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善玉菌を増やすと免疫力アップに!腸内環境を整える方法やおすすめの食べ物とは?

善玉菌を増やすと免疫力アップに!腸内環境を整える方法やおすすめの食べ物とは?
村上 友太 医師・医学博士

監修者
村上 友太 医師・医学博士

福島県立医科大学医学部卒業。初期臨床研修修了後、福島県立医科大学脳神経外科学講座に入局。2019年同講座助教。2022年3月より、東京・新橋にある東京予防クリニックの院長として、一般内科疾患や脳神経疾患、予防医療を中心に診療している。脳神経外科専門医、脳卒中専門医、神経内視鏡技術認定医、抗加齢医学専門医。認知症学会会員、内科学会会員。医師の副業プラットフォーム「頼めるドクター」を主宰

味噌やヨーグルトなどの発酵食品が身体に良いことは多くの方がご存じではないでしょうか。発酵食品は、腸内環境を整える善玉菌を増やす効果があるうえに、免疫機能とも密接な関係があるためです。今回は、腸内環境を整えるための方法や、善玉菌を増やす食べ物などを具体的にご紹介します。健康的な毎日を送りたいとお考えの方は、このコラムを読むことで腸内環境の正常化と免疫力を向上させるためのヒントを得られるはずです。

1.善玉菌とは?

1.善玉菌とは?

善玉菌とは、腸内細菌のひとつで腸内環境を整える役目があります。なかでも乳酸菌は広く知られているでしょう。この善玉菌の働きで整腸することにより、免疫機能が正常化されるのです。健康な身体を目指すには、腸内でこの善玉菌を増やすことが重要です。腸内細菌は、善玉菌を含む以下の3つの細菌に分類されます。

1-1.腸内には善玉菌・悪玉菌・日和見菌が存在する

腸内細菌を大別すると、善玉菌、悪玉菌、日和見菌の主に3つです。腸内にどの菌がどれくらいのバランスで棲みついているのかは、個人差が大きく、人種や食事のスタイルによって変動します。食中毒を起こしたり、抗生物質を身体に取り入れたりした際は、腸内細菌のバランスが一時的に崩れますが、この場合は時間の経過とともに、元の状態に戻る傾向にあるので心配ありません。

また、腸内細菌の数は、年齢による差があるといわれていますが、菌の種類は基本的に一生を通じて同じであることが多いようです。では、善玉菌、悪玉菌、日和見菌にはそれぞれどのような特徴があるのでしょうか。

【善玉菌の特徴】

善玉菌は、腸内環境を良くするために働く細菌です。腸内を酸性に保つことで、悪玉菌が増えるのを抑えて腸の動きを活発にします。また、食中毒の原因となる菌の予防や、発がん性物質が発生するのを抑える働きもあります。さらに、善玉菌は、腸内でエネルギー代謝を助けるビタミンB1やB6、造血作用のある葉酸を生成するのです。善玉菌をつくる物質には、身体の免疫機能を向上させて、血清コレステロール値を下げる効果も期待できるといわれています。

代表的な善玉菌の一例

  • ビフィズス菌
  • 乳酸菌

【悪玉菌の特徴】

腸内の中でもっとも少数なのが、悪玉菌です。悪玉菌は、腸内のたんぱく質を腐敗させて有害物質を作ったり、毒素を持った細菌や発がん性物質を生成したりします。悪玉菌が増えると、腸の動きが鈍くなり、便秘体質になるでしょう。また、がんや糖尿病といったさまざまな病気の引き金になっていることもわかっています。悪玉菌増加の原因である、脂質の多い食事、便秘、不規則な生活習慣、ストレスには気をつけましょう。

代表的な悪玉菌の一例

  • 黄色ブドウ球菌
  • ウェルシュ菌
  • 大腸菌(有毒株)

【日和見菌の特徴】

日和見菌は、善玉菌とも悪玉菌ともいえない中間の菌です。健康な状態であれば落ち着いており、単体で特別な動きはしません。しかし、免疫力が低下し、悪玉菌が増加したのをきっかけに、活発に動き出し、悪玉菌に加勢します。反対に善玉菌が優勢の場合は、善玉菌として働くとされています。腸内環境の優劣によって、善玉菌か悪玉菌のどちらかに味方しますが、その全容はいまだ明らかになっていません。

代表的な日和見菌の一例

  • バクテロイデス菌
  • 連鎖球菌
  • 大腸菌(無毒株)

1-2.の働きを整える「善玉菌」

善玉菌は、腸の働きを活性化してくれる乳酸や酢酸などを生み出す「発酵」を行う菌です。腸内環境が整った状態というのは、悪玉菌をゼロにして、善玉菌を100%になれば良いというわけでもありません。最近の研究で、善玉菌の一種である乳酸菌がすべて身体に良いものではないことや、悪玉菌にも有用な働きをするものがいることがわかってきました。

善玉菌ばかり増え過ぎると体内バランスを崩す恐れがあるため、悪玉菌も一定量は必要なのです。また、病原菌が体内に入った場合、善玉菌と悪玉菌が手を組んで、掃討することもあります。善玉菌ばかりではなく、腸内全体に棲む細菌の割合が大切です。

参照元:新谷酵素|日本人の善玉菌が増えるとどうなるのか。腸内バランスを整える方法とは

2.腸内環境を整える方法とは?

2.腸内環境を整える方法とは?

腸内環境を整えることによって、身体の健康バランスが保たれるうえに、免疫力がアップすることがわかっています。免疫力が上がれば、風邪やインフルエンザなどの感染症を予防することが可能です。では、具体的にどのように腸内環境を整えていくか解説していきましょう。

2-1 腸内環境とは?

人間の腸内には免疫細胞が存在しており、その割合は全体の約6~7割です。善玉菌を含む約1,000種類、約100兆個の腸内細菌が確認されており、重さにすると約1.5kg前後にもなります。顕微鏡で腸内を確認した際に、花畑(flora)のように見えたことが由来となり、腸内環境のことを「腸内フローラ」と呼ぶようになりました。腸内に棲む菌の割合は、善玉菌2割、悪玉菌1割、日和見菌7割が良い状態といわれています。

参照元:e-ヘルスネット|腸内細菌と健康

2-2 腸内環境と健康は密接な関係にある

腸内環境は、健康に関わる以下の3つの重要な役目を担っています。

  • 腸内の免疫細胞を働かせて、病原菌やウイルスなどから身体を守る
  • 人間が消化しきれない食べ物を、有用な物質に変化させる
  • 腸内細菌のバランスを維持することで、良い健康状態へ導く

「便は健康を表す」ともいわれますが、腸内環境が良好であるかどうかは、便をチェックすることでわかります。良い便は、においはしますが臭くなく、色は黄土色~茶色で、やわらかいバナナ状をしているのが理想です。逆に悪い便は、黒っぽく悪臭を放ちます。このように便は腸内環境が反映されるため、観察して健康状態を知るのも良いでしょう。

2-3 腸内環境を整える方法

腸内環境を整える方法はいくつかあります。例えば、善玉菌のエサとなる食物繊維をたくさん摂取することです。食物繊維は、ごぼうや大根などの野菜類、果物類、海藻類に多く含まれます。乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌そのものが含まれる納豆や味噌などの発酵食品を食事に取り入れるのもおすすめの方法です。

また、腸の働きをコントロールしている自律神経を整えることは、良い腸内環境を維持することにもつながります。しっかり休息をとり、自律神経を安定させることが大切です。

3.善玉菌を増やすメリットとは

ここでは、具体的に腸内環境が悪くなる理由や、善玉菌を増やすことで得られるメリットをご紹介します。腸内環境に対して悪影響な生活習慣や、善玉菌が増えることによる身体の変化がわかれば、腸活するための知識が深まるでしょう。

3-1.腸内環境はすぐに崩れやすい

腸内環境は、日頃の生活習慣や食事スタイルによって、すぐにバランスが崩れてしまいます。以下では、腸内環境が乱れる悪い習慣について記しました。当てはまる内容があれば、要注意です。

  • 仕事は、長時間座りっぱなしのデスクワークが多い
  • 通勤通学などで歩く以外、運動はほとんどしない
  • 飲酒が好きで、よく飲みすぎる
  • 野菜や海藻などの食物繊維が不足した偏った食事をしている
  • 遅寝遅起き、食事時間もバラバラと不規則な生活リズムである
  • 軽度な風邪でも抗生物質を飲み続けている
  • 日常的にストレスを感じやすい

3-2.善玉菌が増えるとどうなる?

3-2.善玉菌が増えるとどうなる?

善玉菌が増え過ぎるのは問題であることを前述しましたが、良い腸内環境にするためには、悪玉菌より善玉菌の数が多い状態でなければいけません。ここでは、善玉菌を増やすことで得られるメリットを解説します。妊娠中の方が身近にいる場合、便秘解消や体重管理にも役立つ知識ですので、参考にしてみてください。

・便秘や下痢になりにくい

腸内環境と便の関係は深く、善玉菌は便秘を予防、改善してくれるのに役立ちます。善玉菌が腸内を酸性にすることにより、悪玉菌が減少し、腸内が刺激されて活性化するのです。動きが活発になった腸は、伸縮を繰り返し、排便を促そうと働きます。しかし、悪玉菌が増加し、腸の動きが鈍くなれば便は腸に留まるでしょう。しだいに便の水分量が減少して硬くなるため、便秘になります。便秘の時に起こりがちな肌荒れやおなかの張りも、善玉菌が増えることによって腸内環境が整い、改善されるでしょう。

・免疫力がアップする

免疫力を上げることで、健康的な身体を維持することが可能です。免疫力向上の要である免疫細胞の半数以上は、腸内にいます。善玉菌は、この免疫細胞を活性化させて、身体にとって有害なウイルスや病原菌を排除してくれるのです。反対に、免疫力が低下すると感染症やアレルギー症状を引き起こしやすくなります。善玉菌を増やし、免疫力を高めることができれば、風邪など引きにくくなり健康的に暮らすことができるでしょう。

・太りにくくなる可能性がある

・太りにくくなる可能性がある

ダイエットには腸内環境を正すと良いと聞いたことはないでしょうか。基本的に、肥満は食事で得たエネルギーを完全に使いきれず、脂肪として蓄えることで起こります。腸内には、食事のエネルギーを多く取り込む「フィルミクテス門」という細菌がおり、これが増えると肥満に結びつきます。善玉菌を増やし、フィルミクテス門を減少させることで太りにくくなると考えられています。

また、便秘が続くと基礎代謝が低下しますが、これもダイエットには良くありません。基礎代謝を下げないためにも、腸内環境を整え、善玉菌と悪玉菌の良いバランスを保ちたいものです。

3.善玉菌を増やす方法とは

腸内環境を良い状態に保つには、食生活の中で積極的に善玉菌を摂取することが大切です。以下ではその方法についてお伝えしましょう。

3-1.善玉菌を増やす食生活

3-1.善玉菌を増やす食生活

腸内で善玉菌を増やすには、善玉菌が含まれる、または善玉菌のエサとなる食材を取り入れることがポイントです。体内に取り入れた善玉菌は、腸内で一旦は留まりますが、一定期間過ぎると体外へ排出されます。このことから、腸内環境を整えるためには、善玉菌を摂取し続けることが望ましいのです。では、具体的にはどのような食べ物に善玉菌が含まれているのか見ていきましょう。

・「善玉菌」が含まれている食べ物とは

腸内の善玉菌を増やすには、乳酸菌やビフィズス菌など善玉菌が多く含まれる食べ物を摂取することが効率的です。例えば、善玉菌は、ヨーグルトや漬物、味噌などの発酵食品から摂ることができます。また、食品だけでなくサプリメントや整腸剤で善玉菌を摂取することも可能です。

・「善玉菌のエサ」となる食べ物とは

善玉菌のエサとなるのは食物繊維です。食物繊維をたくさん摂ることで腸内の善玉菌を増やすことができます。食物繊維は、水溶性と不溶性の2つに分類されますが、善玉菌のエサとして適しているのは水溶性の食物繊維です。水溶性食物繊維は、ごぼうや大根などの野菜類、キウイやバナナなどの果物類、わかめやひじきなどの海藻類に多く含まれます。また、オリゴ糖をエサにするビフィズス菌には、大豆やトウモロコシ、バナナなどオリゴ糖を豊富に含む食材を摂ると良いでしょう。

3-2.適度な運動や良質な睡眠など生活習慣の改善

善玉菌を増やすには、適度な運動や良質な睡眠、しっかり朝食を摂るなど規則正しい生活を心がけましょう。朝食の際には、水分をしっかり摂ることで排便もスムーズになるのでおすすめです。

・適度な運動をする

適度な運動は血の巡りを良くし、全身に酸素を行き渡らせます。運動によって自律神経に良い刺激が加わるため、腸の活性化につながるわけです。毎朝のラジオ体操やストレッチ、1時間程度のウォーキングなど無理のない程度に始めると良いでしょう。

・睡眠をしっかり取る

睡眠と腸内環境は相互関係にあり、どちらかが欠けても良くありません。良質な睡眠を取ることができれば、腸内環境にとって良い影響を及ぼし、腸内環境が悪ければ、睡眠の質も低下します。規則正しい生活リズムでしっかり睡眠を取ることを意識すると、腸内環境も整いやすくなるでしょう。

・朝食を食べる

・朝食を食べる

朝食は、良い腸内環境を維持する基本です。忙しい朝は、ついつい朝食を抜いてしまう方も多いですが、運動、睡眠と同じように、バランスの良い食事を摂ることも大切です。朝食をしっかり食べることで、腸が活発に働き、寝ている時に下がった体温も上がります。そうすることで、体内時計がリセットされ、生活リズムが整いやすくなるのです。

朝食に、ヨーグルトなど手軽に善玉菌を摂取できる食べ物を取り入れれば、身体を目覚めさせることができるうえに、腸内の善玉菌の量も増やせるのでおすすめです。

3-3.腸内環境を定期的にチェックしよう

腸内環境を整える方法や善玉菌の増やし方はわかりましたが、ご自身の腸内がどんな状態にあるか気になりませんか?今のご自身の腸内環境がわかれば、生活習慣の見直しや対策が行えます。

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おわりに

善玉菌が増えることで腸内環境が整い、免疫力の向上につながることがわかりました。腸内環境を良い状態に保つには、生活習慣を見直したうえで、善玉菌を含む食材と善玉菌のエサとなる食物繊維を摂取し続けることが望ましいです。健康的な身体を目指すには、腸内環境を整えることから始めましょう。

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