旅行や出張のために家を空けなければならない時、猫がどのくらい留守番できるのか気になる方は多いでしょう。留守番中のエサ・水の交換や、トイレの処理をどうするべきか悩む方も少なくありません。今回のコラムでは、旅行で家を空ける時、猫のためにやっておきたい準備・対策、愛猫を預ける場合のおすすめの相談先についてもご紹介します。
猫は旅行中に留守番できる?
結論からご紹介すると、一泊二日程度の旅行であれば、飼い主の不在中に猫1匹だけで留守番させるのは問題ありません。ただし、中には留守番が苦手な猫や、トラブルに注意すべきケースもあります。ここでは旅行中に猫を留守番させる際の注意点について解説しましょう。
多くの猫は孤独に強い
野生の猫は単独行動を好む習性を持っており、テリトリー内である飼い主の自宅で1匹だけで留守番することは得意といえます。むしろ見知らぬ人物がテリトリー内に侵入することでストレスを抱える可能性があるため、ペットシッターを依頼したり、友人に世話を頼んだりするのは避けた方が良いケースもあります。
一泊二日程度の旅行であれば、エサ・水やトイレの問題も発生しにくいため、あえて留守中の世話を誰かに頼むよりも、1匹だけの時間を過ごさせた方が猫にとっては好ましい状態です。ただし、二泊三日以上の長期間の旅行では1匹が良いとは限らず、ペットホテルやペットシッターなどを利用した方が安心でしょう。
子猫の頃から飼い主と一緒の場合は要注意
一般的に孤独には強い猫ですが、留守番が得意かどうかは個体差もあります。たとえば、子猫の頃からずっと在宅で世話をしているなど、飼い主と過ごす時間が長いケースでは、孤独に弱いタイプであることも考えられます。
猫を1匹にさせるのが不安な場合には、まずは数時間の留守番を試したり、1日別の部屋で過ごすなど、少しずつ距離を置くトレーニングを重ねると良いでしょう。人懐っこく人間が好きな猫の場合は、ペットホテルや動物病院など、人の気配があるところに預かってもらうのもひとつの選択肢です。
「分離不安症」を引き起こす場合も
分離不安症とは、飼い主がいない状況で頻繁に鳴いたり、粗相したりする猫の行動を指します。飼い主の外出中などに、物を壊したり食欲が低下したりと、普段とは異なる様子を見せる場合には、分離不安症の可能性があります。
分離不安症は、子猫の頃から飼育している場合や、飼い主が長時間家を空けることが少ない場合、他に猫や犬がおらず一頭飼いを続けている場合などに多くみられます。普段から飼い主の足にまとわりついてきたり、飼い主と離れるのを嫌がる仕草を見せる猫は要注意です。
旅行中に猫を留守番させる時のエサ・水・トイレはどうすべき?
旅行中に猫を留守番させるときに最も気になるのが、エサや水、トイレをどう用意するかという点でしょう。夏場や冬場などは、準備不足が猫の命に関わることも考えられるため、充分に注意する必要があります。
自動給餌器・給水器を活用する
旅行中の猫の食事は、お皿などの容器に用意しておく方法でも構いません。ただし、容器をひっくり返す可能性がある猫や、留守番させる機会が多い家では、自動給餌器・給水器を利用するのもおすすめです。
自動給餌器を設定しておけばセットした時間に自動的にエサを補給することができ、給水器は常に新鮮な水を与えることが可能になります。特に夏場は長い時間お皿に放置しておくと、エサや水が傷む可能性があるため、長期間の旅行ではご注意ください。
なお、猫の食事選びについては、下記の記事もご参考ください。
トイレは多めの砂と予備があると安心
旅行中の猫のトイレは、普段よりも多めの砂を入れておくなどの対策をしておくと良いでしょう。予備のトイレがある場合、そちらにも砂を入れて複数の場所に設置しておくと安心です。
もし予備のトイレがない場合には、トイレシーツを底に敷いたダンボールや、使っていない衣装ケースでも代用できます。トイレの準備が不充分な状態では、カーペットやソファ、飼い主の服の上などで粗相される可能性があるので、充分注意しましょう。
エアコンの設定やペットカメラの準備を
夏場や冬場の旅行では、エアコンの設定を忘れないようにしましょう。特に夏の留守番では、エアコンのつけ忘れが猫の熱中症につながる可能性もあります。リモコンの誤操作にも注意して、室温が常に28度程度に保たれるように設定しておきましょう。
ただし、過ごしやすい季節でも窓の開けっ放しにはご注意ください。ドアや窓の開け方を覚えている猫の場合、飼い主の旅行中に脱走するリスクも高まります。また、ストーブや電気ヒーターなどは、火傷・火事の原因になるため、留守中は使わないようにしましょう。旅行中も猫の様子をチェックしたい場合には、ペットカメラを設置してスマホから家の中を確認できるようにしておくと安心です。
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旅行中に猫を留守番させる場合のトラブルと対策
旅行中に猫を留守番させる場合、粗相やイタズラなどのトラブルが起こることがあります。ここではそうしたトラブルの事例と対策方法をご紹介しましょう。
敷物・マットは収納して粗相対策
粗相されると困る敷物・マット類は、旅行中はできるだけ片付けて収納しておくと良いでしょう。粗相や嘔吐の汚れを数時間〜数日放置すれば、処分が必要になるケースもあります。また、家族の布団やベッド、服の上などで粗相する事例も少なくないため、事前に撤去しておくか、ドアを閉めて侵入できないようにしておくと安心です。
侵入できない部屋を作って物損や誤飲対策
粗相されて困るもの以外にも、食品や貴重品、誤飲の危険性があるものは、猫が入れない部屋に移動させておきましょう。猫用のおもちゃなども、放置しておくと丸呑みする可能性があるため注意が必要です。また、ゴミ箱を漁ったり、キッチンで盗み食いをしたりする事例も少なくありません。フタ付きのゴミ箱を用意したり、猫の手が届かない冷蔵庫に保管しておくなどの対策が有効です。
玄関や窓の戸締りを厳重に行い脱走対策
猫の留守番中に最も注意したいのが、自宅からの脱走です。猫によっては自力でドアや窓を開けられることもあるため、施錠には充分注意して戸締りを確認しておきましょう。また、帰宅して玄関ドアを開けた瞬間に、隙間から脱走するという事例も少なくありません。荷物が多い旅行からの帰りでは、玄関ドアを開けっぱなしにして荷物を運んだりしないよう注意が必要です。
旅行中に猫を預けるならどこに相談する?家族に頼めない時の対処法
旅行中に留守番させるのが心配であれば、猫を家族に預かってもらうと安心です。しかし、家族が近くに住んでいない場合など、頼れる方がいないことも多いでしょう。そこで相談したいのが、次の3つの預け先です。
- 友人・知人の家
- ペットホテル
- 動物病院
それぞれ解説しましょう。
友人・知人の家で預かってもらう
猫を飼っている友人や、猫を飼っていた経験がある知人の方がいれば、旅行中に預かって世話をしてもらうと良いでしょう。事前に短期間預けてみて、トイレのしつけを済ませておいたり、脱走防止について相談したりすると安心です。預け先の方とは旅行中もしっかり連絡が取れるようにしておき、こまめに様子を教えてもらうと良いでしょう。
ペットホテルで預かってもらう
ペットショップなどに併設されているペットホテルに預けることで、プロの方に世話をしてもらうことが可能です。猫の扱いに慣れているスタッフが対応してくれるため、安心して預けることができます。中には爪切りなどのサービスが受けられるところもあります。
ただしケージの中が基本で、広い場所で遊ばせたりするのは難しいケースが大半です。また、環境が変わることから猫に大きなストレスが掛かる可能性があるため、普段と同じフードやおもちゃを持参したり、旅行後はしっかりと遊んであげるなどのケアを行いましょう。
動物病院で預かってもらう
かかりつけの動物病院に相談することで、ペットホテルと同様に預かってもらえることがあります。獣医師がいるので、健康に不安がある猫の預け先として最も安心できるでしょう。ただし、事前に予約が必要となるケースが多いため、旅行日程が決まってから早めに相談しておきましょう。また、動物病院の状況によっては、健康な猫の預かりには対応していない場合もあるため、事前の確認が必須です。
猫同伴で飛行機・ホテルを利用できるサービスも
家やペットホテルで猫を留守番させるのに抵抗がある場合は、猫と一緒に旅行に行く選択肢もあります。最近ではペット同伴で利用できる交通機関も増えてきており、快適な旅行を楽しめるプランが選べるようになっています。
例えば、航空会社のスターフライヤーは、2022年3月からペット同伴で搭乗できるサービス「FLY WITH PET!」を開始しています。こちらのサービスでは、猫をケージに入れたまま機内に持ち込むことが可能で、羽田・北九州間で利用できます。
参考:https://www.starflyer.jp/checkin/pet/flywithpet/
また、近年ではペットと一緒に宿泊できる施設も増えており、中にはペット用のサークル・マット・食器などが備品として利用できるホテルもあります。飼い主向けの朝食はルームサービスで提供されるなど、細かな配慮が受けられる場合もあります。なお、東京都内でペットと宿泊できる施設は、下記の記事でもまとめているのであわせてチェックしてみてください。
おわりに
旅行中に猫を留守番させる場合、一泊二日程度であれば食事・トイレの準備をしておけば問題ないケースが多くなります。ただし飼い主と離れて過ごす時間が少なく、分離不安症を起こす可能性がある場合には、少しずつ留守番させるトレーニングから始めると良いでしょう。
また、留守番中は粗相・誤飲・脱走などに注意して、長期間の旅行になる場合にはペットホテル・動物病院などの利用も検討しましょう。最近ではペット同伴可能な旅行プラン・ホテルも増えているため、一度検討してみることをおすすめします。