医療保険を選ぶときは、男性と女性で注目すべきポイントが異なります。具体的にどのように選べば良いのか、詳しく見ていきましょう。また、保険料を抑えるコツについても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
男性・女性の医療保険の平均保険料はいくら?
生命保険文化センターの「令和元年度 生活保障に関する調査」によれば、家庭で何らかの医療費の準備をしていると答えた方は85.0%で、医療保険を含む生命保険で準備をしていると答えた方は73.1%でした。また、生命保険に加入していると答えた方のうち、入院給付金が支払われる保険に加入していると答えた方も73.1%です。
このことから、公的な医療保険だけでなく、民間医療保険に加入して万が一に備えている方が多いことがわかるでしょう。
なお、医療保険を含む生命保険の年間平均保険料は以下のとおりです。どの年代も男性の方が女性よりも保険料が高いこと、特に50代になると保険料が高額になっていることが分かります。
男性 | 女性 | |
20代 | 147,000円 | 114,000円 |
30代 | 235,000円 | 151,000円 |
40代 | 232,000円 | 156,000円 |
50代 | 293,000円 | 206,000円 |
60代 | 210,000円 | 174,000円 |
参考:生命保険文化センター「令和元年度 生活保障に関する調査」
ご自身に合う医療保険を選ぶ5つの要素
医療保険を取り扱う保険会社は多く、保障の種類もさまざまです。また、吟味して保険を選んだつもりでも、期待する保障が得られないこともあります。医療保険に加入するときは、次の5つのポイントに注目すると、求める保障を受けられるようになるでしょう。
- 保障期間
- 保険料の支払期間
- 掛け捨て型か貯蓄型か
- 持病の有無
- 特約の有無
保障期間
医療保険が適用される期間を選べるタイプの保険があります。例えば加入している限りいつまでも保障を受けられる終身タイプや、5年間、10年間などの期間限定タイプがあるため、必要に応じて選び分けることが大切です。
例えば高齢になってからではなく、現在の保障を手厚くしたいという方は、期間限定タイプを選ぶと良いでしょう。「収入保障のある保険を選べば、病気やケガなどで一時的に収入が減ったときに生活費を補填できるかもしれません。」
老後の医療費に不安を感じる場合は、終身タイプを選ぶことで安心を得られるでしょう。医療保険の中には加入できる年齢に上限が定められているものもあるため、高齢になる前に加入しておくことで一生涯の保障を得やすくなります。
保険料の支払期間
保障期間を限定するタイプの保険は、保険を支払っている限り保障を受けられるため、保障期間と保険料の支払期間は同一となります。一方、保障期間が終身タイプの保険は、保険料の支払期間を選べることがあります。
保障期間を限定するタイプと同様、保障を受けている間、ずっと保険料を支払うものもありますが、60歳までに保険料を全額支払い、それ以降は保険料を支払わずに保障だけを受けられるものもあります。ご自身に合う支払い方法を選びましょう。
支払期間を固定にしない場合は毎月の保険料を抑えられますが、一定期間のみ保険料を支払うほうが長生きすれば1ヵ月当たりの保険料を抑えられます。
掛捨型か貯蓄型か
保険には、解約したときに保険料が一切戻ってこない「掛捨型」と、保険料の一部が戻る「貯蓄型」があります。また、貯蓄型のなかには一定期間生存し、なおかつ規定の条件を満たすと生存給付金が支給されるものもあり、定期的にまとまったお金が入るため教育資金としたり、家電の買い替え計画などが立てやすいでしょう。
毎月の保険料を抑えたい方は掛捨型が適していますが、医療保険としてだけでなく貯蓄としても活用したい方には貯蓄型が適しています。ご自身に合うものを選びましょう。
持病の有無
医療保険に加入するときには、加入時点の健康状態や病歴について申告するものもあります。申告した内容によっては契約できないことや、引受基準は広くなるものの保険料が割高になるタイプ(引受基準緩和型)などを選ぶことにもなるでしょう。病歴があり、保険加入が難しいときや保険料が高めになるときは、医療保険に加入せずに預貯金で備えることも検討できます。
特約の有無
医療保険にはさまざまな特約が用意されていることがあります。例えば子宮筋腫などの女性特有の疾病によって入院したときに、通常の入院給付金とは別途で一時金や入院給付金が支給される「女性特定疾病特約」や、がんと診断されたときに一時金が支給される「がん診断特約」などがあり、保険料はいくらか増えますが、より充実した保障を受けられることもあるでしょう。
男性が医療保険を選ぶ際に注意すべき3つのポイント
どのような医療保険が適しているかは、年齢や性別によっても異なります。すでに医療保険に加入している方も、年代や心配ごとが変わるにつれて、その時点に応じた保険に加入し直すことが必要になるでしょう。男性が医療保険を選ぶ際に、特に注意したいポイントとしては次の3つを挙げられます。
- 生活習慣病に対する保障が手厚いか
- 保険料が妥当であるか比較して選ぶ
- 夫婦が同じ保険に入る必要はない
それぞれのポイントについて見ていきましょう。
生活習慣病に対する保障が手厚いか
男性は、女性と比べて生活習慣病にかかるリスクが高い傾向にあります。例えば肥満は生活習慣病を招くリスクのひとつです。20歳以上の男性のうち33.0%が肥満であるのに対し、女性は22.3%が肥満であることがわかっています。
実際に糖尿病が疑われる方の割合も、女性よりも男性が多いのが実情です。20歳以上で糖尿病が疑われる方は男性の19.7%ですが、女性に関しては約半分の10.8%しかいません。
男性は保険を選ぶときに、生活習慣病に対する保障が手厚いかどうか注目する必要があるといえます。生活習慣病にかかったときに一時金を受給できる保険や、入院給付金の最大支払日数が多い保険などにも注目してみましょう。
保険料が妥当であるか比較して選ぶ
保障内容が同じでも保険会社によって保険料は異なります。反対に保険料が同じでも、保険金の金額や保険金支給の対象となる疾病が異なる場合もあるでしょう。必要とする保障を妥当な保険料で準備するためにも、いくつかの保険を比較して選ぶことが大切です。
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夫婦が同じ保険に入る必要はない
医療保険に求める保障は一人ひとり異なります。夫婦であっても同じ保険に入る必要はないため、それぞれご自身に合う保険を探しましょう。
また、同じ保障内容の同じ保険商品であっても、年齢や性別が異なれば保険料も異なります。男性にとって妥当な保険料の保険商品でも、女性の保険料は割高に設定されているかもしれません。各自が納得できる保険商品を見つけましょう。
持病がある場合の医療保険を選ぶ際に注意すべき4つのポイント
持病がある場合は、保険商品によっては加入できない可能性があります。また、加入できる場合でも、保険料が割高に設定されていることが多いです。そのため、預金などで医療費に備える方も少なくありません。
しかし、預金が充分にない場合や、老後資金や教育資金、住宅資金などに備えると医療費が残らないという場合は、やはり医療保険が必要になります。医療保険に加入し、万が一に備えたいと考えるときは、以下の4つのポイントに留意しましょう。
- 保険期間
- 支払削減期間の有無
- 告知の必要有無
- 加入可能な年齢
保険期間
保険期間を短く設定することで、持病の有無にかかわらず加入できるケースもあります。例えば少額短期保険の医療保険は、保険金の上限額は800,000円以下に抑えられている保険です。持病を問わない保険商品もあり、万が一に備えられるでしょう。ただし保険期間が1年以内であるため、頻繁に再契約や更新手続きが必要になる点に注意が必要です。
少額短期保険に加入できない場合は、引受基準緩和型か、持病の有無を問わない無選択型を検討してみましょう。保険料は割高になりますが、病気やケガに備えられます。保険期間を一生涯ではなく一定期間にすると保険料を抑えることが可能です。なお、持病がある場合は病気になる可能性も低くはないため保険料は高くなりますが、保険期間は長く設定しておくと安心でしょう。
支払削減期間の有無
保険商品の中には一定期間の給付金が減額されるものや、まったく支払われないものがあります。このような期間を「支払削減期間」と呼びますが、持病の有無にかかわらず加入しやすい保険商品の中には、支払削減期間が設けられていることが少なくありません。支払削減期間と病気やケガの時期が重なると、保障が必要なときに受けられない可能性もあります。
保険加入前に支払削減期間があるかどうか確認しておきましょう。支払削減期間が設定されていることで保険料が低くなるというメリットはありますが、必要なときに保障が受けられないのでは困ります。
なお、支払削減期間がある保険では、削減期間が長いほど加入条件が広く、なおかつ保険料が低くなりがちです。また、支払削減期間が2年以上ある場合には、1年目よりも2年目、2年目よりも3年目のほうが給付金の支給割合が高くなる傾向があります。ご自身の健康状態も考慮したうえで、保険料も保障内容も納得できるものを選びましょう。
告知の必要有無
現在の健康状態や病歴を告知する義務がある医療保険は、告知義務のない保険商品よりも保険料が割安です。しかし、持病がある場合は加入できないケースがあるので、保険商品を比較するときは告知についても確認しておきましょう。
告知義務のある保険に加入できない場合は、引受基準緩和型か無選択型の医療保険を選ぶことになります。保障内容を比較して自分に合うものを選びましょう。
加入可能な年齢
どの医療保険も、加入可能な年齢が定められています。そのため、高齢になってから保険に加入しようとすると選択肢が狭まるため注意しましょう。
また、高齢になってから加入すると、保険料が割高になる傾向があります。加入可能な保険に早めに加入しておくことで、月々の保険料を抑えつつ、長く保障を得られるでしょう。
医療保険の保険料を抑える4つのコツ
保険料は毎月、あるいは毎年払うことになります。病気やケガをせずに過ごせるのは嬉しいことですが、保険料が高すぎて家計に負担を与えることは避けたいものです。少しでも保険料を抑えるために知っておきたい4つのポイントについて見ていきましょう。
- 入院給付金は安いものを選ぶ
- 掛捨型がおすすめ
- 保険期間が定期のものを選ぶ
- 不要な特約がないか確認する
入院給付金は安いものを選ぶ
保険商品によっても異なりますが、入院給付金は5,000円、10,000円、15,000円などの選択肢から選ぶことが一般的です。入院給付金の金額が高くなればなるほど保険料は高額になります。保険料を抑えたいときは、入院給付金は安いものを選ぶようにしましょう。
ただし、商品によっては手術給付金が入院給付金の金額の倍数で設定されていることがあります。このような保険を選ぶと、入院給付金を抑えることで手術給付金も減ってしまうため、必要な金額について考えてから入院給付金の金額を決めるようにしましょう。
高額療養費制度
手術や入院などで医療費がかさむときは、金額によっては「高額療養費制度」が適用されることがあります。高額療養費制度とは公的健康保険の制度のひとつで、所得によって決まる月額上限自己負担額を超えると、差額の返還を受けられる制度です。
また、高額療養費制度が適用される月が12ヵ月間に3ヵ月以上あるときは、4ヵ月目から月額上限自己負担額が下がり、さらに医療費の負担が軽減されます。公的制度でカバーされる部分も考慮しつつ、民間の医療保険でカバーする金額を決めていきましょう。
掛捨型がおすすめ
貯蓄型の医療保険は、医療費の不安に備えつつ貯蓄もできる商品です。しかし、掛捨型と比べると保険料が高めに設定されているため、毎月の負担が大きくなります。月々の保険料を抑えたいときは、貯蓄型ではなく掛け捨て型を選ぶと良いでしょう。
保険期間が定期のものを選ぶ
保険期間が一生涯のタイプの保険は、一定期間のみ保障される保険よりは保険料が高額に設定されています。保険料を抑えたいときには、保険期間が一定期間のみのものを選ぶと良いでしょう。
しかし、高齢になってからでは加入できる保険が少なくなります。老後の医療費に対する心配があるときは、保険料が割高の一生涯タイプも検討できるでしょう。
不要な特約がないか確認する
特約をつけることで、より幅広い保障を得られます。しかし、特約を充実させればさせるほど保険料が高くなるため注意が必要です。本当に必要な特約だけを選んでいるのか、加入する前に一度見直します。また、すでに加入している保険も、不要な特約がついていないかどうか定期的に確認しましょう。
おわりに
医療保険は自分で決められる要素が多い保険です。入院給付金の金額や保険期間、特約などを丁寧に確認し、必要な保障を必要な分だけ受けられるように組み立てていきましょう。
また、同じ保障内容でも保険商品や性別、年齢などによって保険料が異なります。いくつかの商品を比較検討してから、納得できるものを選びましょう。