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カレーマイスターがおすすめ。今年の暑い夏はスパイスカレーを作って乗り切ろう!

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MICHIKO 調味料ソムリエプロ

執筆者

調味料ソムリエプロ

MICHIKO

野菜ソムリエプロ・カレーマイスター・食養生士・料理研究家・調味料研究家・調理師 食と健康と美をテーマに、講師・講演・セミナー・料理レシピ・調味料紹介や批評、開発・コラムの執筆などを手がけ、テレビ・雑誌の出演多数、著書も多い。生活習慣病などの生活や食事アドバイスもしている。

夏だ!「スパイスカレー」を作ろう!普段はカレールウのとろみある「ルウカレー」や「欧風カレー」がお好きだとおっしゃる方も、この夏は「スパイスカレー」に挑戦してみませんか。

思っているより、簡単で手軽!しっかりとスパイスや薬味が効いているので、本格的な味わいのカレーを楽しむことができます。小麦粉が入らない分、カロリーも低めなのが嬉しいですね。スープカレーのようなサラサラしたカレーよりも、しっかりとした味わいです。いろいろな種類のスパイスを使ったカレー粉を使っているので、複雑なスパイスの香りと旨みやコクを楽しめますよ。さぁ、スパイスカレーの世界へ!

カレーとは

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「カレー」といえば、インド!数千年の歴史のあるインド料理の中に「カレー」という名前の料理はありません。スパイスを使った料理をカレーというならば、何百種類もの辛くてスパイシーな料理は全てカレーと呼ばれています。

インドの家庭では、食材や料理の種類に合わせて、3~10種類くらいのスパイスを選びブレンドして味付けに使われ、それぞれに料理名がつけられています。日本でいえば、醤油やみりん、酒などを合わせて使い、肉じゃがなど料理名がついているのと同じですね。

18世紀後半、インドに赴任していたイギリス人によって、インドのたくさんある料理の中から、具材をスープで煮込んだものがイギリスに渡りました。そこに、西洋の食文化である小麦粉でとろみをつけるという料理法が加わりました。欧風カレーは小麦粉によってとろみがついたカレーです。

さらに、イギリスで簡単にカレー料理が作れるようにと、複数のスパイスが合わさった「カレー粉」というスタイルも生み出されました。カレー粉はイギリス発祥のミックススパイスです。インドではカレー粉はほとんど使われません。

スパイスカレーとは

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スパイスカレーは小麦粉入りのルウを使わずに、スパイスで作られたカレーのことをいいます。本格的に各種類のスパイスを調合して、オリジナルのカレー粉を作ったり、手軽に市販のカレー粉を使ったりして作ることもできます。ルウカレーとはひと味違った、それぞれのスパイスの複雑な食欲をそそる香りと、奥深い旨み、豊かな味わいを生み出してくれるのがスパイスカレーです。

二日目のカレーが美味しい!これはルウカレーのことです。スパイスやハーブを使ったスパイスカレーは作りたてが一番おいしいです。時間とともに風味、味が落ちるので、作りたてを味わいましょう。

カレー粉

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市販されているカレー粉には、主に20~30種類のスパイスが使われています。スパイスの香りと、ほどよい辛みがバランス良く調合してあり、複雑な香りのハーモニーが楽しめます。

主に、ターメリック、クミン、コリアンダー、唐辛子、フェヌグリーク、フェンネル、ブラックペッパー、シナモン、クローブ、カルダモン、ローリエ、陳皮、ガーリック、ジンジャーなどのスパイスとハーブが使われています。

市販のルウを使わずにカレー粉を使ってカレーを作ったり、カレーの仕上げや二日目のルウカレーにカレー粉を振りかけたりすると、香りや風味を高めてくれます。カレー以外の料理の味付け、煮物、炒め物、揚げ物の衣、ご飯ものなど、オールマイティに使われています。料理に直節振りかけてもダマにならないので、便利に使えますよ。

夏にカレー

暑い日に、汗をかきながら食べるカレーは絶品ですね。カレーは“夏”というイメージがありますが、カレーに含まれる唐辛子に発汗作用があり、汗とともに体内の熱が奪われるため、身体を冷やす作用があるからです。インドやメキシコなどの暑い国で辛い料理を食べるのは、暑さから身体を守るためなんですね。

ただし、カレーは冷え性の特効薬でもあるんです。冷房により夏でも冷えに悩む方も多いと思いますが、カレーには血行を良くして、新陳代謝を高めてくれるスパイスが豊富に含まれているので、冷えた身体を温めてくれます。汗をかくのはスパイスが効いている証拠です。カレーに生姜などの香味野菜を入れると効果はさらに高まりますよ。

美味レシピ3選

スパイスカレーの素

簡単にスパイスカレーを作るために、最初に作ります。スパイスのクミン、カレー粉、香味野菜やトマトがたっぷり入っています。小分けにして、作り置き、冷凍保存も可能なので、時間があるときに作っておくと便利ですよ。

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【材料】(4人分/2人分を2回分)

トマト(大)・玉ねぎ 各1個、ニンニク・ショウガ 各1かけ、オリーブ油 大さじ1、クミンホール 小さじ2、カレー粉 大さじ1、塩 小さじ1/3

【作り方】

  1. 玉ねぎとにんにく、生姜はみじん切り、トマトは1cm角に切る。
  2. フライパンにオリーブ油とクミンシード、①を加えてよく炒め合わせる。
  3. 玉ねぎが炒められたら、1cm角に切ったトマトを加えて水分がなくなるまで中火でさらに炒める。
  4. ③にカレー粉と塩を加えて、よく炒め合わせる。

*ニンニク(小さじ1)やショウガ(小さじ2)はチューブを使っても良いです。
*カレー粉の量は、特にお子さま用に、お好みで調整してください。
*カレーを作ったときに、最後にカレー粉を加えて辛さを調整するのがおすすめです。

【クミン】

クミンとはセリ科の一年草で、エジプトが原産地です。古代エジプト時代から使われ、千夜一夜物語にも、クミン料理に舌鼓を打つ話が出てきます。

種子は細長い三日月形で縞模様があってエスニックな芳香があり、カレーのいい匂いはこのクミンの香りが中心ですが、わずかな苦みと辛みがあり、世界中で香辛料として使われています。

カレーのスタータースパイスとして、調理の始めに油で香りを引き出して使われることが多いスパイスです。消化を助けてくれたり、胃腸内のガスが溜まるのを防いでくれたりします。

ゴーヤと豚ひき肉のキーマスパイスカレー

ゴーヤと豚肉で夏バテ対策!スパイスカレーの素があれば、野菜や肉と混ぜ合わせるだけ!

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【材料】(2人分)

パプリカ(赤・黄) 各1/2個、ゴーヤ 1/4本、豚ひき肉 150g、粉チーズ 大さじ1、スパイスカレーの素 2人分、塩・こしょう 各少々

【材料】

  1. パプリカとゴーヤは1cm角に切る。
  2. フライパンに豚ひき肉と①、スパイスカレーの素を加えて、中火で3分ほど炒め合わせる。
  3. 粉チーズを加えて混ぜ、塩とこしょうで味を調える。
  4. 器に雑穀米と③を盛る。

なすとズッキーニのスパイスカレー

スパイスの味を楽しめるカレー!具だくさんで食べ応え満点です!

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【材料】(2人分)

なす 2本、ズッキーニ(緑・黄) 各1/2本、牛もも肉(塊) 200g、水 100ml、ヨーグルト(無糖) 50g、塩・こしょう 各少々、スパイスカレーの素 2人分

【作り方】

  1. なすはとズッキーニ、牛肉は一口大に切る。
  2. フライパンに、①とスパイスカレーの素をよく炒め合わせる。
  3. 水を加えて、蓋をして5分ほど弱火で煮込む。
  4. ヨーグルトを加えて全体を混ぜ合わせ、塩とこしょうで味を調える。

*お好みで、ご飯やバケットなどと一緒にどうぞ。
*ブイヨンスープなどを多めに加えると、スープカレー風に楽しめます。

夏野菜のサブジ

夏野菜のオクラ、カボチャ、きくらげを使ったサブジ!サブジとは、クミンというスパイスを使った野菜の蒸し煮、お惣菜!

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【材料】(2人分)

オクラ 4本、カボチャ 150g、きくらげ(生) 50g、オリーブ油 大さじ1、ニンニク・ショウガ(すりおろし) 各小さじ1、カレー粉 小さじ1、塩・こしょう 各少々、オリーブ油 大さじ1

【作り方】

  1. オクラは塩でもみ洗いしてガクをむき、長さを半分に切る。きくらげは細切りにする。カボチャは小さめの一口大に切り、ふんわりとラップをして電子レンジ(600w)で3分ほど加熱する。
  2. フライパンに、オリーブ油と①、ニンニクとショウガ、カレー粉を加えて炒め合わせる。
  3. 塩とこしょうで味を調え、器に盛る。

おわりに

いかがでしたか。一見難しそうなスパイスカレーですが、スパイスカレーの素があれば、手軽で簡単に作ることができます。

カレーは国民食といわれ、1週間に1回以上食べている方も多いようです。カレーは美味しいだけでなく、カレーに使われているスパイスの多くが漢方薬として用いられているので、夏バテ気味でも、食欲を高めて胃腸の働きを促し、老化防止、肥満防止、減塩食としても注目されています。

また、唐辛子を使った辛い物には気分を高め、リフレッシュ効果もあるようです。スパイシーなスパイスカレーを食べて、暑さを乗り切りましょう!

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