家族が見ているテレビの音がうるさいと感じたことはありませんか。「指摘するのは申し訳ない」と我慢していると、思わぬ弊害が起こるかもしれません。
そこで今回は、テレビの音がうるさいときの対処法を5つ紹介します。テレビの音量が大きくなる原因と懸念されるリスクについても解説しています。家族が見ているテレビの音量に悩まされている方は、この記事を参考に、快適な生活を取り戻しませんか。
この記事を読んでわかること
- テレビの音量が大きくなるのは、加齢による聴力の衰えや、テレビ周辺の環境などが原因である
- テレビの音がうるさいと、難聴・家族のコミュニケーションの減少・近隣トラブルの発生といったリスクが懸念される
- テレビの音量を上げないようにするには、設置環境や音質設定を見直したり、外部スピーカーを導入したりといった対処が有効
テレビの音がうるさくなる原因
聴力に問題がない方にとって、テレビの音がうるさいと気になってしまうものです。テレビの音量が大きくなってしまう原因として、次の3つが考えられるでしょう。
加齢による聴力の衰え(加齢性難聴)
年齢を重ねると、だんだん耳が遠くなってきます。音を感知して脳に伝える役割を持つ「有毛細胞」が加齢と共にダメージを受け、数が減ることで聴力が衰えるのです。加齢による聴力の低下は「加齢性難聴」と呼ばれています。
株式会社 サウンドファンが行った「テレビの聴こえづらさに関する調査」では、テレビの音が聴こえにくくなったと回答する方が50代で3割、70代になると約半数を占める結果となりました。加齢性難聴によるテレビの音の聴きにくさを解消しようと音量を上げるがゆえに、周囲の方はうるさく感じてしまうのです。
言葉を鮮明に聴き取る力の低下
音自体は耳に入っていても、言葉が鮮明に聴き取れないと正確に理解できません。音を識別する「語音弁別能」も、加齢によって低下します。テレビの音は聴こえているのに何を言っているのかわからないと、内容を理解することに疲れたり、面白さが伝わってこなかったりと、不便を感じてしまうでしょう。そのため、言葉をハッキリ聴き取ろうと、ついテレビのボリュームを大きくしがちになるのです。
テレビ周辺の環境
テレビが設置されている周辺の環境によっても、音量が左右されます。例えば、テレビの近くにキッチンがあると、調理の音に影響されてどうしてもテレビの音が聴こえづらくなります。部屋の材質によっては、音が反響し過ぎて聴き取りにくいこともあるでしょう。
このように、周辺の環境や反響の度合いによってテレビの音が聴こえにくい状況になっていれば、音量を上げて対応しようとするのもやむを得ません。
テレビの演出や出演者の話し方
「ニュースは問題なく聴こえるけれど、バラエティー番組になると話の内容があまり入ってこない」と思ったことはありませんか。テレビの演出や出演者の話し方によっては、音量を上げないと聴こえにくい場面があります。
ニュースを読み上げるアナウンサーは、発音のトレーニングをしているので聴き取りやすいでしょう。一方、BGMが流れていたり、大勢でガヤガヤ話していたりする場面では、会話の内容が不明瞭になりがちです。テレビの音がうるさいのは、演出などで何を言っているのか聴き取れないからかもしれません。
参照元:株式会社 サウンドファン|【テレビの音量に関する調査】を実施|1P
テレビの音がうるさいことで懸念されるリスク
テレビの音量が大きくなるのは、聴力の低下だけでなく、設置環境や演出なども関係していることがわかりました。とはいえ、テレビの音がうるさい状況をそのままにしておくのは、好ましくありません。その理由は、テレビの音がうるさいとさまざまなリスクが懸念されるためです。どのようなリスクがあるのか、把握しておきましょう。
難聴を引き起こす可能性がある
大きい音にさらされ続けると、難聴を引き起こす可能性があります。大きな音が原因で発症する難聴を、音響性難聴(音響外傷)と呼びます。大きい音を聴き続けると有毛細胞が傷つき、次第に聴力が衰えていくのです。音響性難聴は、難聴の他に耳閉感や耳鳴りの症状を伴うケースがあります。
音響性難聴の症状は徐々に進行するため、初期のうちに自覚できないことも珍しくないでしょう。しかし、一度壊れた有毛細胞は元に戻りません。日常的に大きな音量でテレビをつけていると、やがて難聴になってしまうリスクをはらんでいるのです。
家族のコミュニケーションが減る
テレビの音がうるさいことがきっかけで、家族のコミュニケーションが減るリスクがあります。聴力に問題がない方からすれば、テレビの音がうるさいと「落ち着かない」「イライラしてしまう」とフラストレーションが溜まってしまいます。一方、テレビの音がよく聴こえない方にとって思うように音量を上げられない状況は、息苦しく感じてしまうでしょう。
そうなると、意見が衝突して気まずくなったり、自室にこもってイヤホンでテレビを見たりと、家族の間ですれ違いが生じてきます。
近隣トラブルが発生する
家の外部にまでテレビの音が漏れていれば、近隣トラブルに発展しかねません。近隣トラブルの多くは、騒音によるものとされています。深夜にテレビの音が漏れてしまえば、近隣住民の方の睡眠を妨害してしまいます。
特に注意したいのが、テレビスピーカーの向きです。スピーカーがテレビの背面にあり、なおかつ隣家と向かい合う壁側にテレビを設置していると、音が隣家に向かって発せられます。スピーカーがテレビを見ている方に向いていないため、音が小さく聴こえてついボリュームを上げがちです。しかし、隣家には想像以上に音が届いており「テレビの音がうるさい」とトラブルになってしまうのです。
テレビ以外の音に気づきにくくなる
テレビの音量が大きければ、周囲の音が耳に入りにくくなります。例えば、インターホンや家族の帰宅に気づかないといった状況が生まれるでしょう。
あえてテレビの視聴中を狙って強盗に押し入る犯罪者もいるため、防犯面の懸念もあります。テレビの音に物音がかき消されてしまえば、気づかないうちに犯罪者に侵入され、身の危険や大切な財産の盗難に遭うリスクが考えられます。
テレビの音がうるさいときの対処法5選
ここからは、テレビの音がうるさいときの対処法をまとめました。誰かが我慢するのではなく、家族みんなが快適に暮らせるよう、次に紹介する方法を試してみてください。
テレビ周辺の環境を見直す
テレビの音がうるさいのは、周辺の環境が要因となっているケースを紹介しました。環境があまり良くないのであれば、テレビの設置場所を見直してみましょう。キッチンからテレビを遠ざけたり、スピーカーの向きを調整したりすると、音の聴こえ方が改善するかもしれません。
反響が大きい部屋の場合、吸音材を取り付けるのが有効です。吸音材とは、空気中の音波振動を抑制する材料です。吸音材をテレビ裏の壁などに設置すれば、反響音の軽減が目指せます。また、吸音材は防音効果も期待できるので、音漏れ抑制につながるでしょう。
テレビの音質設定を変更する
テレビには、音量以外にも音質を設定できる機能があります。例えば、音声モードで「ニュース」「シネマ」「ミュージック」などを選べば、番組に合った音質に変更可能です。さらに、低音やサラウンドなどを細かく調整できる機能も搭載されています。
設定に少し手間がかかりますが、聴き取りやすい音質に調整できればテレビの音量を上げずに済むかもしれません。テレビの取扱説明書でやり方を確認し、音質を調整してみましょう。
補聴器の使用を検討する
テレビの音が聴こえにくいだけでなく、聴力自体が低下している場合、補聴器を装着するのもひとつの手です。補聴器は、ただ音を大きくするだけの機器ではありません。個人の聴こえにくさに合わせて耳に届く音をオーダーメイドするため、テレビの音も聴き取りやすくなります。
さらに、テレビの音の聴きとり改善に特化したオプション機能が搭載された補聴器も販売されています。補聴器によってテレビの音がよく聴こえるようになれば、音量を上げる必要もなくなるでしょう。
ヘッドフォンやネックスピーカーで聴く
テレビの音をヘッドフォンやネックスピーカーで聴く方法もあります。なお、ネックスピーカーは、アーチ状の先端にスピーカーがついている機器で、首にかけて使用します。ちょうど両肩にスピーカーが乗るように設計されており、そこから音が聴こえてくるのです。ヘッドフォンやネックスピーカーを活用すれば耳元で音声が聴けるので、テレビ自体の音量を抑えられます。
ただし、ヘッドフォンを使う場合、耳が塞がれるのでテレビ以外の音が聴き取りにくくなるデメリットがあります。テレビと有線でつなぐ機種であれば、使用範囲も限られるので注意しましょう。
ミライスピーカーを設置する
テレビの音量問題をすっきり解消したいなら、ミライスピーカーを導入してみてはいかがでしょう。ミライスピーカーは、テレビに接続する外部スピーカーです。外部スピーカーは他にも商品があるので「ミライスピーカーにこだわらなくても良いのでは?」と思うかもしれませんが、ミライスピーカーをおすすめするのには理由があります。
ミライスピーカーは、テレビの音の聴こえやすさを追求して開発された商品なのです。特許技術である「曲面サウンド」が搭載され、広範囲に特殊な音波が広がる構造になっています。そのため、テレビの音量を大きくしなくても、部屋のどこにいても音が聴き取りやすいのです。電源とケーブルをつなぐだけで設置が完了する手軽さも、魅力です。60日間返金保証付きですので、試しやすいのも嬉しいポイントといえるでしょう。
テレビの音量に関する気になる疑問
ここからは、テレビの音量に関する疑問にお答えしていきます。
「テレビの音がうるさい」と感じるのはわが家だけ?
テレビの音がうるさいと感じるのは、珍しいことではありません。先ほど紹介した株式会社 サウンドファンによる「テレビの聴こえづらさに関する調査」では、9割近くの方が「テレビの音がうるさいと感じたことがある」と回答しました。テレビの音量は、ほとんどの家庭で問題になっているといえるでしょう。
興味深いのが、同調査において「テレビの音量について指摘したことがある」と回答したのは4割弱に留まっている点です。つまり、テレビの音がうるさいと感じていながらも半数以上の方は指摘せずに我慢していることになります。家族みんなが快適に生活するためにも、我慢するのではなく何かしらの対策を講じましょう。
アパートの場合テレビの音量はどのくらいに設定したら良い?
アパートに住んでいる場合、自宅で見ているテレビの音が近隣の迷惑となっていないか心配になる方が多いかもしれません。そのため、テレビの音量設定に悩んでしまいがちです。
しかし、明確に「この音量なら音漏れしない」と示すことはできません。というのも、アパートによって防音性が異なるため、同じ音量設定でもAアパートは音漏れしなくても、Bアパートでは隣の部屋まで聴こえるケースがあるのです。加えて、テレビのメーカーによってボリュームの数値が異なります。
適正な音量かどうか、テレビを点けた状態で一度部屋の外に出て音漏れの程度を確認してみましょう。隣の方との関係が良好なら、テレビの音がうるさくないか尋ねてみるのも良いかもしれません。
テレビの音が聴こえにくいだけなら補聴器は必要ない?
補聴器を使うかどうかは、全体的な聴力の度合いを考慮しましょう。テレビの音量を大きくしているだけでなく、家族に次のような症状がないか確認してみてください。
- 後から呼ぶと気づかないことが多い
- 話し声が大きい
- 会話中によく聴き返してくる
- 複数人での会話になるとうまく聴き取れていない
- ドアチャイムの音に気づかない など
テレビの音量に加え、上記の項目にひとつでも当てはまるようであれば、耳鼻咽喉科を受診して補聴器の使用を検討しましょう。
おわりに
テレビの音がうるさい状況は、日常生活の支障になりかねません。大音量の環境にさらされていると、聴力に問題なかった方が難聴になってしまうリスクもはらんでいます。とはいえ、ただ「うるさいからボリュームを下げて」と指摘するのではなく、どうすれば家族みんなが快適に過ごせるか考える必要があります。「親ももう年だから」と諦める前に、今回紹介した対処法を試してみてください。