お正月にお餅を食べる理由とは?定番の餅料理や地域ごとの雑煮の違いも解説!

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お正月にお餅を食べる理由とは?定番の餅料理や地域ごとの雑煮の違いも解説!

お正月の食べ物と言えば、お雑煮・おせち料理・お餅などをイメージする方が多いでしょう。では、お正月にはなぜお餅を食べるのでしょうか。実は、お餅と日本の伝統文化には、密接な関係があります。

そこでこのコラムでは、お正月になぜお餅を食べるのか、鏡餅の由来を把握した上で、日本各地のお雑煮や餅を使った定番レシピをご紹介します。いつものお気に入りの食べ方、新たに挑戦したい食べ方、ご自身だけのアレンジなど、いろいろな食べ方でお餅を楽しみましょう。

1.お正月にお餅を食べる理由は?

お正月に餅を食べるのは、平安時代から行われていた「歯固めの儀」が由来といわれています。「歯固めの儀」とは、お正月に硬いものを食べることで歯を強くし、長寿や健康を願う行事です。その儀式で硬い鏡餅が食べられており、その風習が現代に続いています。

お餅のほかにも、栗や大根、するめ、昆布など、地方によってさまざまなものが食べられていました。また、お正月は特別な「ハレの日」であるため、餅を食べてお祝いするという理由もあります。「ハレの日」のハレは非日常という意味であり、節目や折り目を表します。

成人式や結婚式など、人生の節目となる日には、餅や赤飯でお祝いをする風習が今も残っています。

2.お正月に飾る鏡餅とは

鏡餅は「年神様」の依り代です。その年神様とは、新年の神様であり、新年の恵みや幸せを分けてくださると考えられています。

また、鏡餅の由来は、“銅鏡”と呼ばれていた「丸い鏡」です。鏡には、魂が宿ると考えられており、年神様の拠り所として鏡餅を飾っています。また、2段に重なっている理由には諸説あり、太陽と月・陽と陰を表していて福が重なる、円満に年を重ねていけるようになどの説があります。

2-1.鏡餅はいつまで飾る?

鏡餅には、いつからいつまで飾るというはっきりとした決まりはありません。地方によって違いがありますが、鏡開きのタイミングで鏡餅を下げます。

「鏡開き」は、正月の間に飾っておいた餅を下げて、おしるこやお雑煮にして食べる行事です。現在は、健康や災厄を願う意味合いが強いですが、もともとはお正月を終えて仕事始めの節目だったといわれています。

関西と関東では、この鏡開きの日が異なります。

関西では、鏡開きを1月20日に行います。これは、旧暦の正月である1月15日までが松の内とされていたためです。

一方、関東では、鏡開きを1月11日に行います。これは、江戸時代の3代将軍徳川家光の命日が4月20日であることから、月命日の20日を避けて鏡開きが行われるようになったためです。

2-2.鏡開きのポイント

鏡開きはなぜ、「開く」と表現するのでしょうか。

武士の時代には、「切る」は「切腹」を意味しており、縁起が良くない言葉とされていました。また、「割る」という言葉もハレの日にはふさわしくないとされ、「開く」という表現が使われることになりました。

そのため、鏡餅を分けるときには、包丁などの刃物は使わず、木槌などで細かくします。餅が硬くなって分けにくい場合には、しばらく水に浸して柔らかくしたり、電子レンジで軽く加熱したりすると、取り分けやすくなります。

また、鏡開きをした餅は、おしるこやお雑煮にして食べられることが多くあります。これには、「神様と同じものを食べることで、神様の力を分け与えていただく」という意味が込められています。神様にお供えした餅や野菜などを使って調理することで、神様から力を分け与えていただくという意味です。

3.お正月に食べたい定番餅料理

お正月に食べるものと聞くと、「おせち」や「餅」が連想されます。おせちは手間がかかるから作らないけれど、餅料理は作るという方も多いのではないでしょうか。そこで、ここでは様々な餅料理をご紹介します。

お正月の餅料理といえば「お雑煮」です。種類は地域によって様々で、「餅を使った汁椀」という共通点はありますが、餅の種類やだし、具材もバリエーション豊かです。

今回は、5つのお雑煮をはじめ、餅を使った定番レシピをご紹介します。切り餅を使って、簡単でおいしくできるものばかりです。

3-1.お雑煮

お雑煮には、地域によってお餅の形や出汁などにさまざまな違いがあります。

もともとは日本全国的に、「丸餅」が使われていました。しかし、丸餅には、ついた餅を一つひとつ手で丸めて作るため、大量には作れないというデメリットがありました。そこで、人口が増えた江戸時代には、ついた餅を平らに伸ばして切り分ける「角餅」が作られました。現在は、東日本では「角餅」、西日本では「丸餅」が多く使われています。

また、東日本ではかつおだしに醤油などで調味した澄まし汁が主流なのに対し、関西では白みそを使う地域が多いです。それぞれの地域の生活、食習慣、名産、文化などに合わせて受け継がれてきたお雑煮について、特徴的なものを紹介します。

庄内雑煮(山形県/東北地方)

庄内雑煮は、醤油仕立てで、餅・野菜・厚揚げ・こんにゃく・わらびなどを煮たお雑煮です。庄内雑煮の1番の特徴は、丸餅を使っていることです。かつて西日本と交易していた名残といわれています。

主な特徴:丸餅・すまし汁・煮る)

菜鶏雑煮(東京都/関東地方)

菜鶏雑煮は、醤油仕立てで、餅・鶏肉・小松菜などの青菜を使ったお雑煮です。「関東雑煮」と呼ばれることもあり、関東圏では多く取り入れられています。しいたけ・なると・大根・里芋を入れる地域もあり、バリエーションが豊かといえるでしょう。

「名を取る」「福を取り入れる」という語呂合わせから、縁起の良い食べ物として受け継がれています。

主な特徴:角餅・すまし汁・焼く)

白みそ雑煮(京都府/関西地方)

白みそ雑煮は、白みそ仕立てで,餅・里芋・金時にんじん・大根などを使ったまろやかなお雑煮です。餅も具材も丸く切ることが特徴で、「物事が丸くおさまるように」「家族が円満でありますように」という意味が込められています。

主な特徴:丸餅・白みそ・煮る)

かき雑煮(広島県/中国地方)

かき雑煮は、牡蠣などの瀬戸内海の海の幸を贅沢に使ったお雑煮です。特に牡蠣は、「福をかきいれる」「賀来」などを表し、縁起が良いものとされています。地域によっては、穴子・ぶり・はまぐりが使われることもあります。魚介類以外にも、鶏肉・大根・にんじん・かまぼこなどを煮て作ります。

主な特徴:丸餅・すまし汁・煮る)

島原具雑煮(長崎県/九州地方)

島原具雑煮は、餅の他に、肉・魚・野菜などさまざまな具材を鍋のように煮込んで作る、島原地方伝統のお雑煮です。栄養バランスも良く、現在では1年中、島原具雑煮を出しているお店もあるほど、地域に根付いています。

主な特徴:丸餅・すまし汁・似る)

3-2.磯辺もち

お餅の定番といえば、海苔を巻いた磯辺もちです。のりの部分を手で持って食べることができ、子どもでも食べやすいお餅です。

【作り方】

  1. 熱した焼き網で、餅を両面焼く。
  2. 醤油を塗り、焼きのりで巻いてできあがり。

3-3.お汁粉

鏡開きの後の食べ方としても一般的な料理が「お汁粉」です。粒が残ったつぶあんと滑らかなこしあんを使った2種類があり、好みが分かれます。ここでは、既製の粒あんを使った簡単レシピを紹介します。

【作り方(二人分)】

  1. 鍋に、粒あん200gと水3/4カップを煮立て、アクをとる。
  2. 6等分して焼いた餅(レンジ加熱でもOK)を1に入れ、弱火で煮る。
  3. 餅が柔らかくなってきたら、塩や醤油で味を調え、できあがり。

3-4.きな粉餅

きな粉餅は、磯辺もちと並び、一度は食べたことのある定番の味です。砂糖や塩の分量でお気に入りの味に調整できるのも魅力の1つです。砂糖を三温糖にすると、味にコクが出ます。また、黒蜜や蜂蜜をかけるのもおすすめです。

【作り方】

  1. きな粉と砂糖を、2:1で合わせておく。
  2. 餅を柔らかくなるまで茹で、1のきな粉をまぶしてできあがり。

※きな粉をまぶす前に、醤油を絡めるのもおすすめです。

3-5.納豆もち

ごはんに合う納豆は、餅とも相性抜群です。納豆には、たんぱく質やビタミンB1が豊富に含まれています。のびる食材同士ですので、食感でも楽しめます。

【作り方(二人分)】

  1. 餅をトースターで焼く。(煮たり、レンジ加熱したりしてもOK)
  2. 納豆に醤油を混ぜ、お好みで小ねぎを加える。
  3. 焼き餅に2をのせて、できあがり。

※お好みで、からしや七味などを加えると、味にアクセントが付きます。

4.お正月は餅の窒息事故に注意

12月から1月は、餅による窒息事故が最も多い時期です。特に、噛む力や飲み込む力が弱くなる65歳以上の高齢者の場合は注意が必要です。また、咀嚼する力が身に付いていない小さい子どもにも気を付けましょう。

  • 自宅で食事をしていた際に、餅をのどに詰まらせて、息が苦しくなった。
  • お雑煮を食べていたら、いきなり苦しそうな様子になり、顔色が蒼白になってしまった。

などの事例も報告されています。以下のポイントに気を付けながら、お餅を食べましょう。

【窒息事故を防ぐポイント】

  • 餅はあらかじめ、一口サイズなど食べやすい大きさにする。
  • 適度に水分補給をし、のどを潤しながら、食べる。
  • ゆっくりよく噛んで食べる。
  • 食事中は歩き回ったり寝転んだりしない。
  • 高齢者や小さい子どもが食事をするときには、飲み込めているか見守る。

5.餅がのどに詰まってしまったら…

食事中に顔色が真っ青になったとき、声を出せないときは、餅がのどに詰まって気道が塞がれている可能性があります。

その場合は、詰まった食べ物を取り除く必要があります。咳をしたり、むせたりしているようであれば、咳をさせ食べ物を吐き出させましょう。咳もできないほど窒息している場合は、背中を叩いて吐き出させる、背部叩打法(はいぶこうだほう)を行いましょう。

餅での窒息事故については、消防庁・消費者庁でも注意を呼びかけています。餅を食べるときには、安全に気を付けながら食べるようにしましょう。

6.お正月はお餅を食べよう!

お正月にお餅を食べる理由や、鏡餅やお雑煮は、日本古来の伝統文化と大きな関係があります。そういった背景を知ることは、伝統を受け継いでいくことにもつながります。

お餅は、いろいろな食べ方が工夫できる食材です。いろいろな地方のお雑煮に挑戦したり、定番レシピに自分なりのアレンジを加えたりするのもおすすめです。また、お正月は餅による窒息事故も増加します。

食べるときにはしっかりと噛んで味わいながら、安全面にも意識しましょう。