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【調味料ソムリエプロが厳選!】おすすめの「こめ油」をご紹介!

【調味料ソムリエプロが厳選!】おすすめの「こめ油」をご紹介!
MICHIKO 調味料ソムリエプロ

執筆者
MICHIKO 調味料ソムリエプロ

野菜ソムリエプロ・カレーマイスター・食養生士・料理研究家・調味料研究家・調理師 食と健康と美をテーマに、講師・講演・セミナー・料理レシピ・調味料紹介や批評、開発・コラムの執筆などを手がけ、テレビ・雑誌の出演多数、著書も多い。生活習慣病などの生活や食事アドバイスもしている。

「こめ油」は、馴染みがない方もいらっしゃるかもしれませんが、今、最も栄養価が高い油と注目されている油のひとつです。私たちの主食であるお米から作られています。ポテトチップスや揚げせんべい、かりんとうといったスナックによく使われていますが、酸化しにくく、風味も良く、サラッと食べやすいのが特徴です。

こめ油は香りやクセがないので、食材の風味を邪魔せずに、素材の味を楽しむことができます。和風だけでなく、洋風や中華、どんな食材ともよく合う油です。こめ油の特徴を知り、ご飯といっしょに、美味しい食卓を囲みましょう。今回は、こめ油について解説します。

1.こめ油の原料と製法

まずはこめ油の原料と製法について簡単に紹介します。

1-1.こめ油の原料

こめ油と聞くと、白米から絞った油という印象を受けるかもしれませんが、玄米から作られる油です。主に国産原料を抽出した植物油です。「米ぬか油」「玄米オイル」「ライスブランオイル」などの呼び名があります。

玄米を精米したときに得られる米ぬか(果皮や胚芽を含む)を原料としています。米ぬかには、玄米の栄養の80%以上が含まれているといわれています。食物繊維をはじめ抗酸化作用のあるビタミンEや、糖質を代表するビタミンB1をはじめとしたB群、ミネラル類などが含まれています。まさに、玄米に含まれている栄養素が凝縮しているといえます

1-2.こめ油の製法

米ぬかにはおよそ20%の油が含まれています。米ぬかは鮮度が落ちやすく、玄米を精米してできた米ぬかはその日のうちに脱脂処理が行われます。こめ油の抽出方法には大きく分けて、溶剤抽出法と圧搾法の2つがあります。

溶剤抽出法

溶剤抽出法は、原料の米ぬかに有機溶剤(ノルマルヘキサン)を使って抽出する方法です。油を抽出後に、有機溶剤は、蒸留することによって取り除かれます。効率よく抽出できます。

圧搾法

圧搾法は、江戸時代から続く製法で、原料の米ぬかに圧力と熱をかけて油分を絞る方法です。米ぬかに含まれる油を、溶剤を使わずに圧力だけで抽出します。搾れるのはわずかです。

2.こめ油の期待できる健康効果

お米特有の健康に良い、といわれる成分を多く残しています。

2-1.オレイン酸・リノール酸

植物油の中でも、脂肪酸の含有バランスがすぐれているのがこめ油です。不飽和脂肪酸のオレイン酸や必須脂肪酸のリノール酸をバランス良く含まれているのが特徴です。

オレイン酸

オレイン酸は体内で作ることができ、体内の酸化を防いでくれたり、悪玉コレステロールを減らして血流を促進させる効果や、腸の前項運動を高めて便秘を予防・解消する働きがあるといわれています。

リノール酸

リノール酸は、私たちが生きるうえで欠かせないものですが、体の中では作り出せないため、絶えず食事で補っていく必要があります。血液中のコレステロール低下に役立つといわれています。

2-2.植物ステロール

植物油の中でもこめ油に最も含まれている植物ステロールは、血液中の余分なコレステロールを減らす働きがあり、「油の食物繊維」ともいわれています。

2-3.γ(ガンマ)-オリザノール

こめ油に含まれる特徴的な成分γ-オリザノールは抗酸化作用が豊富で、体内での酸化を抑えたり、体内の余分なコレステロールを減らしたり、自律神経の働きを調整したり、更年期症状を緩和したり、医薬品や化粧品素材としても広く利用されていて、「美と健康の源」ともいわれています。

2-4.トコトリエノール

トコトリエノールはビタミンEの仲間ですが、抗酸化力は従来のビタミンEの数十倍にのぼります。血液中の悪玉コレステロールを減らしたり、動脈硬化を抑えたり、がんの予防効果も報告されており、「スーパービタミンE」とも呼ばれています。

2-5.α-トコフェロール

α-トコフェロールはビタミンEが豊富で「天然の抗酸化剤」として知られ、油の酸化防止、私たちの体内でも活性酸素から守ってアンチエイジング効果、末梢の血行促進、ホルモンバランスを調整するなどに役立つといわれています。

3.こめ油の特徴

こめ油は、健康に良いだけでなく、色は薄く、サラッと軽い口当たりで、無味無臭、クセもない、といわれています。料理の味を邪魔することなく、素材の旨味を最大限に引き出してくれる、まろやかな風味の油です。

3-1.加熱に強く、酸化しにくい!

一般の油は190℃くらいで焦げ始めますが、こめ油は250℃くらいまで加熱しても大丈夫だといわれています。抗酸化成分が豊富なため、熱を加えても酸化安定性は抜群です。

3-2.油酔いしにい!

揚げ物をしていると部屋中に油の臭いが立ち込め、気分が悪くなったり、食欲をなくすことがありますが、これは油酔い物質(アクロレイン)が発生するからです。こめ油には他の食用油に比べて、油酔い物質の発生が少ないことが分かっています。調理した方も美味しく食べられます。

3-3.カラッと揚がる!

脂肪酸バランスの良いこめ油は油切れが良いので、プロの料理人が揚げたように天ぷらやフライがサクッと仕上がり、食べた後もさっぱりしていて、胃弱な方でも胃もたれが起きにくいといわれています。

3-4.冷たくても美味しい! 酸化に強い!

天然の抗酸化成分が豊富なこめ油で揚げた天ぷらやフライは、酸化に強く、冷めても美味しく食べることができます。お弁当のおかずにすると、ふたを開けた時に嫌な臭いもほとんどしません。

3-5.揚げ物をした後の保存法とは

こめ油で揚げ物をした後は、油に入っている不純物をこし分けて取り除いてから、油専用の容器に移します。光の当たらない、涼しい場所で保存してください。ただし、2〜3週間で使い切りましょう。

3-6.揚げ物した後の使い方とは

こめ油で揚げ物をした後の油は傷みが少ないので、繰り返し使うことができます。使用した油を再び揚げ物の油として使用するときは、油の量をひかえめにして新しいこめ油を加えます。また、よりカラッと揚げるためにさし油をすると良いです。揚げ物をして残った油を捨てずに、そのまま炒め物用として利用できるので、無駄になりません。新しい油を使うより、旨味もアップしていて、美味しい炒め物になります。

3-7.食後の洗い物がラク!

他の食用油に比べてべたつきが少なく、サラサラしているこめ油。揚げ物をしている際に出る、鍋にこびり付く付着物が少ないのも特徴です。調理後の揚げ鍋や食べた後の食器洗いにも差が出ます。

3-8.手荒れのケアに!

手が荒れやすい方は、気になる部分にこめ油を薄くぬることで、肌に油層のふたをつくり、肌の潤いを逃さない役目も。もちろん、お米由来なので、肌にやさしく、ほとんど臭いはありません。調理中に手に油がついてしまった時にも、洗い流さずに肌になじませてみても良いでしょう。

3-9.美容オイルにもなる!

こめ油の強い抗酸化パワーは、肌の老化を防ぐうえで、とても効果的です。また、γ-オリザノールやビタミンEは、皮膚の血行を促したり、シミの沈着を抑制、肌のくすみの解消にも期待できます。

4.調味料ソムリエプロがおすすめ「こめ油」

ここからはおすすめの築野食品工業(和歌山県)の「圧搾一番搾り 国産こめ油」を紹介します。

圧搾一番搾り 国産こめ油(築野食品工業株式会社・和歌山県)

創業75年を迎えた築野食品工業。戦後「食糧の安定供給が図れる事業で社会に貢献したい」という思いから、精麦工場を創立し、その後、米ぬかを原料とする製油業に進出しました。こめ油は江戸時代に搾油した記録があるそうですが、製造工程に手間がかかることから、大量に生産することは難しかったのですが、近年になり、高度な技術が可能となり、手軽に使えるようになりました。

健康志向の高まりとともに、「圧搾一番搾り」という江戸時代から続く製法で、溶剤を使わずに圧力をかけて搾った「こめ油」です。玄米由来の貴重な栄養成分が凝縮した天然製法のこめ油ですが、搾れる量はわずかで希少な油です。米ぬか由来の栄養成分が摂れるだけでなく、原料には非遺伝子組み換えの国産米ぬかを使っているので、原料の産地や食品の製造過程にこだわりを持つ方におすすめです。

事業をスタートした時から、「米ぬかを100%使い切る」という高度有効利用を進めています。こめ油を搾った後の米ぬかにはいろいろな成分が多く残っているため、化粧品や医薬品、健康ドリンクなどの原料、飼料や肥料になるなど、余すことなく使われています。まさに、持続可能な開発目標(SDGs)推進に向けた取り組みを行っています。

こめ油を使って餃子を焼くとパリッと焼けるとか、手作りドレッシングが美味しいとか、油の臭いが部屋にこもらないとか、天ぷらを揚げた方も美味しく食べられるとか、肌の調子が良い、という声も聞こえてきます。

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★タコと夏野菜のオイル煮  

こめ油の旨味、タコと夏野菜の味が生きている! 

<材料>2人分 スキレット(直径約20cm)

夏野菜(ゴーヤやズッキーニ、ナスなど)150g、タコ(ゆで)80g、塩・胡椒 各少々

A:ニンニク(つぶす)1片、こめ油100ml

<作り方>

  1. 夏野菜とタコは食べやすい大きさに切る。
  2. 小さな鍋(スキレット)に、Aを入れ、弱火にかける。オイルが温まったら、①と塩、胡椒を入れて、サッと加熱する。
  3. 温めたバケットにのせて食べても美味しい。

★桜えびと切り干し大根のアジアン風サラダ

無味無臭のこめ油を使えば、ナンプラーの香りも味わいも!

<材料>2人分

桜えび(乾燥)10g、切り干し大根(乾燥)20g、セロリ(茎と葉)40g、ミニトマト4個

A:ナンプラー、レモン汁、こめ油各大さじ1、砂糖小さじ1/2

<作り方>

  1. 切干大根は軽く洗って水切りし、セロリの茎と葉は千切り、ミニトマトは半分に切る。
  2. ボウルにAと①、桜えびを加えてよく混ぜ合わせる。お好みでピーナッツなどを散らしても。

5.こめ油の美味しい食べ方

5-1.炊飯時に

お米を炊くときに、こめ油を加えてよくかき混ぜます。その後、普通に炊飯します。米2合に対し、こめ油を小さじ1くらい加えて炊きます。こめ油はもともと米由来なので、こめ油を加えることで、米本来の旨味がよみがえり、ふっくらと炊き上がります。

5-2.緑黄野菜のおひたしや炒め物に

緑黄色野菜に含まれる脂溶性ビタミンの吸収をサポートし、栄養吸収率がアップ。

5-3.卵焼きに

さっぱりと油っぽさを感じません。冷めても美味しく、お弁当にピッタリ。

5-4.コーヒーや味噌汁、スープに

こめ油を少し加えると口当たりがよく、コクがアップ。

5-5.炒め物、揚げ物、油を使う料理に

こめ油を使いましょう。

5-6.手作りドレッシングやマヨネーズに

こめ油は香りやクセがなく、サラッとしているので、素材に旨みが絡んで、美味しくなるので、手作りドレッシングにおすすめです。(ドレッシング:こめ油大さじ4、酢と醤油各大さじ2、おろし玉ねぎ(大根)大さじ2をよく混ぜます。

5-7.こめ油が使われている食品

酸化に強く、コクと風味があるので、マヨネーズ、ドレッシング、ソフトマーガリン、油漬け缶詰、豆乳、ポテトチップス、かりんとう、揚げせんべい、あられ、スナック菓子等の原料に使われています。

おわりに

油は美味しい!高カロリーの食べ物の油は、体をつくり、生命を維持するために必要なものだから、美味しく感じるといわれています。

厚生労働省は、1日に必要なエネルギーの20〜25%を油脂で採るように推奨しています。このうち、調理に使う食用油は成人1日20g(大さじ1あたりの脂質量14g)の使用が目安となります。

例えば、朝食の目玉焼き、昼食の炒め物、夕食の主菜やドレッシングにと、全体の油の使用量を考えると、理想に近い1日の摂取量になります。油脂の摂取はトータルで考えましょう。

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