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エアコンの電気代を節約するポイント10選!快適な温度で暮らそう

エアコンの電気代を節約するポイント10選!快適な温度で暮らそう
セゾンのくらし大研究 編集部

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物価の高騰が家計に打撃を与えている昨今。電気代も例外ではありません。2023年6月に電気料金が改定され、大手電力会社では3~5割の値上げに踏み切りました。そこでこの機会に、エアコンの電気代節約にチャレンジしてみませんか。

今回は、エアコンの電気代節約法を紹介します。今日からできる方法も盛り込んでいるので、簡単に始められます。電気代にお悩みの方は内容を参考に、家計の負担軽減を目指しましょう。

参照元:資源エネルギー庁|2023年6月の電気料金、なぜ値上がりするの?いくらになるの?

この記事を読んでわかること

  • エアコンの平均電気代は、単身世帯で約1,700円/月、2人以上の世帯で約1,860/円である
  • 室温と設定温度の差が大きいと多くの電力を消費するため、冷房より暖房の方が高くつく
  • エアコンの電気代を節約するには、設定温度の見直し、こまめなフィルター掃除、サーキュレーターなどの併用といった方法が有効

電気代値上げによる節約への意識はどれくらい?

電気代値上げによる節約への意識はどれくらい?

2023年5月24~26日に全国の男女528名を対象に、ダイキン工業株式会社が「電気代値上げとエアコンの節電に関する意識調査」を実施。その結果「節電に取り組みたい」と回答した方が9割を占めました。また、節電したい家電にはエアコンが1位に選ばれています。

一方で「上手な節電方法がわからない」「効果がわからない」と課題を感じている方が57.2%を占め、節電意識が高いにも関わらず自信のなさが浮き彫りになりました。

参照元:ダイキン工業株式会社|電気代値上げとエアコンの節電に関する意識調査「この夏、エアコン使用を控えようと思う人は6割」

そもそもエアコンはどうやって動くの?

そもそもエアコンはどうやって動くの?

次に、エアコンの冷房・暖房の仕組みを見ていきましょう。

冷房

冷房は、次のサイクルを繰り返すことで室温を下げています。

【冷房の仕組み】

  1. 室内機の「熱交換機」が部屋の熱を集める
  2. 室内機と室外機を結ぶパイプ内に流れている「冷媒」に熱を乗せる
  3. 熱が乗った冷媒が室外機の「圧縮機」に運ばれる
  4. 冷媒に圧力をかけて高温にする
  5. 高温の冷媒が室外機の熱交換機を通過する際に、熱が外に放出される
  6. 熱を放出した冷媒が「減圧機」に送られ、低温になる
  7. 低温の冷媒がパイプを通って室内機に戻り、熱交換機を通過する際に冷たい空気を吹き出す

暖房

暖房の場合、冷房と真逆のサイクルで部屋を暖めています。

【暖房の仕組み】

  1. 室外機の「熱交換機」が外の空気中にある熱を集める
  2. パイプ内の「冷媒」に熱を乗せる
  3. 熱が乗った冷媒が「圧縮機」に運ばれる
  4. 冷媒に圧力をかけて高温にする
  5. 高温の冷媒が室内機に送られ、熱交換機を通過する際に暖かい空気を吹き出す
  6. 熱を放出した冷媒が室外機の「減圧機」に送られ、低温にする
  7. 低温になった冷媒が熱交換機に送られる

エアコンの電気代に関する基礎知識

エアコンの電気代に関する基礎知識

エアコンの節電を実践する前に、電気代の計算方法や平均額など基礎知識を把握しましょう。

電気代の計算方法

エアコンの電気代は、次の計算式で求めます。

【エアコンの消費電力(kW)×電力量料金単価(円)×1(時間)=1時間当たりの電気代(円)】

例えば、消費電力が0.5kWのエアコン、電力量料金単価が31円/kWhだとしましょう。1時間運転すると15.5円、3時間だと46.5円となります。ただし、エアコンの設定温度や室温によって消費電力が変わるので、あくまで目安と考えましょう。

エアコンの平均電気代

では、一般家庭においてどのくらいエアコンの電気代がかかっているのか探ってみましょう。

全国地球温暖化防止活動推進センターが実施した2021年度の調査によると、一般家庭で消費している全電力量のうち14.7%がエアコンという結果が示されました。この結果と、総務省統計局実施の「家計調査(2022年)」からエアコンの平均電気代を割り出します。

1人暮らし

単身世帯における1ヵ月の平均電気代は、6,808円です。そのうちエアコンの電気代が14.7%を占めるとすると、1ヵ月で約1,000円、年間で約12,000円となります。

とはいえ、1年中エアコンを運転させているわけではありません。3~5月や10~11月の過ごしやすい時期の使用を控えている場合、実質エアコンを運転させるのは年間7ヵ月です。そう考えると、1ヵ月当たりのエアコンの平均電気代は、およそ1,700円になるでしょう。

2人以上の世帯

2022年の家計調査によると、2人以上の世帯における1ヵ月当たりの平均電気代は、12,678円です。単身世帯と同様にエアコンの電気代を割り出すと、1ヵ月約1,860円、年間で約22,370円になります。

さらに、年間の運転期間が7ヵ月であれば、平均月額は3,200円程度と考えられます。

契約アンペアや電力会社によっても電気代が変わる

紹介したエアコンの平均電気代がどの家庭にも当てはまるとは限りません。というのも、契約しているアンペア(電流量)によって電気代の基本料金が異なるのです。東京電力エナジーパートナーの一般家庭向けプラン「従量電灯B」を見てみましょう。

契約アンペア数基本料金
20A590円48銭
40A1,180円96銭
60A1,771円44銭

アンペアの大きさに比例し、基本料金が上がっているのがわかります。

また、電力会社ごとに電力量料金に差があります。東京電力エナジーパートナーと関西電力の「従量電灯B」における、1kWhあたりの電力量料金を比較してみました。

東京電力エナジーパートナー関西電力
~120kWh30円00銭17円91銭
120kWh超~300kWh36円60銭21円12銭
300kWh超~40円69銭23円63銭

実際にどのくらいエアコンの電気代がかかるかは、契約アンペア数や電力会社の料金設定を考慮して計算してください。なお、各料金は2023年11月時点の情報です。

夏に発生する電気代の3割以上はエアコン

一般家庭の家電の中では、1日のうちエアコンが最も多くの電力を消費します。経済産業省資源エネルギー庁発表の情報を確認すると、夏季における1日の消費電力量のうち34.2%がエアコンによるものと示されています。

次いで冷蔵庫17.8%、照明9.6%となっており、エアコンは他の家電より2倍以上の電力を消費しているのです。このことからも、エアコンの使い方が電気代節約のカギと言えるでしょう。

暖房より冷房の方が安い

エアコンの電気代は、暖房より冷房の方が安い傾向にあります。というのも、室温と設定温度が大きいほど多くの電力を要するためです。ほぼ外気温と同じ室温と仮定し、設定温度との差を比較してみましょう。

季節外気温(≒室温)エアコンの設定温度温度差
夏季35℃28℃7℃
冬季0℃20℃20℃

冬は室温と設定温度との差が開きやすく、よりエアコンの電力を消費するのです。

送風が1番安い

エアコンの送風は、暖房や冷房より電気代がかかりません。送風は、空気の温度を変えずに循環させる機能であり、室内機のファンだけが動くのであまり電力を使わないのです。三菱電機の「霧ヶ峰」MSZ-FL4021Sシリーズにおける、各機能の最小消費電力をまとめました。

機能最小消費電力量
送風(爽風)15W
暖房105W
冷房105W

このように送風の消費電力量は圧倒的に小さく、電気代も送風が1番安くなります。

除湿の電気代

除湿の電気代は、エアコンがどの方式を採用しているかによって異なります。そもそも除湿とは、室内の湿度を下げる機能です。部屋の空気を冷やして水分を結露させ、室外に排出することで除湿しています。

除湿には、基本的な仕組みがほとんど冷房と同じ「弱冷房除湿」と、温度をあまり変えずに湿度だけ下げる「再熱除湿」の方式があります。再熱除湿の場合、一旦冷やした空気をエアコン内部で再び温めてから部屋に風を送るため、弱冷房除湿より電気代がかさむでしょう。

参照元:
ダイキン工業株式会社|1時間あたりの電気代の目安(ルームエアコン)-よくあるご質問
JCCCA 全国地球温暖化防止活動推進センター|5-11 家庭における消費電力量の内訳
政府統計の総合窓口|家計調査 家計収支編 単身世帯 年報 <用途分類>1世帯当たり1か月間の収入と支出 1-1 時系列-支出(実数,実質増減率)-2015年~2022年 単身世帯 年次 2022年
政府統計の総合窓口|家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 <用途分類>1世帯当たり1か月間の収入と支出 1-1 都市階級・地方・都道府県庁所在市別 二人以上の世帯・勤労者世帯・無職世帯 年次 2022年
東京電力エナジーパートナー株式会社|従量電灯B・C|電気料金プラン
関西電力|従量電灯B|電気
資源エネルギー庁|省エネルギー政策について
三菱電機|省エネ|三菱ルームエアコン 霧ヶ峰
三菱電機WIN2K|MSZ-FL4021S-W

エアコンの電気代を節約するポイント10選

エアコンの電気代を節約するポイント10選

ここからは、具体的なエアコンの電気代節約方法を紹介します。

温度設定を見直す

エアコンの温度設定を1℃見直すだけでも、大幅な電気代節約が見込めるでしょう。省エネポータルサイトでは、エアコンの設定温度による省エネ率が紹介されています。

外気温運転設定温度年間の省エネ電気代の年間節約額
31℃冷房27℃→28℃30.24kWhおよそ940円
6℃暖房21℃→20℃53.08kWhおよそ1,650円

なお、1日のエアコン運転時間は9時間、電力量料金単価は31円/kWhと仮定しています。エアコンを何度に設定するかは、環境省が推奨している室温「夏季28℃・冬季20℃」を目安にしてみてください。

湿度にも注目する

湿度のコントロールもエアコンの節電に役立ちます。というのも、同じ温度でも湿度が高いと暖かく、低いと涼しく感じるため。例えば30℃の真夏日でも、ジメジメしていると暑さが不快ですが、カラッとしていれば多少過ごしやすいでしょう。

エアコンの設定温度だけで快適な室温にしようとするのではなく、夏季は除湿器、冬季は加湿器を併用するのがおすすめです。

30分程度の外出ならつけっ放しにする

エアコンは、電源を入れてから設定温度になるまで大きな電力を必要とします。エアコンを運転している部屋から離れる場合、30分程度ならつけっ放しがお得です。

東京都からも、エアコンの消費電力量は「30分間運転+5分停止」を5回繰り返すより、つけっ放しの方がおよそ3割減になると発表されています。離席時間を考慮し、臨機応変に対応しましょう。

室外機の前には何も置かない

室外機の前に物を置く・カバーで覆うといった行為は、おすすめできません。室外機は室内の熱を外に放出したり、外の熱を取り込んだりする役割を担っています。そのため、室外機の前がふさがれていると排出した空気を再び吸い込んでしまい、冷暖房効率が下がるのです。電気代節約のためにも、室外機の前や周辺には何も置かないようにしましょう。

こまめにフィルター掃除を行う

こまめなフィルター掃除も節電につながります。エアコン内部のフィルターがゴミやほこりによって詰まると、空気がうまく通過できません。そうなると稼働に労力がかかり、電気代が高くなるのです。フィルター掃除の頻度は、2週間に1回を目安にしてください。

とはいえ、フィルターをはじめエアコン掃除をご自身で行うのは大変です。そこで、一度プロに任せてみてはいかがでしょう。

くらしのセゾンでは、「エアコンクリーニング」を承っています。高い技術力を持った専門スタッフが訪問し、エアコンの内部まで専用機材で徹底的に洗浄します。通常の壁掛けエアコンだけでなく、自動お掃除機能付きタイプや天井埋め込み型にも対応可能です。土日祝日の追加料金も発生しないので、お気軽に「くらしのセゾン」までお声がけください。

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自動運転の活用

自動運転の活用

エアコンの電気代を節約する方法のひとつに、自動運転の活用があります。自動運転は、まず強運転で設定温度に最短で近づけ、その後は弱運転で室温をキープしてくれる機能です。

効率良い運転が、節電につながります。さらに、ご自身で温度や風量を調整しなくともエアコンが自動で切り替わるので、手間がかかりません。

断熱シートやカーテンの活用

断熱シートやカーテンを活用すると、冷暖房効率の向上が目指せます。例え窓を閉めていても、熱の出入りは防げません。

そこで、窓に断熱シートを貼ったりカーテンを閉めたりすると、外気の影響を受けにくくなる効果が期待できます。そのため、効率良くエアコンを稼働でき、電気代節約につながるのです。

サーキュレーターや扇風機を併用する

「なかなか適温にならないから」とエアコンの設定温度を変えるのではなく、サーキュレーターや扇風機をつけてみましょう。

部屋全体が快適な温度にならないのは、エアコンから吹き出された空気が循環していないのが原因かもしれません。そこでサーキュレーターや扇風機で風を送ると、エアコンを強運転させなくとも室内に快適な空気が行き渡るため、節電が叶います。

電気代の契約内容や電力会社を見直す

エアコンの使い方ではありませんが、電気の契約内容や電力会社を見直すのも節約につながります。前述のとおり、電気代は契約プランによって設定が異なります。

また、すべての電力会社で同一料金ではありません。そのため、よりご自身の生活にマッチするプラン・電力会社に変更することで、電気代を抑えられるでしょう。

エアコンを買い替える

エアコンの電気代が高過ぎると感じたら、思い切って買い替えるのもひとつの手です。旧型のエアコンは消費電力が大きく、電気代がかさんでしまいます。

環境省が発表しているデータによると、2010年製より2020年製のエアコン(冷房能力2.8kW)の方が約12%の省エネになるそうです。つまり、エアコンを新しく買い替えるだけで電気代を安く抑えられるでしょう。

おわりに

エアコンは家電の中でも多くの電力を消費しています。エアコンの使い方を見直せば、電気代の節約につながります。すぐに電力会社の変更や最新モデルへの買い替えは難しいかもしれませんが、まずは簡単な節電方法から試してみてください。ただし、暑さや寒さを我慢するのは良くありません。無理のない範囲で、節約を目指しましょう。

参照元:
省エネポータルサイト|空調|無理のない省エネ節約|家庭向け省エネ関連情報
省エネポータルサイト|無理のない省エネ節約|家庭向け省エネ関連情報
環境省|エアコンの使い方について|家庭部門のCO2排出実態統計調査
東京都|ゼロエミッション東京 イマ・ミライ|P9
環境省|デコ活|家庭でできる節電アクション | 3.エアコンで節電!
COOL CHOICE|2020年 VS 2010年 最新家電と10年前の家電どのくらいおトク?

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