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取引信用保険とは?補償内容・保険料の相場・ファクタリングとの違いについて

取引信用保険とは?補償内容・保険料の相場・ファクタリングとの違いについて
セゾンのくらし大研究 編集部

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帝国データバンク「新型コロナウイルス関連倒産」動向調査 2023年5月24日分によると、新型コロナ関連の倒産件数は2023年に入っても高い水準にあり、物価高騰による影響も大きく、売掛金が回収できなくなるリスクが高まっています。取引先から売掛金が回収できないリスクに備えたい方は、「取引信用保険」を活用してみましょう。

このコラムでは、取引先の倒産リスクが心配な方向けに、取引信用保険の概要、メリット・デメリットについてご紹介します。

この記事を読んでわかること

取引信用保険は、取引先から売掛債権が回収できなくなったときの損害を補償する保険です。取引先が破産手続・民事再生手続・会社再生手続・特別清算の申立、開始のときだけでなく、夜逃げや私的整理をしたとき、保険会社の商品によっては支払いが1日でも遅れた場合などにも補償対象となります。

取引信用保険のメリットは、取引先の倒産リスクに備えられる以外に、取引先の与信チェックに保険会社の力が借りられる、自社の信用力が高まる、取引拡大につながる可能性があることです。ただし、保険料の負担が必要になり、保険会社の審査次第では希望通りの補償内容になるとは限らない点はデメリットでしょう。

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取引信用保険の基本情報について

1.取引信用保険の基本情報について

取引信用保険は、取引先が倒産して債権が回収できなくなったときの損害を補償するため、取引先の倒産リスクに備えられる他、与信管理のノウハウが不足しがちな中小企業でも、保険会社の与信管理機能が活用できるようになります。まずは取引信用保険の概要と、補償内容について見ていきましょう。

取引信用保険とは?

取引信用保険とは、取引先の倒産などで売掛債権等が回収できなくなった場合の損害を補償する保険のこと。「取信(とりしん)」と略して使われることもある他、「倒産保険」「売掛金保険」など呼び方が保険会社で異なる場合が多いです。

取引信用保険は主に損害保険会社で取り扱っており、保険会社や損害保険代理店からご加入いただくか、一部の中央会や商工会議所などが窓口となり加入できるプランもあります。

取引信用保険の補償内容について

取引信用保険は、債務者(取引先)が各保険会社の定めている倒産事由に該当した場合が支払対象です保険会社によって倒産事由が異なる場合がありますが、主に以下のようなケースが倒産事由に該当します※。

※詳細な支払い事由は保険会社への確認が必要です。

  • 破産手続・民事再生手続・会社更生手続・特別清算の開始や申立
  • 取引金融機関または手形交換所の取引停止処分
  • 財産の強制換価手続きの開始や、仮差押命令や保全差押通知が発せられた
  • 夜逃げ
  • 私的整理

取引信用保険の保険金の計算方法

1-3.取引信用保険の保険金の計算方法

債務者(取引先)が各保険会社の定めている倒産事由に該当した場合、支払限度額を上限として実際の損害額に縮小率を乗じた金額が支払われます。縮小率は90~95%に設定されるのが一般的で、支払限度額の範囲内であっても100%損害が補償されるとは限りません。

【取引信用保険の保険金額の計算式】

保険金支払額=損害額×縮小率≦支払限度額

【計算例】

500万円の支払限度額を設定した取引先が倒産した場合。縮小率は90%

  • 売掛債権が500万円だった場合

500万円×90%=450万円
支払保険金は450万円

  • 売掛債権が600万円だった場合

600万円×90%=540万円
支払限度額が500万円のため、支払保険金は500万円

保険料の相場は?

取引信用保険の保険料の相場は、支払限度額の1.0~4.0%。仮に支払限度額1,000万円の場合、保険料は1,000万円×1.0~4.0%=100,000〜400,000円です。

ただし、こちらで示す保険料の目安はあくまでも一例であり、保険料や補償の対象となる取引先数、取引先の信用情報などで保険料は変動します。

取引信用保険のメリット

2.取引信用保険のメリット

取引信用保険にはどのようなメリットがあるのでしょうか?主なメリットを5つご紹介します。

損害を軽減できる

取引先の急な倒産で、売掛債権等が貸し倒れになったとしても損害額の大半が取引信用保険から支払われるのはメリットです。そのため、取引先の倒産による大幅な資金繰りの悪化を防ぎ、取引先の倒産リスクによる損失を、保険料の支払いコストに平準化できるでしょう。

信用力がアップする

取引信用保険に加入していると、取引先が倒産しても損害額が一定額までカバーされます。そのため、取引信用保険に加入していると金融機関や他の取引先から「リスク管理ができている」あるいは「債権保全ができているため安心できる」など、企業の信用力がアップする可能性があるでしょう。

なお、どの取引先が取引信用保険の補償対象となっているかが、取引先に知られることはありません。

取引先の与信チェックができる

取引先の倒産リスクを避けるために、日頃の与信チェックが非常に重要ですが、自社の人員やノウハウだけでは限界があるかもしれません。取引信用保険に加入をすると、保険会社が取引先の審査を行うため、自社と保険会社で2重の与信チェックができます。

また、加入後は保険会社から取引先の信用情報が提供されるため、信用不安が生じている取引先があれば取引を縮小するなど経営判断にも役立つでしょう。

取引拡大につながる

取引信用保険に加入していることで、これまで与信チェックが行き届かずに取引額を抑えていた企業や、リスク回避のために取引をしていなかった企業との取引ができるようになる可能性があります。ひいては取引拡大につながり、売上アップが期待できるでしょう。

保険料は損金扱い

取引信用保険の保険料は損金算入が可能です。

取引信用保険のデメリット

3.取引信用保険のデメリット

取引信用保険にはデメリットもあります。主なデメリットを3つご紹介しましょう。

保険料を負担しなければならない

取引信用保険に加入するためには、保険料の負担が必要です。また、取引先の信用力が低い企業は保険料が高額になるため、取引先の信用力次第では保険料が割高になる可能性があります。

希望がすべて叶うわけではない

取引信用保険に加入する際は、保険会社が取引先の与信審査を行うことが通常です。審査の結果によっては補償額が希望額に満たなかったり、保険を引き受けてもらえない取引先が生じたりする可能性があります。

取引先を指定することは不可

取引信用保険は基本的に取引先を選んで加入することはできません。保険会社の中には債権残高上位20社まで補償、手形先、現金先のみ補償など、一定の条件を満たした取引先に限定する方法が可能な場合があります。

取引信用保険とファクタリング

1-3.取引信用保険の保険金の計算方法

取引信用保険は、ファクタリングという資金調達方法に似ていて区別がつきにくいと感じることもあるようです。特にファクタリングの中でも「保証型ファクタリング」と取引信用保険は非常によく似ています。ここでは取引信用保険とファクタリングの違いについてご紹介しましょう。

そもそもファクタリングとは?

ファクタリングとは債権買取という意味があり、売掛債権(売掛金)を売却して資金調達をする方法ですファクタリングは大きく2社間ファクタリングと、3社間ファクタリングに分類できます。

2社間ファクタリングとは、売掛債権をファクタリング会社に譲渡して売却代金を受け取り、取引先から売掛金が支払われたら、受け取った売掛金をファクタリング会社に返済するという仕組みです。

一方、3社間ファクタリングとは、ファクタリング会社に売掛債権を譲渡して売却代金を受け取る点は2社間ファクタリングと同じですが、3社間ファクタリングの場合は売掛先が、売掛金を直接ファクタリング会社に支払います。

ファクタリングとは2社間、3社間いずれのケースにおいても、売掛債権を売却して資金調達をする方法の一種です。倒産事由に該当することで保険金が支払われる取引信用保険とは大きな違いがあります。

また、ファクタリングの中でも「保証型ファクタリング」は特に取引信用保険と似ていますが、違いは保証型ファクタリングが売掛先を選べる、取引信用保険が原則売掛先を選べないという点です。

取引信用保険とファクタリングとの違いについて

取引信用保険とファクタリング、保証型ファクタリングの違いについてまとめると以下のとおりとなります。

  ファクタリング 保証型ファクタリング 取引信用保険
取扱会社 ファクタリング会社 損害保険会社
売掛先の選定 任意に選択できる 原則できないが、一部保険会社では可能
填補額 債権の100% 債権の90~95%(縮小率がある)  
保証料/保険料 取引先の信用力に応じて個別に設定。売掛金の2.0%~18.0%が目安 取引先の信用力に応じて個別に設定。売掛金の1.0%~8.0%が目安 取引先の信用力に応じて個別に設定、ただし取引先を包括的に設定するためファクタリングよりは安い傾向。支払限度額の1.0~4.0%

※保険会社や商品などによって収縮率が違う場合があります

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取引信用保険に加入する流れ

5.取引信用保険に加入する流れ

取引信用保険は損害保険会社で加入することができます。問い合わせをする前に、加入までの流れについて確認しておきましょう。

取引先を選ぶ

まずはどの取引先を補償の対象とするのかを選びますが、場合によっては保険会社と補償の対象となる取引先を協議する場合もあります。原則全ての得意先を包括的に対象としますが、一定の条件を満たした取引先に限定することも可能です。

取引先情報の告知

補償の対象とする取引先が決まったら、保険会社所定の告知書に名称・本店住所・代表者名・債権額・売上額・希望支払限度額などを記入して損害保険会社に提出しましょう。

保険会社による調査

提出した告知書に記載されている取引先について、保険会社が調査・審査を行いますが、審査にかかる日数はおおよそ2週間程度です。取引先によっては引き受けできない、希望支払限度額に満たない場合があります。

条件の決定

取引先ごとの支払限度額を設定し、引受条件や保険料に問題がなければ契約できます。

取引信用保険の相談は専門家へ

6.取引信用保険の相談は専門家へ

日本においても新型コロナ禍から回復して経済活動が活発になっていますが、依然として倒産件数は高い水準で推移しています。取引信用保険は多くの保険会社で取り扱っているわけではないため、保険の知識に長けた専門家に相談すると良いでしょう。

セゾンの法人保険に相談を

取引信用保険は取引先の倒産リスクに備えられる心強い保険ですが、すでに支払遅延になっていたり、支払状況が悪い状態になっていたりすると、保険金が支払われない可能性があります。また、補償対象となっている取引先の支払状況に変化があったような場合は、すぐに保険会社に報告しましょう。

このように、取引信用保険は保険の専門家との連絡を密にして、適切なアドバイスを受けることで最大限効果を発揮する保険です。取引信用保険を含めた法人保険の相談は、セゾンの法人保険まで気軽にお問い合わせください。

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おわりに

取引信用保険とは、急な取引先の相談などで売掛債権を回収できずに生じた損害を補償する保険です。同保険は取引先の倒産リスクに備えられますが、保険料の負担が必要などメリット・デメリットどちらもあります。依然、日本では倒産件数が高い水準で推移しているため、こうしたメリット・デメリットを理解して万が一に備えて取引信用保険の加入を検討しましょう。取引信用保険は、保険の専門家とコミュニケーションを取り、適切なアドバイスを受けることが大切です。

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