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【調味料ソムリエプロが厳選!】おすすめの「ポン酢」をご紹介!

【調味料ソムリエプロが厳選!】おすすめの「ポン酢」をご紹介!
MICHIKO 調味料ソムリエプロ

執筆者
MICHIKO 調味料ソムリエプロ

野菜ソムリエプロ・カレーマイスター・食養生士・料理研究家・調味料研究家・調理師 食と健康と美をテーマに、講師・講演・セミナー・料理レシピ・調味料紹介や批評、開発・コラムの執筆などを手がけ、テレビ・雑誌の出演多数、著書も多い。生活習慣病などの生活や食事アドバイスもしている。

鍋料理には欠かせない調味料であるポン酢ですが、今では万能調味料として、家庭にはなくてはならないものになっています。ポン酢の一番の魅力は、料理の味をあっさりとまろやかに仕上げてくれること。

醤油だとしょっぱさや塩分を気にしたりしますが、ポン酢ならフルーティな香りと柑橘類のフレッシュな味わいを楽しめたり、他の調味料と組み合わせてカスタマイズできたりします。毎日の料理を美味しく引き立ててくれる調味料です。今回はポン酢を解説します。

1.ポン酢とは

ポン酢とは、ゆずやすだちなどの柑橘類の果汁に、酢を加えて混ぜたものです。柑橘類の果汁に醤油を混ぜて作られた「ポン酢醤油」と呼ばれるものを、一般的に「ポン酢」と呼んでいます。柑橘系の爽やかな酸味と醤油の味わいが同時に楽しめるのが嬉しいですね。

「ポン酢」の「ポン」は、諸説ありますがオランダ語の「ポンス(pons)=柑橘系の果汁」からきている、といわれています。生のままの柑橘果汁は日持ちしませんが、酢を入れることで保存性が増します。

ポン酢をかけると何でも美味しくなるのは、酢や柑橘果汁は弱酸性だからです。醤油も同じで、よくひと味足りないときには醤油を少しといわれるゆえんです。

つまり、酢も柑橘果汁も醤油も、すべて美味しいといわれる領域にあり、一緒に食べると相乗効果で、さらに美味しくなるのです。

1-1.ポン酢は何からできているのか

ポン酢に入っている成分は以下のようなものです。

柑橘類

定番のゆずやすだちだけではなく、レモン、だいだいやかぼす、デコポン、じゃばら、ゆこう、シークヮーサー、といった果物を使ったものもあり、お好みの果汁を選ぶことができます。

また、ひと瓶に数種類の果汁を使っているものもあり、柑橘の香りが強すぎず、まろやかな酸味と味わいになっています。

調味料

酢に注目して米酢やリンゴ酢、柿酢を加えたもの、醤油に牡蠣醤油を使ったものなどもあります。他に調味料としては、酒やみりん、はちみつや砂糖、塩などが含まれています。

出汁

出汁入りのポン酢醤油は旨みがプラスされるので、料理の味に深みが出ます。出汁には、かつお、昆布、しいたけ、鯛、鶏など、複数の出汁を組み合わせたものもあります。醤油に比べてポン酢が塩分控えめなのは、出汁の旨味が生きていることも関係しているようです。

他の食材を加えて

たまねぎ、ごま、青じそなどの香味野菜や、変わり種を加えたタイプもあります。

塩分や無添加

塩分カットや無添加など、カラダに優しいものもあります。ノーマルなポン酢醤油とはまた違った魅力のある味わいです。

2.ポン酢の種類

さまざまな種類のポン酢が作られています。ポン酢といわれているポン酢醤油や塩ポン酢、生ポン酢、ジュレタイプなどがあります。

  • ポン酢醤油:柑橘類の果汁と酢や醤油、調味料等を混ぜ合わせて作られています。
  • 塩ポン酢:塩をベースに柑橘果汁や出汁で風味付けされていて、一般的なポン酢よりもまろやかな塩味とさっぱりと爽やかな果汁の酸味です。
  • 生ポン酢:生果汁と生醤油、生出汁と生醸造酢など、非加熱の原材料を使っているので、フレッシュ感があり、果汁の香りを楽しめます。また、酢を加えない柑橘類の果汁を生ポン酢と呼ぶこともあります。
  • ジュレタイプ:液体タイプのポン酢をジュレにしたものです。素材に良く絡まるので、野菜類やカナッペ、寿司、フライ料理、おもてなし料理に使うのがおすすめです。

3.ポン酢は健康にいい?

ポン酢に含まれている「酢」には内臓脂肪の減少、血圧低下、血糖値上昇の抑制効果、柑橘類に含まれる「クエン酸」には疲労回復効果やアンチエイジング効果、ミネラルの吸収をサポートする効果などがあるといわれています。

その他にビタミン、食物繊維、アミノ酸が含まれているので、健康的な調味料として注目されています。

ポン酢を醤油の代わりに使うことで、減塩しながら酢の効果を得られたり、旨味もあるので醤油より少ない塩分でも満足できるといわれています。

また、油分を使用していないヘルシーな調味料なので、ダイエット効果も期待できます。

4.調味料ソムリエプロがおすすめ「ポン酢」

ここからはおすすめのポン酢を紹介します。

白ぽん酢(キノエネ醬油株式会社・千葉県)

調味料選手権2021総合3位受賞商品。千葉県野田市で、1830年(天保元年)に創業、192年の歴史を持つ老舗醤油蔵が造る「白ぽん酢」キノエネ醬油株式会社 をご紹介いたします。

白ぽん酢は、自社で作るキノエネ白しょうゆがベースになっています。白しょうゆは、東海・関西方面のイメージが強いかもしれませんが、初めて関東で白しょうゆを工場で作ったメーカーです。

最近ではその名の通り、色が非常に淡く、料理の素材の色をそのまま活かせると人気です。原材料は小麦を中心に作られているので、香りも味も穏やかで、甘みが強く、味に深みがあるのが特徴です。

この高級感ある白醤油と3 種(かぼす・ゆず・ すだち)のさわやかな果汁を使い、本みりんでまろやかさを、さらにかつおと昆布エキスが旨味を出しています。

全体をバランス良く合わせ、程良い酸味で甘味が際立つフルーティなポン酢に仕上げています。ラベルは若手女性デザイナーが手掛けた和の雰囲気を表現した親しみやすいデザインとなっています。

「白ぽん酢」はクセがなくどんな料理にも良くマッチし、きれいな琥珀色は料理の色合いを邪魔することがなく、料理映えします。いつものポン酢のように、つけたり、かけたり、煮たり、炒めたりと、何にでも合う万能調味料です。

おすすめは定番のタコとワカメの酢の物や和え物、刺身のカルパッチョ、豚しゃぶサラダ、カット野菜を漬ければピクルスに、マヨネーズと合わせて温野菜のソースに、黒胡椒をたっぷり入れて餃子にと、使い勝手は抜群です。

同じシリーズで、濃口醤油を使った黒ぽん酢、唐辛子と花ゆずを合わせたピリッと辛い赤ぽん酢があります。調味料で、食卓を美味しく華やかに!

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★夏野菜のカポナータ風 

白しょうゆと酢、フルーツの甘みが夏野菜にしっかりしみ込んで。ポン酢を加えてサッと煮込み、夏野菜を甘酸っぱく♪

<材料>2人分 

ナス1本、ズッキーニ(緑色、黄色)各1/2本、ミディトマト4個、玉ねぎ1/2個、ニンニク1片、オリーブ油大さじ2、白ぽん酢大さじ3

<作り方>

  1. 野菜はそれぞれ食べやすい大きさに切る。にんにくは包丁の背でつぶす。
  2. 鍋にオリーブ油を入れて、①を弱中火で5分程よく炒め合わせる。
  3. 白ぽん酢を加えて、さらに5分ほど煮て、器に盛る。

★タコとオクラの白ぽん酢スパゲッティ

フルーティな柑橘の甘さが、にんにく風味と好相性。白ぽん酢を最後に加えることで、柑橘の香りと旨みがアップ♪

<材料>2人分

ゆでタコ(薄切り)120g、オクラ6本、ニンニク1かけ、スパゲッティ160g、赤唐辛子(輪切り)小さじ1、オリーブ油大さじ1、白ぽん酢大さじ3

<作り方>

  1. スパゲッティは袋の表示通りにゆでる。オクラは塩を振り(分量外)板ずりして、ガクのまわりをぐるりとむき、斜め半分に切る。ニンニクはみじん切りにする。
  2. フライパンにオリーブ油とニンニクを加えて炒め、香りが立てば、赤唐辛子とオクラ、タコを加えて炒め合わせる。
  3. 茹で上がったスパゲッティと白ぽん酢を加えて、サッと炒め合わせる。器に盛る。

★鯛のカルパッチョ、白ぽん酢風味

鯛をさわやかに、ひと味美味しく♪

<材料>2人分

鯛(刺身用)120g、ミョウガ(薄輪切り)1個、大葉(千切り)2枚

A:白ぽん酢大さじ2強、オリーブ油大さじ2

<作り方>

  1. 鯛は食べやすい大きさに切り、器に並べ、ミョウガと大葉をちらす。
  2. Aを上からかける。

じゃばらぽん酢 じゃぽん(株式会社じゃばらいず北山・和歌山県)

調味料選手権2020ご当地部門最優秀賞受賞商品。「じゃばら」は和歌山県北山村に自生していた果実です。柚子などと同じ柑橘類ですが、糖度が高くまろやかな味わいです。

「北山村のじゃばらで日本を元気に」をコンセプトに、だしや調味料エキスは使わず、じゃばらの果汁と一緒に皮もつぶして使っているので、糖度と酸味のバランスのとれたコクのあるぽん酢です。

じゃばらをまるごと味わえる風味豊かな手作りの一品です。サラダや冷奴、餃子、お鍋のたれに、おススメです。

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柚子ぽん酢ペースト(合名会社まるはら・大分県) 

1899年創業の醤油蔵が造る、九州産の柚子をふんだんに使った、香り高く、程良い酸味が、素材の味を引き立ててくれる自社製品の柚子ポン酢を使っています。

パリのフレンチレストランのシェフから、運ぶ時にこぼれないペーストタイプの柚子ポン酢があったら、というアイディアから開発に至りました。

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5.ポン酢の使い方

ポン酢の酸味が野菜に旨味を加えたり、肉や魚の臭みを和らげてくれたり、美味しく食べられます。柑橘の香りと甘みで優しい味わいになります。

5-1.チョイがけ

冷奴、納豆、焼魚、焼肉、ハンバーグ、ぎょうざ、お好み焼き、唐揚げ等。

5-2.チョイ足し

  • カツオのたたき:ポン酢+香味野菜(生姜やにんにくのおろし、ミョウガや大葉のみじん切り)
  • おろしハンバーグ:ポン酢+大根おろし
  • 餃子だれ:ポン酢+柚子胡椒、ポン酢+ごま油+一味唐辛子 
  • ポン酢つけうどんだれ:ポン酢(大さじ2)+めんつゆ(大さじ3)
  • 甘酢あんかけ:ポン酢(大さじ2)+トマトケチャップ(大さじ1)

5-3.ポン酢は加熱してもOK

ポン酢は、煮たり焼いたり炒めたりといった加熱調理にも向いています。ポン酢は加熱をすると、ほどよく酸味が飛び、旨味が残ります。これはポン酢に含まれる酢の酢酸が加熱によって蒸発するので、まろやかな味わいに感じられるのです。ポン酢だけでも、味がしっかりと決まります。

  • 料理にまろやかな酸味とだしの風味を生かしたい時には「加熱」します。

煮物や炒め物、汁物に。鶏手羽先と大根の煮物、豚の角煮、煮込みハンバーグ、アクアパッツァ、サンラータン、肉野菜炒め、ゴーヤチャンプルー、パスタや焼きそば、炒飯の味付け、南蛮漬けなど。

  • 料理にフレッシュな柑橘の香りを楽しみたい時には「生使い」します。

鍋物のタレ、野菜サラダや豚しゃぶサラダ、魚のカルパッチョ、和え物など。

6.ポン酢のアレンジ

ポン酢を色々とアレンジして楽しみましょう。

6-1.MYドレッシングを作る

  • 中華風ポンドレッシング:ポン酢(大さじ3)にごま油(小さじ2)を混ぜ、お好みで七味唐辛子加えても。
  • オリーブポンドレッシング:ポン酢(大さじ3)にオリーブ油(大さじ1)を混ぜ、お好みでパセリのみじん切りを加えても。
  • マヨポンドレッシング:ポン酢(大さじ3)にマヨネーズ(大さじ1)を混ぜます。サラダ、温野菜にも。

6-2.変わりポン酢で味変を楽しむ

ポン酢にいろいろと加えて、変わり味を楽しめます。

  • おろしショウガ、ニンニク
  • 大根おろし
  • もみじおろし
  • 刻みトマト
  • 薬味(しょうが、にんにく、みょうが、大葉などのみじん切り)

7.ポン酢をより楽しむために

ポン酢をより楽しむために以下を心掛けてみましょう。

7-1.良く振ってから使おう!

ポン酢をよく見ていると、ビンの上や下に浮遊物や沈殿物が含まれています。これは柑橘類の皮の油分や香り成分、果汁に含まれる天然成分、出汁などのオリが含まれているそうです。お使いの際はよく振ってから、使いましょう。

7-2.おしゃれな器で楽しむ!

気分を変えて食卓をおしゃれに彩りたい、おもてなしの席にこだわりたい!そんな時は、かわいい器に入れ替えるのもおすすめです。醤油さしやドレッシング入れなど、お好みのものを選びましょう。

ただし、ポン酢は柑橘類や酢にクエン酸が含まれているので、アルミなどの金属製のボトルは色が変色したり、金属が溶け出してしまう事があるので、避けましょう。ガラスやプラスチック製がおすすめです。

7-3.保存は冷蔵庫で 

ポン酢には酢が含まれているので、腐らないと考えている方もいると思いますが、ポン酢には、酢だけでなく柑橘果汁や出汁などが多く含まれているので、カビが生えたり、腐ってしまうこともあります。

開封後は蓋をしっかりと閉めて、必ず冷蔵庫で保存するようにしましょう。また、未開封であれば、冷暗所などで常温保存することが出来ますが、暑い季節などは冷蔵庫の野菜室などに保管するといいです。

最近では、便利な密封ボトルや劣化しにくい容器入りのポン酢などが販売されています。最後までフレッシュな柑橘果汁の風味や味わいが楽しめます。上手に保存して、最後まで美味しく味わいましょう。

おわりに

ポン酢は、ちょっとかけるだけで、冷奴も焼き魚、ぎょうざも、みんな美味しくなります。塩味・酸味・旨みが合わさったポン酢は、調味料の達人!わさび、からし、七味唐辛子等の辛味系、ショウガやネギなどの香味野菜などを加えるだけで、簡単に味変してくれます。

また、炒め物や煮物の味付けにも使える便利な万能調味料です。いつもの味に飽きたら、ポン酢をかけてみてくださいね。

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