お酢はカラダに良いと、ご存じの方も多いはず!でも、お酢は、そのまま使ったり、飲んだりすると、特有のツーンとした感じが苦手な人も…。
フルーツや甘みが効いたビネガー類は店頭にたくさん並んでいますが、お酢を使って、果実で漬けるフルーツハーブビネガーをご自分で作ってみませんか。簡単に、酢とフルーツ、ハーブで作るフルーティなビネガーは、ツーンとした酢カドが取れて、フルーツの甘みや旨みがアップ、毎日のお料理に、ドリンクにと、大活躍してくれます。 フルーツハーブビネガーは、免疫力が上がり、疲労回復効果も絶大とか…!?秋の夜長に、フルーツハーブビネガーを使ったドリンクをゆっくり楽しむのもいいですね。
1.フルーツハーブビネガーの魅力とは
お酢にお好みのフルーツとハーブを漬けて作るのがフルーツハーブビネガーです。お酢特有のツーンとした感じがなくなり、フルーツの甘い香りと甘み、ハーブのさわやかな風味が混じりあい、やさしい酸味のフルーツハーブビネガーになります。
冷水や炭酸水で割れば、香り豊かなすっきりとした味わいのドリンクに、ヨーグルトにかけたり、スイーツにプラスしたり、料理の調味料としても万能です。
2.材料を選ぼう
フルーツハーブビネガーの材料は、酢、フルーツ、ハーブ。とてもシンプル!お好きな酢を選んで、旬のフルーツ、生やドライのハーブなど、アレンジは自由自在です。季節によって材料を変えたりして、お好みの味わいを見つけるのも楽しいですね。
2-1.酢(ビネガー)
お酢は日本人にとってなじみの深い調味料です。“ビネガー”という言語には、りんご酒やぶどう酒から作られる“酸っぱいふどう酒”という意味合いも含まれています。
お酢は単に酸味を加えるだけではありません。魚や肉をさっぱり仕上げたり、素材本来の旨みやコクを上手に引き立ててくれたり、お酢は美味しさのコツをちゃんと知っています。また、抗菌効果、疲労回復効果、食欲増進作用など、身体にとって嬉しいことがいっぱいなのがお酢です。
お酢は種類も豊富ですので、お好みのお酢を選びましょう。使いやすいのは、ワインビネガーやアップルビネガー(リンゴ酢)がクセがなく、色や香りともにフルーツやハーブとよく合います。他に、純米酢、穀物酢、黒酢などもおすすめです。
2-2.フルーツ
フルーツには、ビタミン、ミネラル、食物繊維、ファイトケミカルなどが含まれています。特に、ファイトケミカルには強い抗酸化作用があり、免疫力を高め、病気の予防に役立ちます。フルーツの種類により野菜と同じ働きが期待されています。
また、爽やかな食感を与える有機酸が多く含まれていて、唾液の分泌を促してくれるので食欲もアップします。生の果物に含まれる酵素は食べ物の消化を助けてくれるほか、カテキンによる口臭除去効果もあります。
2-3.ハーブ
ハーブと呼ぶ植物はたくさんあります。ハーブは緑だけでなく、花の美しさを楽しんだり、葉や茎の部分を使ったもので、生(生鮮ハーブ)の状態で使ったり、乾燥させたりして使います。
ハーブは香りがあり、料理などに使うハーブはスパイスの仲間です。種類が多く、古くからヨーロッパ諸国ではオレガノ、バジル、タイム、パセリ、ローレル、ローズマリー、セージ、和風のしそなどの葉や花の香りを食用にしたり、薬草としても取り入れたりしてきました。
多くのハーブは、メディカルハーブにも通じており、また料理を美味しく楽しいものにするだけでなく、私たちの身体の不調やバランスを整え、健康の維持、増進につながると健康への役割が高まっています。
3.フルーツハーブビネガーを作るためのポイント
美味しいフルーツハーブビネガーを作るためのコツ、準備と保存法などを知ってから、作りましょう。
保存容器を準備する
容器は密閉できる瓶で、フルーツやハーブを入れたり、漬け込んだりするために、浅めのものより瓶状の深めのもの、瓶の口も大きめのものを用意します。大きさは300mlぐらいがおすすめです。使いやすく、量も少なめなので使い切りしやすいサイズです。
容器は使う前に、煮沸消毒、熱湯消毒をしておきます。水分が残っているとカビなどの原因になりますので、しっかり乾燥させることも忘れずに。容器の蓋は金属製ではなくコルク栓やプラスチックなどのものを選びましょう。金属製しかない場合は、錆びやすいので、瓶と蓋の間にラップを挟んで閉めてください。
作るときの注意ポイント
作り方はいたってシンプル!保存容器にハーブとビネガーを入れるだけです。1週間目から、ドリンクにしたり、料理に使ったりできます。2週間もすれば、しっかりと味がなじみます。
- フルーツやフレッシュ(生)ハーブは、水洗いした後、しっかりと水気を拭き取ります。
- フルーツやハーブを容器に入れたら、ビネガーを注ぎます。この時、フルーツやハーブが空気に触れている部分があると、カビが生えることがあります。必ず、ビネガーに浸かるようにしましょう。
- フルーツとハーブにビネガーを加えた後は、直射日光の当たらない冷暗所に置きます。
- 1日1回、良く振って全体をなじませます。
- 2週間ほどしたら、フルーツとハーブを取り出します。冷蔵庫に入れて、1〜2ヶ月を目安に使い切りましょう。
ハーブについて
- バジルやミントの茎に少し苦み、水分が多く含まれているので、葉の部分だけ使うのが良いです。
- ハーブはフレッシュでもドライでも大丈夫ですが、少量から始めることがコツです。ドライハーブを使う時は、フレッシュハーブの体積量の1╱3程度で十分です。味わいに慣れてきたら、次から少しずつ増やしましょう。
- アクセントに、胡椒や唐辛子、ガーリック、ジンジャー、マスタードシードなどのホールスパイスを少量プラスするとコクが出て、味に奥行きが出ます。スパイスは酸化防止のためにもホールで使うのがポイント。
漬け込んだフルーツやハーブはどうするの?
- ハーブはフレッシュでもドライでもOKですが、特にフレッシュを使った場合は透明感のあるフルーツビネガーを作るために、2週間ほどしたら、フルーツと一緒に必ず取り出してください。劣化の原因にもなります。
- 取り出したフルーツやハーブは、料理に加えたり、カレーの隠し味にしたり、ジャムにしたり、ドレッシングの中に加えたり、ヨーグルトにかけたり、煮込んでソースにして焼いた肉や魚に添えたりしましょう。旨みたっぷり、美味しいです。冷凍保存も可。
糖分は加えないの?
- 糖分を加えなければ、フルーツやハーブの自然の味と香りがメインですから、フルーツやハーブのエキスをそのまま飲めることに。お料理にもそのまま使うことができます。酸っぱさが苦手な人にもフルーツの柔らかさで食べやすくなります。甘みが欲しい時には、必要な量の甘みをその都度加えると良いでしょう。
- 最初から、甘みのあるフルーツハーブビネガーを作ることもできます。フルーツやハーブと一緒に甘みを加えてください。甘みは、氷砂糖、グラニュ糖、白砂糖、黒砂糖、ハチミツなど。甘みの量は、酢:フルーツ:糖=2:1:1が基本の味つけです。酢に慣れていない方や甘みが出にくいフルーツ使いなら、1:1:1。
どのくらい飲めばいいの?
- 1日に大さじ1~2程度です。そのまま原液で飲むと胃を痛めてしまうことがあるので、水などで4~5倍以上に薄めてください。料理などに使った日は、特に飲む必要はありません。お酢はさまざまな健康効果がありますが、一度にたくさん摂るよりは、継続的に毎日少量ずつでも、飲むことが大切ですよ。
4.ハーブビネガーの活用法
ハーブビネガーは料理に使うのはもちろんですが、いろいろな用途に利用することができます。
サワードリンクとして楽しむ
- グラスの中にハーブビネガーを入れて、お好みですが4~5倍の水で希釈すればできあがりです。炭酸水やお湯で割ってもOKです。また、牛乳で割るとヨーグルトのような味わいが楽しめます。
*お好みでハチミツやシロップなどをプラスしましょう。
デザート感覚で楽しむ
- ヨーグルトやアイスクリームにかけて、デザート風に。
テーブルにおいて、料理の幅を広げる
- レモンの代わりに、唐揚げなどの揚げ物、焼き肉や焼き魚などにかけるとさっぱりといただけます。
- お酢の代わりに、焼きそばやラーメン、餃子などにテーブルビネガーとして使います。
ドレッシング使いをして食卓を彩る
- サラダやカルパッチョなどのドレッシングとして、オリーブオイルと塩、胡椒と一緒に、そのままかけたり、合わせたりします。
お好みのお酒を加えて、夜を楽しむ
- ワインやウォッカ、日本酒、焼酎に入れて、水や炭酸などで割るとデザートカクテル風に。
5.美味レシピ3選
5-1.3種のフルーツハーブビネガーを作る!
トロピカルな香りいっぱいのパイナップル、フルーツともいわれる甘いフルーツトマト、甘みと酸味のバランスが良いキウイフルーツ、それぞれのフルーツで作ってみましょう。1種種類だけでも、ミックスしても、アレンジ自在です。1週間もすれば、飲み頃、料理にも使い勝手が良い、フルーツハーブビネガーの完成です。
(A)パイナップル
- パイナップルを使い、ドリンクにも、デザートにも。
【材料】
- パイナップル ・・・ 100g
- タイム ・・・ 1~2g
- 白ワインビネガー ・・・ 150cc
【作り方】
- パイナップルは皮をむいて芯を切り取り、一口大に切る。
- 保存瓶に、パイナップル、タイムを入れ、白ワインビネガーを注ぎ入れる。
(B)フルーツトマト
- フルーツトマトを使った料理にも使いやすい味わいに。
【材料】
- フルーツトマト ・・・ 100g
- バジル(葉のみ) ・・・ 4~5枚
- 純米酢 ・・・ 150cc
【作り方】
- フルーツトマトは皮付きのまま、一口大に切る。
- 保存瓶に、フルーツトマト、バジルを入れ、純米酢を注ぎ入れる。
(C)キウイフルーツ
- キウイフルーツを使ったさっぱりとした味わいに、甘みをプラス。
【材料】
- キウイフルーツ ・・・ 100g
- イタリアンパセリ ・・・ 1~2本
- 氷砂糖 ・・・ 100g
- リンゴ酢 ・・・ 150cc
【作り方】
- キウイフルーツは皮をむき、一口大に切る。
- 保存瓶に、氷砂糖、キウイフルーツ、パセリを入れ、リンゴ酢を注ぎ入れる。
- フルーツやハーブはしっかりと水気を切りましょう。
- 1日1回くらい、良く振って、全体になじませます。
- 漬け込んでから、2週間ほどしたら、フルーツとハーブを取り出し、冷蔵庫で保存しましょう。
5-2.フルーツハーブビネガーを使ったレシピ
さっぱり甘酒バナナポンチ
- 夏バテ防止に飲まれる甘酒とフルーツハーブビネガーでダブルの疲労回復効果!
- 角切りのフルーツを加えて食べ応えたっぷり!
【材料】(1人分)
- 甘酒 200ml
- フルーツハーブビネガー(パイナップル) 大さじ1強
- バナナ 1/2本
【作り方】
- グラスに甘酒とフルーツハーブビネガーを加えてよく混ぜ、角切りにしたバナナを加える。
*お好きなフルーツを加えて、食べましょう。
トマト風味の甘酢あんかけオムレツ
- スペイン風のオムレツに、トマト風味のフルーツハーブビネガーを加えて、さっぱりとしたあん仕立てに!
- オープンオムレツなので、手軽に焼けます!
【材料】
- 卵 3個、鶏ひき肉 80g
- ゴーヤ 4cm
- 赤ピーマン 1個
- 玉ねぎ 1/6個
- 塩・こしょう 各少々
- オリーブ油 適量
- バジルの葉 適量
(A)
- フルーツハーブビネガー(フルーツトマト) 大さじ1
- トマトケチャップ
- 片栗粉 各小さじ1
- 水 100ml
【作り方】
- 野菜類は粗みじん切りにする。フライパンにオリーブ油を少々加え、鶏ひき肉と野菜類を加えて炒め、塩、こしょうで味つけし、いったん取り出す。
- ボウルに卵を溶き、①を加えて混ぜ合わせる。オリーブ油を少々加えた小さめのフライパン(直径20cm)に卵液を流し入れる。全体をはしで大きくかき混ぜ、固まってきたら、蓋をして弱火で数分焼く。器に盛る。
- 小鍋に(A)を加えて、火にかけてかき混ぜ、とろみがつけば、②の上からかける。バジルの葉を散らす。
鯛のカルパッチョ&ズッキーニとニンジンの甘酢和え
- 鯛のお刺身と色合いの美しい和え物!
- 氷砂糖を加えた甘めのフルーツハーブビネガーだけで味つけ!
- フルーツハーブビネガーにオリーブ油と塩、胡椒で簡単ドレッシング!
《鯛のカルパッチョ》
【材料】
- 鯛(刺身用)100g
- フルーツハーブビネガー(キウイフルーツ) 適量
- オリーブ油 適量
- 塩 適量
- 粗挽き黒胡椒 適量
【作り方】
- 鯛は食べやすい大きさに切り、器に盛る。
- 鯛に、フルーツハーブビネガーとオリーブ油をひと回しし、塩と粗挽き黒胡椒を全体に振る。
《ズッキーニとニンジンの甘酢和え》
【材料】
- ズッキーニ 1╱2本(8cm)
- ニンジン 4cm
- フルーツハーブビネガー 大さじ1
【作り方】
- ズッキーニは長さを半分に切り、ニンジンとともに千切りにする。
- ボウルに①を入れ、フルーツハーブビネガーを加えてあえ、器に盛る。
*テーブルビネガーとして、ドレッシングミニボトルなどに、少しのフレッシュなフルーツとハーブ(ドライでも良い)を入れ、ビネガーを注ぐだけでもOK。
6.おわりに
お酢は世界最古の調味料といわれています。酢の風味で料理はさっぱりと食べることができ、疲労回復効果、食欲増進効果、ダイエットにも人気とか。また、酸味だけでなく、旨みやコクもあり、料理の味を引き立ててくれます。
魅力いっぱいのお酢ですが、新鮮なフルーツの香りやコク、ハーブの爽やかな香りと味わいがお酢に移り、いつものお酢をまろやかに美味しくしてくれます。味や香りを楽しみながら、身体と心にパワーをくれるフルーツハーブビネガーは、日々の食事を豊かにしてくれます。お酢に、冷蔵庫に残っているフルーツやハーブを入れて、手軽に始めてみませんか。
今年の夏は酷暑が続きましたね。秋バテ防止に役立つフルーツハーブビネガーをお楽しみください。