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旬の柑橘類の魅力をご紹介。宮本果樹園様(熊本県)の柑橘類を使ったレシピも併せて

MICHIKO 調味料ソムリエプロ

執筆者

調味料ソムリエプロ

MICHIKO

野菜ソムリエプロ・カレーマイスター・食養生士・料理研究家・調味料研究家・調理師 食と健康と美をテーマに、講師・講演・セミナー・料理レシピ・調味料紹介や批評、開発・コラムの執筆などを手がけ、テレビ・雑誌の出演多数、著書も多い。生活習慣病などの生活や食事アドバイスもしている。

春先から夏を迎えて旬を迎える柑橘類。太陽の光と風をいっぱい浴びて、たわわに実ります。オレンジ系の色合いとたっぷりの果汁、爽やかな香りと酸味が楽しめ、心と身体を元気にしてくれます。柑橘類には、温州みかんや夏みかん、文旦、オレンジ、レモン、グレープフルーツなど数多くの種類があります。最近は、国産品種が増えて人気が高いです。

柑橘類は幼果のときは葉緑素により緑色をしていますが、果実が成熟するにつれ、カロテノイドの一種でβ-クリプトサンチンという色素成分が残り、黄色っぽく(赤~橙色)なっていきます。胃のもたれを取り除いて食欲を高め、気分もすっきりさせてくれます。抗酸化力が高く、生活習慣病予防に大きな効果があると注目されています。

1.主な柑橘類

柑橘類は新品種が続々と誕生しています。

1-1.肥の豊(ひのゆたか)

肥の豊は熊本県オリジナルのデコポン(不知火と同品種)の後継品種として、不知火(シラヌヒ)とマーコットを掛け合わせたものです。平成19年産から市場に出荷が始まったばかりの柑橘です。

外見は不知火とほぼ同じで、果実は270~300gの大きさです。上部がこぶのように盛り上がっていて、果皮の色は橙色、外皮はゴツゴツとしていて少し粗いですが、手で皮をむくことができるほどやわらかいです。

果汁はたっぷりジューシーで、しっかりとした粒感も魅力です。薄皮がやわらかく、種はほとんど入っていないので、そのまま食べることができます。味が濃く、甘みと酸味のバランスがとてもよく、食べて満足感のある柑橘です。

1-2.はるか 

サラダみかん、はるかは、「日向夏(ひゅうがなつ・ニューサマーオレンジ)」を親に持ち、白い綿の部分には健康に必要な栄養素や食物繊維などを含んでいます。レモンのようなあざやかな黄色の実ですが見た目に反して酸味が少なく、カットした途端広がる爽やかな香りが春の訪れを感じさせてくれます。

ゴツゴツとした、酸っぱそうな皮からは想像できない上品なまろやかな甘さで、酸味の少ない柔らかい果肉、やさしい食感が人気です

1-3.ブラッドオレンジ

ブラッドオレンジはオレンジの仲間です。地中海原産といわれるオレンジで、甘口のオレンジの突然変異種と考えられています。ブラッドオレンジの名前の由来は血(blood:ブラッド)のように赤い濃赤色の果肉が特徴です。

この独特の赤みは抗酸化作用のあるアントシアニンという色素が含まれているためです。ブルーベリーなどにも多く含まれる成分ですが、オレンジの仲間でアントシアニンを含む果物はたいへん珍しいです。タロッコ種とモロ種がありますが、特にモロ種は果肉の赤色が特に濃く黒味がかっており、皮の色も赤みがかかっています。

強い甘さとコクがあり、柑橘特有のさわやかな酸味で、後味もよく、すっきりしています。たっぷりの果汁と濃厚な香り、豊かな風味がクセになる美味しさです。

2.柑橘類の栄養素とは

柑橘類には、さまざまな栄養成分があるといわれ、注目が集まっています。

2-1.美容と風邪予防にビタミンC

強い抗酸化作用をもち、免疫力を高め、コラーゲンの生成促進やシミ予防、クマの改善などの美肌づくり、風邪予防にも効果的です。ビタミンCは水溶性なので、加熱すれば減少してしまいます。その点、生でそのまま食べられる柑橘類は、ビタミンCの供給源として最適です。

2-2.疲労回復にクエン酸

酸味にはクエン酸が含まれており、体内の酸性物質が減少したり、代謝を促して疲労回復、血をきれいにする働きがあります。カルシウムや鉄分など、ミネラルの吸収率を上げる働きも。

2-3.代謝を促進するビタミンB群

ビタミンB1や葉酸も多く含まれています。特にビタミンB1は糖質の代謝をサポート、炭水化物や甘いものが好きな方は積極的に摂り入れたい。

2-4.活性酸素を除去するヘスペリジン

皮の白い部分にはポリフェノールの一種であるヘスペリジン(=ビタミンP)が含まれています。抗酸化作用や毛細血管を強くする働きがあり、血流を促し、冷えの改善、免疫力を強くするのにも効果的。

2-5.爽やかな香り成分リモネン

柑橘類の爽やかな香りは果皮にあるツブツブの油胞にある精油によるものです。特有の香り成分リモネンが含まれ、不安やストレスが軽減されたり、気持ちを前向きにする効果が期待できます。

3.柑橘類の保存方法

春が旬の柑橘類は比較的多くのビタミンCを含んでいます。果実を冷蔵庫などで保存すれば、その消耗を抑えることができるといわれています。また、乾燥すると食味が落ちるので、ラップして包装したり、ポリ袋に入れるなどして冷暗所、冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。

4.本日の柑橘類・美味レシピ

本日は、熊本県北部にある植木町で、柑橘栽培を中心におこなっている宮本果樹園(熊本県)をご紹介いたします。

1年を通して旬の柑橘類、温州みかんをはじめ、施設不知火、グレープフルーツなどを栽培、販売しています。フルーツで「笑顔を届けたい!」と農業高校の学生などの研修生を受け入れるなど大家族で、愛情たっぷりに大切に育てています。

柑橘を栽培するうえで、太陽に水、土壌に客土、環境と土づくりは一番大切なことです。畑に魚粕などの有機物を中心とした肥料をまき、天然のミネラルを多く含んでいるカツオのエキスなどを与え、不足しがちな栄養素を補い、病気と害虫対策にも余念がありません。

それぞれの柑橘の収穫が終わると、息つく暇もなく、木が喜ぶようにと土づくりが始まります。葉っぱを手で握ると、水がほしいとか、肥料がほしいとか、木が訴えていること、木の様子がわかるとは、まさに職人の神業です。

収穫している「肥の豊」は、ハウス内で栽培されていますが、雨の多い時期などには病気が発生しないよう、水やりに気を遣っています。「はるか」は露地栽培されています。12月のまだ果皮が緑色のときに集荷し、はるか貯蔵専用のハウス内で、氷点下にならないよう、ストーブで温度調整を行いないながら、春の出荷を待ちます。

「ブラッドオレンジ」はモロ種という品種を栽培しています。イタリア原産といわれていますが、当地のハウス内の気候が似通っているのか、2月上旬まで、ぎりぎり木上で熟させていっせいに収穫し、コンテナに入れてハウス内で貯蔵・追熟させます。

寝かせることで酸味が抜けて、美味しくなりますが、酸味の抜け具合を調整するのに気が抜けません。初夏に向けて、国内で作られた品種を使いハウス栽培され、最後まで樹上完熟させてから収穫した、稀少な国産「グレープフルーツ」も出回る予定です。

美味しい柑橘類には、フルーツ自体の底力が感じられます。生で食べてよし、ジュースにしてよし、スムージーにしてよし、サラダのお供にしてよし、美味しい柑橘フルーツを食べて、毎日笑顔で過ごしましょう。

4-1.柑橘と焼き豆腐の胡麻マヨサラダ

  • 肥の豊かなさわやかな酸味で食欲アップ、おかず風サラダ!
  • 香ばしい豆腐と肥の豊の甘み、芽キャベツの苦みにドレッシングがよく合います!

【材料】(2人分)

肥の豊 1個、焼き豆腐 1/2丁(150g)、フルーツトマト 1個、芽キャベツ 5個、スプラウト(適量)

胡麻マヨドレッシング(A):マヨネーズ 大さじ3、酢 小さじ2、醤油、ごま油 各小さじ1、砂糖 小さじ1/2、すりごま(白) 大さじ1

【作り方】

1.手で皮をむいた手で皮をむいたデコポン、焼き豆腐、フルーツトマトは、それぞれ食べやすい大きさに切る。芽キャベツは軽くラップをして電子レンジで30秒ほど加熱し、冷ます。

2.ドレッシングの材料をすべて加えて混ぜ合わせる。

3.器に①とスプラウトを並べ入れ、②のドレッシングを添える。

4-2.はるかとシーフードの地中海風鍋

  • はるかとトマトの酸味が旨みの決め手!
  • 温めたはるかも甘酸っぱくて、美味!
  • やわらかなシーフードにトマトソースがよく絡んで、相性抜群!

【材料】(2~3人分)

はるか 1個、シーフード類(エビ6匹、ホタテ 6個、イカ 1杯)、マッシュルーム 8個、菜の花 1/3束、にんにく 1片、オリーブ油 大さじ1、白ワイン 50ml、

A:鶏ガラスープ 3カップ、トマト(中)2個(すりおろす)、

【作り方】

1.シーフード類、エビは殻をむき、背ワタをとる。イカは足をワタごと引き抜き、胴は軟骨を除いて皮付きのまま1cm幅の輪切りにし、足はブツ切りにする。マッシュルームは石づきを切りとり、菜の花は5cm長さに切り、はるかは7mm幅に輪切りにする。

2.鍋に、オリーブ油、にんにくのみじん切りとシーフード類を加えて炒め、白ワインを加えて軽く炒め合わせて、取り出す。

3.②の鍋に、鶏ガラスープを入れて火にかけ、沸騰したら、すり下ろしたトマトを入れて、数分弱火で煮る。

4.③に②とマッシュルームと菜の花、はるかを並べ入れ、蓋をして、野菜に火が通れば、出来上がり。

*鍋汁が残ったら、ご飯を入れて煮、最後にチーズを加えて、リゾットに♪

*魚貝類は、サッと炒めておくことで旨みが凝縮、臭みや縮むのも防ぎます。

*すりおろしたトマトの代わりにトマト缶1╱2缶(200g)を使っても。

*シーフード類の代わりに、冷凍シーフードミックスを使うと簡単。

4-3.ブラッドオレンジとチーズヨーグルト

  • 朝食に、デザートに、箸休めの一品に!
  • 甘みのあるフルーツと酸味のある乳製品の組合せは、相性抜群!
  • 柑橘類にはビタミン、ミネラル、食物繊維がたっぷり、ヨーグルトやチーズに含まれるカルシウムで、ベストパートナー!ひよこ豆の良質なタンパク質も摂れます。

【材料】(1人分)

ブラッドオレンジ 1/2個、カッテージチーズ 25g、プレーンヨーグルト(無糖) 100g、ひよこ豆(茹で) 適量、はちみつ 適量、チャービル 適宜

【作り方】

1.ブラッドオレンジは、皮をむき、一口大に切る。

2.器に、ヨーグルト、カッテージチーズ、ひよこ豆、①、チャービルを順にのせる。

3.お好みではちみつをかける。

おわりに

柑橘類は、風邪っぽいな、疲れたな、と思ったときに、ビタミンCやクエン酸の補給に威力を発揮してくれます。代謝をサポートするので太らない身体づくりに、気持ちを前向きにする精油成分も含まれているので、毎食、少しずつ食べましょう。

輪切りにして、紅茶やワインなどの飲み物に加えたり、めんつゆに果汁を加えたり、卵液に入れてフレンチトーストにしたり、鶏肉を煮込んでも美味しいです。抗酸化作用は外皮に多く含まれているため、マーマレードにしたり、砂糖漬けのピールにしたりするのもおすすめです。いつもの食事に、柑橘類を加えて楽しみましょう。

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