涼しい秋は絶好のキャンプシーズン。これからソロキャンプを始めようと考えているビギナー女性にもぴったりです。とはいえ、初心者はまずどんなキャンプ道具を揃えたらいいのか、迷ってしまうことでしょう。
レンタル品の充実しているキャンプ場で、主な道具を借りてしまえば大丈夫です。今回は、テントやテーブルなど、多数のレンタル品があるキャンプ場で道具を借り、1泊2日の宿泊キャンプを簡単に始めるやり方をご紹介します。
1.借りる道具を決める
1. 選んだレンタル品はこちら
キャンプ場に到着し、予約時に申し込んでおいたキャンプ道具を受け取りました。借りたものは、キャンプチェア、クーラーボックスと1人用の食器セット、ドームテント、テーブル、タープです。このほか焚き火用に金属製の焚き火台をレンタルしました。
キャンプ経験の少ないうちは、どのようなテントが身の丈にふさわしいかがまだよく分からない状況だと思いますので、とりあえず1〜2回借りてみて、立て方やサイズ感などの感覚をつかんでから購入すると失敗がありません。
2.完成形を頭に描いて借りる
テントを立て、キャノピー(テントのひさし)を伸ばして、その下にテーブルとチェアを配置しています。「こんなキャンプサイトにしたい」というイメージがあると、借りたい道具がはっきりしてきます。
3.そのほかに借りる/持っていくものは?
まず、寝るためのシュラフ(寝袋)が必要です。春・夏・秋の3シーズン用、盛夏用、冬用がありますので、その時期の気温に合ったものを使用してください。シュラフの下に敷くマットも必須です。2〜3cm以上の厚みがあり、地面の凸凹を拾わないものを用意しましょう。
鍋やフライパンなどの調理器具は、最初のうちは家庭用のものを持ち込めばOKです。調理用の熱源として、アウトドア用バーナー、またはカセットコンロなども必要です。暗くなってからの明かりは、500〜1,000ルーメン程度のLEDライトが簡便です。
あとは食料品、着替えやコスメなど。たとえ晴れ予報でも雨具は必ず携行しましょう。上下に分かれたレインウェアが動きやすいうえ、防寒着にもなります。靴は脱ぎ履きしやすく防水のものがおすすめです。
4.借りた道具でキャンプサイトを設営
4-1.テントを立てる
受付で指示された区画にやってきました。石ころや木切れを退け、テントの位置を決めます。
4-2.取扱説明書をチェックする
収納袋に入っていた説明書を見ながら作業します。立て方が分からないときは、製品名で検索すると、説明動画がヒットする場合もあります。
4-3.グランドシートを広げる
最初にグランドシートを広げます。スマホのアプリ等で東西南北を確認しましょう。暑い時期はテントの入り口を北に向ければ涼しく過ごせます。冬は南側を開口部にすれば、テントの入り口で日向ぼっこが楽しめます。
4-4.ポールをテントに取り付ける
テントはインナーテントとフライシートに分かれています。まずインナーから立てていきましょう。ポールを組み立ててインナーテントに差し込みます。
4-5.インナーテントを立ち上げて固定
インナーテントの裾に付いているピンをポール先端に差し込むと、全体が立ち上がります。風で飛ばないよう、隅をペグで固定してください。
4-6.フライシートをかぶせる
インナーテントの上に雨よけのフライシートをかぶせ、インナーテント下部のフックで接続。フライシート裏側のベルクロテープでポールに固定します。
4-7.ドームテント、完成!
付属のポールとロープで「キャノピー(ひさし)」を立ち上げたら、ドームテントの完成です。
4-8.就寝準備も今のうちに
テント内にシュラフやマットを広げ、着替え類を入れて、暗くなる前に寝る準備を済ませておきましょう。
4-9.タープを立てて広いリビングスペースを作る
キャノピーがないテントもあります。タープを一緒に借りれば、雨避け・日除けを兼ねた広いリビングスペースでくつろぐことが可能です。
5.カフェタイムを楽しむ
5-1.ソロキャンプの醍醐味、ひとりカフェ
レンタルしたチェアとテーブルを設置し、コーヒーを淹れてのんびりひと休み。
5-2.合間にキャンプ道具のチェックも楽しい
風雨に強く、立て方の簡単なエントリードームテントを借りて立ててみました。ほかにもポール1本で立つティピー(ワンポール)テント、コンパクトに立てられるパップテントなど、女性ソロ向きのテントは色々あります。他の女性ソロキャンパーがどんなテントを使っているか、キャンプ場でこっそりチェックしてみてはいかがでしょうか。
6.ディナータイム
6-1.レトルトや出来合いのもので簡単&豪華に
初めての宿泊キャンプ。移動や設営で時間を喰ってしまいがちです。そのため食事は温めるだけで食べられるレトルトやインスタント食品、コンビニグルメなどを活用しましょう。
今夜のメニューはレトルトのバターチキンカレー、ナン、卵サラダにスパークリングワインを添えて。
7.焚き火タイムでまったり
7-1.焚き火には「焚き火台」を使う
焚き火を楽しむためには、地面を熱で傷めないよう「焚き火台」を使いましょう。焚き火台の下には、火の粉から土中の微生物や芝生を守る「焚き火シート」を敷いてください。
7-2.焚き火のマナーを守る
これぞ宿泊キャンプの醍醐味、赤々と燃える炎を見つめる癒しのひと時です。ただし、風が強い時は危険なので、焚き火は控えましょう。風で飛んだ火の粉が他人のテントに穴を開け、補償問題になるケースもあります。
8.女性ソロキャンパー向きのおすすめアイデア
8-1.コスメは試供品+シートで荷物を減らす
ドレッサーの引き出しに眠っている試供品のパックは嵩張らずキャンプ向きです。シート状のスキンケア用品を活用すれば、荷物も減らせます。
8-2.テントはワイヤーキーでロック
残念ですが、最近はキャンプ場で盗難に遭うケースも散見されます。キャンプサイトを離れるときや就寝時は、テントのファスナーをワイヤーキーでロックしておくと、抑止力になるようです。
8-3.管理人と連携し、防犯ブザーを携帯しよう
稀に、ソロキャンプ中にマナーの良くない人物に出遭うこともあります。キャンプ場を探すときは管理人常駐のところを選び、緊急時に電話連絡がつくようにしておきましょう。防犯ブザーの携帯も有効です。出発前に音が鳴るかどうか確認をお忘れなく。
9.手早くできて美味しい朝ごはん
一夜明けて、朝食用に持参したのは、キャンプ場に向かう途中のコンビニで買ったポテトサラダと塩にぎり。これに松茸のお吸い物の素を合わせて、何ができるかというと…。
塩にぎりにお吸い物の素をかけ、上から熱湯を注ぐと、なんちゃって松茸雑炊のできあがり!忙しい撤収の朝や日常生活のなかでも手軽に作れるのでおすすめです。
10.撤収時のコツとマナー
10-1.食器を片付ける
食器やカトラリーに残った汚れは、洗う前によく拭き取りましょう。キャンプ場は下水処理設備の整っていないところも多く、流す水を必要以上に汚さないためです。
10-2.洗剤は石鹸ベースのものを推奨
同様の理由で、食器洗い用洗剤も生分解性の高い石鹸ベースのものがおすすめです。ネット通販やアウトドアショップなどで手に入ります。
10-3.焚き火の炭の後始末
前夜に焚き火を楽しんだ後の消し炭です。炭は炭素なのでこれ以上分解せず、投げ捨ててしまうとゴミとして永久にその場に残ってしまいます。
10-4.炭は指定場所に捨てるか、持ち帰る
キャンプ場に指定の炭捨て場があればそこに捨て、ない場合は鎮火を確認してアルミホイルやポリ袋に入れて持ち帰りましょう。捨てる場合はお住まいの自治体のルールに従ってください。
10-5.テントを片付ける
立てた時とは逆順で、テントをたたみます。
10-6.グランドシートを干す
天候が良く、時間に余裕があれば、たたむ前にグランドシートを裏返して乾かしましょう。
10-7.ペグをきれいに拭く
次に使う人のために、ペグについた泥を拭き取ってから収納してください。
10-8.部品をチェックして収納
部品に漏れがないか確認し、元の収納袋に納めます。他のレンタル品も同様に片付けていきましょう。
11.撤収完了!来たときより美しく
サイト内を見回し、ゴミや忘れ物がないかどうかチェックしましょう。「来たときより美しく!」がマナーです。
借りたキャンプ道具を返却し、受付でチェックアウト。チェックアウト時間から逆算して片付けを開始し、遅れないように気を付けましょう。
チェアリングから始まって、デイキャンプ、宿泊キャンプと、ステップアップしてきました。少しずつキャンプ道具を買い足しながら、自分らしいキャンプスタイルを築いてください。気の合う友人と、ソロキャンパー同士が集まって付かず離れず過ごす「ソロコラボキャンプ」も楽しいですよ!
撮影協力:UJackむつざわオートキャンプ場
レンタル品提供:株式会社UJack