50代は多くの人にとって変化の多い時期。「子どもの成長」「親や実家の心配」「健康や老後への不安」など、前もって考えなくてはならないことがたくさんあります。でも、日常生活に流され、なかなかじっくり考えられない、できれば考えたくない現実。
しかし、なんとなく過ごしていると、なんとなくの後半人生を迎えることになってしまいます。気力も体力もある今こそ、まずは人生の棚卸しをして、「これからどのように過ごすか」という課題に真剣に向き合い、快適な毎日を手に入れていただきたいと思います。そのためにはまず家全体のお片付けがおすすめ。とはいえ、家全体ともなると膨大すぎて何から始めたらいいのかわからない。では、プロに依頼するとしたらどうなるの?という方のために、『美的収納』という片付け術に出会ったことで、人生をより一層輝かせた方々に登場していただきます。
今回は美的収納のお片付けサービスで理想の暮らしを手に入れたK様(49歳)と対談しながら、家を片付けたらどのような変化があったのかをインタビューしました。
1.「美的」という言葉に魅かれて
湯淺―美的収納のサービスを受けようと思った理由を教えて下さい。
K様―もともと整理整頓や収納には興味がありましたが、「美的」という言葉にとても魅力を感じ、ぜひお願いしたいと思いました。
湯淺―ありがとうございます。
K様―我が家はものが多くはなかったのですが、起きている間はずっとリビングダイニングにいるので、動線や配置場所がわかりやすく、かつ美しくなればいいなと。
湯淺―ほかにご希望はありましたか?
K様―高校受験が近かった長男にとって無駄のない、気持ちの良い環境整備をしたいと思っていました。美的収納したら、効率良く動けるのかなと。
湯淺―体験してみて、いかがでしたか?
K様―私の場合、使っていないものは手放す!と即決してしまうため、見た目の美しさを出すのはもしかしたら大変だったかもしれません。
湯淺―美的収納は、家じゅうのものを厳選することで「その方らしい美しさ」を発見していくメソッドともいえるので、すぐに捨ててしまうことは推奨していないのです。
K様―プランナーさんに「手放し過ぎです!一度保留にして、もうちょっと考えてからにしましょう。」と諭されることもありました。(笑)
湯淺―普段から取捨選択がしっかりできていらっしゃったのですね。
K様―妻、母という役割以外に獣医師と専門学校の講師の仕事をしていて、とにかく時間がなかったので、そういう癖がついてしまったかもしれないです。
湯淺―それはお忙しいですね。ものは少ない方が断然楽ですものね。
K様―はい。家事が楽になって、家が美しくなることを楽しみにしていました。
2.美しい空間は「なぜ」「どうして」という対話から生まれる
湯淺―完成した時に感じたことを教えてください。
K様―趣味で使う小物類の収納エリアが美しく整えられているのを見て、とても幸せな気持ちになりました。
湯淺―ご趣味とは、ダンスのことでしょうか。
K様―はい。ダンスと猫が好きです。趣味のものは、日々の生活や仕事には必要ないのですが、私にとっては宝物なのです。
湯淺―宝物!美的収納はその部分を大切にしています。
K様―そこを「どう見せたいのか」「どうしたいのか」という視点で整える方法を教えていただきました。そして、実際に整った状態を見せていただいた時に、自分を丁寧に扱う方法を知ることができたようで嬉しかったのです。
湯淺―ご自分を丁寧に扱えるような気持ちになられたのですね。
K様―美的収納が『捨てさせないお片付け』だったおかげだと思います。あまり考えずに使わないものを手放してしまう性格なので、一つひとつのものに対して、「なぜ買ったの?」「どうして使わないの?」と、対話しながら作業するということに最初は戸惑いました。
湯淺―『捨てさせないお片付け』は、逆に戸惑う方もいらっしゃるようです。
K様―「すぐに手放そうとせず、もう少し考えてからにしましょう」と保留にしたものは、手に入れた時のことを思い出して、良い印象だったものはアレンジしたりして残しました。
湯淺―良いアイデアですね。どのようなアレンジをされたのか、少し教えていただけますか?
K様―着ていなかったワンピースについて、プランナーさんから「どうして着ていなかったのですか?」と質問されて改めて考えてみたところ、デザインがキュート過ぎて自分にはあまり似合わないという結論になりました。丈を長くして少しデザインを変えてみたら、お気に入りの一着になりました。
湯淺―「好きだけれどなぜか着ない」お洋服があったら、しっかり理由を考えてみることで再活用ができるかもしれないという素敵なお考えですね。
3.ゆったりできる楽しい時間を手に入れた
湯淺―暮らしの上で大きく変化したことはありましたか?
K様―ものを探すことがなくなりました。
湯淺―それは良かったです。ものを探す行為は、イライラするし、時間の浪費ですものね。
K様―はい。例えば出かける前に、収納場所を「探す」→バッグに「入れる」という過程が、バッグに「入れる」だけになりました。
湯淺―効率的ですし、準備時間も読めますね。
K様―ダンス用品のことでいえば、必要なものを「探す」過程がなくなったので、その時間を衣装などの補修や装飾の時間に当てることができるようになりました。
湯淺―美的収納の醍醐味を味わっていただけて、嬉しいです。
K様―ダンスの試合の準備は、それまで3時間ほどかかっていましたが、今は20分くらいで済んでしまいます。
湯淺―かなりの時短になりましたね。
K様―ものをカテゴリー別に美しく収納するという考え方は、目から鱗でした。
湯淺―どなたでも家の中のものをだいたいカテゴリー分けされているのですが、美的収納の分類法で片付けると暮らしがグッと楽になります。
K様―置き方、整え方、見せ方すべてが未知の世界でした。お掃除用品があちこちにあったので困っていたのですが、一箇所にまとまり便利になりました。
湯淺―まとめる場所ができたのですね。
K様―探し物をしなくなり、掃除や猫のお世話時間も短縮されたので、家族や猫とゆったりできる楽しい時間を過ごせています。
湯淺―サービスを受けられたのは7、8年前とのことですが、今もキープされていますか?
K様―美的収納でものをカテゴリー別に美しく収納していただいたので、今も乱れることがなく生活できています。
湯淺―ご家族の評判はいかがですか。
K様―特に何も言われてはいませんが、出したものを確実に元の場所に戻してくれているので、生活しやすいのだと思います。
湯淺―嬉しいですね。安心しました。
4.心地良いと思えるしっかりとした基準ができた
湯淺―ご自身にも変化はありましたか。
K様―以前はなんとなく直感で物事を決め、選んでいたのですが、テーマを決めて「どうありたいか」「どう見せたいのか」「なぜそれを選んだのか」ということを整理するようになりました。その結果、「なんとなく」の判断が減りました。
湯淺―ものを「なんとなく」家に入れてしまうのが、散らかりの原因のひとつですものね。
K様―無駄な買い物も格段に減りましたし、ものを買う時に「我が家にお迎えするに値するかどうか」で選ぶようになりました。
湯淺―かなりの厳選力ですね。
K様―100円のものでも多少高額のものでも自分が心から良いと思えたらすんなり買いますが、なんとなく「いいな」では買いません。
湯淺―しっかりとした基準ができたのですね。
K様―それと、その時に周りから求められている「こうあって欲しい」というイメージ像に、私の本質的な性格や性質を合わせて演出したいなと思うようにもなりました。例えば服装なら、獣医師や講師として頼りになる、きっちりしているというニーズに合わせたものを選ぶ。友人と会う時は、自分がその友人と並んだ時に楽しいと思えるものを選ぶようにしました。テーマや見せ方を考慮してものを選ぶことで、着ない服が一着もなくなりました。
湯淺―ご自身にとって心地良い基準ですね。
K様―美的収納のおかげで、より自身や周りのことを客観視できるようになり、以前よりも協調性が身についたように思います。
湯淺―良いことばかりですね!良いことといえば先日、ダンスの大会で優勝なさったとか。おめでとうございます。
K様―ありがとうございます。踊ること、ダンスに関することすべてが私の宝物です。3歳からクラッシックバレエを始め、社交ダンスは20年近く習っていますが、試合に出るようになったのは3年ほど前からなのです。
湯淺―やりたいことを存分にできる時間ができたからこその結果ですね。お家を片付けることで、多くのこと〜美しい空間と豊かな時間、揺るぎない心の軸〜を手にされましたね。本日は素敵なお話をありがとうございました。
5.今回の美的収納 3つのポイント
①カテゴリー別に整えて収納すると、ものを探すことがなくなる
②厳選に迷ったら、「なぜ買ったの?」「どうして使わないの?」と丁寧に考えてみる
③「ものを持つ基準」が決まれば、家の中に余計なものが入って来なくなる
(聞き手:美的収納プランナー 湯淺真理子)
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