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「SNS疲れ」してませんか?SNSから離れる方法

「SNS疲れ」してませんか?SNSから離れる方法
斉藤 恵一 セルフマネジメントプロデューサー

執筆者

セルフマネジメントプロデューサー/日本心理学協会 認定心理士

斉藤恵一

大学時代に歌舞伎町のホストの世界に飛び込むも半年間売り上げゼロ。そこから心理学を学びセルフブランディングに取り組み、約6年間売上げNO.1となる。現在は企業向けのコンサルティングやメンタリング、人材育成に取り組む一方、「ナカイの窓」や「ダウンタウンDX」等テレビ出演及び書籍やコラムの執筆等で活動中。

私たちの心は絶えず時代に合わせて変化しています。置かれている環境や状況によっても、考え方や欲求は変わります。近年の各種オンラインサービスの普及やSNSの普及によって、コミュニケーションは大きく変化しました。いまや、ビジネスでもプライベートでも欠かせないのがスマートフォン(スマホ)です。しかしスマホの普及とともに、スマホ依存やSNS依存症の問題も指摘されています。そして、それと並行するように増えているのが「SNS疲れ」です。InstagramやTwitter、FacebookやLINEなど、現代人に欠かせないツールとなったSNSは、上手に使えば癒やし効果が得られたり、ストレス発散ツールとして使用できたりしますが、他人の目を気にして頑張りすぎてしまうとそれが苦痛や疲労の原因となり、「SNS疲れ」へとつながってしまいます。今回は、そんな「SNS疲れ」から離れるにはどうしたら良いのかについてまとめてみました。

1. コミュニケーションの変化

昨今の新型コロナウイルス感染症の蔓延によって、人と人のコミュニケーションにも大きな影響を与えています。基本的に人は、他者と会わないままの状態でいると、コミュニケーション能力が低下してしまいます。人は他者と直接会うことで、五感をフル活用し、相手の微細な変化を汲み取ってきました。しかしオンラインでのコミュニケーションとなると、リアルならではの微妙な空気感を読み取ることができないため、なかなかコミュニケーション能力が育まれません。その結果、コミュニケーション能力が低下し続けてしまう方と、コミュニケーションを強く求める方が増えてきます。

2. SNS依存症

ある意味当然の結果ではあるのですが、新型コロナウイルス感染症の蔓延防止のために行動に制限がかかった際、スマホの利用率は上がっています。モバイルツールの調査会社MMD研究所の2019年の調査によると、約7割の方がスマホに依存していると自覚しています。この背景にあるのは、情報収集のための行動だけでなく、ずばりコミュニケーションの強い欲求です。

スマホ依存について

「かなり依存している」が21.2%、「やや依存している」が52.5%と合わせて73.7%の人がスマホ依存の自覚がある

参照元:MMD研究所

特に顕著だったのはSNSへの依存です。1日に何時間もSNSを見ている方がいます。これは日本だけでなく世界的な問題とされています。


このような依存の根底にあるのは、「誰かとつながっていないと不安」「誰かの意見を聞いていると安心する」という想いです。つまり、多くの意見の中で、自分と同じように感じる方の意見を探して、つながったり、安心したいという欲求です。


またご自身の投稿に「いいね!」の数が増えれば増えるほど「必要とされている」と思い、安心する傾向もあります。「誰かに必要とされたい」「誰かと話をしていたい」という欲求が依存症として、バーチャルやリアルのコミュニケーションを過度に求めていくわけですね。


特にSNS依存症は世界で研究されており、社交的な方はSNSを「社会性の拡大」に使う一方で、内向的な方はSNSを「社会性の補い」に使い、SNSの利用時間が増えれば、リアルで人と関わる時間が減ることも分かっています。

3. 「SNS疲れ」から離れる方法

「SNS疲れ」から離れる方法

では、スマホやSNSとどのように向き合えば良いのでしょうか?

多くの方はSNSを自分のために使っているはずです。ご自身が興味のある世界観に触れ、その世界観を堪能したり、時には自分の日常を切り取って意見を投稿して楽しむことが自分のために使うSNSの利用方法です。しかし、それが「他者のため」になると疲労の蓄積につながっていきます。ですから、「SNS疲れ」から離れるには、他者からの評価を求めず、他人の顔色をうかがいすぎずに、自分のやりたいこと、自分らしさを表現していくことを貫く気持ちが必要です。

発信した内容を読んだ相手が不快に感じないかどうかは気を付けたいですが、SNSでの発信は自分のためであることを再認識し、嫌われることを恐れず、発信を続けていくようにすると良いでしょう。

4. SNSアカウントを使い分ける

仕事関係者や友人など自分のことを知っている方が増えていくと、言いたいことが言えなくなってきます。それを窮屈に感じる方はご自身のアカウントをもう1つ作ることをおすすめします。ひとつはオフィシャルなご自身用のアカウントで、もうひとつは趣味のことを発信するアカウント、などと使い分けをするのです。
別アカウントを作ることで、今までより楽な気持ちでSNSを利用できる方も多いでしょう。知り合いの目を気にせず、自由に発信することが大切です。人間は誰しもが、いくつかのアイデンティティーを持ち、使い分けています。SNS上でもリアルと同じように、アイデンティティーを使い分けるように、アカウントを使い分けることは決して悪いことではないでしょう。

5. 他社と比較しない考えを身に付ける

どんなことでも他者と比較してしまい、相手の投稿についピリピリしたり、イライラしてしまう方は、「比較しない考え方」を身に付けることが大切です。

嫉妬心というのは、前提条件として「私は劣っている」「私は何かが足りない」「私は恵まれていない」と思っている方が、同じ世代、同じ職種、同じ趣味を持つ方など「ご自身と同じ立場の方」に向けて感じやすいものなのです。
嫉妬心は人の基本的な感情です。すべてが悪いものではありません。ただその嫉妬心をご自身ではなく他者に向けるから良くないのです。

嫉妬心を持ってしまった場合は、他者にぶつけるのではなく、ご自身を律し、ご自身の成長に活かすようにしましょう。比較するのは他者ではなく、昨日のご自身です。

また、日頃からさまざまなものを求めるのではなく、ご自身がいま持っているものに満足する生活をしていれば、嫉妬心は湧き上がってきません。「足るを知る生活」は「SNS疲れ」への対処法としてだけでなく、生き方そのものに大きな影響を与えます。

6.自分を緩める時間を作る

膨大な情報の流れを時々シャットダウンしながら、ご自身を緩める時間を作ることも有効です。最近では、マインドフルネスや瞑想などを解説した本も多く出版されているので、たまにはSNSではなく読書を行い、心の開放にアプローチしてみてはいかがでしょうか?


「早く返信しなければ」というような不安があるのなら、「今SNSと距離をとっているので、返信は遅れるかも」と事前に伝えておけば問題ありません。SNSで本来の自分とは違うキャラを演じたり、「いいね」やフォロワーを増やすための写真にこだわったりと、それが楽しいと思えるのならまだ良いですが、疲れの原因になっているのであれば一度立ち止まり、ご自身を見つめ直してみてはいかがでしょうか。
周囲が良いというものにご自身を合わせているのは、自分自身を見失っている証拠です。今の時代、誰もが表現者であると考えれば、すべての方に通じる言葉です。

7. SNSを見ない時間を決める

習慣はなかなか変えられないので、SNSと物理的に距離を置くことをおすすめします。つまり、スマホ本体をどこかに置いておき、携帯しないようにするのです。朝と昼はSNSを見ないというルールをつくってみたり、時間で管理しても良いでしょう。

この場合、1人で決断して行動するよりも効果的なのが、SNSで「何時から何時までは見ないことにします」と宣言することです。宣言をするとそれを守る気持ちが増します。何よりSNSは楽しく使うことが大切なものだと思います。惰性や使命感、義務感や承認欲求のために続けていると思わぬストレスになりますので注意していきましょう。


SNSは本来楽しいものです。「使われる」のではなく「使っている」ことを忘れないようにして適度に楽しんでいきましょう。

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