「甘酒」と聞けば、寒い冬を思い出す!いいえ、暑い時期だからこそ、「甘酒」の出番なんですよ。江戸時代、甘酒は夏の風物詩でした。夏に飲まれていた甘酒は冬にも飲まれるようになり、最近は一年中飲まれるようになりましたね。
今や、甘酒といえば、スーパーの棚にも数多く並んでいたり、手軽に取り寄せしたり、手作りしたり、身体にいいと飲んでいる人も多いのでは?!
生甘酒や乳酸菌、フルーツ入り甘酒、温かいだけでなく冷たく飲めるものも多く、種類が増えています。「天然の栄養ドリンク」「飲むサプリメント」「飲む美容液」などともいわれていますが、実は栄養成分や健康効果などが明らかになり、その栄養価が驚くほど高いことで注目を集めています。さぁ、甘酒で夏バテ知らず、甘酒の良さを見直してみませんか。
1.「甘酒」とは?
甘酒とは昔から飲まれてきた、今も変わらず高い人気を誇る伝統的な飲み物です。甘酒には米麹を原料にするものと、酒粕を原料にするものがあります。どちらも麹が発酵する働きを利用して作られた発酵食品です。
2.「米麹甘酒」とは?
米麹甘酒とは米糀から作る甘酒で、原料は米麹と米、水から作られています。必須アミノ酸やビタミン類が豊富、麹由来の食物繊維やオリゴ糖も含まれているので、腸内環境を整え、リラックスする作用、疲労回復、肌荒れやシミ、くすみを防ぐなどの美容と健康に素晴らしい効果があるとされる人気の飲み物です。よく「飲む点滴」とも呼ばれている甘酒ですが、点滴は栄養補給のためにブドウ糖や必須アミノ酸、ビタミン類の溶液からできているそうですが、甘酒の成分とほぼ同じ構成になっているようです。
2-1.米糀とは
発酵食ブームで注目の米糀ですが、蒸した米に「麹菌」という微生物を繁殖させたものです。醤油や味噌、酒、みりんなどにも使われています。日常的に食べることで、身体のエネルギー源となる糖やアミノ酸を効率良く摂取できるので、健康維持や体力増資、免疫力向上にもつながると期待されています。また、ダイエットにも効果的だといわれています。
米麹には、生麹と乾燥麹があります。生麴は米に麹菌を植えつけて発酵させたままのもので、乾燥麹は生麹を乾燥させたものです。生麹の方が麹菌の活性が高いからか、他の食材とすぐになじみ、甘みも強いようです。生麹はすぐに使わない場合は冷凍保存ができます。乾燥麹のほうが、常温等で長持ちします。どちらも甘酒作りに使えることができます。
2-2.アルコール分
甘酒というからには、アルコール分も最初から入っているのだろうと思いがちですが、アルコール分は含まれていません。市販されている商品はソフトドリンク(アルコール度数1%未満)に分類されているので、お酒ではありません。ですから、お子様も安心して飲むことができます。
2-3.甘み
米麹を利用して作られるので、米からの自然な甘味があります。砂糖を入れていないのに甘い理由は、麹に含まれるアミラーゼという酵素が米に含まれるでんぷん質を分解してブドウ糖にしてくれるからだそうです。胃にも優しい甘酒です。
2-4.甘酒のタイプ
甘酒には、ストレートタイプと濃縮タイプがあります。
・ストレートタイプ
そのまま飲めるように、味が整っているので、手軽に飲むことができます。瓶や紙パック、ペットボトルなどがあります。
・濃縮タイプ
自分で、水やお湯などで薄めて飲みます。パックされた状態で販売されているものが多いです。一般的には2~3倍に希釈して飲みます。牛乳や豆乳、コーヒー、ジュース(トマト・フルーツ系)、ジンジャーエール(無糖)などで割って(1:1)飲んだり、ショウガ汁やシナモンパウダー、抹茶パウダーなどを加えたりするのもおすすめです。他に、スムージーやヨーグルト、スイーツの甘み付けに使えます。
【自家製甘酒の作り方】
一般的には粥を炊いて米麹と合わせ、55~60度を超えないくらいの温度で8~10時間おき、茶色っぽくなって甘みが出てきたら、できあがりです。麹菌の働きは60度前後で活発になり、米のデンプンが分解されブドウ糖やオリゴ糖に変化するので、自然な甘味のある甘酒になります。
2-5.料理に使う
ただ飲むだけでなく、少し甘みが欲しい時に味のアクセントとして使ったり、調味料として、砂糖やみりんの代わりに使ったりすることができます。特に、甘酒は発酵食品なので、調味料として使いやすく、素材の旨みを引き出してくれる利点があります。マヨネーズの代わりに使ったり、砂糖の代わりに醤油と混ぜて使ったり、味噌と甘酒は好相性です。
砂糖やみりんのように使うなら、日持ちさせるためにも、濃縮タイプを煮詰めて甘麹にしましょう。作る価値のある美味しさです。
【甘麹の作り方】
濃縮タイプの甘酒を弱火にかけ、70度以上にならないように注意しながら、ときどきへらで底から返して、10~15分煮て、水分をとばします。焦げやすいので気をつけましょう。とろりとしてきたら、できあがりです。保存容器に入れて、冷蔵庫で、1週間ぐらいを目安に使い切りましょう。冷蔵保存もできます。自然な甘みは、さまざまな料理やデザートに使えて重宝します。
2-6.他の種類
米麹甘酒の他に、以下の種類があります。
- 玄米麹甘酒:必須アミノ酸、食物繊維、ビタミンB群、GABAなどが豊富。
- 大麦甘酒:豊富な食物繊維がバランス良く含まれている。
- 乳酸菌入り甘酒:メーカーにより、各種乳酸菌が含まれている。
- 生甘酒:加熱処理していない(酵素が生きているといわれる)麹甘酒。
- 豆乳やフルーツを入れた甘酒。
- サツマイモなどを加えて発酵させて甘酒。
- 寒天や塩を入れて、飲みやすくした甘酒。
多種多様の甘酒が出ているので、ご自分に合ったお好きなものを選びましょう。甘味料や別の栄養素が入っているものなどもあります。
3.「酒粕甘酒」とは?
世界的にも日本酒は人気ですが、日本酒の搾りかすといえば、昔から食べられてきた発酵食品「酒粕」です。この酒粕を溶かして作られたのが甘酒になります。酒粕には腸内環境を整えたり、新陳代謝が上がり、健康・美容成分が豊富だといわれています。熱湯で酒粕を溶いて、お好みで砂糖などの甘みを加えて混ぜればできあがり!すぐに飲める手軽さも魅力です。
3-1.酒粕とは
酒粕とは、日本酒を作る時に同時にできるものです。お酒を造る時に、米と麹を原材料に、麹菌による発酵と酵母菌のアルコール発酵によって作られます。その上澄み液が日本酒で、残った白色の固形物が酒粕です。酒粕には日本酒のようなフルーティな香りとコクがあるのが魅力です。
3-2.アルコール分
もともと酒粕にはお酒のアルコール分が含まれています。日本酒は、市販されている酒粕甘酒に含まれているアルコール分は1%未満といわれていますが、使用する酒粕によってはアルコール濃度が異なるため、それ以上のアルコール分が含まれている可能性がありますので、お酒に弱い方、お子様や妊婦さん、車の運転前には気をつけましょう。
3-3.甘み
甘味はありません。甘味が無いので物足りない、という方は、甘みを加えましょう。市販のものは甘味料が入っているものも多いようです。
3-4.料理に使う
煮物やお鍋に入れるなど調味料としてみたり、スイーツに加えたりと大活躍します。酒粕は発酵食品であり、コクや風味をプラスしてくれます。味噌と混ぜれば発酵食の旨みの相乗効果が生まれ、豆乳と混ぜればチーズのような美味しさです。最近は、酒粕を溶かして使う酒粕ペーストは、人気です。
【酒粕ペーストの作り方】
細かく手でちぎった酒粕100gに水50ml~100mlを入れ、酒粕を溶かすだけです。溶けにくい場合は電子レンジで30秒くらいずつ加熱しするのも良いです。さまざまな料理に使うことができます。塩麹のように肉や魚を漬けて風味を付けたり、野菜炒めの隠し味、卵焼き、味噌汁に加えるとおいしいです。
4.甘酒を美味しく飲むためには?
4-1.飲むときに
- 飲む量の目安は、コップ1杯(100ml~150ml)~2杯くらいです。1日に多くの量を摂るよりも、毎日続けて、少量を飲むことで、効果が得られるようになります。
- 甘酒の中に含まれる麹菌や酵素を失活させないためにも、温めすぎないように。
- ショウガの絞り汁を加えれば、身体も心も温めてくれ、冷え性対策にも。また、甘みを和らげてくれます。
- 甘酒は栄養価が高い飲み物で、脂質もほとんど含まれていないため、ダイエットのみかたともいわれています。しかし、良質な糖質、糖分も多く含まれています。飲み過ぎてカロリーオーバーにならないように気をつけましょう。
4-2.飲むタイミング
- 朝ご飯や午後のティータイムに。
糖質は脳の働きを活発にしてくれるので、仕事や家事が捗ります。また、疲れた時に飲めばリラックス効果も望めます。
- 食事する30分くらい前、小腹が空いた時におやつの代わりに。
米から作られる自然な甘みのある飲み物なので、適度な満腹感もあり、腹持ちも良く、口当たりも優しいので、飲んで満足感があります。無理なく、食事に満足したり、間食を止めたりできます。
- 食欲がない時に。
食事の代わりに甘酒を飲めば、最低限のエネルギー補給ができます。
- 冬の寒い時、夏の冷房で身体が冷えた時に。
ひと肌に温めたものをゆっくり飲みましょう。身体の芯から温まり、免疫が活性化するといわれています。
- 夏の暑い時に。
冷やしたものを口に含みながら、ゆっくり飲みましょう。夏バテ予防に役立ちます。
- 体力回復に効果的。
栄養豊富な甘酒は、一年中飲むことができます。
甘酒はホットでもコールドでも手軽に飲むことができ、免疫力を上げて丈夫な身体づくりをしてくれる機能が注目されています。「発酵食品」のひとつとして米麹や酒粕の豊かな風味の味わいある甘酒を手軽に取り入れて、健康に美容に嬉しい、毎日の習慣に取り入れてみませんか。
4-4.【おすすめ商品】やさしい甘酒習慣
【やさしい甘酒習慣(冷蔵)500g】稲垣来三郎匠(長野県)/価格:540円(税込)
4-5.【おすすめ商品】やさしい甘酒習慣とは?
信州飯田にて、創業約100年、伝統の発酵食品、信州味噌・甘酒・漬物などを扱っています。特に、甘酒は昭和50年頃から発売しており、そのまま飲めるストレートタイプから濃縮タイプ、発芽玄米で作った甘酒まで、たくさんの種類があります。
「やさしい甘酒習慣」は昨年発売された商品です。自社アンケートによると、甘酒は健康や美容にも良さそう、と82%の回答、その反面、ドロッとしている・粒が残っている・のど越しやのどを通る感覚が苦手、52%でした。この商品は、すべての「苦手ポイント」をクリアにし、甘酒を毎日の習慣にしてほしい、という思いで作られています。特徴は以下の3つです。
- 粒感がなく、サラッとした飲み心地!
- くどさがない、やさしい甘さ!
- のど越し、後味もすっきり!
原材料は国産米の白米と自社で製造した米麹、中央アルプスの井戸水で造られた長野・信州の歴史ある甘酒です。“抜け掛け”という時間と手間を要する技法で白米をじっくりと蒸しあげ、一晩かけて充分に発酵させています。ここに、寒さ厳しい時に乾燥させると良いといわれる信州名産の寒天を加えて、分離しにくく、サラッとした飲み心地で、粒感なく仕上がっています。
手造りにこだわることで、単純な甘みだけではないコクと深みのある甘さです。しかも、糀甘酒でノンアルコールなので、お子様にも安心しておすすめできます。また、グラスに注ぎやすく、冷蔵庫に保管しやすい、便利なスパウト付きスタンドバックです。
牛乳や豆乳、ジュースなどで割ったり、グラノーラにかけたり、フルーツを加えてデザートにしたり、味噌汁やお鍋にチョイ足しもおすすめです。
甘酒には“飲む点滴”といわれるほど豊富な栄養が含まれています。無加糖であり、白米と米麹のみで作られているため、低カロリー、ダイエット食品としても期待されています。毎日の習慣に甘酒を加えましょう。
5.美味レシピ
☆アサリと野菜のふわふわ卵焼き、甘酒ドレッシングかけ
【材料】2人分
アサリのむき身(缶詰) 1缶(固形50g)、タケノコ(ゆで) 50g、シイタケ 2枚、パプリカ 1╱3個、三つ葉 1╱2束、オリーブ油 小さじ1+大さじ1
A:卵 4個、甘酒 大さじ4、塩 少々
B(ドレッシング):甘酒 大さじ2、レモン汁・オリーブ油 各小さじ1
【作り方】
①タケノコとシイタケ、パプリカは1cm角の大きさに切る。フライパンにオリーブ油 小さじ1を加えて野菜をサッと炒める。
②ボウルに(A)を加えて混ぜ、①を加えて混ぜ合わせる。
③フライパンにオリーブ油 大さじ1を加えて強火にかけて、油を全体になじませる。②をかき混ぜながら一気に加える。卵の縁が白っぽくなってきたら、全体を大きくかき混ぜ、平らにまとめていく。
④ふわりとまとまれば、火を止める。2cmの長さに切った三つ葉を加えて器に盛る。混ぜた(B)をかける。
*ドレッシングは、サラダやカルパッチョにもお使いいただけます。