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【調味料ソムリエプロが厳選!】おすすめの「胡椒」をご紹介!

【調味料ソムリエプロが厳選!】おすすめの「胡椒」をご紹介!
MICHIKO 調味料ソムリエプロ

執筆者
MICHIKO 調味料ソムリエプロ

野菜ソムリエプロ・カレーマイスター・食養生士・料理研究家・調味料研究家・調理師 食と健康と美をテーマに、講師・講演・セミナー・料理レシピ・調味料紹介や批評、開発・コラムの執筆などを手がけ、テレビ・雑誌の出演多数、著書も多い。生活習慣病などの生活や食事アドバイスもしている。

「胡椒(こしょう)」といえば、どの家庭にも必ずといっていいほど置いてあるポピュラーなスパイスです。世界各国で最も多く使用されている香辛料であり、様々な料理に幅広く使われています。同じ料理に3度(下ごしらえ、調理の段階、食卓)使う、といわれるほどです。まさに、胡椒は「スパイスの王様」と呼ばれるにふさわしいスパイスです。

胡椒は、料理には欠かせない定番の味付けです。ひと昔前まではテーブルコショウくらいしかありませんでしたが、ブラックペッパーやホワイトペッパー、あらびきコショウやホールなどが定着しました。ここ数年は、生胡椒と呼ばれるものも登場しています。

どんな魅力があり、どう料理に使えば良いのでしょうか。今回は胡椒について解説します。

1.胡椒とは

原産地はインド南西マラバル地方で、食べられている部位は果実です。現在ではインド・ベトナム・ブラジル・インドネシア・エチオピアなどの熱帯地域で栽培されています。世界の胡椒生産量は、年々増加傾向にあります。

胡椒は、高さ5〜9mに成長するつる性の植物です。白い小さな花を咲かせ、その後、房状に果実(ひと房あたり、50〜60個)を付けます。産地により、香りと辛さに特徴があります。あらゆる食品の香り付け、辛味付けに使え、食卓に欠かせない調味料です

2.胡椒の種類

胡椒は、実の収穫時期と製法により、ブラックペッパー、ホワイトペッパー、グリーンペッパーなど、いくつかの種類に大別できます。

2-1.ブラックペッパー(黒胡椒)

ブラックペッパーは、胡椒の実が熟す前の未熟果(緑色)を摘み取り、天日に果皮ごと乾燥させたもの

ワイルドな香りと強い辛味が特徴です。幅広い料理に活躍しますが、ビーフステーキやカルボナーラなどの味の濃い料理や香りの強い素材と良く合います。また、白身魚や鶏肉などの淡白な味わいの料理に使えば、アクセントになります。ホールをそのまま油に入れて、調理のスタータースパイスとしても使われています。

2-2.ホワイトペッパー(白胡椒)

ホワイトペッパーは、胡椒の実が熟した熟果(赤色)を摘み取り、水に浸して皮をやわらかくしてから、皮を取り除いて乾燥させたもの

白い色、マイルドな香り、ピリッとした強い辛みが特徴です。色の白い料理に使えば白い色をそのままに風味と辛味を加えることができます。白身魚などの魚料理に使うと、素材の味をより引き立たせることができます。オムレツやシチューなど色の淡い料理に使われることが多いです。

2-3.グリーンペッパー

グリーンペッパーには、次の2種類があります。

未熟果である胡椒の実を用いたもの

胡椒の実が熟す前の未熟果(緑色)を摘み取り、機械で乾燥させたもの(フリーズドライ製法もあり)。フレッシュな爽やかな香りと辛み、きれいな緑色が特徴です。肉や魚、卵料理、ピクルスなどに彩りとして利用されます。スープのトッピングに使えば、香りが立ちます。

生胡椒(塩漬け)

産地では、緑色の未熟果である生の胡椒をフレッシュな刺激が楽しめる食材として使われています。この生の胡椒を塩漬けにしたもので、新感覚の調味料です。

そのまま食べることができ、ひと粒でも胡椒本来の味と香りが口の中に広がり、後からくる、爽やかな辛味とまろやかな塩気が特徴です。サラダ類やカルパッチョ、餃子などのいつもの料理にトッピング。加熱により、風味や食感が損なわれますので、なるべく調理の最後に、火を止めてから加えると良いです。

2-4.ピンクペッパー(仏名:ポワブルローゼ)

ピンクペッパーには、3種類あります。

主に、ウルシ科のコショウボクという植物の果実を乾燥させたものが一般的に流通しています。他に、赤く熟した胡椒の実や、バラ科のセイヨウナナカマドの実が使われることがあります。ただし、胡椒の実を乾燥させたもの以外には、辛みはありません。

ピンクペッパーは、風味がマイルド、赤色で彩りが良いので、肉や魚、卵、野菜、サラダなどの仕上げ、菓子のトッピングにも使われます。

2-5.テーブルコショウ

ブラックペッパーとホワイトペッパーを混ぜたもので、日本独自のものです。ブラックペッパーの野性的な香りとホワイトペッパーの爽やかな香りをミックスさせ、和食にも良く合うように、細かな粒に挽いています。

3.胡椒の粒度

胡椒は粒子の大きい順に、ホール、粗挽き、パウダーなどがあります。

3-1.ホール

ホールとは、胡椒の果実をほぼ原形のままの状態で乾燥させたもの。粒が大きく香りがとびにくいので、長時間加熱する料理、漬け込む料理などに最適です。ミルで挽いて使うと香り高い風味を楽しめます。粒のままなら、ピクルスやポトフなどに漬け込んだり、煮込んだりする料理に向きます。また、チャイやホットワインの香りづけにも使うことができます。

ミルがないときはこんな方法もあり

そんな時は、スパイスの入っているビンや鍋の底を使って、押しつぶすと砕くことができます。少し粗目の粒になりますが、香りがフワッと立ち上り、刺激が際立ちます。ステーキの下味やパスタのトッピングなどに使うのがおすすめです。

3-2.粗挽き(主にブラックペッパー)

粗挽きとは、胡椒のホールを粗めに粉砕し、粒度を整えたもの。ホールより香りが出やすく、パウダーより香りが飛びにくいので、下ごしらえや調理中に使うのがおすすめです。

3-3.パウダー(粉末)

パウダーとは、胡椒のホールを細かく粉砕したもの。粒が細かく香りが飛びやすいので、下ごしらえで素材にまぶしたり、仕上げに振りかけると、すぐに香りが立つのでおすすめです。

4.胡椒は健康に良い??

4-1.ピぺリン

胡椒の味の最大の特徴は「刺激」です。胡椒の辛味成分は「ピペリン」といい、ピリッとした強い辛味が特徴です。特にブラックペッパーには多く含まれていて、脂肪燃焼効果が高いといわれ、冷え性やダイエットにも効果が期待できます。

ピペリンは、漢方薬の生薬としても使われています。生理作用として、抗菌作用、防腐作用、食欲増進作用、発汗作用、健胃、代謝向上などが知られています。なお、ピペリンは紫外線により辛味が少なくなるといわれているので、直射日光に当たらないよう、保存には注意しましょう。

4-2.胡椒の減塩効果

胡椒を使うことで、減塩効果が期待できます。食事に胡椒を加えることで、薄味や物足りなさを胡椒の持つ辛味と風味が補ってくれます。また、肉や魚の生臭さを消して清涼感を与えてくれるので、塩分を抑えることができます。

炒め物やスープに加えると、

  • ブラックペッパー:辛みがアクセントになり、料理の味を全体に引き締めてくれます。
  • ホワイトペッパー:料理の色合いと素材の風味を生かし、辛みをつけてくれます。
  • グリーンペッパー:爽やかな香りと辛みが、美味しさを引き立ててくれます。

5.調味料ソムリエプロがおすすめ「胡椒」

ここからはおすすめの七味唐辛子の「green PEARL 「生胡椒」塩漬け カンポットペッパー」を紹介します。

green PEARL 「生胡椒」塩漬け カンポットペッパー(株式会社NMTJapan・神奈川県)

green PEARL 「生胡椒」塩漬け カンポットペッパー

調味料選手権2021 世界の調味料部門最優秀賞。収穫したての胡椒の実を乾燥させずに天然塩に漬けた新感覚調味料です。世界で一番美味しい胡椒として愛されている”胡椒の王様”と呼ばれる、カンボジア産「カンポットペッパー」を使っています。カンポットという土地でしか作ることが出来ない無二の胡椒です。

1970 年代の内戦で農園は焼かれて生産数は激減しましたが、復興するために立ち上がったRosewood 農園と有機栽培の伝統農法を守りながら、生胡椒の普及に努めています。

カンポットは海と山が近く、土壌にも恵まれており、3月から5月にかけて収穫された有機胡椒を生の青い実のまま、手作業でひと粒ひと粒を丁寧に塩漬けにしています。胡椒の果実を塩漬けしている塩は伝統的な塩田で作られた天然塩で、同じカンポット産なので、まろやかな塩辛さです。

この塩漬けされた生胡椒は、一番美味しい状態の時に、真空パックに詰められて輸送されます。真空パックにすることで、乾燥や劣化を防ぐことができ、生胡椒だからこそのフレッシュな香りと食感を、そのまま味わうことができます。

おススメの料理は、特に肉料理や乳製品、卵との相性が良く、ステーキやカルパッチョ、パスタなどにトッピングしたり、生ハムやチーズ、パンやクラッカーに刻んで加えたり、卵かけご飯や納豆、ご飯やお酒のお供にもよく合います。

また、ダイエット食として、淡白なサラダチキンや、スープに刻んで入れると香りが立ち上ります。生胡椒のプチプチ食感と五感を刺激する芳醇な香りとさわやかな辛みが楽しめ、食卓を贅沢にしてくれます。

寒い季節、胡椒に含まれるピぺリンが、体を温めてくれるのも嬉しいですね。

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「生胡椒」のおつまみおかず5種

☆厚揚げのチーズ焼き

【材料と作り方】

  1. 厚揚げ(1╱2枚)は熱湯で油抜きをし、縦4等分に切る。スライスチーズ(2枚)は、縦4等分に切る。
  2. フライパンにオリーブ油(小さじ1)と厚揚げを入れて片面を焼いて裏返し、上にチーズを2枚重ねてのせる。蓋をしてチーズが溶けるまで焼く。器に盛り、生胡椒をのせる。

☆サラダチキンとリンゴ

【材料と作り方】

  1. サラダチキン(市販、プレーン、1╱2枚)は1cm幅の斜めに切り、リンゴ(1╱4個)は芯を切り取り、皮ごと1cm幅に切る。
  2. リンゴの上にチキンをのせ、パセリの葉と生胡椒をのせる。

☆まぐろのタルタル 

  1. まぐろの刺身用(1╱2人前)は粗みじん切りにする。
  2. 器に盛り、スライスしたレモンと生胡椒をのせる。

☆しいたけとしし唐の炒め物

  1. しいたけは縦4等分に切る。しし唐は破裂しないように、楊枝で穴を一つ開ける。
  2. フライパンにオリーブ油(小さじ2)と①を入れて炒め合わせ、刻んだ生胡椒を加えて、サッと和える。

☆カラーピーマンのマリネ

  1. カラーピーマン(赤、黄、橙 各1╱2個)は種を取り、縦4等分に切る。
  2. フライパンに、オリーブ油(小さじ2)と①を入れ、弱火でじっくり炒める。
  3. ボウルに、②、ハチミツとレモン汁(各小さじ1╱2)、生胡椒を入れて混ぜ合わせる。

*生胡椒は、ひと粒から増やしていきましょう。

6.胡椒を使う際のポイント

6-1.塩と胡椒

胡椒は油分と好相性なので、炒め物などにおすすめです。

・当たり前のように、調理の下ごしらえの時に出てくる「塩と胡椒」という言葉ですが、使い方の順番は守りましょう。まず、塩で整えてから、胡椒を振りかけて締めます。仕上げの香り付けには、食卓で、各自が好みの量を振りかけましょう。

・肉の臭み消しの目的に胡椒を使う時は、下ごしらえの段階で使用するのが効果的です。

・胡椒の香りを有効に発揮させるには胡椒を加えるタイミングが大切です。胡椒は香辛料のひとつで、熱に弱く、加熱しすぎれば香りも飛んでしまうので、調理の最後、仕上げに使うと香りが立ち上ります。

・胡椒の入れすぎには注意しましょう。胡椒の量はほんの少しだけ、入れすぎると辛さが際立ってしまい、せっかくの食材の旨みや風味を消してしまいます。

6-2.胡椒はこんな料理にも合います

いつもの料理にササッと振れば、味変に! 香りと辛みがアクセント!

  • 食パンにバターとこしょう、ハチミツや溶けるチーズをのせて。
  • スクランブルエッグやオムレツに。
  • 卵かけご飯に。粉チーズをプラスしても。
  • 納豆にタレやねぎと一緒に。
  • 冷ややっこにオリーブオイルとともに。
  • ポテトサラダ、餃子、フライ、唐揚げ、炒め物に。
  • チャーハン、パスタ、ラーメンに。
  • 味噌汁やスープ、ホットココアや甘酒に。
  • カットしたチーズやアイスクリームに。
  • ヨーグルトに、ハチミツやオリーブオイルとともに。
  • 料理の仕上げに。

おわりに

約2500年前(BC500年頃)、インドで生産された胡椒は、古代ギリシアで医薬品や食用として使用されていたようです。日本では、江戸時代に、ご飯に胡椒をかけて醤油等で味付けしただし汁をかけた“胡椒飯(こしょうめし)”や、温かいうどんの“薬味”などとして食べられていたようです。東大寺正倉院の宝物の中に薬として当時の胡椒が所蔵されています。

和洋中問わず、独特の香りとピリッとした辛さで、食材を引き立ててくれる名脇役であり、料理をレベルアップしてくれます。大人のスパイス「こしょう」を上手に使いこなして、料理上手に!

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