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【医師監修】リンパ節の腫れはストレスが原因?関連する疾患や受診の目安も解説

【医師監修】リンパ節の腫れはストレスが原因?関連する疾患や受診の目安も解説
磯野 志真 医師

監修者
磯野 志真 医師

日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会所属の耳鼻科の女性医師です。大学病院、市中病院などでの勤務経験に基づき、一般的な耳鼻科疾患から、小児の難聴・中耳炎、成人の頭頸部癌まで幅広く診療した経験があります。他にもAGA外来、一般内科、健康診断科等の幅広い勤務歴があります。高いエビデンスに基づいた分かり易い内容をお伝えできるように努めます。

ウイルスや細菌から身体を守ってくれるリンパ系。体調を崩すと時折リンパ節が腫れることがありますが、安静にして休養を充分とれば、心配のないケースがほとんどです。しかし、中には深刻な病気が隠れている可能性もあります。リンパ節がよく腫れてしまうという方も、リンパ節の腫れを気にしたことがない方も、この機会に身体からのサインに目を向けてみてはいかがでしょうか?この記事では、リンパ節が腫れた時の対処法や病院に行く目安などを解説するので、万が一に備えておくと良いでしょう。

この記事を読んでわかること

リンパ系とは、細菌が体内に侵入するのを防ぎ、体内の不要な老廃物を回収してくれる体液の流れの総称を指します。リンパ節とはリンパ液が集まる多数の拠点で、すべてのリンパ液は身体の各々のリンパ節を通過していき、そこではリンパ液から損傷した細胞、癌細胞、異物がこし取られます。ストレスなどでリンパ節が腫れるのは、リンパ系が免疫機能を発揮しているからです。ところがストレス以外でもリンパ節が腫れる理由は多岐にわたります。中にはリンパ節が腫れることで、悪性リンパ腫などの重大な病気が見つかることも。
リンパ節が腫れた場合には患部を冷やす、安静にするといった自宅での対処法があります。それでも快方に向かわない場合は、病院受診が必要でしょう。特にリンパ節の腫れが大きい・何日も続く・発熱を伴う・膿が出ているなどの症状があれば要注意です。一刻も早い病院受診をおすすめします。

リンパとは

リンパとは

リンパ系とは、リンパ液やリンパ管、リンパ節を総称したものです。リンパ液は、細胞から出た組織液をいいます。タンパク質や細菌、ウイルスなど体内の異物を回収するのが役割です。リンパ管はリンパ液が流れる管のことで、多くは静脈に伴走し全身に張り巡らされています。リンパ節とは、マクロファージやリンパ球といった体内の免疫細胞が集まる場所のことです。

リンパ系の役割は大きく2点あります。体内に細菌、病原菌が侵入するのを防ぐことと、体内の不要な水分、老廃物を回収することです。免疫機能を司ることで、私たちの身体を守ってくれています。

リンパ節の腫れはストレスが原因?

ストレスがリンパ節の腫れと結びついて考えられるのは、リンパ系が免疫機能に深く関係しているからです。体内では持続的にストレスがかかると、脳から神経伝達物質やステロイドホルモンが分泌されます。すると免疫機能は低下し、ウイルスや細菌が入りやすい状態になります。

さらに、ウイルスや細菌から身体を守るために、体内では交感神経の働きが優位になり、白血球の中の顆粒球と呼ばれるものが増加します。以上から、体内に侵入してきたウイルスや細菌が多量になり、炎症を起こすのに増加した顆粒球も増加することにより、リンパ節での処理が充分にできなくなり、リンパ節が腫れてしまうといわれています。

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ストレス以外でリンパ節が腫れる原因

ストレス以外にも、喫煙や過度の飲酒、睡眠不足などが原因でリンパ節は腫れてしまいます。これらはストレスと同様に免疫力を低下させてしまうため、上記のメカニズムと同様にリンパ節の腫れを引き起こしてしまうのです。同じように、疲労が蓄積している方も、リンパ節が腫れる可能性が高いでしょう。

さらに運動不足が重なると、筋力が低下しリンパ系の流れが滞る原因になります。滞ったリンパ系はむくみなども起こしやすくなってしまいます。

そのほかにも、リンパ節の腫れには深刻な病気が隠れている可能性があります。リンパ節が腫れた場合は、いつもと違う症状がないか注意しましょう。

リンパ節が腫れた時にできること

リンパ節が腫れた時にできること

リンパ節が腫れた場合は、以下のような対処法を試してみましょう。痛みや腫れが落ち着く可能性があります。

患部を冷やす

腫れて熱を持ったリンパ節は、冷却シートなどで冷やしましょう。冷やし過ぎても良くないので、長くても20分以内にとどめておきます。身体を温めると悪化する可能性があるため、腫れがある時は入浴を避け、シャワーで流す程度にしておくと良いでしょう。

安静にする

リンパ節が腫れた時は、安静にしましょう。激しい運動は控え、横になるなど充分な休養を取って下さい。

充分な睡眠・栄養を摂る

免疫力を回復させるため、充分な睡眠とバランスの取れた食事を心がけましょう。身体の調子を整えることで、リンパ節の腫れが改善する可能性があります。

こまめに水分を摂取する

水分を摂ることで、リンパ節の流れをスムーズにできます。ところが利尿作用の強い緑茶やコーヒー、お酒は、排尿を促し体内を水分不足にしてしまうこともあるため、水分補給にはミネラルウォーターがおすすめです。

リンパ節の腫れを引き起こす疾患

リンパ節は、ストレスや睡眠不足、疲労の蓄積などでも腫れますが、場合によっては深刻な病気が隠れている可能性もあります。もしもの場合に備えて、リンパ節が腫れる可能性のある疾患をあらかじめチェックしておきましょう。

風邪などのウイルスや細菌の感染

リンパ節が腫れるのは、風邪などの感染症の予兆です。ウイルスや細菌は、風邪の場合、のどや鼻から体内へ侵入します。ウイルスや細菌を全身に広げないよう、機能するのがリンパ系です。ウイルスや細菌と闘った結果、リンパ節が腫れて痛みを伴うことは、よくあることなのです。

リンパ節炎

リンパ節炎

亜急性壊死性リンパ節炎、結核性リンパ節炎、化膿性リンパ節炎などの病気は、リンパ節が腫れる原因となることもあります。

亜急性壊死性リンパ節炎は、咳、鼻水、扁桃肥大、発熱などの風邪症状の前後に、頸部や脇の下のリンパに腫れが見られ、1ヵ月以上熱が下がらないこともある病気です。一過性の免疫不全状態となることもあるため、細菌感染しないよう二次感染の予防が大切です。治療はステロイドを使い、1~3ヵ月程度かけて治ることが多いです。

結核性リンパ節炎は結核菌に感染した場合にリンパ節が腫れる病気です。痛みと共に2~3cm程度リンパ節が赤く腫れ、進行するとリンパ節の中に膿がたまってしまいます。肺結核と同じように抗生剤の治療で治ります。

化膿性リンパ節炎は、ブドウ球菌や溶連菌などの細菌が原因でリンパ節の炎症を起こす病気です。上気道炎や扁桃腺炎も同時に発症することが多いです。抗生剤による治療が必要となります。

自己免疫疾患

自己免疫疾患とは、本来細菌やウイルスに対して働く免疫機能が、正常な細胞や組織にまで攻撃してしまう疾患のことです。自己免疫疾患の代表的な疾患として、関節リウマチなどをはじめとした膠原病が挙げられます。治療は膠原病内科での治療が主になります。

悪性疾患

悪性リンパ腫や癌の転移などでも、リンパ節が腫れる原因となります。

悪性リンパ腫では、首のリンパ節のみならず脇の下や鼠径部などのリンパ節の腫れが生じますが、痛みがないことが特徴です。病状の進行に伴い、リンパ節の腫れは全身に広がっていきます。発熱・体重減少・ひどい寝汗が続くなどの全身症状を伴うこともあります。

免疫機能を司るリンパ節は癌細胞も異物としてせき止めるため、癌細胞がリンパ節に多く存在するとリンパ節が腫れます。特に、口腔癌や咽頭癌などの頭頸部のガンが疑われる場合は、頸部のリンパ節が腫れるため、病院での速やかな精密検査が必要です。

病院を受診する目安は?

ではリンパ節が腫れた時、どのタイミングで病院を受診したら良いのでしょうか?ここでは、早めに病院を受診した方が良い場合の症状について説明します。

何日も腫れや痛みが続いている

何日も腫れや痛みが続いている

リンパ節の腫れが何日も続いている場合は、病院を受診した方が良いでしょう。炎症がひどくなって内部に膿が貯留している場合や、リンパ節炎、自己免疫疾患の可能性などがあります。特に快方に向かっている様子が見られない場合は、注意が必要です。

身体の2ヵ所以上リンパが腫れている

身体の2ヵ所以上でリンパが腫れているということは、全身に影響を及ぼす病気にかかっている可能性が否定できません。いつから腫れているか、痛みの有無、感染症症状の有無、病院での血液検査や画像検査での精密検査など、総合的な判断が必要となります。2ヵ所以上腫れていて問題ない場合も多いですが、安心を得るために早めに病院を受診しましょう。

発熱を伴っている

発熱を伴ったリンパ節の腫れは、多くはウイルスや細菌の感染で認められることが多いです。頻度は低いですが、腫れが若年層に好発する亜急性壊死性リンパ節炎の可能性もあります。数日経過しても改善しない場合は病院を受診しましょう。

徐々に腫れが大きくなってきている

徐々に腫れが大きくなってきている

徐々にリンパ節の腫れが大きくなっている場合、重篤な病気が隠れている可能性もあります。特に、リンパ節が硬く、目に見えて大きくなっている、押しても動かないといった場合は悪性疾患が強く疑われるため注意が必要です。リンパの腫れが日に日にひどくなっている場合や症状が改善しない場合は、早めに病院を受診しましょう。

リンパ節から膿が出ている

リンパ節から膿が出ている場合は、リンパ節のまわりの組織や臓器に影響を及ぼす可能性があり、外科的な処置が必要になるケースもあるため、ただちに医師の診察を受けて下さい。原因は感染症であることが多いですが、悪性疾患によるものもあります。いずれにしても、充分な検査と治療が必要となるため、早急に病院を受診しましょう。

おわりに 

ストレスで腫れることが多いリンパ節ですが、それ以外にもリンパ節の腫れにはさまざまな原因が隠れている可能性があります。決して自己判断せず、不安な場合は医療機関を受診しましょう。ストレスが溜まっている方は、この機会に自身のケアに目を向けると良いかもしれません。

精密検査しても問題がなくリンパ節が腫れるということは、身体が何らかのサインを発しているということです。深刻な病気になる前に、栄養バランスの取れた食事・適度な運動・良質な睡眠を取り、生活習慣を見直しましょう。

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