるのです。

3.更年期障害を予防する方法はあるの?

40・50代の女性を悩ませている更年期障害、ここでは、更年期障害を予防する方法について紹介していきます。

3-1.有酸素運動を行う

自律神経を整える有酸素運動は、更年期の症状を抑えて軽くする効果的な方法といえるでしょう。さらに自律神経が整うと循環器系や呼吸器系にも良い刺激を与えることにつながります。ウォーキングや水泳などの無理なく行える運動を1日に30分以上、週3~4日程度行うと理想的です。継続していくことが大切ですので、ご自分に合ったものを探しましょう。

3-2.質の良い睡眠をとる

質の良い睡眠をとることも自律神経を整えるうえで重要といえます。1日に約7~8時間の睡眠時間を確保できるように努めましょう。ただし、大切なのは時間の長さではなく、あくまで睡眠の質になります。

朝起きた時に疲れがとれていて、日中に眠くなるようなことがなければ、「充分な睡眠=質の良い睡眠」と判断できます。睡眠の質を良くするためには、寝る時間や夕食を済ませる時間などが大切になりますが、運動などにより身体に適度な疲れを与えるのも効果的です。

3-3.バランス良い食事をする

バランスの良い食事は、ホルモンバランスや自律神経を整え、更年期障害の予防につながります。豆乳や納豆に含まれている大豆イソフラボンは、女性ホルモンと似た役割をするといわれています。

また、アーモンドなどに含有されているビタミンEや食物繊維が豊富なバナナなども、ホルモンバランスを整える作用が期待できます。食事の好みが固定化すると栄養バランスが崩れがちです。

一方でイソフラボンやビタミンなど、特定の栄養素の取りすぎには注意が必要です。更年期には、バランスの整った食事を特に意識しましょう。

3-4.湯船に浸かる

更年期障害の症状の軽減には、自律神経がスムーズに働くことが重要です。身体を温めることで自律神経の働きが良くなるので、毎日湯船に浸かって身体を温めるようにしましょう。自律神経の働きや臓器の血流が良くなるため、女性ホルモンの分泌が促されます。さらに、お腹を温めることも有効です。暖かい服装を意識することや腹巻きをするといった対処もおすすめです。

3-5.ストレスを発散させる

ストレスを発散させる

男女ともにストレスは、更年期障害を悪化させる原因になり得ます。身体はストレスを受けると、さまざまなストレスホルモンを分泌するため、循環器系や消化器系、免疫系などに影響を与えるのです。その結果、動悸や息切れ、疲労、食欲不振といった症状が引き起こされ更年期障害を悪化させます。趣味や旅行を楽しんだり、思い切り身体を動かしたりするなど、普段からストレスを発散して、溜め込まないようにしましょう。

3-6.家族に理解・協力してもらう

心も身体も辛くなる更年期障害は、家族の理解・協力により精神的な支えとなる場合があります。ご自身の意思では症状のコントロールが難しいので、「私は今こういう時期だから」と割り切ってしまうことで気持ちが楽になることもあります。

そして、症状が重く家事などができない時は、無理せず家族に協力を求めることが大切です。家族が更年期障害を理解して協力する姿勢が症状の緩和に必要といえます。

4.更年期障害に治療法はあるの?

更年期障害は、適切な治療を受けることで症状を軽減できる可能性があります。更年期障害の辛い症状は我慢せず、産婦人科医に相談しながら治療を進めていくと良いでしょう。

4-1.薬物療法

薬物療法には、大きく分けると「ホルモン補充療法」「漢方療法」「その他の薬物療法」があり、それぞれの特徴について紹介していきます。

ホルモン補充療法

ホルモン補充療法(HRT)は、減少していくエストロゲンを薬によって補う療法です。のぼせ、ほてり、発汗、冷え、不眠といった代表的な更年期障害の症状の改善に効果が見込めます。

漢方療法

漢方療法は東洋医学の治療法のひとつで、原因や症状がさまざまな更年期障害の改善に良いとされています。強く出ている症状や体調に合わせて処方されるのが特徴です。ホルモン補充療法(HRT)と併用される場合もあります。

その他の薬物療法

更年期障害では、ホルモン補充療法(HRT)が無効な場合や、イライラ・憂うつ感・不安・不眠などの症状を重く感じている方には、その他の薬物療法を取り入れる場合もあります。そういった際に用いられるのが、抗うつ薬や抗不安薬、睡眠薬などです。

4-2.食事療法・運動療法

更年期障害は、食事療法や運動療法を用いて更年期障害の症状を緩和させることも可能です。食事療法では、更年期のイライラの緩和に有効的なビタミン、女性ホルモンと似た役割をはたす大豆イソフラボンといった栄養素が含まれる食材を積極的に取り入れます。運動療法では、内臓や筋肉に良い影響を与えるため、ストレス解消のために定期的な運動を行います。運動の効果により気持ちが前向きになるよう促します。

4-3.心理療法

更年期障害には、専門的なカウンセラーが行うカウンセリングや心理療法も効果的といわれています。更年期障害の症状や程度は人によって違い、ストレスや体調による影響もあります。さらには、複数の症状が重なって起こるケースも珍しくありません。適切な薬物療法とともに、心理療法を取り入れることで、心と身体のストレスを取り除けます。

5.更年期に気をつけたい病気・症状

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更年期を迎え女性ホルモンのエストロゲンが減ることによって、リスクが高まる病気があります。最後に更年期に気をつけたい病気や、その症状について紹介していきましょう。

5-1.骨粗しょう症

骨粗しょう症は、ホルモンの病気です。骨は骨代謝(骨の破壊と再生)を繰り返して強度を維持しています。骨代謝を正常に保つ作用を担っているのが女性ホルモンです。更年期を迎え閉経すると女性ホルモンが減少し始めるため、骨がもろくなり骨粗しょう症を発症しやすくなります。

骨がもろくなると少し転んだだけで骨折しり、ひどくなると立つ・歩くなどの動作ができなくなったりするので注意が必要です。更年期になり骨粗しょう症の予防のためには、カルシウムを意識した食事を心がけるようにしましょう。

5-2.内臓脂肪症候群(メタボリックシンドローム)

内臓脂肪症候群(メタボリックシンドローム)は、内臓脂肪型の肥満に脂質異常症・高血圧・高血糖のうち二つ以上を合併した状態をいいます。こういった危険因子が重なると、一つひとつの症状や程度は軽くても深刻な病気へと発展していくリスクが高まります。

女性ホルモンには、脂肪細胞を小さくする働きや内臓脂肪の分解を促す作用があります。年齢とともに基礎代謝が低下することに加え、女性は閉経に伴って女性ホルモンが分泌されにくくなるため、メタボリックシンドロームになるリスクが高くなるのです。更年期は今まで以上に生活習慣の見直しに気をつける必要があります。

5-3.糖尿病

糖尿病

女性は更年期になり、女性ホルモンが減ると糖尿病になるリスクが高まります。糖尿病が合併症を引き起こし、動脈硬化が相乗的に悪化すると心筋梗塞や脳梗塞になる可能性があります。更年期に入ったタイミングや体重が増えたタイミングで、一度血液検査を病院で受けることもおすすめです。また糖尿病は、食事や運動、生活習慣などの見直しで予防することが可能なため、自己管理が大切といえます。

5-4.高血圧

更年期以降は、高血圧が急増します。女性ホルモンの減少により、血圧を制御している自律神経の働きが乱れると血圧が不安定になるからです。高血圧は、糖尿病と同じく動脈硬化を悪化させる代表疾患といえます。最近では自宅でも簡単に血圧が測れるようになったため、ご自身で血圧の変動に気を配り細かい体調管理を心掛けるようにしましょう。

おわりに

更年期に差しかかる年齢は、子育てや仕事などさまざまなライフイベントが重なり、心身ともに疲れやすい時期です。更年期障害の辛い症状が出ていても「仕方がない」と諦めて日々頑張っている方も多いでしょう。そういった時には一人で悩むのではなく、家族の協力や産婦人科医に相談してみるのもおすすめです。

更年期を迎え女性ホルモンの減少を食い止めることは不可能ですが、今回紹介した更年期障害を予防する方法や治療法を参考にご自身に合った対策を行って、辛い症状を和らげていきましょう。

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