小さくて愛らしい姿が魅力のチワワ。家庭で飼われる犬種の中でも人気が高く、その特徴的な見た目や人懐っこい性格に多くのファンがいます。その一方で、体が小さいため、チワワ特有の病気や健康リスクにも注意が必要です。
この記事では、チワワの基本情報や平均寿命、かかりやすい病気を紹介しながら、健康で長生きさせるためのポイントについて解説します。大切なチワワのためにできることを学び、愛犬との時間を楽しみましょう。
(本記事は2024年10月9日時点の情報です)
- チワワの平均寿命は約14歳だが、適切なケアで更なる長寿も可能
- 心臓病、泌尿器疾患、呼吸器疾患が主な健康リスク
- 適切な運動、栄養管理、デンタルケア、定期健康診断が長寿のカギ
- 愛情豊かなコミュニケーションと安心できる環境も重要
- チワワの急な病気に備えて、ペット保険への加入がおすすめ
チワワの基本情報
チワワは小型犬種の中でも際立った特徴を持つ人気の犬種です。まずは、チワワの見た目や性格などの基本情報について解説します。
見た目の特徴
各犬種の原産国において公に純粋犬種として認め、その純粋性を明らかにするために「犬種標準」を判定し、それが国際的に認められた犬種のことを「公認犬種」といいます。一般社団法人ジャパンケンネルクラブ(JKC)では208犬種を登録しています。チワワは公認犬種の中で最も小さな部類に入り、一般的な体重は1~3kgほどです。コンパクトな体形ですが、個体差が大きいのも特徴のひとつです。
被毛は短くて真直ぐな毛質のスムースコートと長毛のロングコートの2タイプがあります。ロングコートは耳、足、尾などに飾り毛が見られるのが特徴です。毛色のバリエーションは豊富で、マール(大理石模様)を除くほとんどの色や組み合わせが認められています。
頭部は後頭部が平らではなく、盛り上がった丸みを帯びた形のアップルヘッド。はっきりとしたストップ(鼻骨と前頭骨が接する両目の中間の窪んだ部分)とやや短めのマズル(鼻から口先にかけての部分)を持ち、大きく丸い瞳が印象的な顔立ちをしています。
性格や気質の特徴
チワワは小さな体に似合わず、活発で勇敢な一面を持っています。家族に対しては愛情深く忠実ですが、警戒心も強めなのが小型犬らしい特徴。見知らぬ人や犬に対して厳しい態度に出ることもあるようです。
また、好奇心旺盛で運動神経が良いのもチワワの特徴です。家の中を全速力で駆け回ったり、高くジャンプしたりと、小型犬の中ではかなり活発に動き回る犬種だといえるでしょう。
チワワの平均寿命は?
チワワは小型犬の中でも人気の高い犬種ですが、飼い主さんが気になるのはチワワの寿命ではないでしょうか。
ここでは、チワワの平均寿命やギネス記録の最高齢、犬種による寿命の違いなどをご紹介します。
また、愛犬を長生きさせるためのポイントについても解説します。
チワワの平均寿命は14歳程度
犬の平均寿命は年々延びており、犬全体の平均寿命が2008年度は13.2歳でしたが、2021年度には14.2歳まで延びています。これは、獣医療の進歩や飼育環境の向上などが要因として考えられます。
なお、ギネス記録になっているチワワの最高齢は、2022年3月16日時点で21歳66日のトビーキースくん(アメリカ・フロリダ州)が保持しています。人間の年齢に換算するとおよそ100歳。日本国内でも25歳まで生きたチワワがいたという報告もあり、愛情を持って育てることで、平均寿命以上の長寿も夢ではありません。
参照元:アニコム損害保険株式会社|家庭どうぶつ白書2023年
チワワの主な老化のサイン
チワワをはじめとする小型犬は7歳頃からシニア期に入るといわれています。シニア期に入ると、老化に伴う体の変化が現れ始めます。
主な老化のサインとしては、毛並みや皮膚の変化が挙げられます。また、毛が抜けやすくなったり、白髪が増えたりします。皮膚のたるみやイボのようなものができることもあります。さらに、目の変化としては、眼球が濁ってきたり、目ヤニが増えたりもします。
歯が抜けたり、口臭がひどくなったりといった症状も老化のサインのひとつ。歯周病は内臓疾患など重篤な病気につながることもあるため、日頃からデンタルケアに気をつけることが大切です。
シニア期は病気にかかるリスクが高まります。老化のサインが見え始めたら、特に以下のような病気に注意が必要です。
- 心臓病(僧帽弁閉鎖不全症など)
- 呼吸器疾患(気管虚脱など)
- 関節疾患(膝蓋骨脱臼など)
これらの病気は早期発見・早期治療が何より大切です。少しでも異変を感じたら、すぐに獣医師に相談しましょう。
老化は避けられませんが、飼い主さんが愛犬の変化に気づき、適切なケアをしてあげることが、元気で長生きするためのカギとなります。
チワワがかかりやすい病気は?
チワワは比較的健康な犬種ですが、体の小ささゆえに注意が必要な病気もいくつかあります。特に、心臓や泌尿器、呼吸器の疾患には要注意です。
ここでは、犬の死因とそのなかでもチワワに多い死因、その他、かかりやすい病気について解説します。
チワワの主な死因
犬の死因で多いのは、腫瘍(13.4%)、循環器系の疾患(11.1%)、次いで泌尿器科系の疾患(8%)です。チワワは循環器系の疾患が最も多い犬種となっています。
腫瘍(ガン)
犬の死因で一番多いのは、腫瘍(ガン)です。リンパ腫、肥満細胞腫、乳腺腫瘍、悪性黒色腫(メラノーマ)などが犬に多いがんといわれています。ガンには良性と悪性があり、治療をすれば完治するものもあります。しこりを見つけた場合などは早めに医師の診断を受けましょう。
循環器疾患(心臓病)
チワワに多い循環器疾患(心臓病)としては、僧帽弁閉鎖不全症があります。心臓の僧帽弁に異常が生じ、血液が逆流してしまう病気です。咳や呼吸困難、運動不耐性などの症状が表れ、放置すると心不全を引き起こす可能性もあるため、早期の発見と治療が重要です。
泌尿器疾患
泌尿器疾患としては、尿路結石や膀胱炎などがよく見られます。尿路結石は、尿に含まれるミネラルなどが結晶化して形成されるもので、血尿や排尿困難を引き起こします。膀胱炎は細菌感染により膀胱に炎症が起こる病気で、頻尿や血尿などの症状が表れます。
呼吸器疾患
呼吸器疾患としては、気管虚脱が挙げられます。気管を支える軟骨の輪が弱くなり、気管が潰れてしまう病気です。咳き込んだり、呼吸困難を起こしたりすることがあります。肥満、吠え過ぎ、リードを引っ張ることによる気管の圧迫も発症リスクを高める可能性があるため、普段のケアが大切です。
参照元:アニコム損害保険株式会社|犬種別の平均寿命を調査(2016年)
チワワの特有疾患
その他、チワワがかかりやすい病気としては、水頭症やパテラ、低血糖症などがあります。以下では、それぞれの病気について解説します。
水頭症
水頭症は、脳脊髄液が過剰に貯留することで頭蓋内圧が高まり、脳が圧迫される病気です。チワワなどの小型犬は先天的な水頭症にかかりやすいといわれています。ふらつきや痙攣、眼球振とうなどの症状が表れます。
パテラ(膝蓋骨脱臼)
パテラとは、膝蓋骨(ひざのお皿)の脱臼のことです。お皿が溝からずれてしまい、歩行困難や後肢の跛行などを引き起こします。チワワのようなお皿の浅い犬種に多く見られ、肥満はパテラのリスクをさらに高めます。
低血糖症
チワワの子犬は特に低血糖になりやすいといわれています。ブドウ糖不足により、脱力やけいれん、意識消失などを起こします。子犬の時期は特に注意が必要で、長時間の空腹は避けるようにしましょう。
チワワの突然死リスク
チワワを突然死に至らしめる主な原因としては、先天性心疾患や僧帽弁閉鎖不全症、重度の不整脈、てんかん重積などが考えられます。
定期的な健診でこれらの疾患の早期発見に努め、日頃から愛犬の様子をよく観察することが大切です。
チワワの寿命を延ばすための6つのポイント
チワワの平均寿命は14歳ほどですが、飼い主さんの愛情とケア次第では、それ以上の長寿も夢ではありません。
ここでは、チワワの寿命を延ばすためのポイントとして、以下の6つを紹介します。
- 太らせないよう適度に運動をさせる
- 適切な食事を与える
- 歯周病予防のためにデンタルケアを行う
- コミュニケーションを大切にする
- 安心できる生活空間をつくる
- 定期的に健康診断を受ける
愛犬との幸せな時間が少しでも長くなるよう、日頃のお世話に取り入れることを心がけましょう。
太らせないよう適度に運動をさせる
チワワは細身の体型をしており、少し太っただけでも足腰に大きな負担がかかります。肥満は関節疾患やその他さまざまな病気のリスクを高めるため、予防が大切です。
散歩は1日に40分ほどを目安に行います。1回の散歩を20分程度にして、2回に分けるのも良いでしょう。無理のない程度に歩かせることで、筋力の維持と体重管理に役立ちます。また、階段の上り下りはなるべく控え、ジャンプも避けるようにしましょう。
適切な食事を与える
チワワの健康を維持するには、年齢や体重に合わせた適切な食事が欠かせません。
子犬の頃は消化器官が未成熟なため、一度に大量の食事を与えるのはNGです。1日あたり3~4回に分けて食事を与えましょう。成犬になったら1日2回の食事で十分です。シニア期に入ったら、消化の良いフードに切り替え、食事量を調整することが大切です。
また、手作りの食事を取り入れる場合は、バランスの取れた食事を選ぶことを忘れずに。おやつのあげ過ぎにも注意しましょう。
歯周病予防のためにデンタルケアを行う
チワワは口が小さく歯が密集しているため、歯周病になりやすい傾向があります。歯周病は全身の健康にも悪影響を及ぼし、心疾患などの命に関わる病気の原因にもなります。
歯周病を予防するには、デンタルケアが大切です。歯磨きガムなどを活用し、歯垢や歯石の蓄積を防ぎましょう。歯磨きを嫌がるようなら、デンタルおもちゃで歯垢を除去するのも効果的です。
コミュニケーションを大切にする
チワワは飼い主さんと強い絆で結ばれることを望む犬種です。コミュニケーションを大切にすることは、愛犬の精神的健康づくりにもつながります。
話しかけたり、一緒に遊んだりする時間を作りましょう。また、ブラッシングなどお手入れの時間も大切なスキンシップの機会です。チワワと触れ合うことで、健康状態の変化にも気づきやすくなるでしょう。
安心できる生活空間をつくる
警戒心が強く、神経質な性格のチワワにとって、安心できる生活空間を整えることはとても大切です。
小さな物音でも敏感に反応するチワワのために、寝床は人通りの少ない静かな場所に設けましょう。外の騒音が入りにくいよう配慮することで、ストレスを和らげることができます。
また、チワワは寒さに弱いので、冬場は暖かい部屋着を用意したり、ヒーターで部屋を暖めたりするなどの工夫も必要です。
定期的に健康診断を受ける
愛犬の健康状態を定期的にチェックすることで、病気の早期発見・早期治療が可能になります。
子犬のうちは、ワクチン接種とともに健康診断を受けるのがおすすめです。成犬になったら、少なくとも年に1回は健康診断に行きましょう。シニア期の7歳頃からは、半年に1回のペースで通院するのが理想的です。
血液検査はもちろん、心臓病のチェックのための聴診や、関節の状態を見るレントゲン検査なども併せて行うと良いでしょう。
チワワの急な病気に備えるならペット保険が必要
愛犬のチワワが病気になってしまった場合、治療内容によっては、高額な医療費がかかることも珍しくありません。例えば、チワワに多い心臓病のひとつ「僧帽弁閉鎖不全症」の場合、診断、治療、長期的な投薬と、飼い主さんの経済的な負担も軽くないでしょう。
こうした愛犬の病気やケガによる予想外の出費に備えるには、ペット保険の加入を検討するのがおすすめです。ペット保険にはさまざまな種類があり、保険会社や契約プランによって補償内容や保険料は大きく異なります。
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例えば、補償内容を重視して選びたい、もしくは極力保険料を抑えて選びたい、また現在入っている保険を見直してより愛犬にマッチした商品に変更したい、という方にも大変おすすめです。
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おわりに
チワワは、小さな体に大きな魅力と課題を秘めた犬種です。チワワの飼い主の皆様には、チワワの寿命と健康管理の重要性について、少しでも深くご理解いただければ幸いです。
- 愛犬の何気ない仕草や行動を日々観察し、小さな変化も見逃さないようにしましょう
- 病気を未然に防ぐためにも、定期的な健康診断と日々のケアを欠かさず行いましょう
- 万が一の病気やケガに備え、ペット保険への加入も検討することをおすすめします
愛情と適切なケアがあれば、チワワと暮らす幸せな時間をより長く過ごすことができます。この記事で得た知識を日々のケアに活かし、かけがえのないパートナーとの絆をより一層深めていってください。
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