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【調味料ソムリエプロが厳選!】おすすめの「ごま油」3選をご紹介!

【調味料ソムリエプロが厳選!】おすすめの「ごま油」3選をご紹介!
MICHIKO 調味料ソムリエプロ

執筆者
MICHIKO 調味料ソムリエプロ

野菜ソムリエプロ・カレーマイスター・食養生士・料理研究家・調味料研究家・調理師 食と健康と美をテーマに、講師・講演・セミナー・料理レシピ・調味料紹介や批評、開発・コラムの執筆などを手がけ、テレビ・雑誌の出演多数、著書も多い。生活習慣病などの生活や食事アドバイスもしている。

ごまと言えば、「開け! ごま」。

中東のおとぎ話「アリババと40人の盗賊」に出てくる呪文ですが、ごまは貴重品だったのですね。
さて、ごま油というと、オリーブオイルと並んで、家庭に常備されている油のひとつではないでしょうか。ふわっと豊かな香りが食欲をそそるごま油は、炒め物にも、揚げ物にも、生でも使える、使い勝手の良い油です。ほかの植物油に比べると酸化しにくく、健康オイルとしても人気です。中華料理を中心に様々な料理に利用されていますが、実は色や製法の違いにより香りも味わいも違います。ごま油の選び方や使い方のコツを知り、毎日の調理に活用していきましょう。

1.「ごま」とは?

1-1.ごまの歴史

原産地はアフリカのサバンナとされ、エジプトやインドでは紀元前1100年から食用や薬用として栽培されてきました。日本では縄文遺跡から種子が出土していて、仏教とともに禅僧の精進料理として、豆腐とともに食べられてきました。最古の書物では不老長寿の妙薬とされ、世界最古の健康食品ともいわれています。

1-2.ごまの種類

種子の外皮の色によって、白ごま・黒ごま・金ごまの大きく3種類に分けられます。色や形、大きさなど様々なごまがあり、世界には約3000種類あるといわれています。国内に流通しているごまのほとんどが輸入品で、国内生産は手間がかかるため難しいのが現状です。

・白ごま

世界各地で生産されています。白ごまは黒ごまに比べて皮が白くて薄いのが特徴で、マイルドな風味とかすかな甘みがあります。白ごまは黒ごまに比べて、脂質(リノール酸やオレイン酸)が多いため、主にごま油の原料は、白ごまです。

・黒ごま

中国や東南アジアが主な産地です。香りが強く香ばしく、脂質は少なく、あっさりとした味わいです。ごまの種皮の黒い色にはアントシアニンというポリフェノールが含まれているため、抗酸化作用が期待できます。他に、不溶性食物繊維の一種であるリグニンやカルシウムが含まれていて、薬効も高いとされています。

・金ごま (黄ごまや茶ごま)

明るい黄金色の外皮から、金ごまと呼ばれています。白ごまや黒ごまと比べると脂質が高く、ごまの中でも際立って香り高く、コクのある味わいです。種皮にはフラボノイドが含み、抗菌作用があります。希少な高級品として使われる事が多いです。

2.ごま油とは?

たくさんのごまの種子をギュッと絞って作られるごま油は、栄養価も高く、抗酸化物質も豊富に含まれています。

2-1.ごま油の種類

ごま油には、主に「焙煎ごま油」と「太白ごま油」の2種類があります。料理に合わせて、使い分けるのがおすすめです。

・焙煎ごま油

白ごまの種子を焙煎して油分を搾った油で、一般的にごま油といわれるもので、古くから馴染みのある油です。色は琥珀色をしており、特有の香ばしい香りと甘みとコクがあります。焙煎温度の違いにより味・香り・色が異なります。焙煎の浅いものから薄口ごま油がつくられ、焙煎の深いものから濃口ごま油がつくられます。含まれるセサモリンは、加熱すると抗酸化作用がアップするといわれています。風味の強い焙煎ごま油は中華料理など何にでも合います。加熱料理に、風味付けに料理の仕上げに加えても。

・太白ごま油

太白ごま油は通常のごま油とは異なり、原料のごまを焙煎しないで、種子からそのまま搾られた油です。色はほぼ無色透明で澄んでいて、ごま特有の強い香りはなく無臭です。少量でも満足感があり、旨みが生きています。あっさりとした味わいの中に、独特のコクと甘みがあり、クセのない上品な風味が特徴です。

淡白な太白ごま油は、サラダや卵焼き、炒め物等に使えば、旨みがプラスされて美味しい仕上がりに。天ぷら油や製菓などにも向いています。他に、黒ごまを使った黒ごま油、金ごまを使った金ごま油などがあります。

2-2.ごま油の製法

油の搾り方には大きく分けて3種類の方法があります。

玉じめ絞り法

江戸時代から続く伝統製法で、全国の生産量もわずかな高価な油です。本来は臼にごまを入れ玉石で押し搾ることから「玉締めしぼり」といわれています。 低い圧力でゆっくりと油を絞り出すため、摩擦熱による油の酸化がしにくく、見た目にも透明感のある琥珀色、ごま本来のコクや甘みのある芳醇な風味が凝縮されています。生食用に和え物や刺身に数滴たらしたり、炒め物の仕上げに使うと料理の美味しさが際立ちます。

・圧搾法

江戸時代には行われていたといわれている圧搾ごま油は、圧力をかけてごまから油を搾り取る方法です。手間と時間がかかりますが、香り高く、味わいにもコクがあります。ラベルに、「圧搾」や「純正」などと書かれていることが多いです。原料を1回だけ、圧搾機で搾って搾油した油のことを「一番搾り」といいます。油にごま本来の風味や栄養分がそのまま残され、自然の味や香りを楽しむことができます。料理の仕上げや和え物などに使うと、その風味を存分に味わうことができます。

・抽出法

大量生産しコストをかけずに大量生産できる方法で、化学溶剤を用いてごまから油を溶かし抽出する方法です。ごまに含まれる油分をほぼ効率よく搾り取ることができますが、香りや味わい、栄養素は圧搾ごま油に比べて落ちるものが多いようです。香料などが加えているものもあり、一般的に価格も安価です。

2-3.ごま油の栄養 (N-6/オメガ6系脂肪酸)

ごま油の原料のごまは、スーパーフードのひとつです。高品質なタンパク質が豊富で、特にごま特有の成分にはセサミンをはじめとするゴマリグナンがあり高い抗酸化力が注目されています。血液の中の活性酸素の働きを抑えてくれるのでアンチエイジングや美容にもいいとされます。他に、体内の脂質を酸化から守るとされるビタミンEなども含まれています。また、リノール酸やオレイン酸といった不飽和脂肪酸が多く含まれ、免疫力を高めたり、コレステロール値を下げる効果が期待されています。ごま油は大事な栄養素ですが、油はカロリーが高いので、適量を心がけましょう。

3.調味料ソムリエプロがおすすめ「ごま油」3選

(1)「九鬼 生でかけて味わうごま油」(九鬼産業株式会社・三重県)

「調味料選手権2014・野菜を食べよう!サラダ部門」で入賞。明治19年、三重県四⽇市にてイギリスから丸絞式搾油機を輸入し、菜種油やごま油等の精油業として創業を開始しました。創業以来、昔ながらの手間のかかる「圧搾法」によってごま油を搾っています。厳選したごまを焙煎して圧搾機で油を搾り出し、何度も静置ろ過を繰り返してごま油が出来上がります。ごま本来の風味を最大限に引き出した、品質の高いごま油です。

ごま油というと、中華料理の炒め物や老舗店で使われる天ぷらを思い浮かべる方が多いと思いますが、ごま油は独特の香りと旨みがあるのでオリーブオイルと同じように、何にでも使える油です。加熱調理だけでなく、そのまま料理の仕上げにひと回ししたり、ドレッシングの材料等にすることができます。ごま油を「生使い」してほしい、という思いから、ごまを低温で焙煎し、圧搾法による一番搾りのみを使った油が、「生でかけて味わうごま油」です。ごまのほどよい香りが食欲をそそり、上品なコクと甘み、旨みが料理においしさをプラスしてくれたり、ツヤのある鮮やかな色合いで料理映えします。

手軽な使い方は、春キャベツを手でちぎって、ごま油をかけ、塩やレモン汁をかければ手軽なおつまみに。サラダや冷奴、味噌汁、卵かけご飯、カルパッチョ、インスタントラーメン、アイスクリーム等に小さじ1╱2くらいかければ、手軽に味変ができます。手にごま油と塩、ご飯をのせておにぎりに。買ってきたお惣菜を温めたり、手作りの炒め物などに少量かければ、旨みも倍増します。餃子などにはごま油と胡椒の組合せが最高です。生使いで、ごま油の美味しさを堪能してみませんか。

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「ジャコと大葉のごま風味パスタ」

ジャコの塩味とごま油のコクと風味、調味料はごま油だけ!サッと混ぜるだけのお手軽パスタ!

  • 【材料】(ひとり分)
  •  パスタ 80g、ジャコ 10g、大葉 1枚、生でかけて味わうごま油 適量
  • 【作り方】
  •  ①たっぷりの熱湯に塩(湯量の1%強 分量外)を入れ、スパゲッティを袋の表示時間どおりに茹でて湯を切ります。
  •  ②器に、①とジャコ、千切りにした大葉を盛り付けます。
  •  ③上から生でかけて味わうごま油をかけ、全体を混ぜていただきます。
  •  ☆ごま風味の手作りドレッシング 
  •  A:生でかけて味わうごま油、酢、醤油、すりおろし玉ねぎ 各大さじ1
  •  ボウルにAの材料を加えてよく混ぜ、お好みのサラダにかけます。
  •  ☆市販のカップスープ、いつものスープにプラス
  •  スープに、生でかけて味わうごま油を少量かけます。

(2)「岩井純正胡麻油 金口」(岩井の胡麻油株式会社・神奈川県)

調味料選手権2020 審査員特別賞。白胡麻を軽く焙煎し、伝統的な圧搾法で搾油した薄色仕上げた純正胡麻油です。加熱調理すると香ばしい香りが長く続くので風味付けにも、ドレッシングなど生使いにも最適です。

金岩井純正胡麻油金口

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(3)「金ごま油」(株式会社山田製油・京都府)

金ごまを使った、昔ながらの圧搾法で搾った金ごま油で、香り高いまろやかなごま油です。風味を楽しむために料理の仕上げにかけるなど「生」使いがおすすめです。

金ごま油

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4.「ごま油」の使い方とは?

ごま油は、中華料理だけでなく和食やアジア料理にピッタリで、香りの良さと味わい深さに魅力があります。ごま油は熱に強く、酸化しにくい特徴があり、炒め物や焼き物、揚げ物などの加熱料理に向いています。また、料理に少量加えるだけで、ワンランクアップした美味しさに!ここでちょい足し使い方を伝授。

・納豆や冷奴、テイクアウトしたお弁当やお惣菜、パスタに、チョイかけします。

・卵焼きやきんぴらごぼう、肉野菜炒め、炒飯など、いつもの炒め物の油をごま油に代えたり、炒め物をした後の仕上げにひと回しします。

・揚げ物する際の揚げ油をごま油に代えたり、いつもの揚げ油にごま油をブレンドします。

・グリーンサラダや冷しゃぶサラダなどにほんの少し加えます。定番の中華ドレッシングに。

・野菜の和え物に少し加えたり、醤油や酢等を混ぜてマリネ風に。

・ごま油と塩を手に付けて、おにぎりを握ります。

・スープや味噌汁、インスタントラーメンの汁に数滴、加えます。

・お好みの野菜と塩、粗みじん切りの葱、ごま油を加えて、よく混ぜまて、やみつきネギ塩和えに。

・お好みの野菜に、塩とごま油、醤油等で味付け、にんにくのすりおろしを加えて、野菜のナムルに。

・パンに浸して食べたり、トーストしたパンに、バターの代わりに少量塗ります。

・アイスクリームやパンケーキにかけます。

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