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家に絵を飾ろう!どう選ぶ?【リビング編】

石田 高大 現代美術家

執筆者
石田 高大 現代美術家

作家・ライター。パフォーマンス・ハプニング作品を中心に現代美術の制作をしている。制作の中でリサーチした知識を発信していきたいと思い、2021年よりライターとして活動を開始。現在、美術や美術史を中心に執筆。著書に『自分らしい生き方が見つかる現代アートの始め方』がある。

今回はリビングに飾る絵の選び方をご紹介します。 

リビングはテーブルやソファー、テレビなど置くものや置きたいものが多く、コーディネートの難しい場所です。整理して置いてみたけど、どこか殺風景…なんてこともあるはずです。 

そんな時におすすめなのは、絵を飾ることです。 

絵を飾ることで、部屋の視線の集まる場所ができます。ものがなく寂しいリビングが上品な場所となることも、逆にものが多いリビングが絵を置くことで余白が際立ち、シンプルなイメージを作ることもできます。 

家族全員が過ごす場所だからこそ、絵を置いてくつろぎを演出しましょう。ひとり暮らしの方はご自身だけの癒しの空間にしてみましょう。このコラムでは、「リビングに飾る絵をどう選ぶか」についてお話しします。 

1.リビングのコーディネートに絵を飾ろう 

1-1.リビングのコーディネートに絵を飾ろう 

リビングは家の中でも一番広い場所、そして家族全員が過ごす場所です。広い場所であるので、インテリアをどう置くかで大きく雰囲気が変わります。 

まず、テーブルやソファー、カーテンの配置が優先ではありますが、絵を加えてみることでもっと奥行きのある上品な空間へと変えることができます。 

シンプルにしたい、ものはあまり置きたくないという場合でも、小さな絵が周囲の空間を際立たせ、逆にシンプルに見せることもあるので、空間に拘りたい人はぜひ絵を飾ってみてください。 

上品なカフェに行くと、空間の演出として絵や写真が必ず飾られているので、カフェの絵の飾り方をまず観察してみることもおすすめです。 

1-2.殺風景だなと感じたときこそ絵がおすすめ 

リビングを綺麗に片づけたのに、どこか殺風景だな…という時にも絵がおすすめです。殺風景と感じる原因としてはおそらく、視点が集まる場所(フォーカルポイント)がないことが想定されます。 

部屋に入ったとき、テーブルに座ったときにまず目につく場所があることで、趣ある景色に変わります。絵はそんなフォーカルポイント(ガーデン用語で庭の中で最も目を引く場所にシンボルツリーを植えたり、さまざまなオーナメントを置いてポイントにすることを指します)を作るには一番有効です。 

2.リビングの雰囲気を活かして絵を飾ろう  

2-1.既にあるリビングの雰囲気を活かそう 

リビングでよりくつろげるためにどう演出すれば良いのか、まずイメージしてみましょう。 

家族全員が過ごす場所、そして時には人を招く場所であるからこそ、「自身の好きなものを置いて、自身の好きな空間に…」という演出をしてはいけません。 

特に、リビングにはナチュラルモダン、北欧、和モダンなどタイプがあり、それぞれ柔らかさやシンプルさなどの特徴があります。 

既にあるリビングの雰囲気を活かした演出で、家族全員にとって居心地の良い場所を作りましょう 

2-2.まずリビングの観察をする 

テレビの背後、ダイニングの壁、ソファーの後ろ…などなどリビングを見渡してみると、絵が飾れそうなスペースは意外と見つかります。 

まず自身の家のリビングを観察し「ここに絵を飾ってみようかな」と考えてみましょう。 

その際にいらないものを片づけ、部屋の整理もしておくべきです。せっかく綺麗な絵を飾っても、散らかった場所が目立ってしまうのは残念な印象となってしまうでしょう。 

3.【リビングの雰囲気別】絵の選び方  

部屋の雰囲気別にどんな絵がおすすめなのか紹介します。  

3-1.ナチュラルモダンタイプ 

白を基調に、シンプルさが特徴のナチュラルモダンタイプは、柔らかい雰囲気やシンプルさを活かしましょう。 

選ぶ際のおすすめは2つです。 

  • ボタニカル絵画で部屋に柔らかい色味を加える 
  • 白黒写真や現代アート系の色味の少ない絵画を加え、シンプルさを際立たせる 

植物を基調とした柔らかい絵画を置くことで、落ち着いた雰囲気を作ることができますし、色味の少ない絵でシンプルに見せることもできます。 

また、上の写真のように、植物を置き、壁はシンプルな色味の絵画ですっきりさせるなんてやり方もおしゃれです。 

3-2.北欧タイプ 

上品な印象の北欧タイプの空間。白っぽさもありつつ、木のぬくもりもあり、実用性や温かみも備えた空間です。北欧タイプの部屋は名前の通り、北欧っぽさを演出することが大切です。 

色味の深い絵、特に明るい色味で風景を描いた絵がおすすめです。 

額縁に飾られた絵、キャンバスの絵、どちらも綺麗に映えますが、それによって絵の雰囲気も空間の雰囲気も変わってくるので、飾り方にも拘ってみましょう。 

困ったときは、デンマーク、ノルウェー、スウェーデンなど代表的な北欧諸国の風景を調べながら、好きな風景に近い絵を探してみると良いでしょう。 

3-3.和モダンタイプ 

和の雰囲気を活かした和モダンタイプの部屋です。 

やはり、掛け軸の絵や習字で書かれた文字など、いかにも日本風のものを飾らなくては…?と思ってしまうかもしれませんが、実はそうではありません。 

現代アートのシンプルな絵や風景写真を木の額縁に入れて飾るなどの方法もあります。 

完全に和のものではなく、描かれているものや額などのどこかに和の要素があれば問題なく空間に馴染むはずです。 

4.絵の選び方テクニック 

他にも絵の選び方や飾り方のポイントを紹介します。 

4-1.周囲のインテリアと色味を合わせてみる 

統一感あるお部屋を演出したいときは、他のインテリアと合わせることがおすすめです。 

リビングではカーテン、クッション、ソファーが強い色味を持つものなので、その色味と同じ絵を飾ると違和感なく空間に馴染みます。 

4-2.絵の大きさは壁の大きさより控えめに 

絵を選ぶときは、飾りたい場所に2〜3割の空間を残すことがおすすめです。 

壁を埋めつくすように絵を飾ってしまうと、空間も窮屈な印象となるので、余裕をもたせた絵の大きさや並べ方を心掛けましょう。 

4-3.絵を複数飾ってみる 

大きな絵を1つ飾ることも、小さな絵を並べて飾ることも面白い飾り方です。横・縦・斜めにしたり、何枚もある場合は円状にして輪にするなんてこともできます。 

壁の広さに合わせて遊ぶつもりで楽しんでみましょう。 

4-4.どの高さで飾っても効果的 

絵を飾るとなると、目の高さや、少し高い位置を想像するかもしれません。 

しかし、机の上やテレビ棚に飾る、または床の上に置いてみるなんてことでも意外と綺麗に見せることができます。 

床に直置きすることもできますが、イーゼルを使うこともできます。 

絵はどこにでも馴染ませることができますし、だからこそ演出を楽しませることができます。 

4-5.季節に合わせて変えてみる 

一度購入した絵をずっと飾っておく必要はありません。飽きた時には別の絵に変え、また見たくなった時にもう一度飾ると良いでしょう。 

また、カーテンを季節ごとに変える人がいるように、季節に合わせて絵を変えるなんて楽しみ方もおすすめです。 

おわりに 

今回は『家に絵を飾ろう!どう選ぶ?【リビング編】』と題し、絵の飾り方についてお話しました。 

部屋のリビングに合わせて、絵を飾って見るという視点でお話しましたが、絵を飾った後に、絵の色味にソファーやクッションなどのインテリアを調整してみることも楽しいのではないかと思います。 

リビングのコーディネートを通じて絵を楽しんでみましょう。 

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