海外移住しやすい国はどこ?メリットや選ぶ際の注意点をチェック

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海外移住しやすい国はどこ?メリットや選ぶ際の注意点をチェック

新型コロナウイルスの影響で海外旅行が厳しい一方、海外移住を決める芸能人が増えています。旅行ではなく移住となると相当の覚悟も必要ですよね。なぜ住み慣れた日本を離れ、海外移住するのでしょうか。今回のコラムでは、海外移住が注目される背景から、海外移住しやすい国などをご紹介します。「日本での生活に窮屈さを感じている」「老後は海外でのんびり過ごしたい」と考えている方は、ぜひご一読ください。

1.海外移住って本当に人気なの?

海外移住って本当に人気なの?

海外移住とは生活の拠点を海外に移し、生活することと定められています。ここでは、日本人の海外移住者数と、海外移住が人気の背景をご紹介していきます。

1-1.ロングステイと海外移住の違いとは?

海外生活におけるロングステイとは、生活の拠点は日本としながら、海外に2週間以上滞在することです。移住や永住ではなく、帰国を前提とした長期滞在で、観光というよりは現地での生活を目的としています。

一方、海外移住は観光ビザではなく、リタイアメントビザなどで入国したり、永住権を取ったりします。永住権を取っても国籍は日本のままなので、選挙権のような公的な権利はありません。日本国籍は世界的に信頼性が高く、日本国のパスポート所持者がビザなしで渡航可能な国は、2022年1月現在で192か国となっています。

1-2.新型コロナの影響はあるがトレンドは海外志向

2021年外務省の「海外在留邦人数調査統計」によると、海外への長期滞在者は永住者を含めて1989年からほぼ毎年増加傾向です。2005年には100万人を超え、新型コロナウイルスが流行し始めた2020年はやや減少しましたが、2021年の段階で134万人の人々が海外移住をしています。2021年の国・地域別在留邦人推計上位は以下のとおりです。

  • 1位:アメリカ(429,889人)
  • 2位:中国(107,715人)
  • 3位:オーストラリア(93,451人)
  • 4位:タイ(82,574人)
  • 5位:カナダ(70,892人)
  • 6位:イギリス(63,653人)
  • 7位:ブラジル(48,703人)
  • 8位:ドイツ(42,135人)
  • 9位:韓国(41,238人)
  • 10位:フランス(36,347人)

1位のアメリカは30%を超え、都市別ではロサンゼルスに在住する方の割合がトップでした。

参照:外務省|海外在留邦人数調査統計

1-3.海外移住が人気になっている背景とは?

海外移住が注目される背景には、大きく3つの理由が考えられます。

・グローバル化

情報技術が急速に発達した現代。パソコンやスマートフォンなどを利用すれば、日本にいながら世界中のどこでも、誰とでも繋がれる時代になりました。インターネットの普及により、海外はグッと身近な存在になり、実際に海外で暮らす人々の暮らしを見たり、声を聞いたりして、現地での生活をイメージしやすくなっています。また、パソコンさえあれば海外でも仕事ができる方で海外移住するケースもあり、多様な生き方が選べる世の中になっているといえます。

・デジタル化

日本ではデジタル庁の発足や押印廃止など、行政のデジタル化が進むものの、世界的に見ると芳しい状況ではありません。2020年に国連が行ったデジタル政府の調査によると、日本は14位と先進国の中でも低い結果でした。同調査で1〜3位になったのは、デンマークと韓国、エストニアでした。

デンマークでは、ヘルスケア領域でデータ活用がされ、韓国ではほとんどの行政サービスがオンラインで利用できます。新型コロナウイルスの拡大を受け、デジタル化は進んだものの、一向に進まない日本のデジタル化に見切りをつけ、海外に移住を決めているのも要因のひとつかもしれません。

・日本の高齢化

日本の総人口に占める65歳以上の割合は29.1%。2021年の高齢者総人口の割合は、世界の中でも日本がトップでした。高齢化に加え少子化も進んでおり、年金制度の維持が難しくなっています。年金保険料の引き上げや年金支給開始年齢の引き上げなどの対策が考えられていますが、そうした日本の社会保障制度に不安を覚え、海外移住を考える方も多く、物価が安くてビザが取りやすいアジア諸国を選んで移住するという選択をされる方もいます。

2.海外移住の魅力とは? 

海外移住の魅力とは? 

言語や文化の違いがある海外移住において、どのようなところに魅力があるのでしょうか?

2-1. 物価を選べる

海外移住を決めるポイントの1つは物価です。海外移住先として人気がある国は、日本よりも物価の低い場所が多いです。アジア圏や中南米では、日本の3分の1程度の金額で充分な生活が送れます。年金生活を送るうえで、金銭的な不安が少ないのはうれしいポイントですよね。なかには、物価の安い国で不動産や国債を保有し、居住権を手に入れる方もいます。

2-2. 気候を選べる

四季のある日本では、1年を通して寒暖差が激しく、夏の暑さや冬の寒さは厳しいですよね。温暖な気候の国に住めば、気候によるストレスから解放されます。また、気温の変動が少ない国であれば、夏服や秋服、冬服とたくさん洋服を用意する必要がなく、荷物も少なくてすみます。

なかには、気温だけではなく花粉症を理由に海外移住を決める方もいるようです。花粉症の季節には、鼻づまりや目のかゆみで毎年苦しんでいた方も、海外に移住して花粉症から解放された今「花粉が飛散する時期の日本では過ごせない」というほどとか。

2-3. 好きな国で生活できる

憧れの土地で生活できるのは、誰しも心が躍るもの。閉鎖的な部分がある日本から飛び出し、開放的な価値観に触れ、自由を満喫できる方も少なくありません。言葉や文化、価値観など全てが日本とは異なる海外生活で、新たな人生を送れることに喜びを感じる方もいるでしょう。なかには、旅行で訪れた国を気に入り、移住先として選ぶ方もいます。日本を離れても過ごしたいと思える国で人生を送るのは、なによりの幸せですね。

3.海外移住しやすい国とは?選ぶ際の注意点

海外移住しやすい国とは?選ぶ際の注意点

そんな魅力が多い海外移住ですが、やはり海外での生活は、日本での当たり前が通用しないようです。海外移住しやすい国はどのような視点で選択すれば良いのか解説します。

3-1. 治安は良い?女性一人の移住でも安心か

海外旅行で「スリや強盗に気を付けましょう」と注意喚起を受けたことがある方は多いのではないでしょうか。世界的に見ても日本の治安は良く、女性や子どもが一人で歩いていても、大きな事件に巻き込まれることは少ないです。

しかし、海外では一般人が踏み入れてはいけない危険な場所・地域や、スリや強盗などが頻繁にあり、たとえ治安の良い国であっても注意は必要です。各国の首都圏であっても、路地を1本入れば、危険なエリアであったというケースも少なくないです。事前にリサーチできる部分は必ず行ったうえで海外移住先を選択しましょう。

3-2. 食文化は合うか

当然ながら、海外の食文化は日本食とは異なります。人によっては、現地の食文化に馴染めないことがストレスの原因になることもあります。移住を決定する前に、旅行やお取り寄せなどで現地の味との相性を確認しておくのがおすすめです。また日本食が恋しくなった時のために、日本食を扱うスーパーや日本食のお店が近くにないか調べておきましょう。海外で売られている日本食材は輸入品ということもあり割高な傾向です。

3-3. 移住先の言語を話せるか

ショートステイであれば、身振りや手振りなどでコミュニケーションを取っていけるかもしれません。しかし海外移住では、当然現地の言葉でコミュニケーションを取っていく必要があります。買い物や手続き、人々とのコミュニケーションにおいて、言語力は欠かせません。移住したい国があるなら、事前に現地の言葉を学び、日常生活で困らないレベルで会話ができたほうが良いでしょう。ちなみに世界の3大言語は英語、中国語、スペイン語です

3-4. 仕事はあるか

現地で仕事を探すのは、言語の面でも、採用の面でも簡単ではありません。事前に日本にいる間にリサーチできるようであればしておきましょう。日本人であることが活かせる仕事(日本語教師、日本食シェフなど)を見つけるのも良いでしょう。

なお、取得しているビザの種類によっては、働くことが禁止されているものもあります。必ずビザの条件を確認しましょう。また経済情勢によってビザの条件も変わることもあります。最新情報は、外務省、領事館・大使館等が発信している公的機関が発信する情報を確認するようにしましょう。

3-5. 医療体制・老後の介護施設などは充実しているか

海外移住生活を送るうえで、体調を崩したり、ケガをしたりする日もあるでしょう。そんな時のために、医療体制や介護の仕組みを理解しておくことが大切です。日本では所得に関係なく誰でも先進医療を受けられますが、国によっては医療費が高く、体調不良でも気軽に病院に行けないケースもあります。現地の医療体制や老後の介護施設を調べ、安心して暮らせる環境か確認しておきましょう。

3-6. ビザが取りやすいか

海外移住するためには、リタイアメントビザはじめ各種ビザの取得や永住権の取得が必要です。ビザとは「査証」とも呼ばれ、入国許可証のようなものです。その国の安全を守るために、渡航希望者の身元を調査し、問題がある場合は入国が拒否されます。ビザを取得するには、日本にある各国の大使館等で申請が必要です。ビザの取得が難しい国もあるため、事前に取得条件を調べておくのがおすすめです。

3-7. その国の宗教を尊重できるか

日本ではあまり宗教を意識する機会はありませんが、海外では違います。キリスト教やイスラム教、仏教などさまざまな宗教があり、宗教の教えによる考え方が根付いています。身だしなみや食べ物など、身近なところにも気を配る必要があります。現地の宗教や考え方を尊重して生活できるように、心構えをしておきましょう。

4.海外移住しやすいおすすめの国とは?

海外移住しやすいおすすめの国とは?

海外移住しやすいおすすめの国を9ヵ国・地域を紹介していきます。

4-1. ヨーロッパ

おしゃれな街並みが並ぶヨーロッパ。おすすめの国はポルトガルとオランダ、ラトビアです。

・ポルトガル(時差-8時間)

温暖な気候と物価の安さ、治安の良さが魅力的なポルトガル。米グローバル・ファイナンス誌の「世界で最も安全な国ランキング2019」で4位に輝き、人気の海外移住先として世界から注目を集めています。定住ビザの取得条件は、指定金額以上の不動産に投資すること。定住ビザ取得から5年後、一定の条件を満たせば永住権が取得できます。永住権を取得すると、EU諸国への周遊が楽しめるのも魅力です。

・オランダ(時差-7時間)

チューリップや風車など、穏やかな風景が浮かぶオランダ。永住権を取得すると、雇用や起業、職業訓練、社会扶助などEU市民のためのサービスが利用できます。永住権の申請費用は大人で161ユーロほどかかります。フリーランスのビザも発行できるため、近年では個人事業主の移住も増えています。また60万円程度の預金と開業申請の許可が下りれば、起業ビザを2年間取得可能。移住から5年間の安定収入が見込めれば、永住権も得られるなど移住しやすい環境が整っています。

・ラトビア(時差-6時間)

ラトビアと聞いて、どんな国なのかイメージが浮かばない方も多いのではないでしょうか。ラトビアはバルト三国の中心に位置する国で、美しい街並みと治安の良さが魅力です。ヨーロッパ諸国と比べると物価が安いので、郊外であれば住宅なども手に入れやすいです。長期滞在のビザを取得する方法はさまざまありますが、不動産購入者向けビザや起業家向けビザがよく利用されています。ラトビアに移住できれば、EU加盟国を自由に周遊できるようになるのもメリットです。

4-2. アジア

日本から近いアジアは、文化や価値観がヨーロッパほど違わず、現地での生活に馴染みやすいのが魅力です。もし日本に用事ができた時も、比較的簡単に帰国できるのも安心ですよね。

・マレーシア(時差-1時間)

東南アジアの中心にあるマレーシアは常夏の国。朝晩は涼しく、1年を通して気候が良いのが特徴です。治安が良く物価も安いので、ある程度のお金があれば十分な暮らしができます。公用語はマレー語ですが、英語も広く浸透している点で安心です。

海外移住におすすめのビザは、MM2H(マレーシア・マイ・セカンド・ホーム)と呼ばれる長期滞在ビザです。長期滞在ビザがあれば、マレーシアで定期預金を組め、5年間の滞在許可が得られます。また、50歳以上の人は滞在義務日数がなく、いつでも日本と行き来できます。

・フィリピン(時差-1時間)

フィリピンは温暖な気候で1年中過ごしやすい国。美しい自然とリゾート地があり、国内旅行も楽しめます。日本から3~4時間程度のフライトで行けるほど近く、時差も1時間。気軽に日本と行き来でき、日本の友人とリアルタイムでやり取りしやすいのも魅力です。海外移住特有の孤独感を抱きにくいです。SRRV(特別居住退職者ビザ)は35歳以上から申請でき、就労や投資の資格を得られます。

・タイ(時差-2時間)

タイは東南アジアの中で特に多くの日本人が住んでいる国です。NHKを衛星受信できたり、タイの主要紙が日本語で読めたりと、日本人向けのメディアサービスが充実しています。国民のほとんどが仏教徒で、主食がお米と日本との共通点も多く、現地での生活に馴染みやすいのも魅力です。

他にも世界的に高水準の医療が受けられる点が大きな魅力。親日国であるタイは日本人への対応も良く、日本語が話せるスタッフが在籍する病院もあるため、セカンドライフの移住先として安心できる環境です。

東南アジアについてはこちらでも詳しく解説しています。関連記事:老後の海外移住を実現するには資金がいくら必要なのか?メリットとデメリットを知り、夢を実現

4-3. その他

ヨーロッパやアジア以外の地域で、おすすめの海外移住先はオーストラリアやハワイ、カナダが挙げられます。

・オーストラリア(時差+1時間 ※キャンベラ)

オーストラリアは温暖な気候や豊かな自然が人気の国です。多民族・多文化国家として、それぞれの文化を受け入れながら発展してきました。かつてはイギリスの植民地でしたので、公用語は英語。うれしいことに、親日国のオーストラリアでは日本語教育が盛んで、日本語を学ぶ学生も多くいます。南半球にあるため四季は日本と逆転していますが、時差は1時間程度で日本の人々とのやり取りに困らないのも魅力です。

・ハワイ(時差-19時間)

リゾート地として人気を誇るハワイ。常夏のイメージがありますが、日本のように湿気が多くないので、年中快適に過ごせる環境です。ハワイはアメリカの中でも治安が良く、人口の2割が日系人であることからも、人種差別に遭う機会もほとんどありません。また、タイと同様に医療レベルが高く、日本人スタッフが常駐する病院があるのも大きな魅力。生活水準が日本とあまり変わらないハワイは人気の海外移住先です。

・カナダ(時差-13時間 ※オタワ)

広大な土地と豊かな自然が魅力のカナダ。アメリカやオーストラリアのような多民族国家で、アジア系の人々も多く暮らしています。日本人が暮らしやすい環境なので、海外留学先としても人気があります。永住権を得るためには、過去5年間のうち合計滞在期間が730日以上である必要があります。また、基本的な語学力や学歴、職歴などもビザ申請時の審査条件となるため、英語力を磨いておくのが大切です。

参照:カナダの永住権について

おわりに 

海外移住が注目を集める理由や移住先におすすめの国をご紹介しました。各国によってビザの種類や取得条件も異なるので、海外移住先として気になる国があれば、早めに調べておくのがおすすめです。海外移住は魅力的な一面があるものの、デメリットもゼロではありません。日本とは異なる文化や価値観、宗教を理解し、共存していく姿勢を身に着け、楽しいセカンドライフを送ってくださいね。